カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Masti】 (Kannada)

<<   作成日時 : 2007/05/24 00:23   >>

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 ウペンドラ主演のカンナダ映画。
 このところウペンドラについて語ると、つい愚痴になってしまい、ばつが悪い。たまには気持ちよく「Superb!」と叫びたいのだが、この映画のレヴューも賛否が分かれており、しかもウッピのこのヘアースタイル!
 ぬぬぬ、はたしてこれはどうなることやら、、、。
 (写真下は上映映画館の飾り付け。相変らずド派手だ。)

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【Masti】 (2007 : Kannada)
監督 : Shivamani
出演 : Upendra, Jennifer, Ramesh Bhat, Umashree, Kota Srinivasa Rao, Shashi Kumar, Kishor, Pavitra Lokesh, Mico Nagaraj
音楽 : Guru Kiran
撮影 : Giri
編集 : Shashi Kumar
制作 : Ramu

《あらすじ》
 バンガロールの暗黒街では、マスティ(Upendra)率いる一団と敵対する組織との間で激しい抗争が繰り広げられていた。
 マスティは敵の組に兄を殺されており、また敵の組のボス(Kota Srinivasa Rao)もマスティに弟を殺され、自身も足を切られるという因縁から、抗争は終わりそうにもなかった。
 ある日、マスティの下に、娘を助けて欲しいという依頼が来る。その娘は、あるヤクザのボスのバカ息子に惚れられ、結婚目的で拉致されていたのであった。マスティは早速出向き、力ずくで娘を奪還する。それがきっかけで、その娘ブーミカ(Jennifer)はマスティに恋するようになる。マスティもブーミカのことを意識し始める。
 ブーミカの父は堅気の実業家だったが、ある時、悪徳不動産会社から土地の売却を迫られる。ヤクザからも脅迫され、とうとう父は殺されてしまう。その家族の苦境を知ったマスティは、不動産会社とヤクザに復讐を果たし、土地売却を白紙撤回させる。これ以来、ブーミカは真剣にマスティを愛するようになり、彼に足を洗わせようと考える。
 ある時、マスティの片腕が敵に殺害される。その男には妻や子もいたが、彼女たちが遺体を前に泣き崩れているのを見て、マスティはふとヤクザ稼業に動揺を覚える。
 マスティたちは周到に罠をめぐらし、敵の組を一網打尽にする作戦を遂行していた。マスティは敵の大物を追い込んだが、そこへブーミカが現れ、彼はその大物を取り逃がしてしまう。マスティはブーミカに「お前はオレのことをヒーローだと思っているようだが、オレは単なるヤクザだ!」と言って難詰し、彼女を拒絶する。
 しかしブーミカの愛は本物だった。彼女はマスティの父の許に行き、彼の過去を聞く。
 ・・・
 マスティは、本名はシッダッパジといい、伝統歌謡を歌って生計を立てている両親と共に田舎で平和に暮らしていた。彼の兄のラッチャッパジ(Shashi Kumar)はバンガロールに働きに出、ソーシャルワーカーとして信頼を集めていた。しかし、それを快く思わない政治家やヤクザたちとはいざこざが絶えなかった。
 ある日、ラッチャッパジは、両親やシッダッパジが見ている前で、とうとうヤクザに殺されてしまう。激怒したシッダッパジは、その場でヤクザの一人を殺し、一人の足に切りつける。シッダッパジはその場で逮捕、投獄されてしまう。
 監獄に中では、シッダッパジはヤクザの大物を殺したということで、他のヤクザ連中から尊敬を集める。また、風貌が、かつてシュリランプラムにいたマフィアのドン「マスティ」に似ていたことから、マスティというあだ名が付けられ、ヤクザ連中の協力を得て出所、その後は、あれよと言う間にボスに上りつめていた
 ・・・
 この話を聞いてブーミカは、マスティは悪人ではないと確信する。彼女は未亡人が着る衣装を身にまとい、マスティの前に現れる。
 ブーミカのこの覚悟の強さを知ったマスティは、父やヤクザ仲間からの説得もあって、とうとう足を洗う決心をする。彼は、マスティの名前を捨て、シッダッパジとしてブーミカの許へ駆けつけるのであったが、、、。

   *    *    *    *

 カンナダ映画界で一大トレンドとなっている暗黒街もの。
 しかし、数は作られている割には近頃のヒット作といえば、去年の【Jogi】か今年の【Duniya】ぐらいで、観客もそろそろ辟易しているようだ。
 ヤクザ映画が疎まれる理由の一つは、やはりその暴力シーンで、この映画でも過度の残酷描写が評判を悪くする原因となっている。
 しかし、この作品に限っていうと、ストーリーの軸はマスティが愛する女性のためにヤクザから足を洗うという軟派なものなので、もし暴力シーンが弱ければ、ずいぶんふやけた映画になってしまったであろう。ヤクザ稼業がいかに過酷で、そこから抜け出すのがいかに困難かをじっくり見せておかないと、マスティの心の揺れも浮かび上がって来なかったと思う。
 そんなわけで、私的にはまずまず面白く、ボロクソに言われるものではなかったと思う。

 と言って、特に斬新なものがあるわけでもなく、、、新しいといえばヒーローとヒロインの関係だろうか。
 これまで、ウペンドラの作品といえば、ウッピが激烈な愛をもってワンサイド的にヒロインを攻め立てるというものがほとんどだったが、この作品では激烈愛を見せるのはヒロインのブーミカの方で、マスティは受身に立たされ、目をキョロつかせて動揺する存在だった。ウッピのこういう役柄も珍しいのでは? マスティの内面表現において、ウペンドラが最善の仕事をしたかどうかは意見の分かれるところだと思うが、少なくとも新しい側面を見せていたのは確かだ。
 例えば、マスティがチャイを注文するときに、1杯でいいのに、そのときブーミカのことを考えていたのでつい2杯注文してしまい、2つ持って来たチャイ屋のオヤジに「なんで2つ持って来たんだ?」、「お前さんが2杯注文したんじゃないか」、「ありゃ、オレ、2杯って言ったのか?」なんてやっているところは妙に可愛かった。(ウペンドラに「可愛い」という形容語が相応しいかどうかは別として。)

 と言うことは、相対的にウペンドラの存在感は弱いということで、その通り、この映画でいちばん褒めたいのはヒロインを演じたジェニファーだ。
 彼女は、これまでは中途半端なアイドル女優といった感じだったが、本作ではかなり気合が入っていた。間違いなく株を上げたと思う。

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 もう一人特筆すべきは、マスティと敵対する組織のボスをかなり醜怪に演じていたコータ・シュリーニワーサ・ラーウ。彼はテルグ映画などで実直な父親役を演じているのしか知らなかったので、今回の役柄は興味深かった。

 映画の最後は、ちょっと面白い結末となっているが、それは見てのお楽しみ。
 もう一つ、ウッピのこの新しい髪形であるが、さてさて、皆さんの判断はいかに?

◆ 結語
 【Masthi】は、ウッピのファンなら観ても損はないと思う。しかし、観なかったら損!とも言えないところが辛い。
 上にも書いたとおり、そろそろ飽きられているヤクザ映画であるが、しかし、元をただせば、そのブームを作ったのは他ならぬウペンドラの【Om】(95)だった。となると、このブームに落とし前を付け、新たなトレンドを作り出すのもこの人、ウペンドラに期待したいのだが、皆さんの意見はどうだろうか?

・満足度 : 3.0 / 5
 

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【Kaddipudi】 (Kannada)
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