カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Singam II】 (Tamil)

<<   作成日時 : 2013/07/18 23:22   >>

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 ハリ監督、スーリヤ主演のタミル映画【Singam】(10)は大ヒットし、カンナダ語版、ヒンディー語版、ベンガリー語版のリメイクもそれぞれ大ヒットと、実に多くのインド人に親しまれた物語となったわけだが、その主人公の「獅子髭ポリス」が帰って来た! ハリ監督もスーリヤもポリス物も好きな私にとって、これは期待の1作だった。

【Singam II】 (2013 : Tamil)
物語・脚本・台詞・監督 : Hari
出演 : Surya, Anushka Shetty, Hansika Motwani, Rahman, Mukesh Rishi, Danny Sapani, Santhanam, Vivek, Mansoor Ali Khan, Vijayakumar, Radha Ravi, Sumithra, Nasser, Janaki Sabesh, Rajendran, K. Vishwanath, Manorama, Krishna Priya, Nizhalgal Ravi, Anjali(特別出演)
音楽 : Devi Sri Prasad
撮影 : Priyan
編集 : T.S Jai, V.T. Vijayan
制作 : S. Lakshman Kumar

題名の意味 : シンガム(ライオン:主人公の名前)・パート2
映倫認証 : U
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : アクション
公 開 日 : 7月5日(金)
上映時間 : 2時間45分

◆ あらすじ
 シンガム(ドゥライシンガム:Surya)は内務大臣(Vijayakumar)の指示を受け、トゥートゥクディで覆面捜査官として武器の密輸の極秘捜査に当たっていた。ターゲットはバーイ(Mukesh Rishi)率いるマフィアだったが、シンガムは彼らの扱うブツが武器ではなく麻薬だったことを知り、背後に国際的な麻薬密売組織の存在を見当付ける。
 シンガムは本性を隠すためにNCC(National Cadet Corps)の教官として振る舞っていた。その訓練所と同じ敷地内にある学校にサティヤ(Hansika Motwani)が通っていた。サティヤは、いくつかの出来事の後、シンガムにぞっこん惚れてしまう。しかし、カーヴィヤ(Anushka Shetty)という婚約者のいるシンガムはサティヤにはなびかない。そこでサティヤは、シンガムの気を惹くために、狂言誘拐を試みるが、当然ながらシンガムにこっぴどく説教される。そんな経緯があって、シンガムはサティヤの保護者である叔父のタンガラージ(Rahman)と会うことになる。タンガラージは表向きは貿易商を装っていたが、実は密輸を事とするマフィアのボスだった。そして、バーイとはこれまた表向きはライバル関係を装っていたが、実は味方同士で、共に国際的な麻薬マフィアであるダニー(Danny Sapani)と取引していた。シンガムは後にバーイとタンガラージの友好関係を察知する。
 バーイの一味が起こした誘拐事件をきっかけに、町で暴動が起きる。シンガムはこれを機に覆面捜査官から本来の警察副本部長(DSP)に戻り、速やかに誘拐された女性を解放し、暴動を鎮圧する。
 ある夜、シンガムはバーイ一味が海岸で麻薬を陸揚げしようとする現場に張り込み、バーイの部下サガーヤム(Rajendran)を逮捕する。そして、その場にいた不審な黒人男も逮捕する。シンガムはこの黒人男が何者か知らなかったが、実はこれこそが麻薬マフィアのダニーだったことが分かる。バーイとタンガラージは動揺し、有力政治家に働きかけてダニーの釈放を要求させる。しかし、シンガムは応じない。そこで、バーイらの手下が警察署を襲撃し、力ずくでダニーを解放する。
 シンガムは内務大臣に会い、自分に強力な権限を付与してくれるよう要求する。そして、ダニー、バーイ、タンガラージを逮捕するための「Operation D」を開始する、、、。

・その他の登場人物 : スーサイ(Santhanam),エリマライ(Vivek),カリーム・バーイ(Mansoor Ali Khan),州大臣(K. Vishwanath),シンガムの父(Radha Ravi),シンガムの母(Sumithra),カーヴィヤの父(Nasser),カーヴィヤの母(Janaki Sabesh),カーヴィヤの祖母(Manorama),カーヴィヤの妹(Krishna Priya)

◆ アナリシス
・【Singam II】の題名には偽りなく、ストーリーはきちんとパート1からの続きとなっており、登場人物もキャストも維持されている(殺されたプラカーシュ・ラージは別として)。なので、パート1を観ておいたほうが面白く鑑賞できるが、観ていないからと言って、つまらないわけではない。親切に冒頭にパート1のフラッシュバックがあるが、あれは「観ていない人にも分かるように」というより、ムード作りといった意味合いのほうが大きいだろう。

・ストーリー展開はスリリングで、アクション・シーンも目が回るような速さだった。アクション映画の作り手として、ハリ監督と製作チームの力量の高さが窺える。

・しかし、全体として見たら、内容的にはパート1ほうが良い。パート1はヒーロー&ヒロインのロマンス展開やファミリー・センチメントなど、マサラ的要素が効いていたが、本作は一本調子な感じだった。もっとも、パート1でマサラ的なネタをほとんど出してしまったので、それも仕方ないが。代わって、本作では悪役を3枚配したり、新ヒロインにハンシカー・モートワーニーさんを起用したり、売れっ子コメディアンのサンターナムを投入したりと、グレードアップを図った跡が見られるが、登場人物が多くて窮屈な感じがした。

・パート1はタミル・ナードゥ州、カルナータカ州、アーンドラ・プラデーシュ州を跨ぐスケールの大きな物語だったが、本作ではさらにスケールアップされ、州境どころか国境も越えて、シンガムがダニーを追って南アフリカまで行くという展開になっている。

・パート1では、片田舎のちっぽけな警察署にも「正義」を体現している警官がいるんだぞと、田舎男の力強さと健全さを礼賛した映画のように思えたが、本作は趣を変え、シンガムという男を通して「警察」という仕事の尊厳、なかんずく「インド警察」の誇りみたいなものを描いているように感じた。

・悪役3人のうち、親分格はアフリカ人のダニーということになるが、本作鑑賞中、これが気掛かりな点だった。つまり、「シンガムは最後にダニーを殺すのだろうか? 外国人を殺して何が面白いのか? インド人がインド人を殺してこそ面白いのに」という思いがあったからだが、ハリ監督はその辺を心得ていたようで、ダニーは殺されない結末になっている。しかし、それが災いしてか、呆気ない終わり方になってしまった。

・先日紹介した【Balupu】でも『江南スタイル』が出て来たが、本作ではもろに取り入れられていた。サンターナムがはっきり「ガンナム・スタイル、ガンナム・スタイル」と歌いながら踊る場面があったし、音楽シーンの1つ、‘Singam Dance’は『江南スタイル』の翻案だろう。
 (写真下:このスーリヤとアヌシュカのダンスが江南っぽかった。)

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◆ パフォーマンス面
・演技陣では本作はスーリヤのみ見どころの映画。何度か述べてきたことだが、こういう役をやらせたときのスーリヤの気合い(正確には、気張り)には見ているこちらもウンコをちびりそうになるぐらいだが、本作ではパート1の田舎男よりもっとスマートなスーパーコップとして脚色されていたようだ。【Kaakha Kaakha】(03)でもそうだったが、彼は最もカーキー色の制服の似合うインド俳優の一人だろう。
 ちなみに、シンガムがその教官のふりをしていたNCC(National Cadet Corps)については、こちらを参照。

・ヒロインはアヌシュカとハンシカー・モートワーニーの2人だが、ストーリーを賑わしていたのはハンシカーのほう。【Theeya Velai Seiyyanum Kumaru】が大当たりし、コリウッドに欠かせないヒロインとなった(女優は他におらんのかい!)感のあるハンシカーだが、その勢いが本作にもよく現れていた。幸い、爽やかな色の制服(下)のおかげで、オバサンくささもかなり軽減されていた。

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 しかしなぁ、やっぱりこういう全体図を見ると、「芦屋の有閑若マダム・下手なのにテニスをする」の図に見えるよなぁ。

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・対して、カーヴィヤ役のアヌシュカ・シェッティは強くストーリーに絡んで来ず、カメオ的な出演だった。おそらくハリ監督は【Singam】パート3を作るはずだから、アヌシュカの活躍はそれまでお預けということか?

・悪役は英国人俳優のDanny Sapani(ダニー役)、ムケーシュ・リシ(バーイ役)、ラフマーン(タンガラージ役)の3人だが、ラフマーンが最も良く脚色されていた。

・コメディアンはサンターナムとヴィヴェーク。コメディー色を強く出していたのはサンターナム(スーサイ役)だが、後半はストーリーと関係なく暴走している感じだった。対してヴィヴェークは、本作ではシンガムの片腕としてストーリーに絡む役回りだった。

◆ テクニカル面・その他
・デーヴィ・シュリー・プラサードの音楽は彼の中では平凡。冒頭のアンジャリがカメオ出演した曲(下)と上で言及した‘Singam Dance’は楽しい。
 (写真下:ムンバイ・スタンダードなど何のそのといった感じの、こってり皮下脂肪が光っていたアンジャリちゃん。)

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◆ 満足度 : ★★★☆☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 7月13日(土),公開第2週目
・映画館 : Gopalan Cinemas (RR Nagar),1:25のショー
・満席率 : 7割
 

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
アンジャリがアイテムとは珍しいですね。それともタミルではままあることなのかな?
メタ坊
2013/07/19 20:25
記憶にないですね。珍しいと思いますよ。
でも、アンジャリはタミルでは演技派だけでなく、セクシー系でも通っているみたいですよ。
 
カーヴェリ
2013/07/20 01:08

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