カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Thulasi】 (Telugu)

<<   作成日時 : 2007/10/29 23:40   >>

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 インドはお祭りシーズンに突入し、これは映画ファンにとっても話題作が集中する楽しい時期である。実際のところ、その中に何本秀作があるかはフタを開けてみないと分からないが、少なくとも看板を見る限り面白そうなものが並んでいる。
 ところが、私の頭の中では話題作がすでに雪崩のように押し寄せて来ているはずなのだが、今のところそんな様子でもなく、どうやら本格的な映画ラッシュは来月のディーパーワリから始まるようだ。
 ただ、テルグ映画界はちょっと早めに仕掛けてきたようで、このウェンカテーシュの【Thulasi】とマヘーシュ・バーブの【Athidhi】がすでに公開されている。まずは【Thulasi】から。

【Thulasi】 (2007 : Telugu)
監督 : Boyapati Srinu
出演 : Venkatesh, Nayantara, Shivaji, Athulith, Ramya Krishna, Vijay Kumar, Ali, Thanikella Bharani, Jaya Prakash Reddy, Ashish Vidyarthi, Raghu Babu, Rahul Dev, Jhansi, Shriya Saran
音楽 : Devi Sri Prasad
制作 : D. Suresh Babu

《あらすじ》
 あるファッション・ショーの会場に悪漢たちが乱入し、ひと悶着起こしているところへトゥラシ(Venkatesh)が現れ、彼らを片付ける。それはファッション・デザイナーのヴァス(Nayantara)のショーであったが、彼女はトゥラシの妻で、二人は故あって別居中だった。
 ・・・
 トゥラシとヴァスは数年前、ヨーロッパ旅行の際に知り合った。旅行中、ヴァスは品のないトゥラシを毛嫌いしていた。彼女は友人の結婚式に参加するために飛行機で移動する予定だったが、乗り遅れてしまう。その原因はトゥラシにもあったので、彼はヴァスを連れて、超特急や車を乗り継いで、なんとか彼女を結婚式に間に合わせる。その珍道中を通して、ヴァスはトゥラシのことを理解するようになり、二人はインドに戻って結婚する。
 ・・・
 トゥラシはヴァスの居場所を探し出し、彼女と同じアパートに部屋を借りる。トゥラシは5歳になる自分の息子、ハルシャ(Athulith)に接近する。ハルシャはすぐに父親になつくようになるが、ヴァスはあからさまにトゥラシに対して嫌悪感を見せていた。
 そんなある日、トゥラシはヴァスとハルシャの目の前で悪漢の一団に襲われ、銃で撃たれて重傷を負う。治療に当たったのはトゥラシの旧知の女医(Ramya Krishna)であったが、彼女はトゥラシの友人になぜ彼が命を狙われているのかを説明する。
 ・・・
 トゥラシはある田舎町の長官の息子であったが、父の一派はいつも反対派の一族と小競り合いをしていた。あるとき、父が侮辱され、長官の職を失いかけたのに爆発したトゥラシは、反対派を懲らしめ、大打撃を与える。反対派はトゥラシや周囲の者に復讐しようとするが、その都度トゥラシが撃退していた。しかし、その暴力に動揺したヴァスはトゥラシに訴え、彼も二度と暴力を使わないことを誓う。だが、息子のハルシャが生まれた直後に、ヴァスの兄(Shivaji)が反対派に殺されたため、再びトゥラシは暴力を使ってしまう。ヴァスはひどく失望し、息子を連れてトゥラシの下を去っていく。
 ・・・
 意識が回復したトゥラシは、けがが完治しないまま、周囲の者が止めるのをよそに病院を飛び出す。彼にはどうしてももう一度、息子ハルシャに会わなければならない理由があったのである、、、。

   *    *    *    *

 いやぁー、しんどい映画だった。
 その疲れた原因はアクション・シーン。
 半分にしてください。

 地方のラウディーの問題を扱った作品で、ラウディー間の抗争のせいで夫婦が別々になってしまうというもの。
 派手な格闘シーンが前面に出たアクション映画であるが、物語の根幹となっているのは父子の絆。それをヒーローのウェンキーが持ち味発揮でこってりと演じた作品だった。

 もうこういう映画は何度も観たような気がする。大規模な回想シーンを2度入れたり、最後まではっきり表に出さない隠しネタがあったりと、筋立てに苦労のあとが見られたが、それさえ新鮮というわけではなく、Boyapati Srinu監督の作品としても前作の【Bhadra】(05)より落ちると思う。

 ウェンキーの熱演ぶりには頭が下がる。まさに彼のために当て書きされたような脚本で、あちこちに「らしさ」が出ていた。
 私、この人の顔に弱く、、、「弱い」というのは「嫌い」という意味でなく、この人懐っこい顔を見ていると、知らず知らずのうちにペースにはまってしまうという意味だ。
 落ち目とも言われているが、なかなか得がたいスターだと思う。
 (写真下:このメガネとシャツでダンスをされた日にゃ…)

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 ヒロインを演じたナヤンターラは、今回は5歳児を持つ母親役で、これが結構、様になっていたのである。彼女はまだ22歳ぐらいのはずだが、年齢詐称では?と思わせる落ち着きと上手さだった。

 ラミャ・クリシュナが特別出演していたのがオールドファン(?)にはうれしかった。この、かつては短い四肢とぽってりした尻できびきびとダンスをこなしていた南インド美女も、すっかりオバサマと化してしまい、「私の好きなオバサマ女優」にランクイン間近である。この映画ではしかし母親役ではなく、女医役に当たったというのは非常に運がよかったと思う。
 (写真下:目元凛々しきレディー・ドクター)

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 前情報では、【Sivaji】でラジニカーントの相手を務めたシュリヤー・サランも出るということだったが、ウェンキーの前作【Aadavari Matalaku Ardhale Verule】ではジェネリアがカメオ出演すると言われながら、見事に裏切られたので、今回も実際に出るまでは信じないことにした。しかし、ダンス・シーン1曲に本当に登場し、得意の「腰はね」をばしばし決めてくれた。そんな生きのいいシュリヤーを見ていると、北インド出身の彼女が南で活躍しているのなら、ディーピカ・パドゥコーネの一人や二人、北にくれてやってもいいような気がしてきた。

 Devi Sri Prasadの音楽は悪くなかったはずだが、なにせアクション・シーンがくどすぎて、音楽シーンは放心状態になるための時間帯だったので、よく覚えていない。

 総じて【Thulasi】は南インド・マサラがてんこ盛りの、お腹がいっぱいになる映画だった。しばらくこういう作品から遠ざかりたいが、そうも言っていられない。あとに【Athidhi】が控えているのである!

・満足度 : 2.5 / 5
 

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