カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Bombaat】 (Kannada)

<<   作成日時 : 2008/08/23 23:46   >>

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 ガネーシュ主演のカンナダ映画。
 本作の見どころは二つ。
 一つはガネーシュとラミャ(ディヴィヤ・スパンダナ)の共演。ガネーシュは‘ゴールデン・スター’と呼ばれながらも、そう言えばトップ女優との共演はなかった。今回はサンダルウッドの看板女優がお相手ということで、そろそろこういう組み合わせもいいだろう。
 もう一つは、ガネーシュが初めてアクション・ヒーローに挑戦するということ。ガネーシュといえば、「お笑い」であれ「泣き」であれ、ロマンス物のヒーローであったが、今回は南インド映画の王道とも言える本格的なアクション物に足を踏み入れるというわけで、はてさて、その出来やいかに?

【Bombaat】 (2008 : Kannada)
監督 : D. Rajendra Babu
出演 : Ganesh, Ramya, Avinash, Vinaya Prakash, Mukhesh Rishi, Rahul Dev, Gurudutt, Adhi Lokesh, Shobaraj
音楽 : Mano Murthy
撮影 : Shekhar Chandru
制作 : Rockline Venkatesh

《あらすじ》
 シャリニ(Ramya)はアメリカでのMBAの勉強を終え、久々に故郷のバンガロールに帰って来る。彼女はバンガロールの発展ぶりに感嘆するが、路上である男が暴力行為を働いているのを見、憤る。実はシャリニの父(Avinash)はバンガロール警察の警視総監だった。彼女はバンガロールの治安が保たれていないことについて父を非難する。
 シャリニはその後も同じ男が乱暴を働いているのを目撃し、その様子をビデオに収め、父に逮捕するよう訴える。だが、その男、アーナンド(Ganesh)は警察の捜査に協力している非公式のスタッフで、たまたま犯罪者を捕獲する活動をしているところだったのである。娘に難詰されて、父は仕方なくアーナンドを監獄に入れるが、すぐに釈放する。
 アーナンドは母(Vinaya Prakash)と二人暮らしだった。父(Shobaraj)は町でも名うてのヤクザで、彼が殺されたときは町中が大喜びしたほどだった。そのため、母は人目を避けて引き篭もりの生活になり、アーナンドはそんな母のために警察官になることを誓い、日々、警察のために活動していた。
 ある時、パーティーの場でアーディ(Adhi Lokesh)という男がシャリニを見、一目惚れする。アーディの父、ガジェンドラ(Mukhesh Rishi)はマフィアのドンで、二人の弟、ダーサ(Rahul Dev)、グル(Gurudutt)と共に政治家や警察をもコントロールするほどの勢力を持っていた。
 ガジェンドラらは早速警視総監の家へ行き、アーディとシャリニの結婚を強要する。困惑した父はアーナンドに援けを求め、シャリニをしばらく家にかくまってくれるよう依頼する。すでにシャリニに惚れていたアーナンドは一肌脱ぐことにする。
 ほどなく、ガジェンドラたちがアーナンドの家に押し掛けてくる。まともに勝負しては勝ち目がないと見たアーナンドは、知恵を絞り、彼ら三兄弟を仲違いさせ、分断する作戦を考える、、、。

   *    *    *    *

 しかし、凡作に終わってしまった。

 全体としては面白くなりそうなプロットなのに、全然盛り上がって行かなかった。
 失敗の原因ははっきりしている。後半のアーナンド(ガネーシュ)がマフィアを騙し、混乱に陥らせるアイデアがチャチで、あんなことでは警察や政治家も手玉に取るマフィアが騙されるはずがない。
 こういう敵方に密着して罠に嵌めるストーリーは、うまく行けば非常にスリリングで面白い展開になるのだが、本作は肝心なところで努力を欠いたようだ。
 Janardhana Maharshiという人がストーリーを書き、D. Rajendra Babu監督自身も脚本を担当しているオリジナル作品だが、【Happy】(06)や【Dhee】(07)、【Aata】(07)などのテルグ映画のヒット作からパクっているらしい。(【Happy】は未見なので、分からない。)手抜きをしてしまった感は拭えない。
 D. Rajendra Babuは経験豊富なベテラン監督なのだが、【Bindaas】(08)を観たときも感じたが、どうも古臭くて緊張感に欠ける娯楽映画を作ってしまう人のようだ。

◆ パフォーマンス面
 さて、アクション・ヒーローとしてのガネーシュだが、かなり頑張っていて、及第点をあげたい。ただ、彼の背の低さ、四肢の短さはいかんともしがたく、お世辞にもアクションが様になっていたとは言えない。やはりこの人は「スーパー・ヒーロー」タイプではないだろう。
 また、悪役を騙すシーンも、これがアッル・アルジュンやシッダールトなら、嘘か真か観客も騙されてしまうところがあるのだが、ガネーシュの場合は彼のバカ正直なイメージが災いしてか、嫌らしい展開にもって行けなかった。
 そういった意味では、ガネーシュはミスキャストだったか、あるいはガネーシュを使うなら、全然違ったストーリーにすべきだったろう。

 しかし、ラミャは良かった。本作の救いだろう。
 演技が良かったというより、なんだか非常に輝いて見えた。
 ここ2年ほど影が薄かった彼女だが、今年はけっこう当っている。女優として一番油の乗っている時期かもしれず、まぁ、外見的にも油が乗ってきて、寒ブりのような味わいだ。

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 悪役陣は、ムケーシュ・リシ、ラーフル・デーヴと、テルグ映画でお馴染みの2人が出ていたが、悪役というよりコメディーに近かった。どういう訳か知らないが、カンナダ映画ではテルグの悪役はコメディアンとして使われる傾向があるようだ。
 アーディ・ローケーシュは【Sivaji】のラジニカーントの物真似をしていて、ちょっと意外な一面も見せていた。
 その他の脇役では、アーナンドの母親役のヴィナヤ・プラカーシュが印象的だった。

◆ テクニカル面
 音楽シーンはまずまず。マノー・ムールティの音楽は平均的な出来だろう。

◆ 結語
 【Bombaat】は企画倒れの感が否めない話題作で、ラミャとガネーシュが無駄使いになって残念だ。
 強度のラミャのファン(日本人でそんな人は珍しいと思うが)以外、特にオススメしない。

・満足度 : 2.0 / 5
 

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 本作をここで紹介したかった理由は3つ。1つ目は、本作が「スポーツ物」であること。2つ目は、カンナダのベテラン監督だったD・ラージェンドラ・バーブの遺作であること。3つ目は、政治活動と女優業の間で揺れるラミャのとにかく純正ヒロイン作品であること。 ...続きを見る
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