カーヴェリ川長治の南インド映画日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 【Jagan Mogini】 (Tamil)

<<   作成日時 : 2009/10/24 02:21   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 2

 今年もドンパチと騒々しく祝われたディーパーワリ祭であったが、南インド映画界のほうは花火大会とまではいかないようだ。話題作といえば、マラヤーラム映画界は超大型台風クラスの【Pazhassi Raja】を持って来たが、カンナダ映画界は地味な作品2本のみ、テルグ映画界はたぶんゼロ(タミル語とのバイリンガル作品を除く)と、やや肩透かしの感がある。そんな中で積極的に話題作を揃えて来たのがタミル映画界で、K・S・ラヴィクマール監督、スーリヤ主演の【Aadhavan】、ジェイヤム・ラヴィ主演の【Peranmai】、ナミター主演の【Jagan Mogini】と、賑やかなラインナップだ。
 それらはすべて鑑賞して、このブログにも鑑賞記をアップしていくつもりであるが、まずは非常に気にかかっていた【Jagan Mogini】から。これは1978年に制作されたテルグ映画の大ヒット作、【Jaganmohini】(B. Vittalacharya監督、Jayamalini主演)のリメイク。グラフィックスを活用したホラー・コメディーのようで、予告編を見る限りかなり面白そうで、傑作B級映画の登場か!と期待を抱かせるものがあった。

画像

【Jagan Mogini】 (2009 : Tamil)
脚本・監督・撮影 : N.K. Vishwanathan
出演 : Namitha, Raja, Nila (Meera Chopra), Kota Srinivasa Rao, Riyaz Khan, Narasimha Raju, Yuvarani, Jyothi Lakshmi, Vadivelu, Bala Singh, Alex
音楽 : Illayaraja
編集 : Suresh Urs
制作 : H. Murali

《あらすじ》
 パチャイテーウの王子・ジャガン(ジャガタラプラダパン:Raja)は、海賊を操る邪悪なサンガテーウの王子・インドラジート(Riyaz Khan)を成敗しようとするが、海に落ちて溺れてしまう。彼は近隣に住む漁師の娘・モヒニ(Namitha)に命を救われる。すぐさま二人は恋に落ち、結婚を決意する。
 ジャガンはパレスに戻るが、王と王妃(Narasimha Raju & Yuvarani)はジャガンのために従妹のアラグ・ナチヤール(Nila)との結婚を決めていた。ジャガンは両親にモヒニのことを打ち明けるが、漁師の娘との結婚を嫌った両親は、刺客を送ってモヒニを殺害する。
 ほどなくジャガンとアラグの婚約式が行われようとするが、そこへ怪物と化したモヒニの霊が現れ、妨害する。その場はバラモン僧のシダール(Kota Srinivasa Rao)が取り鎮め、事なきを得る。王たちはシダールに感謝するが、実はシダールは邪悪な妖術師であった。彼は全能を手に入れるために、ジャガンを生贄として神に捧げようとしており、裏ではインドラジートらと結び付いていた。
 モヒニの霊がパレスに現れ、ジャガンを誘惑する。それを目撃したアラグは嫉妬する。彼女はシダールの力を借り、モヒニの力を制限する。
 シダールとインドラジートはジャガンの命を狙うが、それを知ったモヒニがジャガンを救う。しかし、彼女はシダールの妖術により、木の中に封印されてしまう。
 インドラジートはジャガンを誘拐し、殺そうとする。今やシダールの陰謀を知ったアラグは、悔い改めて、女神に祈願を捧げる。ここにジャガンとインドラジート、モヒニとシダールの間で壮絶な戦いが始まる、、、。

   *    *    *    *

 いやはや、「どこまで期待を裏切ってくれるねん」と、天を仰いでしまう映画だった。否、平坦な脚本、学芸会クラスの演技、一向に効果の上がらないグラフィックスと、もはや映画の体をさえなしていなかった。
 間違いなく傑作B級映画の出現、と予想したのだが、ここまで落ちると怒る気もせず、、、かえって晴れ晴れとした気分です、皆さん!

 長い人生、こんなこともあるさ。

 面白いプロットのはずなのに、どうして面白くならなかったのか、もう分析はしないことにするが、、、一つだけ言っておくと、スタイルが古い。オリジナルの【Jaganmohini】は30年前の作品とはいえ、その現代版リメイクであるはずの本作は、どうさばを読んでも15年前に作られた映画としか思えない。それでも、90年代中盤に作られた【Manichitrathazhu】(93)や【Ammoru】(95)などの名作に比べると、古ぼけた感じがする。
 まぁ、レトロな線を狙ったのが悪いとは言わないが、ここまで寝ぼけたストーリー展開とちゃちなグラフィックスだと、子供さえ喜ばないだろう。

 私にとって、ナミター主演の映画では【Indira Vizha】(09)に続く轟沈映画になってしまったわけだが、決してナミターが悪いわけではない。彼女は本当によく頑張っていたと思う。ただ、脚本と監督が悪すぎて、ナミターの献身を以ってしても作品を救えなかったということだろう。
 テルグ映画【Arundhati】(09)の大ヒットが【Jagan Mogini】の追い風となって、ナミターもトップ女優の仲間入り、となるはずだったのだが、かえって「フロップの女王」、「駄作のナミター」という方向に評価が傾く結果になったんじゃないだろうか。
 なんとかしてやってくれ〜。

 私の意見では、この映画を観るために100円以上のお金を使うのは勿体ない話なので、ネットで違法ダウンロードして観るか、YouTubeでトレーラーだけ観ておくか、または観ないか、にすることをお勧めする。
 とは言うものの、グラフィックスのイメージのいくつかは面白かったし、ナミターの熱意とコータの奇妙な悪役は評価できるし、最後は神様映画ふうのノリになったりして、見どころがないわけではない。
 それに、世界のD級映画を観ることに生き甲斐を感じている人もいるだろうし、そもそも南インド映画を嗜む日本人というのは独特の感性をお持ちの方も多いので、そういう人ならこの映画の面白さを発見できるかもしれない。

画像

 さわやかな笑顔を見せるラージャくん。映画の薄っぺらさに比例して、君も影が薄かったぞ。

画像

 私もこんなふうにナミターの上に乗りかかりたいとは思わないが、そうしたらそうしたで、ふかふかして気持ちがいいんだろうなぁ。

画像

 王子と王女(Meera Chopra)。このスチールを見る限り、ファンタスティックな時代活劇を期待してしまうのだが。

画像

 こんな映画でも、さすがに上手いところを見せたコータ。

画像

 こんな、【Magadheera】を連想させる格闘シーンもあるのだが。(RajaとRiyaz Khan。)

画像

 「あら、アタシがフロップの女王ってか? 気にしない、気にしない。だって、明日があるもん」と、いたって気楽なナミターであった。

・満足度 : 1.5 / 5
 

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ご苦労様でした。

あたしは世界はともかくインドのD級映画を見るのが大好きな男ですから、退職して隠居生活に入ったら一度は見てみようと思います。そのうえで他のファンには「かなりイタイからもうちょっと惚けてから見た方がいい」とか警告を発したいと思います(笑

それにしてもインド映画では、袖にされたヒロインが憤死して悪霊となって祟りなすという設定が、たまさかあるような気がしません?ちょっとHな美女悪霊ってのはけっこうソソられるんですが、この映画ナミーの熱演をもってしても駄目だったですかね。
メタ坊
2009/10/26 07:12
>退職して隠居生活に入ったら一度は見てみようと思います。

そんなぁ〜、ずいぶん先の話じゃないですか。
現役のうちに見てくださいよ。

>それにしてもインド映画では、袖にされたヒロインが憤死して悪霊となって祟りなすという設定が、たまさかあるような気がしません?ちょっとHな美女悪霊ってのはけっこうソソられるんですが、

おお、そうだったんですか!
美女の悪霊というのは萌えツボなので、いろいろと見てみたいです。

>この映画ナミーの熱演をもってしても駄目だったですかね。

そこら辺りを、他の鑑賞者の感想を聞きたいと思っているんです。
しかし、この映画は他の駄作と比べて、簡単に捨て去ることができないような気もするので、やっぱり傑作D級映画なのかなぁ・・・。
 
カーヴェリ
2009/10/26 21:28

コメントする help

ニックネーム
本 文
【Jagan Mogini】 (Tamil) カーヴェリ川長治の南インド映画日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる