カーヴェリ川長治の南インド映画日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 【Adhurs】 (Telugu)

<<   作成日時 : 2010/02/07 21:57   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 0

画像

 いや、長かった。
 NTRジュニアほどの若手人気スターが、【Kantri】(08)を最後、2009年は1本も主演作がなかったなどということがあり得ようか(その間、【Chintakayala Ravi】で特別出演しているが、それも2008年のことだ)。私にしてみれば、【Kantri】は忘れ去りたい作品なので、【Yamadonga】(07)以来の新作登場という気がする。
 2009年は総選挙の応援があったり、撮影中のけががあったりと、ジュニアにとって大変な年だったのだろう。また本作の公開ももう少し早いはずだったが、テランガーナ地方のAP州からの独立騒動があって、今年にずれ込んでしまった。
 監督は【Aadi】(02)と【Samba】(04)でジュニアと組んだこともあり、近くでは【Krishna】(08)などのヒット作を撮ったV.V. Vinayak。かなりのエネルギーを注ぎ込んだ娯楽作品になっているようだ。
 見どころは、ジュニアが初の一人二役をやるということ。ツイン・ヒロインのナヤンターラとシーラにも注目だ。
 (写真上:NTR JrとNayantara。)
 「Adhurs」は「素晴らしい」という意味。

【Adhurs】 (2010 : Telugu)
物語・台詞 : Kona Venkat
脚本・監督 : V.V. Vinayak
出演 : NTR Jr, Nayantara, Sheela, Nasser, Mahesh Manjrekar, Sayaji Shinde, Asish Vidyarthi, Brahmanandam, M.S. Narayana, Tanikella Bharani, Raghu Babu, Rama Prabha, Sudha, Rajyalakshmi, Mukul Dev, Kondavalasa
音楽 : Devi Sri Prasad
撮影 : Chota K. Naidu
編集 : Gowtam Raju
制作 : Vallabhaneni Vamsi Mohan

《あらすじ》
 あるバラモン家に男児が生まれるが、生憎と死産であった。それを嘆いた赤子の祖母は、死児を同じ病院で生まれたばかりの双子の片方とこっそりすりかえてしまう。
 バラモン家に渡った赤子はチャーリ(NTR Jr)と名付けられ、長じてからは僧侶のバッタチャーリヤ(Brahmanandam)の下で助手として働いていた。チャーリは神経質で、小さなことでも喧々とまくしたてるような男だった。
 一方、元々の家族に残った双子の片方は、ナーラシムハ(NTR Jr)という名の勇猛な若者に成長していた。彼の父、チャンドラシェーカル(Nasser)はインド軍で働く科学者であったが、交通事故死していた。ナーラシムハは警察官になる希望を持っていたため、ある警官(Sayaji Shinde)に協力して、マフィアの活動を阻止する任務を請け負っていた。また彼はその警官の娘、ナンドゥ(Sheela)と恋仲だった。
 チャーリはバラモン家の娘、チャンドラカラ(Nayantara)に惚れる。実は、バッタチャーリヤがこの娘との結婚を望んでおり、この母と娘だけの家族のために何かと援助をしていた。ところがチャンドラカラはチャーリに惚れてしまったため、バッタチャーリヤはチャーリに対して恨みを抱くようになる。
 ナーラシムハはラスールというマフィアから命を狙われていたが、その一味のバーシャー・バーイ(M.S. Narayana)はナーラシムハとチャーリが生き写しであることに気付く。
 コルカタにバーバー・ジー(Mahesh Manjrekar)という大物マフィアがいたが、その部下(Asish Vidyarthi)が故チャンドラシェーカルの一人息子(ナーラシムハ)の所在を探し回っていた。その男はナーラシムハが協力している警官(実は悪徳警官)と共謀し、彼を誘拐してコルカタのアジトへと連れて行く。
 ここでナーラシムハは生きている父と対面する。実はチャンドラシェーカルの事故死はでっち上げで、彼はハイテク武器の開発を目論むバーバー・ジーに監禁されていた。ところが、チャンドラシェーカルが家族に合わせない限り武器を完成させないと告げたため、急遽ナーラシムハを連れて来たわけである。
 ナーラシムハはバーバー・ジーの部下(Raghu Babu)の一瞬の気の緩みを衝いてアジトを抜け出す。困った部下はハイダラーバードのバーシャー・バーイと相談し、チャーリに大金を払ってナーラシムハのふりをしてもらうよう依頼する。チャーリは承諾し、意気揚々とコルカタのアジトに乗り込む。また、チャーリに復讐心を抱くバッタチャーリヤもコルカタに向かう。
 ナーラシムハはバーバー・ジーの部下を捕え、拷問して彼らの企みについて知る。
 一方、アジトにいたチャーリは、誕生日のお祝いのために家族らをコルカタに呼び、現地の寺院に参拝する。だが、その場にナーラシムハが現れたため、家族一同、驚く。やむなく祖母は赤子を交換した過去の経緯を白状する。
 アジトでナーラシムハはチャーリを見て驚く。自分たちが双子であることを知ったナーラシムハは、チャーリやチャンドラカラ、それにナンドゥにも協力してもらい、父を救出する作戦を決行する、、、。

   *    *    *    *

 始めに言っておくと、非常に面白い作品だった。久々にスカッとした気分で映画館を出た。

 この映画の面白さは、なんと言ってもNTRジュニアのパフォーマンスに尽きる。
 実は、ストーリーの作りやネタの爆発度(特にクライマックスの)から言うと、けっこう詰めが甘く、作品の完成度としては疑問符が付く。
 例えば、ナーラシムハもチャーリもかなり自由にバーバー・ジーのアジトを出入りしていたが、大物マフィアのセキュリティーというのはこんなもんか?(なら、どうしてオヤジさんは抜け出せなかったのだろう?)
 開発していて、クライマックスで登場したハイテク武器も幼稚なイメージで、ありゃ、かなりの田舎者でも納得させられないだろう。
 一番ダメなのは悪役の描き方で、本作はアクション・コメディーの路線を採っており、悪役たちにコメディー的な演出が付いているのはいいとしても、一人ぐらいは極悪な奴がいてほしかった。特に本作最大の悪の頭目であるはずのバーバー・ジーも、時おり間抜けな声を出して笑わせにかかっていたが、この男はラストで殺されるわけで、死を以ってしか排除のしようがないほど人物なら、それなりのワルとして描かれるべきだ。演じたマヘーシュ・マンジュレーカルの演技力に問題はないはずで、やはり演出が悪かったのだろう。(第一、悪役の数が多すぎるし。)

 そんな締りのない部分はあるのだが、それでも本作が面白かったのは、上にも書いたとおり、やはりジュニアの突出したパフォーマンスの賜物だ。セリフ回し、ダンス、アクションと、ぐいぐい観客を引っ張ってくれる。こういうことがあるから、似たり寄ったりの陳腐なストーリー立ての作品もヒット作となり、インド娯楽映画産業が成り立つのだろう。

◆ パフォーマンス面
 目の敵にするわけではないが、私はどうも【Kantri】のNTRジュニアは苦手で、ひいては私がテルグ映画不信に陥るきっかけにもなったのだが、本作のジュニアは体重も【Yamadonga】ごろの水準に戻し、勢いが感じられた。1年半以上見ないうちに、年相応の貫禄と押しの強さを増したようで、かなりカッコよくなっている。
 本作では、見習いバラモン僧のチャーリと、勇猛なファイター、ナーラシムハという対極の役柄を演じている。ナーラシムハのほうはこれまでのジュニアのヒーロー像を踏襲したものだが、ブラフマーナンダムとコメディー的に絡んだチャーリのほうは彼の新しい側面だと評されている。現地人にはチャーリのほうがウケがいいようだが、私的にはナーラシムハのほうにシビレた。

画像

 ツイン・ヒロインのナヤンターラとシーラについては、現地人の誰に聞いてもシーラのほうを愛でたようだ。
 実は、どちらも大した役柄ではなく、ヒーローとのロマンス展開も粗末なもので、音楽シーンだけが見せ場だったと言ってもいい。そうなると、若くてピチピチしたほうに軍配が上がるということだろう。
 聞くところによると、ナヤンターラ(チャンドラカラ役)を撮ったシーンは監督自身も冴えないと思ったらしく、ずいぶんカットされたとのことだ。
 (写真下:食べたいぐらい可愛かったシーラちゃん。)

画像

 脇役陣は、人数の多い割には特に目を惹かなかったが、コメディアンの2人、ブラフマーナンダムとM・S・ナーラーヤナは良かった。

◆ テクニカル面
 アクション・シーンと音楽シーンはどれも完璧に近い出来だ。
 クライマックスの手前、2人のジュニア(ナーラシムハとチャーリ)が2人のヒロインを従えて踊るダンス・シーンは最大の見ものだ。すでにYouTubeなどでご覧になった方も多いと思うが、1人でも凄いジュニアが2人並ぶと、、、、やはり凄かった。

◆ 結語
 NTRジュニア主演のアクション・コメディーとして、十分期待に応えてくれるものだ。オススメできる。

・満足度 : 3.5 / 5
 

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
【Brindaavanam】 (Telugu)
 お祭りシーズンの注目テルグ映画として、期待していたマヘーシュ・バーブ主演の【Khaleja】は不発っぽかったが、第2弾はこれ、NTRジュニア主演の【Brindaavanam】。ジュニアにとって今年2本目の作品となる。彼の前作【Adhurs】はすこぶる評判が悪かったが、こちらは好評で、すでにヒット宣言が出されている。  監督はヴァムシー・パイディパッリで、制作はディル・ラージュ。このコンビには【Munna】(07)があるが、フロップに終わっている。実は、【Dil】(03)、【Arya... ...続きを見る
カーヴェリ川長治の南インド映画日記
2010/10/29 21:29

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
【Adhurs】 (Telugu) カーヴェリ川長治の南インド映画日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる