カーヴェリ川長治の南インド映画日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 【Gaja】 (Kannada)

<<   作成日時 : 2008/02/01 02:29   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 4 / コメント 0

画像

 ダルシャン主演のカンナダ映画。
 ダルシャンはこの頃‘Challenging Star’の称号をいただき、カンナダ映画界でも存在感を増しつつあるが、私のスター配置図の中でもランキング上昇中の一人だ。
 もともときりっとした男前でスタイルもよく、立ち回りも様になるというアクション俳優だが、最近作の【Anaatharu】【E Bandana】ではアクション俳優の枠を超えた役柄にも挑戦し、着実に役者としての幅を広げている。(でも、ダンスは下手っぴなんです。)

 ところで、この【Gaja】はラヴィ・テジャ主演のテルグ映画【Bhadra】(05)のリメイク。オリジナルではミーラ・ジャスミンがやっていたヒロインを、これも同じくマラヤラム女優のナヴャ・ナーイルがやっており、それも楽しみの一つだ。

【Gaja】 (2008 : Kannada)
脚本・監督 : K.Madesh
出演 : Darhsan, Navya Nair, Sourav, Devaraj, Predeep Rawat, Subbaraju, Shobharaj, Tejaswini, Komal, Ektha Khosla, Master Hirannaiah, Srinath, Chitra Shenoy, Tharakesh Patel, Lamboo Nagesh, Gopala Gowda, Ashalatha, Satyajith
音楽 : Harikrishna
撮影 : Ramesh Babu
編集 : T.Shashikumar
制作 : D.Suresh Gowda, P.S.Srinivasmurthy

《あらすじ》
 大学生のガジャ(Darhsan)とクリシュナ(Sourav)は無二の親友。クリシュナにはロンドンで留学中のシュウェタ(Navya Nair)という妹がいた。ガジャはあるとき、ビデオでシュウェタの姿を見、一目惚れする。そして、休暇で田舎へ帰るクリシュナにくっ付いて、彼の実家まで行く。シュウェタもロンドンから帰省すると知ったからである。
 だが、しばらくしてガジャは、シュウェタを連れて家に戻って来る。シュウェタは恐怖に凍らんばかりの表情だった。見知らぬ女性の出現にガジャの家族は訝るが、彼はしばらく彼女を家に置いてくれるよう頼む。
 家族はシュウェタを暖かくもてなし、彼女も次第に明るさを取り戻すようになる。
 そんな折に、ある悪漢の一団がバンガロールへやって来る。彼らは執拗にガジャを探し求めていた。悪漢のリーダー(Pradeep Rawat)の弟がガジャに殺されたからである。
 ガジャとシュウェタは打ち解けた関係になり、家族も彼女を受け入れる。しかし、二人の関係を嫌悪した叔父(Lamboo Nagesh)がシュウェタに小切手を渡し、家から出て行くように言う。それを知ったガジャは叔父に激しく抗議する。それを見たシュウェタはガジャの本心を知る。
 ところが、ちょうどそんな時に、ガジャとシュウェタは悪漢に襲撃される。ガジャは悪漢を撃退するが、深追いしすぎて、元の所に戻ったときにはシュウェタの姿はなかった。目撃者の話では、彼女は男に連れて行かれたということだった。
 心配する家族に対して、ガジャはクリシュナの田舎で起こった惨事を語り始める。
・・・クリシュナの兄、デーウェンドラ(Devaraj)はその地方の有力者だった。ガジャはデーウェンドラとその妻のウマーに気に入られ、シュウェタとも仲良くなることができた。クリシュナには初恋の人がいたが、ガジャの働きかけで、二人の縁談も決まる。しばし平和な空気が流れた。
 しかし、デーウェンドラの家族は、敵対する一派と激しい抗争関係にあった。
 ある日、デーウェンドラの家族がお寺でお祭りをしているときに、敵対派のリーダー(Pradeep Rawat)が郎等を率い、総攻撃をかける。デーウェンドラの家族はほぼ皆殺しになる。ガジャはクリシュナとシュウェタを連れて逃げるが、クリシュナも殺されてしまう。それに逆上したガジャはリーダーの弟(Subbaraju)を殺してしまう。
 ガジャは泣き崩れるシュウェタを連れて、なんとかその場を脱出する・・・
 ガジャの話を聞いた家族はうろたえるが、その時、ある男が家に入って来る。その男の後ろにはシュウェタがいた。彼はデーウェンドラの片腕だった男で、なんとか生き延び、やはりシュウェタとガジャを探していたのである。
 ガジャはシュウェタのために航空券を手配し、彼女をロンドンへ戻そうとする。
 彼らは空港へ向かうが、悪漢たちもその後を追う、、、。

   *    *    *    *

 こうして【Gaja】のあらすじを書いてみると、【Bhadra】のストーリーは単純だったんだなぁと今さら気付いた。あの映画を観たときは面白いと思ったが、勢いで見せられてたわけね。
 ところで、【Gaja】は【Bhadra】リメイクだと言っても、【Gaja】の制作サイドは「Bhadra」の「Bha」の字にも触れておらず、オフィシャルサイトには「1998年出版のテルグ語小説から取った」とだけある。
 それが嘘じゃないとしても、しかし、誰がどう見ても、縦から見ても横から見てもスクリーンの裏から見ても、これは完璧に【Bhadra】で、しかも悪役2人は同じ俳優(Pradeep RawatとSubbaraju)を使い、同じ死に方をさせるという念の入ったリメイクぶりなのに、こんなふうに白を切るとは、ぬぬぬ、なんと面の皮の厚い連中だ。(インド映画産業では珍しくない出来事ですが。)

 と、プロデューサーの悪口から始めたものの、しかし、この【Gaja】はリメイク作品として非常によく出来ていた。
 技術的には高レベルで、スピード感あふれる展開はオリジナル以上だった。
 カンナダのアクション映画といえば、ちょっと前までは何かと垢抜けしない印象があったが、この作品を見る限り、最早そうは言えない。テルグ・アクションと肩を並べるところまで来たと思う。(この間観たリメイク作品の【E Bandana】もそうだったが、カンナダ映画の技術力は確実に向上している。)
 監督のK.Madeshはこれが初監督ということだが、あっぱれなものだ。

 ハリクリシュナの音楽もダンスシーンも理屈抜きに楽しめるもので、2時間半たっぷり、ポップコーンでも頬ばりながら眺めたい映画だ。

◆ パフォーマンス面
 ダルシャンはアクション俳優といっても、悲痛な役柄をやることが多く、ガジャのような脳天気な学生役は珍しいほうかもしれない。舌もよく回り、コメディーもこなせていたと思う。

 ナヴャ・ナーイルは、たぶん彼女にすれば普通のパフォーマンスだったかもしれないが、私にすれば、初めてスクリーンでお姿を拝見できて、幸せな一時でした。今回が初カンナダ映画出演らしいが、ぼちぼちこちらにも顔を出してほしいものだ。
 (写真トップ&下:ダルシャンとナヴャ・ナーイル。)

画像

 他の登場人物では、【Bhadra】のプラカシュ・ラージの役はデーヴァラージがやっていた。登場時間は短かったが、相変わらず渋かった。(と、いちいち言及することもないのだが、好きなカンナダ実年俳優の一人なので、触れておきます。)

 さて、オリジナルとリメイクで、同じヒーローを演じたラヴィ・テジャとダルシャンの比較であるが、単純に見て、カッコよさではそりゃもうダルシャンの勝ちでしょう。ただ、ラヴィ・テジャも特異な風貌と高速回転舌、そしてあの毛深さと、忘れようにも忘れがたいインパクトがあり、ここは五分と五分か?
 同じく、ミーラ・ジャスミンとナヴャ・ナーイルのヒロイン対決では、、、そんなん、どっちが勝ってるかなんて、私の口からは言えません。
 強いて言えば、、、どっちも勝ちぃ〜!

 それにしても、ナヴャ・ナーイルといい、ミーラ・ジャスミンといい、ゴーピカといい、プリヤマニといい、ケーララ出身の女優は、ふっくら、まったり、情が深そうで、よろしおますなぁ・・・。
 核戦争で五大陸が吹っ飛んだとしても、インドのケーララ州だけは残してほしいものだ。
 (下:追っ手から逃れるために、ヒロインの手を引き疾走するヒーロー。アクション映画には必須のシーンだ。・・・本当は完璧に車のほうが早いのだが。)

画像

・満足度 : 3.0 / 5
 

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(4件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
【Nam Yajamanru】
 ドクター・ヴィシュヌヴァルダン主演のカンナダ映画。  思い起こせば去年の今頃は、カンナダ映画に秀作・力作が相次ぎ、「おお、これはカンナダ・ルネッサンスか!」と一人騒ぎもしたが、それも春の珍事と終わり、8月以降のカンナダ映画といえば、わずかな佳作を除いて凡作に次ぐ凡作、その不振は今なお続いている。  こうなると頼りになるのはベテランの力、とばかりに、ヴィシュヌ翁とナーガバーラナ監督(有名なベテラン監督らしい)の登場だ。  ヒロインは、我が愛しのナヴャ・ナーイルさんと古典ダンサー兼... ...続きを見る
カーヴェリ川長治の南インド映画日記
2009/03/15 21:13
【Raam】 (Kannada)
 プニート・ラージクマール主演のカンナダ映画。  私の今年1本目の鑑賞作品はこの映画になったわけだが、これとて昨年末のクリスマスに公開されたものだ。どうやら大ヒットとなっているようで、公開1ヶ月を過ぎた今も週末は満員御礼が続き、私もダフ屋チケットを購入しての鑑賞となった。  本作は2008年公開のテルグ映画のヒット作【Ready】のリメイクで、話題としては、国家映画賞受賞女優のプリヤマニがカンナダ映画に初出演していることだろう。  制作は、テルグ人のはずだが、なぜかカンナダ映画界... ...続きを見る
カーヴェリ川長治の南インド映画日記
2010/02/01 02:21
【Porki】 (Kannada)
 テルグ映画のブロックバスター【Pokiri】(06)は、タミル版の【Pokkiri】(07)、ヒンディー版の【Wanted】(09)と順々にリメイクされ、カンナダ版も準備されている、と【Wanted】の項目に記しておいたが、今回紹介する【Porki】がそれ。(「Porki」の意味は、テルグ語の「Pokiri」と同じ、「ならず者」。)  テルグ版オリジナルの【Pokiri】はバンガロールでも上映25週間の大ヒットで、タミル版は「カーヴェリ川問題」によるタミル映画ボイコット運動のせいで... ...続きを見る
カーヴェリ川長治の南インド映画日記
2010/02/10 00:49
【Hudugaru】 (Kannada)
 今回もリメイク作品の紹介となってしまったが、この【Hudugaru】はサムディラカニ監督のヒット・タミル映画【Naadodigal】(09)のカンナダ版リメイク。  【Naadodigal】は【Shambo Shiva Shambo】(10)という題名ですでにテルグ版リメイクが作られている。これはサムディラカニ自身の監督によるもので、ラヴィ・テージャやアッラリ・ナレーシュ、プリヤーマニらを配したマルチスター映画となっている。また、非公認ということらしいが、マラヤーラム版も【Ithu... ...続きを見る
カーヴェリ川長治の南インド映画日記
2011/05/11 02:08

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
【Gaja】 (Kannada) カーヴェリ川長治の南インド映画日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる