カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Mangala】 (Telugu)

<<   作成日時 : 2011/03/09 20:28   >>

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 チャルミ主演のテルグ映画。
 チャルミといえば、数年前までは非常に人気の高かったテルグ女優であるが、ヒロインとして出演した作品は【Mantra】(07)を最後にヒット作がない。理由は分からないが、ヒロインのサイズ・ゼロ化の時代にチャルミの肉感的容姿が合わなくなってきているのか、または、彼女が【Anukokunda Oka Roju】(05)以降、ヒロイン中心の作品に傾斜し始めたことも関係しているのかもしれない。
 しかし、知ってのとおり、チャルミの高い演技力とダンス・スキルを考えると、くすぶらせておくには惜しい人材だ。年齢的にはまだまだ全然若いし、人気が決定的に衰えたわけでもないので、ここらで浮揚を期待したいところだ。
 さて、この【Mangala】は、彼女の最後のヒット作である【Mantra】を撮ったトゥラシ・ラーム監督の手になるもので、チャルミ復活のきっかけになるのでは、と期待されていた。【Mantra】はホラー映画だったが、この【Mangala】もそうだと予想させる凄まじいスチール等が公開されており、たとえどんな駄作であっても観に行こうと思っていた。

【Mangala】 (2011 : Telugu)
物語・脚本・監督 : Osho Tulasi Ram
出演 : Charmi, Subhash, Pradeep Rawat, Vijaya Sai, Uttej, Sarika Ramachandra Rao, Saptagiri, Chitram Seenu, Ram Jagan, Priya, Pavala Shyamala
音楽 : Viswa
撮影 : Dasaradhi Sivendra
編集 : Sreenu
制作 : Osho Tulasi Ram, Ch.V. Sharma

《あらすじ》
 アムルーこと、マンガラ(Charmi)はトリウッドの人気女優。彼女には多くの熱烈なファンがいたが、チンナ(Vijaya Sai)もその1人だった。
 チンナの父(Pradeep Rawat)は黒魔術に精通しており、富豪から魔術の依頼を受けては、大金をせしめていた。そして、そのお金を惜しみなくチンナに与えていた。チンナはそれで車を買い、マンガラにプレゼントしようとする。
 チンナは車と共にハイダラーバードへ行き、他のファンらに交ざってマンガラに会う。ところが、ファンの1人がマンガラの体に触ったとき、彼女はチンナに触られたと誤解する。マンガラの友人スッブ(Subhash)はチンナを殴り飛ばす。
 これに絶望したチンナは毒を飲み、病院に運ばれる。チンナの父はマンガラに会いに行き、チンナを救うために、一目息子に会ってくれるよう懇願する。だが、マンガラは撮影を理由にそれを断る。チンナは息絶えてしまう。
 激昂したチンナの父は復讐のために黒魔術を使い、マンガラに悪魔「セクーチー」の呪いを掛ける。
 マンガラの周辺、または彼女自身に強烈な異変が現れ始める。僧侶はマンガラにセクーチーの呪いが掛けられていることを見抜く。マンガラとスッブは謝罪するためにチンナの父に会いに行くが、時すでに遅く、父は死亡していた。
 僧侶はマンガラに施された術を解くためのプージャを始めるが、うまく行かない。マンガラとスッブはサードゥーらの一団に遭遇し、彼らの導きで近くに住むアゴーラ(Ram Jagan)の在所に案内される。アゴーラはプージャを開始するが、マンガラに取り憑いたセクーチーとの間で壮絶な闘いとなる、、、。

   *    *    *    *

 チャルミの応援のために観に行ったが、なんとも苦しい映画だった。
 【Mantra】は低予算、スター男優不在の作品ながら、けっこう楽しめる佳作ホラーで、サプライズ・ヒットとなったわけだが、この【Mangala】はそれに比べてずいぶん落ちる。トゥラシ・ラーム監督がどういう経歴の持ち主かは知らないが、本作の単調なストーリー、まずい脚本を見る限り、【Mantra】はまぐれ当たりだったのでは、とさえ思える。一生懸命頑張っているチャルミが見殺しにされた感じで、もう不憫で不憫で、、、。

 言っておくと、私はつまらないと思ったが、「ヘンテコ」、「トンデモ」、「キワモノ」に反応するタイプの物好き映画ファンなら、こんな映画も格好のエサになるかもしれない。とは言っても、インドでも比較的質の高いホラー映画が作られるようになった時代に、このレベルでは評価はできないし、ヒットも望めないだろう。

 ほとんどすべてのレビューでは、前半はまずまず、後半が甚だまずいという評価だが、私は逆に感じた。前半は物語の設定と、マンガラ(Charmi)に異変が起き始めるところで終わっており、ホラー映画の常套的な見せ方が中心となっている。これはまったく大した出来ではなく、あくびの連発だった。対して、後半はサードゥーだのアゴーラだのがぞろぞろ出て来て、ヒンドゥー文化にそれほど馴染みのない私の目には面白く見えた。クライマックスがミュージカル仕立てで、神様映画のノリになっているのも興味深かった。

 黒魔術を扱ったホラー映画はテルグ映画でも時おり現れ、近作では【Raksha】(08)があるが、そもそも黒魔術などにはまったく無知な私には、そうした作品がどれだけ黒魔術の実態に基づいているのかは分からない。
 本作では、黒魔術師によって「セクーチー」という悪魔的力が勧請され、それがマンガラに取り憑くという設定になっていたが、そもそもこの「セクーチー」なるものが何なのか、それは黒魔術の世界では有名なものなのか、まったく分からない。誰か知っている人がいたなら、ぜひとも教えていただければと思う。(英語では「Sakochi」「Sakuchi」と綴られているが、映画中では「セクーチー」と聞こえた。)
 「セクーチー」が何であれ、こうしたものがトゥラシ・ラーム監督の恣意的想像物ではなく、実際に黒魔術界で語られている事柄なら、それはそれで興味深い。

◆ 演技者たち
 評価点として、チャルミの演技だけは確かに見ごたえがあった。
 女優としての華やかな側面、そこはかとない不安の表現、はっきりとした恐怖の表現、化け物として炸裂した表情・ボディーランゲージなど、どれも納得できるものだった。惜しむらくは、そんなチャルミの演技を以ってしても、本作を救えなかったということだ。
 写真下は、アゴーラの術と渡り合うセクーチーに憑かれたマンガラ。凄まじいチャルミだった。

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 片や、こんなセクシー・ショットもあり、ほっとできる。

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 それにしても、タミル映画【Laadam】(09:テルグ語版は【16 Days】)を観たときにも思ったが、近ごろは娯楽大作のカメオ出演かオフビート映画への出演が続いているチャルミだが、これは彼女の意図的な選択だろうか?

◆ 音楽・撮影・その他
 音楽は3,4曲挿入されていた。主人公のマンガラがテルグ映画界の人気女優という設定だけあって、一応、チャルミを配したきらびやかなダンス・シーンが2曲あった。冒頭のものは平凡な作りだが、後に出て来る、チャルミがアイスクリームを舐めながらダンスをする‘Ice Teesuko’はなかなか面白いと思った。
 効果音は嫌味なほどうるさいというわけではなく、まずまず効いていた。

 撮影、編集は並。

 なお、本作は映画界を舞台にした物語ということもあって、業界をパロったコメディー・シーンが挿入されている。

◆ 結語
 ホラー映画としての出来は悪い。チャルミのファンなら、彼女の演技を愛でるという楽しみ方もあるが、そうでなければ、ヘンテコ映画ファン以外には用のない作品だ。

・満足度 : 1.5 / 5
 

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
この映画をご覧になったのですね。
ホラーが駄目なので、予告編を劇場で観ただけで駄目でした。
予告編では凄まじい顔ばかりのヒロインでしたが、綺麗な方なんですね。

2011/03/10 03:04
はい、素敵な女優です。
ラヴィ・テージャ主演の「Dongala Mutha」にも出るようなので、楽しみにしていてください。
 
カーヴェリ
2011/03/10 20:23
おやおや、川縁さんの評価で1点代というのも珍しいですね。

ご承知のように小生は色物が大好物の人間ですからチャンスあれば鑑賞してみたいと思います。
メタ坊
2011/03/11 09:06
>ご承知のように小生は色物が大好物

ありゃ、そうでしたか。
ぜひご覧になってください。
 
カーヴェリ
2011/03/11 21:12

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