カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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<<   作成日時 : 2010/10/23 01:56   >>

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 シャンカル監督、ラジニカーント主演のタミル映画。
 超弩級の話題作ということで、このブログの読者には特に詳しい前置きも必要ないだろう。やっと観ることができた。
 やっと観ることができた、と言っても、私が必要以上に慎重になっていただけかもしれず、ここバンガロールではそんなに大きなボックス・オフィスの混乱は起きていない。シャンカルとラジニのコンビによる前作【Sivaji - The Boss】(07)のときはもっとチケットが取りにくかったように記憶している。もしや、ここ3年でインターネットやパイレーツDVDによる鑑賞が一段と拡大してしまったのかもしれない。
 カルナータカ州では非カンナダ語映画上映規制枠があり、州全土で上限が24スクリーンと定められている。これではラジニの新作は捌き切れないので、配給業者は枠拡大をKFCC(Karnataka Film Chamber of Commerce)に求めていたのだが、結局例外として認められず(しかし、実際には90館ぐらい上映されていた!)。それで、高額の配給権料を回収するためにチケット代が通常の2,3倍に設定されたり、それをチェックするために税務局が映画館にガサ入れを行うなど、やはり並みの映画では起こり得ない出来事が起きていた。
 この映画はタミル語版オリジナルの他にヒンディー語版【Robot】とテルグ語版【Robo】の2つのダビング版も作られ、それぞれ同日に公開されている。バンガロールでは3言語とも観られるのだが、全部観ると「アホ」と言われそうなので、タミル語版とヒンディー語版だけ鑑賞した。もしかすると台詞などに微妙な差異があるのかもしれないが、ストーリーや上映時間はぴったり同じだった。主演のラジニカーントとヒロインのアイシュワリヤは、それぞれ両言語とも自身でアフレコしているように聞こえたが、ちょっと自信はない。

【Enthiran】 (2010 : Tamil)
物語・脚本・監督 : S. Shankar
出演 : Rajinikanth, Aishwarya Rai Bachchan, Danny Denzongpa, Karunas, Santhanam, Delhi Kumar, Revathi Sankaran, Kalabhavan Mani, Cochin Haneefa, Devadarshini, Sabu Cyril, Shriya Sharma
音楽 : A.R. Rahman
撮影 : R. Rathnavelu
美術 : Sabu Cyril
メイク : Banu
アクション : Peter Hein, Yuen Woo Ping
特殊効果 : Stan Winston Studios, Industrial Light and Magic
編集 : Anthony
制作 : Kalanidhi Maran, Hansraj Saxena

《あらすじ》
 ロボット工学研究者のワシーガラン(Rajinikanth)は、10年に亘る努力の末、高パフォーマンスの人型ロボットの開発に成功する。そのロボットはワシーガランの母の提案で「チッティー」と名付けられる。

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 ワシーガランは恋人のサナー(Aishwarya Rai)にも完成したチッティー(Rajinikanth)を紹介する。サナーは医学を学ぶ博士課程の学生だが、チッティーに試験のカンニングを手伝ってもらったり、悪漢から助けてもらったりして、このロボットをいたく気に入る。

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 ワシーガランのロボット開発には一つの動機があった。彼はチッティーのような高性能ロボットを軍に配備し、兵士の代わりに戦地に送り込み、人的被害を軽減できればと考えていた。
 ワシーガランはチッティーの実用許可を得るために、AIRD(人工知能研究開発機関)の審査を受ける。チッティーの能力は審査委員たちを納得させるが、委員長のボーラー教授(Danny Denzongpa)はチッティーの持つ致命的な欠陥を指摘する。それはチッティーの命令理解力には限界があり、味方をも攻撃しかねないということであった。最終的にボーラー教授は、チッティーに人間的感情を理解する能力が備わらない限り、許可は与えられないと告げる。

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 ワシーガランは苦労の末、また偶然も手伝って、何とかチッティーに人間的感情を理解する能力を植え付けることに成功する。だが、人間と同等の感情を持つようになったチッティーは、こともあろうにサナーを愛するようになり、ワシーガランに反抗的な態度をとるようになる。

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 ワシーガランは軍の幹部に対してチッティーをプレゼンテーションする。だがチッティーは、本来の戦闘能力を披露する代わりに、サナーへの恋心を披瀝してしまう。激怒したワシーガランは、チッティーをバラバラに分解し、廃棄してしまう。
 一方、ボーラー教授も人型ロボットの開発に専念していたが、それはテロ組織に売却するための戦闘ロボットであった。彼はテロリストと商談までまとめていたものの、ロボットの開発がうまくいかないため、焦っていた。ある時彼は、ワシーガランの助手からチッティーが廃棄されたことを聞く。彼はチッティーを見つけ出し、修理した上で、破壊プログラムである「レッド・チップ」を挿入し、戦闘ロボットとして蘇らせる。
 凶暴となったチッティー・バージョン2.0は、まずワシーガランとサナーの結婚式会場に乗り込み、サナーを誘拐する。そして、ボーラー教授を殺害し、自分と同じコピーロボットを多数複製し、AIRDのビルを占拠して「パレス」と称し、専制君主のように振舞い始める。さらには、サナーのために子供さえ作ろうと企てていた。

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 ワシーガランは軍隊と共に、チッティー2.0及びその軍団を掃討する作戦を開始する。両陣営の間で悪夢のような闘いが繰り広げられるが、四苦八苦の末、ワシーガランは何とかチッティー2.0を捕獲し、レッド・チップを抜き取ることに成功する。
 一連の惨事の責任を問われ、ワシーガランは裁判にかけられるが、ロボットによる被害は殺人ではなく事故であること、そもそもチッティーに破壊プログラムをインプットしたのは故ボーラー教授であることが立証され、無罪とされる。しかし同時に、チッティーは解体すべしとの判決も下される。チッティーはワシーガランやサナーの目の前で、粛々と自己解体を始める。

   *    *    *    *

 非常に面白い、充実した映画だった。
 16億ルピーという、インド映画史上最高の巨額制作費が投じられ、これでコケたら大笑いなのだが、そこはシャンカル監督、金額に恥じないご馳走を提供してくれている。(なんと、この投資額もすでに黒字として回収されているらしい。)
 タミル映画初の真正ロボットSF映画ということだが、ハリウッド映画の成果を消化吸収しなが、しかもインド映画のテイストとシャンカル監督のノリは保持されているという、非常にバランスの良い作品だと思った。映画に込められたメッセージも、シャンカル監督作品らしく、シンプルで分かりやすいものだが、かといって幼稚な感じはしない。まずは、インド映画の到達点の一つとして、最大級の賛辞を贈りたい。

 とはいうものの、、、個人的にちょっぴり気に掛かった点を書いておきたい。
 まず、シャンカル監督とラジニカーントの前作【Sivaji - The Boss】を観たときは、私は頭のネジが3,4本飛んでしまうような衝撃を受けたが、本作ではそういうことがなかったのである。幸か不幸か、落ち着いて鑑賞できた。上で「インド映画のテイストとシャンカル監督のノリは保持されている」と書いたものの、本来のタミル・テイストとシャンカル節は希薄だったように感じた。ところが、私が【Sivaji】でぶっ飛んだ理由というのが、そのどぎついタミル・テイストとシャンカル節だったわけである。シャンカル監督も「世界」を意識し、よそ行きモードに入ってしまったのだろうか。
 インド映画やタミル映画に馴染んでいない人が本作を観て、私の上のような感想を聞いたとしたら、「これってインド映画っぽくないんですか」、「まだタミル・テイストが足りないんですか」と言われそうだが、私の実感では「然り」なのである。

 それは俳優の使い方によく表れている。
 まず、明らかに意図的なのであるが、主演のラジニカーントにお馴染みの「ギミック」や「決めゼリフ」が圧倒的に少ない。神にかけて、本作のラジニカーントは非常に素晴らしいのだが、このスタイルの少なさにちょっぴり寂しいものを感じたファンは少なくないだろうと思う。
 ワシーガランの助手を演じたコメディアンのサンタナム(シヴァ役)とカルナース(ラヴィ役)の使い方も、大間違いとは言わないが、疑問に感じた。タミル映画界では売れっ子コメディアンの2人なのであるが、知らない人が見たら、単なる売れない端役俳優ぐらいにしか見えないだろう。本来、タミル映画(タミル映画に限らないのだが)のコメディアンといえば、主人公に対峙するトリックスターとして、かなり自由度の高い活躍が許されるものだが、本作ではきっちりと登場人物としてストーリー上に埋め込まれている。なんだかNHKのドラマに出演した吉本興行の芸人のようで、窮屈そうに見えた。
 唖然としたのが、サナー(Aishwarya)にちょっかいをかける漁師役のカラーバワン・マニ。この人はマラヤーラム映画やタミル映画ではヒーローやヒーローの敵役を張る、非常に実力も個性もある俳優なのであるが、本作では特別出演という感じでもなく、チョイ役みたいな扱いだった。こういう4番バッターに送りバントをさせるような起用は私は好まない。(もっとも、マニのおっさんの場合は、「アイシュちゃんの手が握れるなら、ボクちゃんたとえチョイ役でも、どんな破廉恥なことでもやりますわん」と自ら申し出た可能性もあるのだが。)
 とはいえ、上の私の不満点も、本作の全体的な面白さからすると、本当に「ちょっぴり」気に掛かった程度である。本作はインド映画では新局面のSFロボット物だし、シャンカル監督も前作【Sivaji】とは同じことはやりたくなかっただろうから、こうした演出も良しとしておこう。

 テーマは、人間的感情を有するロボットを創造してしまうことによる撞着状況と、人間の心に潜む悪への風刺で、それが分かりやすく提示されている。
 決め手となるのが、ロボットの攻撃性を拡張するプログラムを記録した「レッド・チップ」で、チッティーはボーラー教授にそれを挿入されて凶暴な戦闘ロボに生まれ変わり、それを抜き取られて元の状態に戻る。それが人間の心に潜む悪心の喩えになっていて、人間はロボットのようには簡単にレッド・チップ(悪心)を抜き取ることができない、というオチになっているようなのだが、しかし私はいまいちこのレッド・チップと映画全体との関係がよく分からなかった。
 そもそも本作が総体として風刺したかったのは、人間は嫉妬や憎悪などの悪心を抱きがちであり、それを拭い去ることは難しい、ということのように思えるのだが、こうした人間の心の性質は多かれ少なかれすべての人に共通に存在するものであり、レッド・チップに喩えられているものとはぴったり対応していないように思われる。また、チッティー・バージョン2.0の激烈な行動原理となったのは「サナー愛し、ワシーガラン憎し」という感情であり、これはレッド・チップを挿入される以前からチッティーの中に宿っていたものだ(逆に言うと、チッティーに感情を植え付けた時点で、ワシーガラン自らがレッド・チップを挿入したようなものだ)。それで、チッティーほどの自己学習能力と判断能力があるなら、チッティーはワシーガランへの嫉妬心・対抗心を増幅させ、やがてそれが憎悪へと化し、特にレッド・チップを挿入されなくとも、十分危険なワシーガランの敵対者になった可能性があり、そのチッティーの憎悪心を消し去るのもまた困難なはずだ(もっとも、プログラムを書き換えれば済むのだが)。
 こういうふうに考えると、レッド・チップのアイデアも的を得ていないようにも思えるのだが、しかし、人間への風刺をレッド・チップという分かりやすいシンボルを用いて行ったのは娯楽映画としては正解だったと思うし、これのおかげで、私たちはチッティー2.0による悪夢のような戦闘シーンを楽しむことができたわけで、やはりシャンカル監督の想像力には頭を下げたい。

 もう一つの引っ掛かり点は、エンディング。ワシーガランは裁判で無罪となったのだが、こういう中途半端な人型ロボットの開発責任者として、「無罪」というのは甘い。仮に無罪でいいとしても、ワシーガラン自身が痛烈に非を悟る姿を見せてほしかった。
 映画は20年後の2030年に時代が飛び、博物館に展示されているチッティーのシーンで終わるのだが、ここは「人間」のワシーガランで閉めてほしかった。例えば、20年後には田舎に隠棲して、晴耕雨読の生活をしているワシーガランの姿があり、その傍らでアイシュワリヤ(サナー)が牛の乳を搾っているとか、それでもワシーガランの開発した農作業ロボットが田畑で活躍し、村人から感謝されているとか、そういうシーンで終わると、もっとインド映画的に決まったと思う。
 こういう「田舎に隠棲する天才科学者」を思い付いたかどうかで、【Enthiran】はラージクマール・ヒーラーニー監督のヒンディー映画【3 Idiots】(09)に負けている。

 それで思い出したのだが、シャンカル監督の次回作はこの【3 Idiots】のタミル語版リメイクと発表されており、今までオリジナル作品のみ手掛け、リメイクに関心を示さなかったシャンカルが何故?といろいろ取り沙汰されているのだが、私もその理由はよく分からなかった。しかし、シャンカルは【3 Idiots】と【Enthiran】を比べてみて、「やられた!」と感じたのではないだろうか。まったく私の想像でしかないのだが、どうも【3 Idiots】のリメイクというのは、シャンカルのラージクマール・ヒーラーニーへのオマージュのように思える。
 下のスチールも同じようなことを連想させる。

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 これはチッティーが武器に花を刺し、機械(チッティー)と花(サナー)の結合を通してサナーへの愛を表白したシーンであるが、間接的には反戦平和のメッセージが込められていると見てもいいだろう。しかし、この「武器(暴力)より花を」というメッセージはラージクマール・ヒーラーニー監督の【Lage Raho Munnabhai】(06)でも展開されたものであり、これからするとシャンカル監督は同監督に強い共感を覚えているのかもしれない。

◆ 演技者たち
 上で書いたとおり、ギミックと決めゼリフが少なく、コアなラジニ・ファンにはいささか物足りないものを感じさせるかもしれないが、それでも本作のラジニは絶品だと言いたい。
 科学者ワシーガランとロボット・チッティーの1人2役、チッティー・バージョン2.0を含めて実質3役、さらにはチッティー2.0になりすましたワシーガランというのも加えると、かなりニュアンスの細かな演じ分けをしていることになる。上手いと言ってもいいのだが、ラジニの俳優としての上手さよりも、スーパースターとしての器量の大きさが際立っていた。
 (写真下:「ハッピー・ディーワーリー!」 こんなふうにバーの上にガンを並べてたのね。)

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 サナー役のアイシュワリヤは、音楽シーンで時おりオバサンっぽく見える部分があったものの、非常に活き活きとして可愛らしかった。いや、まったく、人妻というのは旦那がそばにいないとこうも伸び伸びと振舞えるものかと、アビシェークとの関係を心配してしまうほどだ。
 役柄としては美人なら誰でもできそうなものだったが、アンドロイドが激烈に惚れてしまうのはやはり惑星一の美女というのが面白い。アイシュとラジニの「歴史的共演」が実現したことも大きい。

 ボーラー教授役のダニー・デンゾンパという俳優はなかなか印象的だった。まず、初めて見た人なのに、初めてという気がしなかったほど、日本人にとって親近感を覚える顔立ちだ。
 ロボット工学の権威でありながら、人型ロボットの限界を見透かし、テロリスト用戦闘ロボットの開発に没入するなど、実にSF映画の悪役らしい人物像だった。

◆ 音楽・撮影・その他
 ラフマーンの音楽はかなり面白い。音楽CDのリリース当初、タミル人リスナーの間から芳しい評価が聞かれなかったので、失敗作かとも予想したが、実際に映画を観ながら聴いてみて、すっかり気に入ってしまった。CDは早速購入し、朝晩聴いている。
 個人的に好きなのは、オープニングで流れる‘Pudhiya Manidha’と、「パレス」を舞台とした豪快な‘Arima Arima’だ。話題の‘Kilimanjaro’は、何気に観ていたが、後で思い出して、よくもあそこ(マチュピチュ)であんなことをやったもんだと、笑いこけた。

 その他のスタッフ陣と仕事の良し悪しについては省略する。
 なお、美術屋サブちゃん(サブ・シリル)が映画の1シーンで顔を出している。

◆ その他の特記事項
 カンナダ映画情報をフォローしている人ならご存知だと思うが、この【Enthiran】は、2002年制作のウペンドラ主演のカンナダ映画【Hollywood】のパクリではないかとの疑惑もあった。【Hollywood】も人型ロボットが登場する映画であり、10年近く前にウペンドラとシャンカルが実際に会って、お互いにロボット映画を作る構想を持っていることを示し合った事実もあるのだが、ウペンドラ自身はこの疑惑を否定し、シャンカルの【Enthiran】は完璧にオリジナルだと話している(こちらの記事)。
 参考に書いておくと、【Hollywood】は監督はディネーシュ・バーブだが、ストーリーはウペンドラが書いている。ウペンドラ自身が科学者とロボットの2役(実は3役)を演じ、ヒロインを巡って科学者とロボットが三角関係になるなど、確かに【Enthiran】と似た部分はある。しかし、私が観た限り、【Hollywood】はかなり出来が悪く、SF映画とも言えないような作品なので、これと【Enthiran】を比較するのは無理があるというものだ。ただし、8年も前にウッピがSFロボット映画を作っていたというのは、記憶に留めておいてもいい事柄かもしれない。(ちなみに、【Hollywood】の制作費は3,000万ルピーで、これは【Enthiran】ではラジニのメイク代に相当する。)

◆ 結語
 映画として面白く、必見作であることに疑いはない。
 今後、この作品のインパクトがインド映画界にどのように現れてくるか、注目していきたい。

・満足度 : 4.0 / 5
 

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コメント(16件)

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熱のこもったレビュー、楽しく拝読しました。ところで、

今回はお馴染みの

「だからインドは駄目なんだ!」

はなかったのでしょうか?
メタ坊
2010/10/23 08:34
毎度コメント、ありがとうございます。

>「だからインドは駄目なんだ!」はなかったのでしょうか?

いえいえ、「だからインドは駄目なんだ」は私の線ではないですよ。
「だからカンナダ映画(界)は駄目なんだ」はしょっちゅう言ってますが。

この映画については、タミルナードゥのフロントベンチャーがどんなふうに見ているのか、気に掛かります。
 
カーヴェリ
2010/10/23 10:36
いや、「だからインドは駄目なんだ!」はシャンカル監督の定番メッセージでしょ。

この映画ではそれがどのようにプレゼンテーションされているのかなと。
メタ坊
2010/10/23 16:46
おお、そっちでしたか。失礼しました。

この映画は【Indian】や【Mudhalvan】みたいな激烈なシャンカル節はないです。
どちらかというと【Jeans】に近いと思いました。
 
カーヴェリ
2010/10/24 10:21
遅レスですが、ヒンディー版のラジニの声は吹き替えで、Mayur Vyasという人が担当したそうです。Sivajiの時もこの人が吹き替えていたと書いてあります。
http://www.hindustantimes.com/Man-behind-Rajni-s-Hindi/H1-Article1-608534.aspx
Periplo
2010/10/29 12:52
毎度情報、ありがとうございます。
声やバージョン2.0の笑い方がよく似ていたので、もしや本人かと思いましたが、別人でしたか。
それと、「Sivaji」にヒンディー語吹き替え版があったとは知りませんでした。
 
カーヴェリ
2010/10/29 17:11
大変遅くなりましたが、私もィエンディランのページを作ったので、このページをリンクしてトラバを送らせていただきました♪
DVDの件、ほんとにお世話になりました。カーヴェリ様に足を向けて寝られません(笑)
オフ会も、無事に開催できました。感謝・感謝です!
また後日、お目にかかってこの映画の感想をカーヴェリ様と語り合いたいですー!
むんむん
2011/01/30 16:17
コメント、トラックバック、ありがとうございます。
わずか26リンギッのお土産でしたが、徹底して活用していただいたようで、うれしいです。
オフ会も盛会だったようで、よかったですね。私も日本にいるときに参加できる機会があるならば、その時はぜひよろしくお願いします。
 
カーヴェリ
2011/02/01 12:30
これを見る前に、シャルクカーンさんのラワンを見たわけですが、このロボットを見てラワンを見終わった時のモヤモヤ感が何かがはっきりしてスッキリしました。要は、ロボットは脚本上悪役が悪役として機能していたことがポイントだったと思います。それと悪チッティの出した被害をちゃんと清算してから終わったことです。悪に憧れた息子なはずなのにラワンを倒す!みたいなことを言わせてしまう脚本に矛盾を感じたりしました。ラワンは何かこうG-ONEがラワンを倒した時のカタルシスがなかった作品でした。シーンありきで作った感が否めなかったですね。下ネタも多すぎて不快だったですし。
ただ、ビジュアル的にはラワンの方が良かったですが…。
ラストは、3idiotsの方が良かったですね。おっしゃるようにワシーラガンのその後を見たかったですね。どんな形であれ…。
3idiotsは劇場で二回見ました。凄く面白い作品ですね。泣いたとおもったら笑えたり…。下ネタも不快感がなかったですし。ラストのランチョーとチャトゥルの掛け合いとか面白かった…。(ランチョー役のアミールカーンさんとプラカシュラージさんやスリハリさんと年齢があまり変わらないとかも驚きでしたが…。プラカシュラージさんやスリハリさんがランチョー役…想像し兼ねますw)勢いでYouTubeでタミル語版を見ました。
3idiotsのタミル語版NANBANはヒロイン役がshaktiのイリーナさんですね。アイシュの時に比べずいぶん大人っぽく色っぽくなってましたね。あまり間は空いてないですが…。
いろいろと作品を見ていくと、言語圏を超えた交流があるんだなぁと感じる今日この頃です。Kantriでは、ラジニカーントさんのシヴァージネタが使われていたりとか…。そう言う楽しみ方も少しずつ分かってくると楽しくてインド映画の深みにハマっていきそうですね。
ナン
2013/07/30 05:09
>ラワンは何かこうG-ONEがラワンを倒した時のカタルシスがなかった作品でした。

そうですね、けっこう面白く作られていたんですが、肝心のカタルシスがなかったです。

>ランチョー役のアミールカーンさんとプラカシュラージさんやスリハリさんと年齢があまり変わらないとかも驚きでしたが…。

こういうことってインド映画ではよくありますよね。インド映画では脇役俳優や女優は普通に年を取るのに、ヒーロー俳優だけエバーグリーンなんですよね。若いときは恋人の役をやっていた男優と女優が、30年後には女優のほうがその男優の母親役をやってるってこともままあります。

>インド映画の深みにハマっていきそうですね。

また一人、犠牲者が!!
 
カーヴェリ
2013/08/01 02:24
ロボット、確かにパダヤッパの「俺には俺のやり方がある!」ヴィーラの「いけてる!」シヴァージの「クール!」のような決め台詞がなかったですね〜。まあ、決め台詞は難しい展開の話でしたが…。ワシーラガンがいつものように、俺って最高!みたいなキャラではなかったですからね〜。
悪チッティが悪の限りを尽くしたから、赤チップを抜かれてノーマルチッティになった時に自分自身を分解して行くのを見てさみしくなったのですが…。
ラワンは決して明確に悪の限りを尽くしていないんですよね。「俺様のハートを持って来い!さもなくば地球を破壊する!」と小惑星を地球にぶつけるくらいの悪いことをすれば、G-ONEの最後の行動が活きてくると思いました。せっかく10体の悪魔が合体した魔物っていう美味しい設定のキャラなのに…。
戦い自体は、飼い犬ラワンに襲われる飼い主の家族的な規模の小さい戦いでしたからね。それに巻き込まれる市民の人たちがかわいそうで…。
それに列車で世界遺産を壊すシーンの必要性が感じられないんです。世界遺産を壊さないで守るのがヒーローモノの基本なのですが…。市民に対して暴走列車がなぜこうなったのかというのをラワンが示してないんですよね。列車のオペレータ室で困惑している職員が不憫に思えて仕方なかったですね。
なんかこう重要なヒーローモノの基本を外されてる感じがする脚本だった気がします。だからカタルシスがないんだと思います。怪獣という脅威に対抗するヒーローウルトラマン的なものが感じられないんです。
被害の清算もなくソニア家はお咎めなしでいいのか?というモヤモヤ感が。せめてバロン社が責任を持ってみたいな描写があればまだ…。
あとヒーローモノにしては下ネタが多すぎましたしね〜。仮面ライダーV3の宮内さんのヒーロー番組は教育番組という言葉をふと思い出しました。

ナン
2013/08/08 20:26
ロボットとラワンのコメント、参考になります。
なんでラワンがいまいち決まっていないのか、よく分かりました。
 
カーヴェリ
2013/08/09 22:37
プラティクは悪に憧れる少年て設定なのに、悪に憧れるどころか、ヒーローとして「ラワンを倒す!」と言ってしまっています。それも「え、プラティクはヒーローに憧れてたの???」という感覚になりました。その時点で脚本にほつれが生じていました。
私が監督なら悪に憧れる少年がラワンが出てきた事によって、ラワンと共に悪の限りを尽くしていたが、何らかのきっかけ(ラワンによる親父シェカルの抹殺など)があって、ラワンと袂を分かつ。そして、G-ONEの事を思い出し…。とG-ONEと共にラワンと戦う事を決意!みたいな展開にしたかと…。
そんな中でも、父子の絆(影の伏線)、G-ONEと母子との絆(プラティクを助けるという約束)などは描けるかと。チッティもお助けヒーローとして出現するという見せ場も出来たかと…。
シーン一つ一つはとても良い作品なのでいろいろともったいない作品でした。スタンドバイミーの編曲のところとか…プラティクの夢の中のルシファーとか…。
ロボットはそういう意味で脚本に無理がないので楽しめましたね。
悪チッティの妙に人間くさいところとか…可愛かったです。どこか可愛いところがあるのがラジニカーントさん演じるキャラの特徴なのでしょうか。
ラジニカーントさんの演技の幅も楽しめました。悪チッティに変装したところも。
インドの特撮ヒーローモノのアーリャマーンというのを見ました。いろいろとツッコミどころはありますが、アーリャマーンが脚本上、一応きちんとヒーローしてますね。もっともヒーローっぽく見えないビジュアルがなんともf^_^;。ひょうきん族のホタテマンを思い出しますねw。
アーリャマーンの続編は出てるのですか?カベから目だけ動くアレで終わったので続きが気になりますw。
そういえば、無料動画サイトGyaoでラワンとロボットが公開されてますね。
ナン
2013/08/10 17:08
>シーン一つ一つはとても良い作品なのでいろいろともったいない作品でした。

同感です。

>どこか可愛いところがあるのがラジニカーントさん演じるキャラの特徴なのでしょうか。

ラジニも上手かったですが、やっぱりシャンカル監督のキャラクター造形が良かったのだと思いますよ。

>インドの特撮ヒーローモノのアーリャマーンというのを見ました。

私、まだ見たことないんですよ。しかし、けっこう日本人知ってますよね、これ。
 
カーヴェリ
2013/08/14 01:59
今日購入したテルグ吹き替え版を見てみたら、チッティが皮膚を装着されていく間に、日本語サイトを閲覧しているシーンがありましたが、あれ日本語版向けサービスなのかと思っていましたが、場面としてちゃんとあったんですね。
なるほど、伏線としての小道具だったんですね〜。パーツの一部に日本のメーカーのを使っているというセリフがありましたしね。ワシーラガン博士日本語読めるんですねw。歌の前奏にも日本語出てくるのもありますしね。
あと、ヘアサロンの方、Payanamでシャイニングスターの隣に座ったシャイニングスターのファンの人だったんですね〜。なるほどこれは間違いなくタミル映画ですね〜!と脇役俳優さんで識別するようになって来ました…w。
ナン
2013/09/29 22:11
>ワシーラガン博士日本語読めるんですねw。

そういや、そうですね。日本は一応ロボット先進国ですからね、ワシーガラン博士もしばらく日本に留学したとか、、、。
この映画、ちらちらっと日本との関連付けがあるのがうれしかったです。
 
カーヴェリ
2013/10/01 01:26

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