カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Chintakayala Ravi】 (Telugu)

<<   作成日時 : 2008/10/15 20:00   >>

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 ‘ヴィクトリー’ウェンカテーシュ主演のテルグ映画。
 (私ゃ、ウェンキーの冠タイトルが‘Victory’だったとは、今の今まで知らなんだ。)

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【Chintakayala Ravi】 (2008 : Telugu)
脚本・監督 : Yogesh
台詞 : Kona Venkat
出演 : Venkatesh, Anushka, Mamata Mohandas, Lakshmi, Chandramohan, Sayaji Shinde, M.S.Narayana, Chalapati Rao, Venu Thottempudi, Sunil, Brahmanandam, Venu Madhav, Ajay, Srinivasa Reddy, Ganesh, Ali, Raghubabu, Pradeep Shakti, Dharmavarapu Subrahmanyam, Rajeev Kanakala, Nikita, Bharat, Suman Shetty, Arthi Chhabria, NTR Jr.(特別出演), Prakash Raj(ナレーション)
音楽 : Vishal-Shekhar
撮影 : K.Ravindra Babu
編集 : Sreekar Prasad
制作 : Nallamalupu Bujji

《あらすじ》
 チンタカーヤラ・ラヴィ(Venkatesh)はニューヨーク在住のインド人。彼は‘Cyber Wave’というバーでバーテンダーをやっていたが、遠い故郷の家族たちは、なかんずく、息子を溺愛する母のセーシャマンバ(Lakshmi)は、彼がソフトウェア・エンジニアであることを信じて疑わなかった。
 ある日、セーシャマンバは、村の娘、ラヴァンニャ(Mamata Mohandas)とラヴィとの縁談をまとめてしまう。アメリカへ行きたいと考えていたラヴァンニャはすっかり乗り気で、チンタカーヤラ・ラヴィなる男がどんな人物か、アメリカにいる友人のスニータ(Anushka)に調べてくれるよう依頼する。
 ところが、スニータは‘Cyber Wave’なるソフトウェア会社を発見できず、代わりに見出したのはラヴィがバーテンダーであることだった。
 ラヴィは結婚準備のため故郷に戻るが、ラヴァンニャの父(Sayaji Shinde)に侮辱された上、婚約を破棄されてしまう。
 ニューヨークに戻ったラヴィは、腹いせにスニータに嫌がらせをかけ、彼女の縁談もぶち壊してしまう。それにショックを受けたスニータの父(Chalapati Rao)は心臓発作で入院してしまうが、危篤状態のところをラヴィが救う。病院に来ていたスニータは、ある女医からラヴィの過去を聞き、彼が友人(Venu Thottempudi)の手術のために自分の学資をすべて費やし、学業を断念せざるを得なかったことを知る。
 これを機に、スニータはラヴィに対する態度を改め、彼とラヴァンニャをもう一度結び付けようとするが、うまく行かない。ラヴィもスニータのために結婚相手を探そうとするが、これまたうまく行かない。その過程で、二人は相思相愛の仲となり、結婚も考える。
 しかし、ラヴィに命を救われた友人は、インドまで赴き、ラヴァンニャとその家族にラヴィの過去の経緯を説明し、彼が善人であることを証明する。ラヴァンニャたちは再びラヴィとの結婚に同意する。スニータはその事実を知り、ショックを受ける、、、。

   *    *    *    *

 コメディーなので楽しいのは当たり前だが、ほどよくマサラの調合された、実に楽しめる映画だった。
 分かりやすいストーリーにお約束の展開で、奇をてらったヒネリもなく、まさに大船に乗った気持ちで悠々と鑑賞できる作品だった。

 ところが、やや気にかかった点は、前半が軽く小洒落たノリで、こりゃ、ボリウッド映画?とさえ思えたことだ。しかし、後半に入ってからはアクの強さが増し、南インド映画らしくなって、安心した。

 ただ、やはりこの作品がボリウッド映画っぽく感じられたことには客観的な理由があるようだ。
 まず、実際に本作はボリ映画の【Main Prem Ki Diwani Hoon】(03)や【Hum Tum】(04)からいくつかアイデアが取られているらしい。
 映画の7割ぐらいがニューヨーク・ロケだったことも、通常のテルグ物とは違った印象を与える理由だろう。
 しかし、本作がボリっぽくなった最大の理由は、音楽監督がVishal-Shekharだからだと思う。
 Vishal-Shekharといえば、このところShankar-Ehsaan-LoyやPritamと並んで、ボリウッドを代表する売れ筋音楽監督コンビだが、南ではおそらく初めての仕事だろう。やっぱり、日ごろテルグ物で親しんでいるマニ・シャルマやデヴィ・シュリー・プラサドの曲とは違っており、これで映画の雰囲気がずいぶんと変わることになった。(自身の【Om Shanti Om】の旋律も使われていたりして。)
 参考に書いておくと、シッダールト主演の待機作【Konchem Ishtamga Konchem Kashtamga】の音楽監督はShankar-Ehsaan-Loyで、やはりテルグでは初仕事のようだ。しかも、この作品のプロデューサーは本作と同じNallamalupu Bujjiで、この男はトリウッドをボリウッド化しようと企んでいるのか?

◆ パフォーマンス面
 あらすじを読んで分かるとおり、本作はまさにウェンカテーシュのために作られたような映画で、「らしさ」を楽しませてもらった。
 役柄としては【Nuvvu Naaku Nachav】(01)や【Aadavari Matalaku Ardhale Verule】(07)の路線だった。

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                 (写真上:ウェンキー&アヌシュカー)

 ヒロインはアヌシュカーとマムタ・モハンダースだが、私ゃ、どうもアヌシュカーに反応しないので、もっぱらマムタに期待をかけていた。だが、そのマムタもいまいちパッとしなくて、残念だ。村でクリケットをするマムタも悪くはなかったけど。(写真下:マムタ・モハンダース)
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 その代わり、ちらっと出ていたニキタが、いつもは悪漢役なのに本作では堅気役をやっていたアジャイと絡むシーンがあって、それは面白かった。(ちょっと注目のニキタさん。)

 注目すべきは(否、注目したくなくても、目に飛び込んで来るのだが)、アリー演ずるレディー・ボーイのタイ・マッサージ師だ。
 これは完璧に【Chiruta】(07)で見せたオカマ役の続編で、今回はさらに「パタヤ・マッサー」と「プーケット・マッサー」の新技を引っ提げ、よりパワーアップしていた。
 アリーはこの頃オカマづいているので(昔からか?)、こりゃ、またどこかで第3弾があるだろう。

 そして、NTRジュニアもしっかりダンス・シーンで踊っていました! 私は前知識がなかったので驚いたが、皆さま、ネタをばらしてすみません。(ちなみに、女優ではチャブリアがアイテム出演していた。)
 あと、プラカシュ・ラージがナレーターで声の出演をしていたことも書いておく。

◆ 総評
 ウェンカテーシュ演ずるラヴィの「チンタカーヤラ」という風変わりな家族名は、インド料理のサンバルなどに使う「タマリンド」のことらしい。片や、マムタ・モハンダース演ずるラヴァンニャの家族名は「マーミディカーヤラ」で、これは「マンゴー」のことらしい。つまりは、「タマリンド家」と「マンゴー家」の物語だったわけで、インド人は、きっと甘酸っぱいものを感じながら、この映画を観るのだろう。
 そんな田舎くさいイメージとニューヨークのスタイリッシュな雰囲気が同居した、近ごろトレンドなインド・コメディー映画に仕上がっていたと思う。

・満足度 : 3.0 / 5

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内 容 ニックネーム/日時
アリーのレイディ・ボーイですが、"Chirutha"以前にも幾つかオカマ役をやってることは確かです。赤も2枚ほどVCDで持ってますが、恐くて中は見ておりません(ブルブル…)

"Chirutha"のナッチミ役は多分ボリで有名なオカマ俳優ボビー・ダーリンを元ネタにしてるのではないかと思います。サントーシュ・シヴァンの"Navarasa" (2005)という下らないゲージュツ映画にボビー・ダーリンが出てるのを見たことがありますが、アリーのナッチミは間違いなくアーティキュレーションとかそのままの真似でした。

ところで川縁長者さまがちっとも琴線に触れることないと仰るアヌーシュカですが、赤はダンサーとしては注目しております。この映画のダンスナンバーで彼女が踊るのはありましたか?川縁さまの評価やいかに?
赤員外
2008/12/07 12:46
なるほど、アリーのオカマはボビー・ダーリン仕込みでしたか!
思えば、バンコクにあんなレディー・ボーイはいませんからね。
【Navarasa】は見たのですが、まったく思い至りませんでした。
(ああいうのがインド・オカマの典型となるのでしょうか。ヒジュラとはずいぶん違うイメージですが。)

アヌーシュカについては、なぜか琴線に触れないのですが、嫌いだとか、評価していないというわけではありません。
この作品でも彼女のダンスナンバーはありました。
でも、評価となると、、、すんません、ほとんど思い出せません。
カーヴェリ
2008/12/08 00:55
ウェンカテーシュさんの映画初体験です。かっこいいおじさまですね〜。コメディパートはズボンの履き忘れのシーンは可愛かったですし。
作品も面白かったです。
オカマのアリーさん…キモかわ系でしたね。アリーさんのオカマキャラ、少し米良美一さんぽい感じがしました。
白状するとNTRジュニアさんがゲスト出演の映画と言うことで見たのが正直な所です。NTRジュニアさんのダンスのキレ、良かったですね〜。でも、全くウェンカテーシュさんを食うことはなく…。カメラ目線はいつも通りかっこよかったですね。もっとも痩せているNTRジュニアさんなので良かったのかと思います。ふとましい頃だったら主役を食っちゃいますしね。
そのダンス、シヴァージザボスのカーヴェリ川が歌詞にあるダンスをなんとなく感じました。似顔絵の中に本人がいる的なところとか、手の動きとか…。似顔絵も一つ一つ違うあたりがなんとなく。
この映画、私的にはヴェーヌさんが大活躍で楽しい映画でした。
ヴェーヌさんの主演のBhookailasも見ました。本当、アクションも出来て、ダンスは上手いとても器用な方ですよね。ブラフマーナンダムさんが登場する時のSEが「ぃよ〜ぉ!チャン!」と言う歌舞伎の合いの手(?)なので日本人にも馴染みがある気がしますね。どんな意味あいなのかSE担当者はわかっていらっしゃるのか分かって使っているのか気になる所です。その映画最後は夢オチってことなのかしら?2時間弱と比較的短い映画なので上映や放映し易いと思うのですが…。いろんなコメディアンがご出演されていて楽しい映画でした。
ナン
2013/09/02 19:05
>オカマのアリーさん…キモかわ系でしたね。

ときどきオカマやりますね、このお方。

>ヴェーヌさんの主演のBhookailasも見ました。

これも知らんなぁ。

>どんな意味あいなのかSE担当者はわかっていらっしゃるのか分かって使っているのか気になる所です。

完璧に分かってないと思いますよ。
 
カーヴェリ
2013/09/05 01:04
BHOOKAILASはこちらです。
http://youtu.be/QU_ZF68guOA

ウェンカテーシュさんもいいですね〜。AKASAMANTHAの続編みたいなウェンカテーシュさん主演のボディガード見ました。プラカシュラージさんとトリシャさんの父娘でしたからねw。息子が日記を捨てたシーン、そして捨てられた日記を見てそれを許しトリシャさんに電話するのを見て思わず泣いてしまいました。
リメイクのリメイクだそうですね。サルマンカーンさんのボリウッドバージョンが一部アップされていましたが、ウェンカテーシュさんの方が良かった気がしますね。ウェンカテーシュさんは自然な感じでギャグシーンを見ていられますが、サルマンカーンさんは少しぎこちない感じがしたからです。
ヴェーヌさんこちらの映画でも大活躍でしたね。本当、この人憎めないですね〜。
オカマではないですが、女装して潜入したアリーさんよりウェンカテーシュさんの女装の方が可愛かったと思えたのは何故w。ヒゲが見えるとキモイけどw。
ナン
2013/09/05 06:58
BHOOKAILAS、ぜんぶ見てませんが、笑いました。
こんな映画もあったんですね。

>サルマンカーンさんのボリウッドバージョンが一部アップされていましたが、ウェンカテーシュさんの方が良かった気がしますね。

サルマーン・カーンのヒンディー語版「Bodyguard」はあまり出来は良くないんですが、大ヒットしました。
 
カーヴェリ
2013/09/08 02:44
そういえばウェンカテーシュさんのボディガードは、音楽のタマンさんに注目して見た映画でした。ブリンダヴァナムの劇伴を担当されていましたよね。
ブリンダヴァナムの音楽が結構印象深くて良かったので、音楽家に注目してみました。ウェンカテーシュさんのボディガード、テンポがよく感じたのは音楽のせいだったのかもしれませんね。随所にブリンダヴァナムを感じさせるフレーズがあり気持ちよかったですね。
ナン
2013/09/12 09:01
>そういえばウェンカテーシュさんのボディガードは、音楽のタマンさんに注目して見た映画でした。

ほお〜、それはナイスです。
タマンくん、私も注目しています。

>ウェンカテーシュさんのボディガード、テンポがよく感じたのは音楽のせいだったのかもしれませんね。

ウェンキーのボディーガード、見なかったんですが、けっこう良いらしいですね。DVDか何か手に入れて、見てみます。
 
カーヴェリ
2013/09/14 10:18

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