カーヴェリ川長治の南インド映画日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 【Don】 (Telugu)

<<   作成日時 : 2008/01/17 22:35   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 2

画像

 2008年の第1本目。ナーガールジュナ主演のテルグ映画。
 【Don】といっても、ヒンディー映画の有名な【Don】(78年:アミターブ・バッチャン主演)、およびそのリメイクの【Don】(06年:シャールク・カーン主演)とは関係がない。
 まぎらわしい話だが、現在公開中のタミル映画に【Billa】という作品があるが(アジット主演)、これこそがヒンディー映画【Don】のリメイクなのである。【Billa】は、正確には80年制作のラジニカント主演の【Billa】‎のリメイクとされているが、その【Billa】(80)はまさに【Don】(78)の忠実なリメイクなので、【Billa】(07)は【Don】のリメイクだと言って差し支えないだろう。(と、単純なことをややこしく書いてしまった。)

 で、そんな【Don】とも【Billa】とも関係がないテルグ映画の【Don】であるが、話題といえば、やはりナーガールジュナの久々の主演作ということだろう。今回はタイトルの通り、マフィアのドン役をやるということで、一味違うナグ様が見られるかも、という触れ込みだった。
 そしてもう一つの話題は、振付師のローレンスが作、脚本、監督、出演をこなすだけでなく、音楽も担当しているということだ。どんなローレンスの世界を見せてくれるのか、非常に楽しみだった。

【Don】 (2007 : Telugu)
物語・脚本・監督 : Raghava Lawrence
出演 : Nagarjuna, Raghava Lawrence, Anushka Shetty, Kelly Dorjee, Chalapati Rao, Jeeva, Chetan Hansraj, Nikita, Kota Srinivasa Rao, Nasser
音楽 : Raghava Lawrence
撮影 : S. Gopal Reddy
編集 : Marthand K. Venkatesh
制作 : M.L. Kumar Chowdary

《あらすじ》
 孤児のスーリ少年は、ある夜、路上で麻薬の売人に虐待されている子供たちを救う。その子供たちはみなスーリに付き従ったが、なかでも命を助けてもらったラーガワ少年はスーリのために命も投げ出す覚悟だった。
 20年後、スーリ(Nagarjuna)たちのグループはハイダラーバードに拠点に置くマフィアに成長していた。スーリにはムルティ(Chalapati Rao)、ベナルジー(Jeeva)、そして、もちろんラーガワ(Lawrence)という3人の腹心がいた。マフィアといっても、邪悪なことには手を染めず、問題を抱えた弱者のために一肌脱いでやる義賊のようなものだった。それで、スーリは縄張りの住民から非常な尊敬と信頼を集めていた。スーリは誕生日のパーティーのとき、支持者たちから「ドン」の称号をもらう。
 ラーガワは結婚したくてたまらなかったが、兄貴分のスーリが独身で、「結婚しない」と言い切っていたので、やきもきしていた。「どんなタイプの女なら結婚するか」というラーガワの質問に対して、スーリは「私の目をまっすぐ見て、あえて私に指図できる女性だ」と答えていた。
 ところが、実際にそんな女性が現れたのである。ある事故がきっかけで、スーリはプリヤ(Anushka)という勝気な女性と出会う。彼女はたまたま腹心のムルティの娘だった。やがて二人は結婚することになる。(後に、ラーガワもナンディニという女性と出会う。)
 さて、ここにスティーフン(Kelly Dorjee)というマフィアのドンが登場する。彼はムンバイ出身のマフィアだったが、今やほぼインド全域のマフィアとの戦いを制し、残るはスーリがいるAP州のみとなっていた。
 スティーフンはスーリと対面し、取り引きを申し出る。しかし、それは銃と麻薬の売買だったので、スーリは一蹴する。
 スティーフンはスーリに対する挑戦を始める。彼はまずハイダラーバードに製薬工場を持つ実業家と手を結び、麻薬の製造を始めようとするが、それを察知したスーリらによって実業家は殺害される。また、スティーフンと内通していた悪徳警官も抹消される。
 次にスティーフンはスナイパーを使ってスーリを狙撃させようとするが、それも失敗に終わる。
 苛立ち始めたスティーフンは、ハイダラーバードをパニックに陥れるためにボンバーを呼び、爆弾テロを惹き起こす。一度はうまくいくが、二度目のときにはスーリらが未然に防ぐ。しかもその際に、スーリはスティーフンの片腕、アンソニー(Chetan Hansraj)を捕らえることに成功する。
 しかし、周到に用意されたスティーフンの罠により、逆にラーガワとプリヤも人質に捕られてしまう。スーリはお互いの人質を交換するために、スティーフンのアジトに乗り込む、、、。

   *    *    *    *

 2006年公開の【Boss - I Love You】から1年3ヶ月ぶり、待ちに待ったナグ様の主演作ということで、映画館に転がり込んだファンも多いことだろう。
 だが、ナーガールジュナ主演の映画としては平凡な出来だったと思う。
 チランジーヴィやラジニカーントがやるような役柄で、ナグ様にはちょっと似合わないのかな、とは思いたくはないし、スティーフンとの舌戦やアクションも決まっており、ときおり彼ならではの艶も見られて良かったのだが、ちょっとずつ足りないものを感じた。
 というより、ローレンスが面白く、「ローレンスのローレンスによるローレンスのための映画」になってしまっていたかも。
 御大も形無しだが、ここは「お前、好きにやってみろよ」と太っ腹でローレンスにお付き合いするナグ様だったと解釈しておきたい。
 だが、やっぱり、ずしっと心に響くナーガールジュナの名作を観たいものだ。

画像

 そのローレンスのこの映画の仕事の中で、一番良かったのは演技だと思う。
 上のキャスト欄を見ても分かるとおり、この映画には珍しくコメディアンが出ていない。つまり、ローレンスがコメディー・パートも担当していたというわけで、ナーガールジュナの周りをちょろちょろする役柄が可愛かった。
 監督業は平均点。
 注目の音楽も普通の出来だったと思う。自身がダンスにも参加している3曲は面白かったが、他は退屈だったかもしれない。
 大雑把に言って、自身のアイデアと才能で、ナーガールジュナを使って、これだけの作品を作るのは立派だが、手を広げすぎたような気もする。

 ヒロイン、プリヤのアヌシュカはどうかなぁ? 私のレセプターが感知しなくて、コメントに困り中。
 Shettyという名字と出自がマンガロールだということからすると、やっぱりバント族かしら? バンガロールの大学でコンピュータ・アプリケーションを修めた学士女優にしてヨーガ教師、エビ料理が得意で、趣味は自然災害の新聞記事を集めること、、、って、かなり魚眼レンズ的人物ではありませんか!?

画像

 スティーフン役のKelly Dorjeeは北から来た人だが、テルグ映画の悪役をやるにはちょっとスマートすぎたね。(あえて起用したのだろうけど。)
 この人、俳優としてはパッとしない経歴だと思うが、近々、ラーラ・ダッタと結婚するらしく、北の芸能誌ではさぞやパッとしていることだろう。

 【Don】は各方面で少しずつ中途半端さを感じる作品だったが、娯楽的には面白いアイデアがいくつかあり、そこに反応できると楽しめると思う。

・満足度:2.5 / 5
 

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
【Badrinath】 (Telugu)
 V・V・ヴィナーヤク監督、アッル・アルジュン主演のテルグ映画。  ‘スタイリッシュ・スター’として高い人気を誇るアッル・アルジュンは、しかし【Parugu】(08)のヒット以来、他のテルグ若手スターと同様、興行的に苦戦している感がある(【Vedam】は批評家ウケは良く、興行的にもまずまずだったはずだが、アッル・アルジュンのファンからのウケは悪かった)。そんな彼だが、今回は強力プロダクションであるギーター・アーツの下、ヒットメーカーのV・V・ヴィナーヤク監督と組み、タマンナーをヒロイ... ...続きを見る
カーヴェリ川長治の南インド映画日記
2011/06/15 21:01

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
なるほど、コータさん演じる爺さんはラーガワに殺された息子の恨みをはらすためスティーフンに近づいたんですね〜。なるほど、ラーガワの彼女はスティーフンの手先だったのですね。
仰るように、ラーガワが主人公にしか見えませんでしたf^_^;)。スーリはラーガワの後見役って感じですね。多分、カーヴェリさんが仰るようにラーガワ役のローレンスさんに付き合った感じなんではないでしょうか?スーリのダンスシーンは一応、この人が主人公ですよってアピールっぽくとって付けたような感じでした。
ジーヴァさんが殺されちゃった。ラーガワも死んだ!!!
敵役のケリーさんて、帝王でも敵役でしたね。少しミッキーロークさんに似てるなぁと思いながらみてました。
今回のナーガルジュナさんは、適度に足技も立体機動装置も使っていてかっこ良かったですね。最後の戦闘シーンは、これはラーガワのぶん!とかいうシーンだと思われますが、燃え(萌え)ますね〜。少年漫画によくあるシーンでベタですが。

ナン
2013/09/18 23:41
>敵役のケリーさんて、帝王でも敵役でしたね。少しミッキーロークさんに似てるなぁと思いながらみてました。

ブータン人のようですよ。
 
カーヴェリ
2013/09/20 10:50

コメントする help

ニックネーム
本 文
【Don】 (Telugu) カーヴェリ川長治の南インド映画日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる