カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Yaarre Koogaadali】 (Kannada)

<<   作成日時 : 2012/12/30 18:05   >>

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 サンダルウッドのパワースター、プニート・ラージクマールは、サムディラッカニ監督のタミル映画【Naadodigal】(09)のカンナダ版リメイク【Hudugaru】(11)に主演し、ヒットさせた。そこで、味をしめたラージクマール家のプロダクションが再び同監督作品のリメイクに取り組んだのがこの【Yaarre Koogaadali】。オリジナルは【Poraali】(11)。二匹目のドジョウ狙いが見え見えだし、【Poraali】はそれほど面白いとも思えなかったので、本作も特に触手は動かなかったが、オリジナルのサムディラッカニ監督がそのまま本作のメガホンを取っているということなので、もしや改良版になっているかもしれないと思い、観ておくことにした。
 ついでに記しておくと、近ごろカンナダ映画界にもタミル田舎映画の圧力が強まりつつあるのか、つい先日も【Subramaniyapuram】(08)のリメイク【Prem Adda】が公開されたばかりだった。

【Yaarre Koogaadali】 (2012 : Kannada)
物語・脚本・監督 : P. Samuthirakani
台詞 : Guruprasad
出演 : Puneeth Rajkumar, Yogesh, Bhavana, Sindhu Lokanath, Sadhu Kokila, Girish Karnad, Nivedhitha, Ravishankar, Malavika Avinash, Shobharaj, Achyuth Kumar, Lakshmi Hegde, Rakesh Adiga, Tumkur Mohan, Charmi(特別出演), その他
音楽 : V. Harikrishna
撮影 : M. Sukumar
編集 : Deepu S. Kumar
制作 : Parvathamma Rajkumar

題名の意味 : 誰が何を言っても
カテゴリー : [U/A] [リメイク] [アクション]
上映時間 : 2時間18分

◆ あらすじ
 地方の精神病院に入院していたクマーラ(Puneeth Rajkumar)とナテーシャ(Yogesh)は、病院を脱走し、バンガロールへとやって来る。二人は安アパートに暮らす知人のシシュパーラ(Sadhu Kokila)の部屋に転がり込む。そして、近所のガソリンスタンドで働くことになる。
 クマーラとナテーシャは勤務態度が良かったため、職場でも信頼を得る。また、同じ職場にカストゥーリ(Sindhu Lokanath)という女性スタッフが働いていたが、彼女は深刻な家族の問題を抱えていた。クマーラとナテーシャは彼女の問題を解決するために、ちょっとした便利屋業を始める。

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 クマーラとナテーシャの隣室には映画のバックダンサーをしているバーラティ(Bhavana)が住んでいたが、彼女はクマーラの人間性に惚れ、プロポーズする。当初、クマーラはバーラティを無視していたが、後に彼女の愛を受け入れる。一方、ナテーシャはカストゥーリに惚れていた。
 クマーラたちの便利屋は軌道に乗る。シシュパーラは便利屋のパンフレットをスタッフの顔写真付きで作成し、配布するが、それを見たクマーラは激怒する。案の定、その顔写真に引かれるかのように、どこからともなくヴァンに乗った男たちがやって来る。それを見たクマーラとナテーシャは慌てて逃げ出す。実はこの男たちはクマーラの村からやって来た連中で、さる仔細あってクマーラを血眼になって探していたのであった。
 ナテーシャはカストゥーリの部屋にかくまってもらう。一方、クマーランはバーラティと会い、連中がどうして自分を追いかけているのか、過去の経緯を説明する、、、。

・その他の登場人物 : クマーラの継母(Malavika Avinash),阿漕なクマーラの身内(Ravishankar),同(Tumkur Mohan),クマーラの義弟(Rakesh Adiga),精神病院の医師(Girish Karnad),村の女(Nivedhitha),アパートの酔いどれ(Shobharaj)

◆ アナリシス
・リメイク作品としての出来は良い。私の場合、オリジナルよりリメイクのほうが面白いと感じるケースはごく稀なのだが、本作はそれだった。サムディラッカニ監督自身による改良版と見ていいだろう。

・その理由は、、、そもそも【Poraali】はメッセージ志向の映画というよりスター本位の娯楽アクション映画だと思われるのだが、そうなるとサシクマールのキャラでは華がない。その点、プニートのほうが顔のいかつさと胸板の厚さという点で説得力があった。(例えば下のイメージを比較せよ。右がプニート。)

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・次に、オリジナルよりいくつかシーンをカットしており、展開がスピーディーになっている。(上映時間では本作のほうが7分ほど短い。)

・さらに、サムディラッカニ監督はタミル人なのに、このカンナダ版にラージクマール主演のヒット作【Sampathige Savaal】(74)をモチーフとして上手く取り込んでおり、カンナダ化に成功している点が大きい。(本作の題名も【Sampathige Savaal】のヒットソングから取られたもの。)

・こうやって改めてリメイク版を観てみると、【Poraali】が思ったよりいろいろな要素の詰まった面白い映画だということが分かった。タミル・ナードゥ州でヒットしたのも頷ける。

・また、このようにタミルの田舎映画を他言語映画産業の中に置いて鑑賞してみると、サシクマールやサムディラッカニなどのタミルの映画人がいかに血も涙もある、人間味豊かな、しかも力強い映画を撮ろうとしているかがよく分かる。

◆ パフォーマンス面
・クマーラ役のプニートについては、顔のいかつさと胸板の厚さだけでなく、セリフの上手さでも光っていた。
 (写真下:田舎時代のクマーラ。ガネーシャの帰依者という設定だった。)

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・オリジナルでアッラリ・ナレーシュが演じた役はヨーゲーシュ。【Hudugaru】でもプニートと共演した。

・ヒロイン、バーラティ役はバーヴァナ。オリジナルではスワーティだった。
 バーヴァナのカンナダ映画出演歴は【Jackie】(10)、【Only Vishnuvardhana】(11)、【Romeo】(12)で、いずれもヒット。プニートとは【Jackie】でも共演している。このところカンナダ出演率の高いのが気に掛かるバーヴァナだが、まぁ、アイドルとしての彼女が見られるのはもはやカンナダぐらいだろうから、ファンとしてはありがたい。

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 可愛いのでもう1枚。

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・オリジナルでは子役のニウェーダが大人になっていて驚いたセカンド・ヒロインは、本作ではシンドゥ・ローカナートが演じている。

・オリジナルではインパクトのあった村の娘役はニウェーディタという人。彼女は以前はスミタという芸名(か本名か知んが)で【Avva】(08)などに出演していた。

・クマーラの継母で、因業婆役はマーラヴィカ・アヴィナーシュ(アヴィナーシュの奥さん)。彼女がネガティブ・ロールをやるのは初のことらしい。

◆ テクニカル面・その他
・音楽はハリクリシュナの担当。歌の部分は彼らしい曲だったが、BGMはタミル版オリジナル(スンダル・C・バーブの担当)と似たようなコンセプトだった。
 1曲目はチャルミーがアイテム出演しているナンバー。華やかな感じで良かったが、やっぱりチャルミーもより太く見えたのはカンナダ・マジック?

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・撮影はタミルのスクマールが担当している。前回紹介した【Kumki】と同じ人だが、【Kumki】ほどの映像美ではなかった。

◆ 満足度 : ★★★☆☆
◆ 必見度 : ★★☆☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 2012年12月22日(土),公開第1週目
・映画館 : Gopalan Cinemas (RR Nagar),10:15のショー
・満席率 : 40%
 

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
この作品、面白かったです。

アクションも違和感なく見られました。
サンダルウッド(というか、インド映画)には、アクションだけをまかされるアクション監督というのはあるのでしょうか?

プニートも、もう大丈夫です。

やっほー
2014/03/20 22:15
プニート、大丈夫になって、よかったよかった。

>サンダルウッド(というか、インド映画)には、アクションだけをまかされるアクション監督というのはあるのでしょうか?

インド映画は(たぶん一般的に)分業制で、ソングシーンは音楽監督と振付師が、アクションシーンはアクション監督が担当し、いわゆる全体的な「監督」はあれこれ口出ししないものらしいですよ。
本作も、クレジットを見ればスタント(アクション)監督の名前が分かると思います。
 
カーヴェリ
2014/03/20 23:01

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