カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Ready】 (Telugu)

<<   作成日時 : 2008/07/04 22:34   >>

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 スリーヌ・ヴァイトラ監督、ラームとジェネリア主演のテルグ映画。
 前回アップした【Mere Baap Pehle Aap】で書いたとおり、この映画はジェネリアの最後の南インド作品になるかもしれず、つまりは、サウス・ファンにとっては特別な意味を持つ作品だ。
 といっても、私の予想・予言などほとんど当たった例がなく、今年は阪神タイガースはBクラスに低迷すると予想していたら、いまだに首位を独走しているではないか! (我ながら、よくぞ気象予報士にならなかったものだと思う。)
 そんなわけで、この件でも私はそう悲観的になっておらず、ゲンちゃんもまた来年あたりにひょっこりテルグ映画に出ているのではないかと見ている。(おお、こんな予言をすると、本当に帰って来ないではないか!)

【Ready】 (2008 : Telugu)
脚本・監督 : Srinu Vaitla
物語・台詞 : Gopi Mohan, Kona Venkat
出演 : Ram, Genelia, Nasser, Tanikella Bharani, Chandramohan, Kota Srinivasa Rao, Jayaprakash Reddy, Brahmanandam, Dharmavarapu Subrahmanyam, Sunil, Sudha, Pragathi, Rajitha, Satyakrishnan, Saranya, Vinaya Prakash, Surekhavani, M.S. Narayana, Supreet, Shafi, Srinivasa Reddy, Suman Shetty, Master Barath, Nagababu, Tamanna, Navdeep
音楽 : Devi Sri Prasad
撮影 : Prasad Murella
編集 : M.R. Varma
制作 : Ravi Kishore

《あらすじ》
 ラグパティ(Nasser)は2人の弟と1人の妹、それにそれぞれの配偶者とその子供たちからなる大家族の家長だった。チャンドゥ(Ram)はラグパティの弟・ラーガワ(Tanikella Bharani)の息子で、活動的な大学生だった。
 ラグパティ家では、まさに家長の姪(Tamanna)の結婚式が行われようとしていた。だが、彼女には他に恋人がいたため、チャンドゥは彼女を連れ出し、恋人と結婚させる。この出来事のせいで、チャンドゥはしばらく実家を離れることになる。
 ある日、チャンドゥは友人のために、今まさに結婚式に臨む花嫁を拉致しようとする。しかし、間違えて別の女性を連れ出してしまう。
 その女性はプージャ(Genelia)という名で、米国在住の富裕な実業家の娘だったが、両親が交通事故で死んでしまったため、インドに帰国していた。プージャには2人のおじ、ペッディ・ナーイドゥ(Kota Srinivasa Rao)とチッティ・ナーイドゥ(Jayaprakash Reddy)がいたが、2人はラーヤラシーマ地方の豪族で、財産を巡るトラブルから犬猿の仲だった。2人のおじはプージャに渡るはずの10億ルピーの遺産を狙い、まずペッディ・ナーイドゥが先手を打ち、プージャを強引に自分の息子と結婚させようとしていた。そこへチャンドゥが現れたわけである。
 この願ってもない拉致事件にプージャが喜ぶのも束の間、彼女たちはペッディ・ナーイドゥの手の者に追われる。プージャを取り巻く事情を察したチャンドゥは、彼女を自分の実家に送り、後に自分も実家に戻る。
 プージャはチャンドゥの家族に好意的に受け入れられる。また、ラグパティたちはチャンドゥとプージャが愛し合っていることに気付く。
 そんなある日、ラグパティがプージャをお寺へ連れて行ったとき、たまたま来ていたペッディ・ナーイドゥに見つかり、彼女は連れ戻されてしまう。その後、彼女はチッティ・ナーイドゥの息子に誘拐されるが、チャンドゥが救い出す。
 チャンドゥはプージャを連れて逃げようかとも考えたが、プージャが2人のおじを仲直りさせるのが父の遺志だと告げたため、彼女をおじの家に戻す。そして、2人のおじを仲直りさせ、しかもプージャと結婚するための奇策を考え出す。
 チャンドゥはまず、ナーイドゥ家お抱えの会計監査人、マクダウェル・ムルティ(Brahmanandam)と親しくなり、彼のアシスタントとしてペッディ・ナーイドゥとチッティ・ナーイドゥに接近する。そして、ラグパティら家族のメンバーも総動員して、ある大掛かりな芝居を打つ、、、。

   *    *    *    *

 登場人物の異様に多い、なんともにぎやかで楽しい映画だった。
 鑑賞前はアクション映画かなと予想していたが、どちらかというと(否、完璧に)コメディー映画だった。
 テーマとしては、お金より人間の結び付きのほうが大切だというカワユいものとなっているが、それを問題の当人たちに悟らせるためのプロセスがこの映画の見どころだ。ストーリーの展開は強引で、終わり方も説得的でないように感じられるが、アイデアが面白く、コメディー映画として十分楽しめるものだ。

 スリーヌ・ヴァイトラ監督の作品を初めて観たのは去年の【Dubai Seenu】だったが、そんなにすごいという印象はなかった。しかし、その後、字幕なしDVDで【Dhee】(07)を観て、今回この【Ready】を観て、結構面白い作品を撮る監督だということが分かった。
 凝ったストーリーを上手くまとめる才があるようで、また、アクション・シーンの入れ方・作り方もまずまずだが、何よりも笑いの部分にエネルギーを注ぎ込む人のようだ。アクション・コメディー映画の作り手として、注目すべきだろう。

 この映画に好感が持てたのは、無駄役が少なかったことだ。
 この種のテルグ映画を観ると、脇役・コメディアン・悪役の何人かは顔を出すだけで、無駄になっている場合が多いが、本作は登場人物の多さにもかかわらず、それぞれ何らかの形で配慮されていた。この辺も監督の目配りの良さの現れだろうか。

 スリーヌ・ヴァイトラ監督作品には、よく他映画のパロディー・シーンがあるが、本作でも「Krrish」と「スパイダーマン」が使われていた。
 そういう直接のパロディーだけでなく、登場人物の性格付けでも、チャンドゥのおじ・ラグパティ(Nasser)は強度のNTRのファン、ペッディ・ナーイドゥ(Kota Srinivasa Rao)はクリシュナ(マヘーシュ・バーブのオヤジ)のファンという設定になっており、先代映画人へのオマージュみたいなものが見られた。
 映画監督たるもの、映画好きであるのは当たり前だが、このスリーヌ・ヴァイトラという人もかなりの映画オタクっぽい。

◆ パフォーマンス面
 演技陣では、ジェネリアはNRIという設定で、彼女らしさは出ていたが、出来としては普通だろう。悪くはないのだが、彼女のサヨナラ映画のつもりで観ていた私としては、ちょっと物足りなさが残った。

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 次に、、、ヒーローのラームくんは、なんとかならんかね?
 体も動くし、器用なほうで、それなりに面白いキャラのなのだが、この存在感の希薄さは何だ? 君のせいで、主人公が一番目立っていないという、珍しいテルグ映画になってしまったぞ!
 実力派・個性派揃いのテルグ・ヒーロー陣の中にあって、こりゃ苦戦を強いられそうだ。
 (写真下:RamとBrahmanandam。)

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 コメディー陣で一番目立っていたのは、何と言ってもマクダウェル・ムルティ(!)こと、ブラフマーナンダムで、文句なしだったが、スニールもダルマワラプもMSナーラーヤナも、出番は少ないながら、彼ららしい仕事をしていた。
 スニールによる【Saagara Sangamam】をパロったらしいダンスシーンがあり、短いながら、観客の爆笑を誘っていた。

 助演陣では、一番印象的だったのはラグパティ役のナーサルだった。上にも書いたとおり、NTRの大ファンで、一人芝居のコンテストで2度も金賞を取っているというオヤジを楽しそうに演じていた。
 個人的にはタマンナーに注目していたが、役が小さすぎて、特記事項なし。
 何気にナーガバーブがプージャ(Genelia)の父親役でカメオ出演しており、びっくりした。

◆ 結語
 以上、【Ready】は、作品全体の出来としては、ストーリーが作為的すぎて疑問符も付くが、楽しさ満載の作品だし、ジェネリアの一点だけでも、テルグ映画ファンなら観ておくべきだろう。
 言葉が分からないと後半置いて行かれるので、できれば字幕付きで観たい。

・満足度 : 3.5 / 5
 

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