カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Kanden Kadhalai】 (Tamil)

<<   作成日時 : 2009/11/12 03:34   >>

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 本作品はヒンディー映画のブロックバスター【Jab We Met】(07:Imtiaz Ali監督,Shahid Kapoor,Kareena Kapoor主演)のタミル語版リメイクとあって、早くから話題となっていた。もちろん、【Jab We Met】のリメイクということだけでも話題性は十分だが、カリーナー・カプールの役をタマンナーがやるということで、さらに期待に拍車が掛かっていた。
 【Jab We Met】を観て、いたく感銘は受けたものの、カリーナー・カプールをやや苦手とする私としては、【Jab We Met】の翻案と言われる【Sasirekha Parinayam】(09:Telugu)を観たときは、「やっぱ、このヒロインはジェネリアでしょう」と気分がスッキリしたものだ。それを、今回は「あなたと私の珠ちゃん」がやるということなら、これまたフレッシュなヒロイン像を見せてくれそうで、非常に楽しみだった。

【Kanden Kadhalai】 (2009 : Tamil)
物語 : Imtiaz Ali
脚本・監督 : R. Kannan
台詞 : Pattukottai Prabhakar
出演 : Bharath, Tamannaah, Munna, Santhanam, Ravichandran, Nizhalgal Ravi, Sapan Saran, Sudha, Azhagam Perumal, Manobala, Shammu
音楽 : Vidyasagar
撮影 : P.G. Muthaiah
編集 : Kola Bhaskar
制作 : V.M. Lalitha

《あらすじ》
 父の死後、大企業ラージャシェーカル・グループの経営を受け継いだシャクティ(Bharath)は、会社の問題、母の問題、さらには自身の失恋問題が重なって、すっかり鬱状態となり、すべてから逃れるために、行き先も分からぬ列車に乗り込む。しかし、その列車に快活で饒舌なアンジャリー(Tamannaah)という女性が乗って来る。彼女はシャクティにいろいろと話しかけるが、彼は茫然としたままだった。
 深夜の途中停車駅で、シャクティがいないことに気付いたアンジャリーは、心配のあまり下車して彼を探す。しかし、そのせいで彼女は列車に乗り遅れる。責任を感じたシャクティは、タクシーを使ってアンジャリーを次の停車駅まで運ぶ。二人はなんとか列車に間に合うが、水を買っているうちに、アンジャリーはまたもや乗り遅れてしまう。
 仕方なしに二人は、駅近くの連れ込み宿で夜を明かすことにする。その一室でアンジャリーはシャクティの悩みを聞き、彼を励ます。シャクティもアンジャリーに心を開くようになる。だが、その宿に警察の手入れが入り、二人は宿を飛び出す結果となる。
 アンジャリーはチェンナイから故郷のテーニに帰省するところだった。シャクティはバスで彼女をテーニまで連れて行く。テーニでシャクティはアンジャリーの家族から思わぬ歓迎を受け、しばらく滞在することになる。
 アンジャリーの両親は彼女を親類の男(Santhanam)と結婚させようとしていた。実は、アンジャリーは恋人のガウタム(Munna)と結婚するつもりだったので、この縁談はまったく歓迎できないものだった。彼女はシャクティと共に夜中に家を抜け出すが、その過程で妹のロージャ(Sapan Saran)に見つかってしまい、家中大騒ぎとなる。
 アンジャリーとシャクティは、ガウタムのいるウーティに到着する。シャクティはアンジャリーに愛着を感じつつも、手を振り、別れを告げ、チェンナイに戻る。
 アンジャリーに元気をもらったシャクティは、別人のように会社経営に精を出す。会社の新規事業で携帯電話用SIMカードを発売した際に、彼はそのカードに「アンジャリー」という名前を付ける。だが、そのテレビCMを見ていたロージャがシャクティの正体に気付く。アンジャリーがシャクティと駆け落ちしたと思い込んでいた彼女の家族は、会社を訪れ、シャクティを問い詰める。だが、その結果、シャクティもアンジャリーが夜逃げの日以来9ヶ月も音信普通だったことを知る。シャクティは、家族に必ずアンジャリーをテーニに連れて行くと約束する。
 シャクティはウーティまで赴き、ガウタムを探し出す。ところが、驚いたことに、ガウタムはアンジャリーと会ったものの、彼女を受け入れなかったことが分かる。アンジャリーの行方はガウタムも知らなかった。シャクティは何の手掛かりもないまま、アンジャリーを探し始める、、、。

   *    *    *    *

 と、中途半端なところであらすじを止めてしまったが、ストーリー的には【Jab We Met】を忠実になぞっている。(続きが気になるお方は、『これでインディア』の当該映画評参照。)
 リメイクとしてはまずまず良くできていて、【Jab We Met】を観ていない人はもちろん、観た人も楽しめるだろう。
 まぁ、本作のヒロインにタマンナーを持って来たということだけで、9割がた成功が約束されたようなものだが、その通り、タマちゃんは言葉には表現できないほど可愛らしく、映画の魅力の核心的な部分を支えている。
 もともとタマンナーという女優は、天然ボケ系のコミカルな役もセンティメンタルな役もどちらも得意としているので、【Jab We Met】のギート役はお誂え向きなのだが、なにせ難しい役柄ということもあって、心配していたファンも多いだろう。しかしその点では、彼女の演技力そのものが一段アップしているようで、難なくアンジャリー役をこなしていた。
 オリジナルとの比較では、カリーナー・カプールの鼻息が飛んで来そうなほどの攻撃的な活発さに対して、タマちゃんのほうは若葉のような初々しさと柔らかさで見せたようだ。吹き替え声優(Chinmayiという人らしい)の声が可愛らしかったのも成功の要因だろう。
 (写真下:黒いサリーを着ても春風のように爽やかなタマちゃん。やっぱり白い!)

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 ロードムービーとして、【Jab We Met】では北インドのかなりの広範囲を移動していたように記憶しているが、この【Kanden Kadhalai】ではチェンナイ、テーニ、ウーティ、クーヌールと、タミル・ナードゥ州内に限っていた。風景としてはきれいにカメラに収められている。
 お人よしで、ざっくばらんで、早とちりなヒロインの家族は、オリジナルではパンジャーブ州のスィク教徒だったが、リメイクではタミル・ナードゥ州南部、テーニの田舎のヒンドゥー教徒の大家族だった。こういう置き換えによるテイストの違いが味わえるのも、インドのリメイク映画を観る楽しみの一つだろう。
 本作はストーリーもテーマもオリジナルに即しているが、タミル・テイストも加えられているということだ。その一例がサンタナム(アンジャリーに逃げられる親類の役)によるコメディー。オリジナルにはないコメディー展開なのだが、私の感触では、かなり作品のムードを壊しているかなぁ、とも思える。しかし、レビューのほとんどは好意的に評価しており、つまりはこういう味付けがないとタミル映画とは見なされないということだろう。

◆ パフォーマンス面
 オリジナルのシャーヒド・カプールの役を演じたのはバラト。まずはタマンナーのことばかり書き、バラトのバの字も触れて来なかったが、彼の演技も注目点の一つだった。
 田舎者や下町の貧しい若者の役をやることが多いバラトだが、今回は洗練された大企業の青年実業家の役。(下は早くに公開されて話題を呼んだスチール。)

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 聞くと笑えなくもないが、特に違和感もなく、まずまず上手く演じていた。
 もっと彼にダンスをさせてもよかったと思う。

 タマちゃんのことは上に書いたので、脇役陣に移ると、、、
 サンタナムのコメディーは基本的にOK。この人は本当に人気を確立しているようで、どの映画でも登場すると拍手が起きる。
 ガウタム(アンジャリーの恋人、後に振られ役)を演じたのはムンナー。本作ではちょっと可愛そうな役回りだったが、この人はどうやらマニ・ラトナム監督の【Raavana】(タミル語版のほう)にも出演するらしく、そちらで活躍していただこう。
 (写真下:Munna(左)とSanthanam。アンジャリーに足蹴にされて、不景気な二人。)

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 アンジャリーの義妹、ロージャを演じたのはSapan Saranという人。なんだか決まらない田舎娘の役だったが、この人は実は北インド出身のモデルで、テレビCMでよく姿は拝見している。(下:Audio Launchのギャラリーより。)

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 この写真を見ると、なるほどモデルなんだなぁという気もする。南インドの田舎娘役をやったのが間違いなのだろう。

◆ テクニカル面
 ヴィディヤサーガルの音楽と音楽シーンはなぜかぴたっと来るものがなく、イマイチだったのでは? これはオリジナルに水をあけられている点だろう。

 実は、【Jab We Met】でカリーナー・カプールが着ていた衣装が可愛いということで、若い女の子たちの注目を集めたものだが、リメイク版でもタマンナーの衣装やヘアスタイルは可愛かった(ただし、オリジナルのコピーだという声もあり)。

◆ 結語
 【Kanden Kadhalai】は、映画作品そのものとしても面白いものだが、良いリメイク作品の例としても興味深く鑑賞できる。タマンナーの魅力もあり、【Jab We Met】を観た方にもお勧めしたい。

・満足度 : 3.5 / 5
 

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
お珠ちゃんに言及するとき川縁さんの筆(キーボードを叩く指?)がうきうき踊ってるのがよく分かりますよ(笑

いやはや、このスチル写真も並大抵でなくきゃわいい…おっさんを萌えの地獄に突き落とすにはじゅうぶんですな。

タミルはしばらくはナミー&タミーの絶頂期がつづくのかな?
メタ坊
2009/11/12 17:03
>お珠ちゃんに言及するとき川縁さんの筆(キーボードを叩く指?)がうきうき踊ってるのがよく分かりますよ

これでもまだ書き足らんぐらいなんですよ。あんまり書いて、読者を引かせてしまってはと思い、抑えました。

>タミルはしばらくはナミー&タミーの絶頂期がつづくのかな?

タミーはいいとして、ナミーをなんとかしてやりたいですね。
 
カーヴェリ
2009/11/13 00:26
>読者を引かせてしまっては

お珠ちゃんへのオマージュであればあたしはどこまでも随いてゆきますぜ!

カプール家の顔の四角い人をおっかけるというならとっとと尻尾巻いて逃げてるでしょうが(笑
メタ坊
2009/11/13 21:05
>お珠ちゃんへのオマージュであればあたしはどこまでも随いてゆきますぜ!

それは心強いお言葉です!
今回から「あなたと私の珠ちゃん」に変えていますし。
 
カーヴェリ
2009/11/14 10:39

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