カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Mr. Pellikoduku】 (Telugu)

<<   作成日時 : 2013/03/08 22:30   >>

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 【Maryada Ramanna】(10)の大成功、【Poola Rangadu】(12)の驚愕のシックス・パックと、主役級俳優としての地歩を固めつつあるスニールだが、「スニールはやっぱりコメディアンであってほしい」と期待するのは私だけ?
 本作はヒンディー映画のヒット作【Tanu Weds Manu】(11)の公式リメイクということで、オリジナルとそっくりのポスターが堂々と公開されていた(上)。
 ヒロインは【Poola Rangadu】でもスニールと共演したイーシャー・チャーウラーだが、このお二方がオリジナルではマーダヴァンとカンガナー・ラーナーウトの演じた役にどう挑むのか、、、結果はいかに?

【Mr. Pellikoduku】 (2013 : Telugu)
脚本・台詞・監督 : Devi Prasad
出演 : Sunil, Isha Chawla, Vincent, Ali, Dharmavarapu Subramanyam, Thulasi Shivamani, Ahuti Prasad, Ravi Babu, L.B. Sriram, M.S. Narayana, Ambati Srinivas, Kadambari Kiran, その他
音楽 : S.A. Rajkumar
撮影 : Sameer Reddy
編集 : Nandamuri Hari
制作 : N.V. Prasad, Paras Jain

題名の意味 : ミスター花婿
映倫認証 : U
タ イ プ : リメイク
ジャンル : ロマンス
公 開 日 : 3月1日(金)
上映時間 : 2時間18分

◆ あらすじ
 アメリカでブティックを経営しているブッジ・バーブ(Sunil)は花嫁選びのためにハイダラーバードに帰省する。彼は両親(Dharmavarapu Subramanyam & Thulasi Shivamani)及び友人のバッジ(Ali)と共にラージャマンドリまで赴き、第1回目の見合いをする。そこに現れたアンジャリ(Isha Chawla)にブッジはすっかり惚れ、縁談はあっさり成立したかに見えた。しかし、アンジャリはタバコは吸うわ、酒は飲むわのあばずれ娘で、しかもすでに彼氏がおり、ブッジに対して縁談を断るよう要求する始末。ブッジはすっかり意気消沈する。
 焦った両親はブッジを次々と別の候補とお見合いさせるが、アンジャリのことが忘れられないブッジは嫌気がさし、ひとまずアメリカに戻ろうとする。だが、ちょうどそんな時に友人のナーイルから連絡が入り、彼の結婚式に出席するために、バッジを連れてケーララ州まで赴く。
 ところが、結婚式の会場でブッジはアンジャリと再会し、驚く。実は、アンジャリはたまたまナーイルの結婚相手であるパワナの友達だったのである。事情を知ったナーイルとパワナは、ブッジとアンジャリを結び付けようと世話を焼く。しかし、そうしたことなどが逆効果となり、ブッジはまたしてもアンジャリに冷たくされる。彼女はすでに意中の男性との結婚を決めていたからである。
 失意のうちにブッジは列車に乗って帰途につく。ところが、その列車の中でブッジはラージャー(Vincent)と再会する。ラージャーはブッジが以前に見合いをした女性の兄だった。ブッジの失恋の経緯を知ったラージャーは彼に同情し、サポートを申し出る。ブッジはラージャーと共に再びケーララへと逆戻りする。
 ところが、例の結婚式会場に到着して、ブッジは驚く。アンジャリが結婚しようとしていた相手とは、他ならぬラージャーだったのである、、、。

・その他の登場人物 : アンジャリの父(Ahuti Prasad),ラージャーの父(L.B. Sriram),ラージャーの手下(Ravi Babu)

◆ アナリシス
・完璧な失敗リメイク映画。

・リメイクしにくいタイプの映画というのがあると思う。例えば、マンムーティのマラヤーラム映画【Kadha Parayumbol】(07)は大ヒット作となり、タミル映画やヒンディー映画にもラジニカーントやシャールク・カーン出演で華々しくリメイクされたが、オリジナルほど評価もされなかったし、興業的にも当らなかった。【Tanu Weds Manu】もその種の映画だと思う。

・回顧すると、【Tanu Weds Manu】は微妙な映画で、ストーリーが陳腐でさして面白くない割にヒットした理由は、タッチがナチュラルであること、マンヌーとタンヌーのキャラが生きており、新世代を敏感に感じているような人々の共感が得られたこと、加えて、それを演じたマーダヴァンとカンガナー・ラーナーウトが上手かった(役柄にぴったり合っていた)ということが挙げられると思う。ちょっと脚本のさじ加減が悪ければ、またはマーダヴァンかカンガナー・ラーナーウトの演技にミスがあれば(あるいは、違う俳優が演じていれば)、なんてことのない凡作に終わった可能性は高い。

・そのリメイクである本作は、ストーリー的にはほぼオリジナルをなぞっているが、実質的には全然違う映画になっていた。ずっと大衆志向になっている。監督のデーヴィ・プラサードの狙いは明白で、ヒット・ボリウッド映画をテルグ・テイストに作り直し、さらに大衆的ヒットを狙うということだと思うが、上に書いたとおり、微妙に効いてたオリジナルの良さがすべて壊れてしまい、何が何だか分からない映画になっていた。

・例えば、オリジナルのマンヌーの役柄は「イギリス在住の医者」だったが、これは十分に考えられたもので、それに即して脚本が書かれ、マーダヴァンもよく理解して演じていた。対して、本作のブッジは「アメリカ在住のブティック経営者」となっていたが、この変更の狙いがよく分からないし、物語中でこの設定が生かされていたとも思えない。また、クライマックスには、【Shankar Dada Zindabad】(07)のように、オリジナルにはなかった脱線的なアクション・シーンがあるのだが、これはスニールのシックス・パックを引き出すためだけのもので、まったく効いていなかった。

・それでも、ストーリーだけ借りて、全然別個の映画を作ってしまうというのも方法としてありだと思うのだが、映画として面白いものになってくれないと困る。その点で、本作の監督と主役ペア(スニール&イーシャー・チャーウラー)には映画を面白くするための想像力が欠けていたと思う。素人くさい仕事だった。

◆ パフォーマンス面
・スニールの努力は評価してやりたいが、本作失敗の戦犯の一人だと言える。

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 このシックス・パックを見る限り、スニールの「本気」を感じるのだが、悲しいかな、演技力がない。【Poola Rangadu】は「まさか!」で客を惹き付けることができたが、2作目となるとそうは行かない。シックス・パックで役者の価値が決まるなら、ニティンがNTRジュニアのはるか下にいるはずがない。やっぱりドラマを1本演じ切るだけの演技力を磨いてほしい。
 というか、どうも本作のスニールは元気がなく、思い切りが悪かった。ラヴィ・テージャは「コメディアン」とは言えないが、スクリーン上では思い切りバカやって、観客にあっぱれと言わせている。あれを見習ってほしい。
 (写真下:オリジナルのマンヌー役のマーダヴァン。やっぱり「超お人好しにして意固地」という、この表情がほしい。)

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・本作失敗の最大の戦犯は監督のデーヴィ・プラサードだと思うが、第二の戦犯はヒロイン、アンジャリ役のイーシャー・チャーウラーだろう。とにかく、演技ができない、表情が埴輪みたいに乏しい、色気がないで、まったく見どころがなかった。

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 マーダヴァンと同じく、オリジナルのカンガナー・ラーナーウトのスチルも参考に載せておくが、やっぱりこれぐらいの表情は作ってもらわないと。

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・脇役陣では、ベテラン俳優はそれなりに手堅い仕事をしていたが、お若い方たちは素人同然だった。例えば、オリジナルではジミー・シェールギルの演じたラージャー役はヴィンセントという人がやっていたが、男前でも俳優としては使えそうにないお兄さんだった(下:本作のスチルではありません)。

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◆ テクニカル面・その他
・音楽は平凡だった。
 それ以上に、音楽シーンの出来に文句が集中している。スニールはダンス・スキルがあるし、各ダンス・シーンではけっこう高度な技を披露しているのだが、映画全体の中で効果を上げておらず、面白みがないというのである。それで、「テレビのダンス・ショーみたいなもの」とか、「オリンピックの床運動と変わらない」とか、酷いのは「床掃除」とまでこき下ろしているレビューもあった。
 いやぁ、インド映画作りというのは、たとえリメイクであっても難しい、ということを改めて認識した。

◆ 満足度 : ★☆☆☆☆
◆ 必見度 : ★☆☆☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 3月4日(日),公開第1週目
・映画館 : PVR Classic,12:50のショー
・満席率 : 4割
 

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