カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Chiruta】 (Telugu)

<<   作成日時 : 2007/10/24 00:09   >>

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 来た、来た、来た! という感じですね。
 インドの著名な映画俳優または映画関係者の2世、3世がデビューし、活躍するというのは珍しくともなんともないが、テルグ映画界のメガ・スター、チランジーウィの御曹子、ラーム・チャラン・テージャのデビューとあっては、AP州で大騒ぎになるのも無理はない。まだデビューもしないうちから「メガ・パワー・スター」という称号までいただき、ちょっと過熱気味のような気もするが、それだけ期待が大きいのだろう。もちろん、こちらバンガロールではそれほどでもないが、しかし映画館に掛けられた祝辞バナーの数を見ると、やはりただごとではないものを感じる。
 監督は去年【Pokiri】で大ヒットを飛ばしたPuri Jagannath。
 競演陣もスタッフも実力者を揃え、道具立ては揃った、という感じで、さてさて、ラーム・チャランのデビューぶりはいかなるものか?
 (写真上:Ram Charan Teja。)

【Chiruta】 (2007 : Telugu)
物語・監督 : Puri Jagannath
出演 : Ram Charan Teja, Neha Sharma, Ashish Vidyarthi, Prakash Raj, Brahmanandam, M.S.Narayana, Ali, Venu Madhav, Dharmavarapu Subramanyam, Tanikella Bharani, Sayaji Shinde, Surya
音楽 : Mani Sharma
撮影 : Shyam K.Naidu
編集 : Sai Baba
制作 : C.Aswini Dutt

《あらすじ》
 チャラン少年の父はオート・ドライバーだったが、ある晩、ヤクザのマットゥ・バーイ(Ashish Vidyarthi)が惹き起こした殺人事件に巻き込まれ、殺されてしまう。チャランの母も同時に刺されてしまい、病院に運び込まれる。
 チャランの家族・親類は貧乏だったので、母の治療費を捻出するため、叔父(Tanikella Bharani)に言われるままに、チャランはある金持ちの息子が犯した殺人事件の身代わりとして少年刑務所に入ることになる。
 12年の刑期を終え、出所したチャラン(Ram Charan Teja)は叔父から母がすでに死んでいることを聞かされる。
 ある日、チャランはたまたまサンジャナ(Neha Sharma)という女性と出会い、惹かれる。彼女はカルティケーヤン(Prakash Raj)という大富豪の娘だった。
 チャランは、ツアー・ガイドとしてタイのバンコクで働くことになる。そして、たまたま友人とバンコク旅行に来たサンジャナたちのガイドを務めることになる。
 旅行中、サンジャナはビクという悪漢にからまれるが、チャランが救い出す。しかし、ビクはしつこく、サンジャナたちがボート・クルーズをしていた際に再び襲いかかる。チャランはなんとかサンジャナを救い、水上バイクで逃げるが、二人はそのまま無人島に流されてしまう。
 それまで傲慢に振る舞っていたサンジャナだったが、無人島での経緯を通して、チャランを愛するようになる。チャランも彼女を愛していたが、彼は彼女に自分がバンコクへ来た本当の目的を打ち明ける。父を殺したマットゥ・バーイは今や東南アジア一帯で暗躍するマフィアのボスになっており、チャランは彼に復讐するためにバンコクに来たのであった。
 娘が誘拐されたという知らせを聞いたカルティケーヤンはバンコクに急行し、二人が無人島にいることを突き止める。カルティケーヤンは島から娘を連れ出すことに成功し、チャランからも引き離そうとするが、サンジャナは拒否する。そこで、カルティケーヤンはチャランに、娘のことを忘れるなら、お前の母親に会わせてやろう、と申し出る。驚いたことに、チャランの母は生きていたのである、、、。

   *    *    *    *

 写真を見て分かるとおり、かなり男前のラーム・チャランのことだから、ばりばりのロマンス物でもよかったかと思うのだが、やはり一発目はアクションで来ましたか。
 虫けらよりも軽く命を扱われ、お金と交換で刑務所に入れられた男が、どん底から這い上がり、親の敵を討ち、まんまと金持ちの娘まで手に入れるという、これぞ庶民のヒーロー!だった。
 一家のDNAとも言える「眼ヂカラ」はさすがで、アクションもダンスもそつなくこなし、おお!テルグ映画界にもう一人ヒーローが加わったか、と思っていたら、周りにいるアーンドラ人たちからは「Mahesh BabuやNTR Jr、Allu Arjun、Ravi Tejaなどの若手スターたちに比べるとガクッと落ちる」という辛口コメントが返ってきた。
 ふ〜む、競争も激しく、観客の目も肥えているこの茨の道でやっていくには、何か一枚足りないということか。
 「セリフが上手くない」という声も聞く。テルグ語のセリフ廻しに関しては何とも言えないが、チランジーウィの魅力の一つはあの声にあることを考えると、迫力不足なのは確かだ。
 しかし、これが第1作目だし、【Refugee】のアビシェク・バッチャンをはじめとして、情けないデビューをしていながらいつの間にか大物俳優になっていたという例も多いので、ラーム・チャランの前途に関しても憂える必要はないだろう。ただし、できるだけ早い時期に観客の心をがちっと掴むような名作に出てほしいものだ。

 映画はまさに「ラーム・チャランのプローモーション・ビデオ」といった感じだった。
 作品の良し悪しを評価するなら、凡作かとも思われるが、まぁ、ここは堅いことは言わないようにしよう。
 例えば、クライマックスのアクション・シーンなどは、見せ場もツッコミどころも多く、なんとかチャランを活かそうとする気迫が感じられた。
 総じてチャランを中心にシーンが構成されており、あくの強いプラカシュ・ラージも悪玉アシシュ・ウィディヤルティもブルドーザー級のコメディー陣も引き立て役に回っているという感じで、まぁ、コメディー陣に関しては、バンコクで相当夜遊びをなされたなと推察申し上げるほど、いつになく大人しい演技だったが、その中で一人、アリーだけがレディー・ボーイ役で暴走していた。
 引き立て役といえば、ヒロイン役のNeha Sharmaはもっと悲惨だった。金持ちのわがまま娘という設定だったが、そのわがままぶりに観客もずいぶん頭に来ていたようで、チャランが平手打ちを喰らわしたときは館内にどよめきが起きたほどだ。引き立て役というより嫌われ役に近く、なんだかお気の毒だった。
 (写真下:Ram Charan TejaとNeha Sharma。)

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 プロモーションといえば、これはタイの観光プロモーションでもあるのか?と思わせるほど、映画の7割以上がタイでのロケだった。
 水上マーケットや仏教寺院、夜の歓楽街など、ありきたりなスポットだけでなく、島での大規模なロケがこの作品のウリの一つなのだろう。
 近ごろ、東南アジアはインド映画でも人気のロケ地になっており、去年、たまたまバンコクへ行ったときもインド映画の撮影現場に出くわしたほどだ。東南アジア好きの私としてはそれも嬉しい傾向だが、中にはえっ?となるところも多く、例えば今年観たヒンディー映画の【Awarapan】では、香港の「Jumbo」という団体旅行客などがよく連れて行かれる有名な中華レストランが、マフィアたちが集う怪しげなキャバレーという設定になっていて、ずっこけてしまった。
 しかし、そういうずっこけポイントを見つけるのも面白いかもしれない。

 最後に、タイトルの「chiruta」は動物のチーターのことで、これはまたテルグ語で「Chiru(Chiranjeevi)の息子」という意味にもなるらしい。
 ところで、私の感覚では、「Ram Charan Teja」という名前は長すぎて使いにくいし、「Mega Pawer Star」という称号は大げさすぎるし、「Cherry」という愛称はいかにも可愛らしすぎる。
 そこで私は考えた。彼の新しい愛称として、、、、「チル太」。

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 (写真上は映画館に掛かっていたバナーの一つ。チランジーウィの姿があるのはもちろんだが、左上隅になぜかラージクマルの顔が!)

・満足度 : 2.5 / 5
 

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