カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Rachcha】 (Telugu)

<<   作成日時 : 2012/04/19 21:18   >>

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 ‘チル太’こと、‘メガ・パワー・スター’ラーム・チャラン・テージャ主演のテルグ映画。
 待ってました〜、パチパチパチ、と拍手なさっている邦人ファンもいらっしゃると思うが、それもそのはず、前作【Orange】(10)から1年半のブランク。バースカル監督の【Orange】は大不評だったが、かくも長い禊期間を必要とするとは、チル太にとってよっぽど大きなトラウマだったに違いない。その反省から、今回は新趣向のコンセプト作品は避け、純粋大衆娯楽作品の本作【Rachcha】を選択したようだ。
 監督はサンパット・ナンディという人で、過去に【Yemaindi Ee Vela】(10)という作品を撮っているようだ。
 ヒロインはタマンナー。
 題名の「Rachcha」について、現地人は「雨水と土が混ざったもの」と説明してくれたが、ええ?じゃあ「ぬかるみ」ってこと?と判然としないので、不採用。もう一つ、ラーム・チャランの「ラー」と「チャ」をくっ付けたものだという説もあるが、それもどうかなぁ?

【Rachcha】 (2012 : Telugu)
物語・脚本・監督 : Sampath Nandi
出演 : Ram Charan Teja, Tamannaah, Ajmal, Mukesh Rishi, Kota Srinivasa Rao, Dev Gill, Parthiban, Nasser, Paruchuri Venkateswara Rao, Brahmanandam, M.S. Narayana, Sudha, Pragathi, Venu Madhav, Srinivasa Reddy, Thagubothu Ramesh, Ravi Babu, Fish Venkat, Ali, Dharmavarapu Subramanyam, Jayaprakash Reddy, Krishna Bhagawan, L.B. Sriram, Uttej, Geetha, Satya Krishnan, Jhansi, Hema
音楽 : Mani Sharma
撮影 : Sameer Reddy
編集 : Gowtam Raju
制作 : R.B. Chowdhary

《あらすじ》
 ラージ(Ram Charan)は賭け事が何よりも好きな若者で、それで飯を食っていた。ある日、彼の養父(M.S. Narayana)が病に倒れ、肝臓移植手術のために200万ルピー必要となる。困惑するラージだが、折り良く賭けのライバル、ジェームズ(Ajmal)が現れ、チャイトラ(Tamannaah)という女性に1ヶ月以内に「I love you」と言わせれば、200万ルピー出す、との挑戦を受ける。チャイトラは悪名高き鉱山業者バッラーリ(Mukesh Rishi)の娘だが、ラージは養父のために挑戦を受けるしかなかった。
 しかし、バッラーリはチャイトラの周りに幾重にも護衛を配していたため、接近するのは容易ではなかった。だが、一点、穴があった。チャイトラはダンスを習っていたが、ダンスクラスの時だけは護衛が付かないのであった。そこでラージはダンスマスターのランギーラ(Brahmanandam)をコントロールし、クラスに入り込んでチャイトラに接近する。
 この作戦は功を奏し、ラージはチャイトラの出す難題を次々クリアし、彼女の心を捉える。そしてとうとう、12月31日の晩に「I love you」と言う約束を彼女から取り付ける。約束の時間に約束の場所で待つラージだが、しかし、チャイトラはバッラーリの手の者に追われる形で現れる。行き掛かり上、ラージはチャイトラを連れて逃走し、森の中へと避難する。
 バッラーリの追っ手は執拗にラージとチャイトラを追い詰めるが、二人は何とか逃走する。そして、その過程でラージは、ジェームズが持ち出した「チャイトラの賭け」には、実は裏があることを知る、、、。

   *    *    *    *

 分かりやすい、実に観るのに骨の折れない、直球型娯楽映画だった。正統的テルグ・アクション映画と言えるが、トリウッドでもここまでシンプルなものは珍しくなっているので、愉快に10年前にタイムスリップさせていただいた。
 一応、ストーリーには2度のヒネリがあり、単調になりすぎないように工夫されている。ただ、そのヒネリも分かりやすく、十分予想可能、あまりにも思ったとおりに事が進むので、最後まで安心して座っていられた。これをつまらないと感じる鑑賞者も多いだろうが、分かりにくくイライラするより、これほどの安心感があるほうがかえって気持ちが良い。

 また、設定やストーリーの平凡さを帳消しするかのように、と言うより、平凡なストーリーに乗っかるからこそ引き立つのかもしれないが、ダンスやアクションなどの娯楽的要素は良くできている。特にアクション・シーンはさすが荒事師ラーム・チャラン・テージャらしく、見応えのあるものだった。しかし、クライマックスの最終格闘の場面はいささかネタ切れっぽく、面白みに欠けるのが残念だった。

 メッセージ性などまったくないが、社会的味付けとして、鉱物資源埋蔵地横領の問題がネタとなっている。これは近ごろよく南インド映画でも採り上げられるテーマだが、つまりは実社会でもホットな話題ということだろう。

◆ 演技者たち
 この種の映画に欠かせないのがヒーローの求心力だが、その点、ラーム・チャラン・テージャはなんとか合格点だったと思う。実際、ダンスもアクションも最近の若手俳優の中では秀でたほうで、本作でも申し分ない。セリフ回しや見えの切り方もずいぶんと様になってきた。ただ、それらがまだチランジーヴィのコピーみたいなところがあって(意図的にそうしている部分もある)、そこが苦しいと思った。しかし、こんな感じを続けていく中で、彼は彼なりに成長していくんじゃないだろうか。
 (写真下:本作の見どころの一つ、竹林でのアクション。)

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 ヒロイン、チャイトラ役のタマンナーは、彼女にすれば並の役柄とパフォーマンスだったと思うが、そこはさすがに見せるべきところで見せている。しかも可愛い。
 美人女優はあまたいれど、良い女優とそうでもない女優の分かれ目は、そうでもない女優は登場シーンでは「きれい!」と思えても、ストーリーが進むにつれて鍍金がはげてくる。しかし、良い女優というのは逆で、終盤になるほど魅力が増してくる。タマンナーはそういう女優で、それは【Happy Days】(07)のときからそうだったように思う。

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 タミル映画【Ko】(11)のテルグ語ダビング版【Rangam】がヒットしたおかげで、AP州でも知られた顔になったアジマルくんだが、本作では「ジェームズ」という似合わない名前の役だった。しかし、役回りは面白い。

 脇役陣では、ラージ(Ram Charan)の実父役にパールティバンが使われていた。
 また、コメディー的役回りだが、チャイトラの護衛の1人をラヴィ・バーブが演じていた。彼は本業は映画監督のはずで、しかも私は天才監督ぐらいに評価しているのだが、こんなところでこんな情けない役をやっていていいのだろうか?(もしや、フロップ続きで干されたか?)

 悪役はムケーシュ・リシとコータとデーヴ・ギルの3枚。ストーリー上、デーヴ・ギルは余計な感じがしたが、きっとムケーシュ・リシとコータは年を取りすぎているので、ラーム・チャランの格闘相手として彼を無理やり押し込んだのだろう。

 コメディアンでは唯一、ブラフマーナンダムだけが賑やかだった。アリーも強引に押し込んだ感じだが、空気換えにはなっていた。
 総じて本作は登場人物がやたらと多く、たくさん出なくてもいいのにたくさん出ていて、たいていは無駄遣いになっていた。

◆ 音楽・撮影・その他
 マニ・シャルマの音楽は、久々に彼らしい腰の強い曲で、良かった。
 音楽シーンそのものの出来は良いが、挿入の仕方が上手くなかったと思う。(特にプレ・クライマックスの曲。)

◆ 結語
 かなりの興行成績を上げると思われる。まずはラーム・チャランのマス・ヒーロー路線は成功したと言える。トリウッドの歴史からすると、並の作品かと思われるが、テルグ・アクション映画ファン、チル・ファミリー・ファンなら、見ない手はないだろう。

・満足度 : 3.0 / 5

《 勝手トレイラー 》
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ジェームズ 「お前にな、一つだけ言うときたいことがある。」
ラージ 「何や、、このクソ暑いときに暑苦しいジャンパー着とるお前がオレに指図てか。」









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ジェームズ 「インドの道走るんやったらな、防雨、防塵、防UV、防カラスの糞の見地から、車は屋根付きにしとけ、ちゅうこっちゃ。」
ラージ 「けっ、カラスの糞が怖ぁて、インド人やっとれるか!」








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チャイトラ 「あっ、カラスが糞しとる!」
ラージ 「アヨヨ、、お母ちゃん!」
ジェームズ 「って、怖がっとるやんけ。」









 

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【Naayak】 (Telugu)
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【Bengal Tiger】 (Telugu)
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カーヴェリ川長治の南インド映画日記
2015/12/16 21:29

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
カーヴェリ川様の勝手トレイラーいつも楽しいですね
ちゃらん様の新作ずーーーーっと待っておりました! いつも通り激しくかっこいいので連日(脳内で)らっちゃまつり開催中。ちゃらん様が「I love you」っていうシーンをヘビーローテーションしております。滝でタマちゃんが水浴びしてるのを「みてないよー」ってごまかしてるシーンとその後の妄想ずぶぬれダンスがおきにいり
デーヴ・ギル+ヘリのシーンでデジャビュ・・・・ヘリで女子つれて逃げるシーンがまるでマガディーラ・・・・w
そちらで人気のでている様子、ファンとしてうれしい限りです。初日に館内でファンが派手に紙吹雪+スクリーン前で踊る の動画が流れてきたのでそれをみながら興奮しておりましたのよ(鼻血ぶう
ボリ映画とyevaduも楽しみにしております。

漁師N
2012/04/20 06:33
>カーヴェリ川様の勝手トレイラーいつも楽しいですね

ありがとうございます。

>デーヴ・ギル+ヘリのシーンでデジャビュ・・・・ヘリで女子つれて逃げるシーンがまるでマガディーラ・・・・w

おお、そう言われりゃ、そうですね。ご指摘、ありがとうございます。
 
カーヴェリ
2012/04/20 22:19

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