カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Sangama】 (Kannada)

<<   作成日時 : 2008/11/14 01:01   >>

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【Sangama】 (2008 : Kannada)
物語・脚本・監督 : Ravi Varma
出演 : Ganesh, Vedhika, Rangayana Raghu, Komal Kumar, Dharma, Sadhu Kokila, Myna Chandru, Tulasi Shivamani, Jayamma, Yashas
音楽 : Devi Sri Prasad
撮影 : Shekar Chandru
編集 : Suresh Urs
制作 : Sanjay Babu

《あらすじ》
 銀行マンのガジャ(Rangayana Raghu)には一人娘のラッチ(Vedhika)がいた。常の父親と同様、ガジャにとっての最大の課題は、適齢期のラッチに相応しい婿を見つけてやることだった。
 ガジャ家の隣にはバルー(Ganesh)という、ちっぽけな不動産屋を営む青年が住んでいた。ガジャ家のみんなはバルーを愛しており、全幅の信頼を寄せていた。ラッチの婿選びの件でも、バルーはガジャの依頼であれこれ動き回っていた。
 バルーとラッチは幼馴染みだったが、お互い意識しない間柄でもなかった。
 ある時、ラッチは熱を出してしまい、お寺での大切な朝の勤行を行えなくなり、バルーが代わりに行ってやる。それがきかっけで、ラッチはバルーに対して愛情を抱くようになる。
 だが、ある日、ドイツ在住のハンサムなソフトウェア技術者がラッチの見合い相手として登場する。彼はラッチのことを気に入り、婚約が成立する。ガジャ家のみんなは大喜びだった。
 だが、ラッチは一人浮かない。彼女は家族とお寺へ行ったとき、一緒に来ていたバルーに自分の眉間にクムクムを付けさせ、強い意思表示をする。
 バルーは当惑し、ラッチを遠ざける。だが、ラッチは機会を捉えて、自分の愛を彼に伝える。バルーはとうとう切れてしまい、「君の家族の信頼は裏切れない」と叱り付ける。
 翌日、ラッチはバルーに友達の印として金のネックレスを贈る。
 やがて、ラッチの結婚式の日となる、、、。

   *    *    *    *

 明るく楽しいロマンス物で、好感が持てるのだが、ストーリーとかは超平凡で工夫がなく、「新しいものは何もない」と言うのも面倒なほどの作品だった。

 メッセージとしては「信頼は恋愛より尊し」というものだが、この考え方に接するたびに複雑なものを感じていた私も、こう度々こういう映画を見せられると、だんだん洗脳されてきて、ことにそれを表明するのが「カンナダの寅さん」こと、ガネーシュくんと来た日にゃあ、私も「それもそうかなぁ」と説得されないでもないのである。
 非常に家族受けする作品だろう。ことに、ストーリー展開のきっかけとなる場面にことごとく「お寺」を持ってきたというのも、オーソドックスな家族に安心感を与える効果があるだろう。(実際、このお寺のシーンには心和むものがあった。)

 女(ラッチ)が確信犯的に愛を表明し、男(バルー)が義理と人情、ホンネとタテマエの間に板挟みになるという構図は、インド映画でも珍しいものではなく、同じガネーシュの作品でも【Mungaru Male】(06)のような成功例もある。本作は【Mungaru Male】ほどドラマティックではないが、ガネーシュというキャラのおかげで失敗は免れている。ラッチのきっぱりとした態度にも好感が持てる。

 近ごろ、ソフトウェア・エンジニア(特に海外在住の)が袖にされたり、こけにされたりするインド映画をよく見るが、本作もそういう設定だ。この辺、娯楽インド映画というものが誰のために作られているかがよく分かり、面白い。

◆ パフォーマンス面
 前作【Bombaat】ではアクション・ヒーローを演じてこけてしまったガネーシュだが、やはり本作のような役柄はよく似合う。しばらくはこの路線で見てみたい。

 ラッチ役のヴェーディカーはカンナダ映画初出演。これまでタミル映画やテルグ映画に数本出ているが、私は見たことがなかった。
 生まれはムンバイのようだが、家族はマハーラーシュトラ州Solapur(カルナータカ州に近い町)の出身で、実はカンナダ人らしい(こちら参照)。
 本作を観る限り、演技はまだまだかなという感じ。
 ダンスは練習しているようで、けっこうシャープな動きを見せていたので、本作でももっと踊らせてもよかったのではないかと思う。
 (写真上:Ganesh & Vedhika)

 コメディーはコーマルが奮闘している。
 この人、黒光りする太っちょボディーにネチネチっとした芸風でキモチ悪く、私にとって笑える率2割未満のコメディアンなのだが、しかし俳優として腕はなかなかのもの。もっと体を絞って、悪役やセカンド・ヒーローなどもこなせるようになってほしい。
 (写真下:Ganesh & Komal Kumar)

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◆ テクニカル面
 特記すべきは、主にテルグ映画で活躍中のデーヴィ・シュリー・プラサードが音楽を担当していることだろう。カンナダでの初仕事だ。
 一聴してデーヴィ・シュリー・プラサードらしい曲が並んでいる(追記:自身の過去のテルグ作品からの使い回したある)。ただ、残念なことに、音楽のレベルに映像、ダンスのほうが見合っていない。それに、先入観もあって、この音楽に乗って踊っているのがアッル・アルジュンやシッダールトでなく、なんでガネーシュなんだ、とか思っていると、ノリ損ねてしまった。

 監督のラヴィ・ヴァルマも本作が監督デビューということだ。かつてウペンドラの助監督をやっていたという情報もあるが、作風からはまったく想像できない。

◆ 総評
 【Sangama】は、インド人が家族揃ってビスケットなどをかじりながら観るには良い映画。壊滅的なフロップを免れるとしたら、それはガネーシュとデーヴィ・シュリー・プラサードのおかげだろう。暇なときに、「ガネーシュの顔でも見てやるか」ぐらいの気持ちで観るなら、それなりに楽しめるが、忙しいときに観たら、腹が立つかもしれない。

・満足度 : 2.0 / 5

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【Maleyali Jotheyali】 (Kannada)
 ガネーシュ主演、プリータム・グッビ監督のカンナダ映画。  サンダルウッドの‘ゴールデン・スター’とも呼ばれるガネーシュだが、昨年初頭の【Gaalipata】のヒット以来、【Aramane】、【Bombaat】、【Sangama】、【Circus】(09)とヒット作から見放され、黄金は実は金メッキだったかと冷ややかな視線を投げかけられつつある。そこで、‘Golden Movies’なるホーム・プロダクションを立ち上げ、嫁はんのシルパにプロデュースをさせて、出直しを図ったのが本作だ。 ... ...続きを見る
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2009/12/23 01:15
【Kaaviya Thalaivan】 (Tamil)
 詳しい話はしないが、私は学生時代には映画より演劇のほうに強い関心を持っていた。今となっては演劇に対する情熱もそこそこに冷めたが、それでも、インドに来てからも、面白そうな芝居があれば観に出かけるようにしているし、伝統的な舞台パフォーマンス(例えば、カルナータカ州ならヤクシャガーナ等)もできるだけ観るようにしている。 ...続きを見る
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2014/12/03 21:20

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