カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Rajani】 (Kannada)

<<   作成日時 : 2009/09/29 02:19   >>

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 ウペンドラ主演のカンナダ映画。
 このところリメイク作品続きのウッピーで、ファンからもうんざりの声が聞かれ、私も辛いのだが、残念ながら本作もラヴィ・テジャ主演のテルグ映画【Krishna】(08)のリメイク。実は、ウッピーの前作【Dubai Babu】もラヴィ・テジャ主演映画のリメイクで、たまたま2作続いただけだろうが、「サンダルウッドのリアル・スター」たるもの、特定の俳優の後を追うようなことはほどほどにしてほしい。
 それにしても、ラヴィ・テジャの映画はカルナータカでもウケるようで、最近でもダルシャン主演の【Gaja】(08)(オリジナルは【Bhadra】(05))、スディープ監督・主演の【Veera Madakari】(09)(同、【Vikramarkudu】(06))とリメイクされ、ヒットしている。この【Rajani】もヒットを記録することができるか?(参考に、【Dubai Babu】はフロップだった。)
 本作の特記事項は、アクション監督として有名なスリラー・マンジュが初監督していることで、どれだけ派手なアクション・シーンを見せてくれるか、注目だ。
 なお、本作の公開は9月18日で、ウッピーの誕生日に合わせている。

【Rajani】 (2009 : Kannada)
脚本・監督・アクション : Thriller Manju
出演 : Upendra, Arthi Chabria, Sharath Lohitashwa, Rangayana Raghu, Mukul Dev, Doddanna, Ramesh Bhat, Thulasi Shivamani, Chitra Shenoy, Sadhu Kokila, Bullet Prakash, Dhandapani, Mandya Ramesh, Ramakrishna, Satyajith
音楽 : Hamsalekha
撮影 : R.Janardhana.Babu
編集 : Govardhan
制作 : Ramu

《あらすじ》
 マイソールに暮らすラジャニ(Upendra)は有能なソフトウェア技術者だが、友人に自分の職を譲ってやるほどのお人よしで、目下無職だった。兄夫婦(Ramesh Bhat & Thulasi Shivamani)の家に居候していたが、兄にとっては頭痛の種の弟だった。
 ダシャラ祭の折に、ラジャニはチャームンデーシュワリ寺院に参拝に来ていたサンディヤ(Arthi Chabria)を目撃し、一目惚れする。彼女はバンガロールに暮らす大学生だが、見物のためにマイソールにやって来、兄のベイビー(Rangayana Raghu)の家に滞在していた。ラジャニにつきまとわれて、鬱陶しく思ったサンディヤは、彼にデタラメの電話番号を教える。しかし、たまたまそれは地元の豪族、ランカ・ラージュ(Dhandapani)の家の電話番号だったため、ラジャニの家族は思わぬ騒動に巻き込まれる。
 ラジャニは、ベイビーの家の2階に下宿していた男を追い出し、兄家族と共にその部屋に引っ越す。サンディヤと同じ家屋に暮らすことになったラジャニは、早速彼女に愛の告白をする。サンディヤも次第に彼に関心を示すようになる。しかし、ある日、サンディヤはラジャニに挨拶もせず、バンガロールの実家に帰ってしまう。
 実は、サンディヤはバンガロールのラウディー、シャーラト(Sharath Lohitashwa)の妹だった。シャーラトは、目下服役中のヤクザ、ジャッカ(Mukul Dev)の一味と激しく敵対していた。それというのも、ジャッカはシャーラトの友人を殺害した上、あろうことかサンディヤに惚れ、プロポーズしていたからである。ジャッカの叔父(Doddanna)は甥のためにサンディヤを拉致しようとしていたが、シャーラトは妹に指一本触れさせない構えだった。
 ラジャニはベイビーにサンディヤの実家の住所を尋ねるが、ベイビーは兄のシャーラトを恐れて教えない。しかし、ベイビーはラジャニに弱みを握られてしまい、仕方なしに彼をバンガロールの実家まで連れて行く。ラジャニは客人としてシャーラトの家に滞在し、シャーラトにも気に入られ、サンディヤとの仲も進展する。
 ある日、ラジャニとサンディヤが買い物に出かけたとき、ジャッカの一味に襲撃される。二人の関係を知ったシャーラトは、ラジャニにジャッカとの経緯を話し、妹に手を出さないよう忠告する。しかしラジャニは、サンディヤをジャッカの魔の手から救い、彼女と結婚するための策を考える。
 やがて、ジャッカの釈放の日となる、、、。

   *    *    *    *

 変なところで躊躇せず、思い切りよくやってくれた感じで、鑑賞後、久々にビールが飲みたくなった映画だ。特にコメディーとアクションがふっ切れている。
 リメイクとしてはオリジナルに忠実なクローン・コピーで、特に工夫はない。しかし、【Krishna】自体が、「こんなに何遍も似たような映画見せられて、飽きまへんか?」とテルグの大衆に問いたくなるような内容でありながら、ラヴィ・テジャの気味が悪いほどのエナジーにブラフマナンダムらの技ありコメディー、そして派手なアクションと、満足度の高い娯楽作品になっており、この【Rajani】もその勢いと面白さは保持している。ウッピーの前作で、同じくラヴィ・テジャ作品のリメイク【Dubai Babu】は、どことなくお行儀よく作られ、その分勢いが乏しい感じで、それに観客も反応したのか、ヒットには結びつかなかった。しかし、その点では本作は大丈夫だろう。(と言いながら、私は作品としては【Dubai Babu】のほうが気に入っている。サローニちゃんが出ているからかな?)

 アクション監督のスリラー・マンジュがメガホンを取るということで、期待するところはあった。というのも、こういう「けれん」部門で仕事してきた人なら、文学的要素にあまり頼らない、知覚的に楽しい映画を作ってくれるのでは、と思っていたからだが(それがカンナダ映画の弱い部分でもあるし)、その点では期待に応えてくれた。ただ、見せ場のアクション・シーンはややくどく、オリジナルほどのキレはなかった気もするが、まずは合格点としておこう。
 こうなると、スリラー・マンジュの第2作も観てみたいので、そのためにもぜひ本作はヒットしてほしい。
 
 物語の舞台となっているのは、オリジナルではウィジャヤワダとハイダラーバード、リメイクではマイソールとバンガロールだった。
 ヒーローとヒロインが出会うのは、それぞれウィジャヤワダのドゥルガー寺院、マイソールのチャームンデーシュワリ寺院で、どちらもダシャラ祭の時期という設定になっている。こういう寺院・お祭りの見比べができるのも、リメイク作品鑑賞の楽しみの一つだ。

◆ パフォーマンス面
 ウペンドラは演技にもアクションにもダンスにも気合いを入れている。
 しかし、気にかかったのは(【Krishna】を観た人は同じ感想を持つと思うが)、演技面でどうもラヴィ・テジャの真似をしているような部分があり、それが本来のウペンドラらしい部分から浮いていた。上にも書いたが、「サンダルウッドのリアル・スター」たるもの、たとえ2秒たりとも「サンダルウッドのラヴィ・テジャ」みたいになってはいかんと思う。

 同じことは、コメディー担当のランガーヤナ・ラグ(ベイビー役)についても言える。これはオリジナルではブラフマナンダムがやっていた役だが、本来のランガーヤナ・ラグとブラフマナンダムの芸風の間で揺れていた。
 この点では、ドッダンナ(ジャッカの叔父役)とサドゥー・コキラ、ビュレット・プラカシュはOKだった。

 ヒロインのアールティ・チャブリヤはまずまず。
 間違いなく美人なのだが、どちらかというとモデル向きの容姿で、女優としてはあまり面白みがないようだ。
 ボリウッド女優ということになるが、南にも時おり出ており、最近作では【Chintakayala Ravi】(08:Telugu)の音楽シーンでNTRジュニアとダンスをしていた。
 意外なことに、カンナダ映画には過去2作、【Aham Premasmi】(05:ラヴィチャンドラン監督)と【Santha】(07:シヴァラージクマル主演)に出演しており、カルナータカでの知名度は高いようだ。
 (写真トップ:UpendraとArthi Chabria。)

 脇役陣では、サンディヤの兄、シャーラト役のシャーラト・ローヒッターシュワが渋い。
 マイソールの地元の豪族を演じていたのは、タミル映画【Kaadhal】(04)でヒロインの父をやっていたDhandapani。これはオリジナルでも同じだった。相変わらず、ぼこぼこした顔の皮膚は迫力だ。
 もう一人オリジナルと同じ配役だったのは、敵役、ジャッカを演じたムクル・デーヴ。またまたボリウッドからやって来た男前系の悪役だ。よく知らないのだが、どうやらこの人はトリウッドでも有名なラーフル・デーヴと兄弟らしい。
 (写真下:左がMukul Dev。Rahul Devと。)

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◆ テクニカル面
 ハムサレーカの音楽は、私は平凡だと感じたが、ヒットはしているようだ。
 音楽シーンの映像は良かったり悪かったり。

◆ 結語
 【Rajani】は、アクション・コメディーとして十分楽しめる映画だが、オリジナルに比べるとやや見劣りするので、ウペンドラのファンでもない限り、すでにDVDの出ている【Krishna】を観ておけば十分かなぁ、という気はする。
 ウッピーのファンとしては、ここで満足はせず、待機作の【Srimathi】(奥方プリヤンカとの共演作!)やウッピー自身の監督作(!)を味わうための前菜と考えよう。

・満足度 : 2.5 / 5
 

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