カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Yodha】 (Kannada)

<<   作成日時 : 2009/07/03 22:15   >>

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 ダルシャン主演、オームプラカシュ・ラオ監督のカンナダ映画。
 【Kannadada Kiran Bedi】の項目でも書いたとおり、オームプラカシュ・ラオといえばメインストリームの娯楽アクション物を得意とする監督で、同じくダルシャンと組んだ【Kalasipalya】(04)、【Ayya】(05)、【Mandya】(06)はヒット作となっている。(すべてヒロインがラクシタというのも興味深いが。)
 題名の「Yodha」は「戦士」という意味で、これに「Born To Fight」という勇ましい副題が付いている。

【Yodha】 (2009 : Kannada)
物語 : Senthir Kumar
脚本・台詞・監督 : N.Omprakash Rao
出演 : Darshan, Nikita, Ashish Vidyarthi, Avinash, Srinivasa Murthy, Rahul Dev, Shobharaj, Sadhu Kokila
音楽 : Hamsalekha
撮影 : K.M.Vishnuvardhana
編集 : Lakshman Reddy
制作 : Rockline Venkatesh

《あらすじ》
 カルナータカ州観光大臣のパティル(Ashish Vidyarthi)がデリーでムスリム系テロリスト(Rahul Dev)に誘拐される。しかしこれは、州首相の座を狙うパティルが選挙で同情票を集めるために仕組んだ狂言誘拐であった。
 そうとは知らぬ治安当局は直ちにラーム大佐(Darshan)をリーダーとする特殊部隊を派遣し、結果、パティルは首尾よく救出される。ラームの目覚しい活躍に感服したパティルは、引き続き彼を自身の警護に当たらせる。
 デリーで共和国記念日の式典が行われているとき、パティルはダンサーのアーシャ(Nikita)に目を付ける。式典の後、パティルはアーシャをレイプしようとするが、それをラームが救い出す。しかしその過程で、彼は誤ってパティルの腹を銃で撃ってしまう。直ちに軍法会議が開かれるが、アーシャの名誉を気遣ったラームは発砲の理由を説明しなかったため、解任される。彼は、家族には解任の事実を伏せたまま、バンガロールの実家に戻る。
 アーシャはバンガロールに戻っていたラームを見つけ、まとわりつく。当初は彼女を無視していたラームも、ほどなく彼女の気持ちを受け入れ、二人の経緯を知った彼の家族もアーシャを受け入れる。
 一方、一命を取りとめたパティルは、ラームに対する復讐のため、バンガロールにいるマフィアのドン、ジャヤラージにラーム殺害を指示する。ジャヤラージとその一味はラームの命を狙うが、ラームはあっさりとジャヤラージを撃ち殺す。パティルは次に、もう一人のドン、コーティマンジャ(Shobharaj)にも同じ依頼をするが、彼もラームに殺害される。
 実は、ラームはかつての上官カリヤッパ(Avinash)から極秘の任務を託されており、バンガロールに潜伏しているテロリストの捕獲とマフィアの掃討のために動いていたのである。
 ある経緯で、パティルがデリーからバンガロールにやって来る。再会したパティルとラームはお互いに挑発し合う。そんな中で、ラームの父(Srinivasa Murthy)がパティルの手下に殺される。ラームは復讐へと動き出す。パティルは再びムスリムのテロリストに誘拐されるが、しかしそれはラームが企てたものだった、、、。

   *    *    *    *

 ダルシャンの去年下半期の作品、【Arjun】と【Navagraha】はあまり感心できるものではなかったが、この【Yodha】はしっかりと作られた、アクション映画らしい映画だった。ストーリー全般とアクション、コメディー、音楽シーンのバランスも良く、安心して鑑賞できた。
 なかなか良い出来なので、オームプラカシュ・ラオもやるじゃん、と思っていたら、タミル映画のヒット作【Bose】(04:Senthir Kumar監督)のリメイクだと分かった。「けっ、またかい!」という気持ちにもなったが、それでもチケット代(50ルピー)以上は優に楽しませてもらえたので、文句はない。

 内容的には、一人のヒーローが悪徳政治家とテロリストとマフィアのドン(2人)をまとめて片付けるという、大掃除映画だ。これがスカッとできないわけがないが、ゴミが多い分だけ、処理にもたつく部分もあり、ストーリー上の難点となっている。もしやタミル語版オリジナルにも同じ問題があったのなら、こちらではなんとかできなかったのかなぁ、と残念な気もする。
 復讐物ということにもなるのだが、ヒーロー(ラーム)の体現している正義感がスケールが大きいだけ、それだけ正義の鉄槌も潔く、残酷で重苦しい後味はない。その点、この間紹介した【Yuvah】のヒーロー像に何が足りなかったかよく分かる。

◆ パフォーマンス面
 要するに、ダルシャンとオームプラカシュ・ラオ監督はお互いをよく理解しているということだろう。ダルシャンは身長が6フィート3インチという大男だが、背丈分ぐらいには大きく見えるヒーロー像だった。
 意外とセリフも上手く、饒舌な役もやるダルシャンだが、やはり本作のように多くを語らず、眉間にしわを寄せて、黙々と銃を撃っているか、殴るか蹴るかしている役柄のほうがカッコいい。(それだけってことじゃないですが。)

 ヒロイン、アーシャ役のニキタには驚いた。驚いた、と言うのは、私はこの映画にニキタが出るとはまったく知らなかったからであり、映画館の看板を見て初めて気付いた。先日、【Dubai Babu】に出ていたばかりなのに、いつの間にこんな映画を撮っていたのだろう。
 彼女のパフォーマンスについても問題なし。演技面でも音楽シーンでも十分な働きだが、コメディー面でも旨みを見せている。
 振り返ってみると、ニキタはこの1年で5本のカンナダ映画に出演しており、うち3本はヒロイン。他にこのピッチでカンナダ映画に出たヒロイン級カンナダ女優はいないと思われるので、実は、ニキタこそが今最も旬の「カンナダ女優」だったのかなぁ、と思ったりもする。
 本作のような活発でコミカルな役を得意とするニキタだが、その反面、年齢に見合った落ち着いた色気も彼女の持ち味だ。もし彼女が引退して、バーのママさんでも始めたら、私、毎晩でも通っちゃうな。
 (写真下:DarshanとNikita。)

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 悪役、脇役陣もそれぞれ持ち味を発揮している。
 唯一残念だったのは、カンナダ映画ではなぜか切れ味の鈍いラーフル・デーヴは、やはり本作でも中途半端な使われ方だった。

◆ テクニカル面
 ハムサレーカの音楽は普通だろう。共和国記念日式典のシーンでで歌われる‘Namma India’は、いかにもインド人ウケする愛国歌だが、良くできている。

 サドゥ・コキラのコメディー・シーンで、彼がニキタ(アーシャ)を女優のラクシタと間違える場面があり、実際に【Kalasipalya】のラクシタの映像が使われている。レギュラー・ファンに対するサービスといったところか。

◆ 余談
 私はこの映画をMajestic地区(Gandhinagar)にある「Bhumika」という映画館で観たのだが、これは以前「States」という名だった映画館が全面改装リニューアル・オープンしたもの。
 「States」はかなりマイナーな作品やポルノ映画などをやっていたマニアックな劇場だったが、それがショッピング・コンプレックスのようなピカピカの建物になり、ダルシャンの映画をかけるようになったとは驚きだ。
 内部もきれいになっているが、やはりマジェスティックの大衆映画館らしく、座席の前後左右の間隔は狭い。できるだけ詰め込め、といった感じだ。また、明らかに設計ミスで、スクリーンの位置が低すぎ、前の人の頭がずいぶん邪魔になる。それで、それを嫌った観客が、映画開始直後にバルコニー席最前列にぞろぞろ移動する有様だった。

◆ 結語
 特殊な理由がない限り、海外通販サイトでDVDを購入してまで観るべき傑作・問題作とは思わないが、娯楽アクション映画ファンなら、現地の映画館でふらっと観るにはいい映画。制作サイドが期待したぐらいの客は集めるだろう。

・満足度 : 3.0 / 5
 

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