カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Ramayya Vasthavayya】 (Telugu)

<<   作成日時 : 2013/10/16 01:40   >>

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 なし崩し的に始まった「テルグ映画・お祭りシーズン・話題作シリーズ」は、第1弾の【Attarintiki Daaredi】がおかげさまでブロックバスターとなり、東京での1回限りの上映も好評だったようである。で、2発目の大砲として登場したのがNTRジュニア主演の【Ramayya Vasthavayya】。
 監督は【Mirapakaay】(11)や【Gabbar Singh】(12)でお馴染みのハリーシュ・シャンカル。
 ヒロインはサマンタ・ルト・プラブにシュルティ・ハーサンと、豪華な並び(と書いておく)。
 なお、【Ramaiya Vastavaiya】という似た(というか、同じ)題名のヒンディー映画が今年公開され、これもヒロインがシュルティ・ハーサンなので、混同することなかれ。(ヒンディー映画のほうはテルグ映画【Nuvvostanante Nenoddantana】(05)のリメイクらしい。)

【Ramayya Vasthavayya】 (2013 : Telugu)
物語・監督 : Harish Shankar
出演 : NTR Jr, Samantha, Shruti Haasan, Mukesh Rishi, Ravishankar, Rao Ramesh, Kota Srinivasa Rao, Ajay, Rohini Hattangadi, Tanikella Bharani, Pragathi, Nagineedu, Raghu Teja, Vidyullekha Raman, Hamsa Nandini, その他
音楽 : S.S. Thaman
撮影 : Chota K. Naidu
編集 : Gowtham Raju
制作 : Dil Raju

題名の意味 : ラーマは来るか?
映倫認証 : A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : アクション
公 開 日 : 10月11日(金)
上映時間 : 2時間46分

◆ あらすじ
 実業家のナーガブーシャナム(Mukesh Rishi)は、カルナータカ州のクールグで長女の婚約式の臨んでいたが、謎の人物より「命を狙う」との脅迫電話を受ける。果たしてナーガブーシャナムは二人組の男に銃撃されるが、間一髪で難を逃れる。
 ナーガブーシャナムには次女のアーカルシャ(Samantha)がおり、ハイダラーバードの大学で勉強していた。時に、お気楽な大学生のナンドゥ(NTR Jr)は路上でアーカルシャを見かけ、一目惚れする。ナンドゥはあの手この手でアーカルシャの気を惹こうとするが、逆に彼女はナンドゥのことを毛嫌いするばかりだった。
 ある日、ナンドゥの友人がアーカルシャの家に忍び込み、彼女の日記帳を盗み出す。ナンドゥはそれを読んでアーカルシャの好みを察知し、そのとおりに馬に乗って彼女の前に現れる。ところが、その日記帳は実はアーカルシャが居候していた親類の老婆(Rohini Hattangadi)のものだったため、ナンドゥはその老婆にすっかり惚れられてしまう。だが、これが幸いし、ナンドゥはアーカルシャの家に招待される。そして、そんなこんなの過程で、アーカルシャもナンドゥを愛するようになる。
 ナンドゥはアーカルシャの姉の結婚式に招待され、彼女と共にナーガブーシャナムの田舎の結婚式場に入る。だが、式の前に、またしても謎の人物からナーガブーシャナムへの殺害予告電話が入る。それを知ったナンドゥは自分も警護の一役を買うと申し出る。しかし、ここでまったく予期せぬ出来事が起き、ナーガブーシャナムは惨殺されてしまう、、、。

・その他の登場人物 : ナンドゥの祖父(Nagineedu),ナンドゥの兄(Ajay),アムルー(Shruti Haasan),アムルーの両親(Tanikella Bharani & Pragathi),腐敗政治家ビクシャパティ(Ravishankar),悪徳政治家ウマーパティ(Kota Srinivasa Rao),警官(Rao Ramesh),アーカルシャの友達ジョーティ(Vidyullekha Raman)

◆ アナリシス
・本作も日本で1回限りの上映が行われるようなので、上のあらすじは前半までで止めた。鑑賞予定のお方はゲゲゲな後半をほぼ白紙状態でお楽しみください。

・【Attarintiki Daaredi】鑑賞記の中で私は、同作のレビューに4つ星が連発しているのに「ウソや!」と書いた。対照的に本作は2つ星代の評価が並び、概ね評判が悪い。しかし、私的には十分楽しく鑑賞できた。

・ハリーシュ・シャンカル監督は、デビュー作の【Shock】(06)については分からないが、典型的なスター本位の定型映画を撮りたがる監督だと見ていいだろう。本作も、ストーリー的には凡庸だと言えるが、NTRジュニアを実にカッコよく撮っている。

・前半のナンドゥ(NTR Jr)とアーカルシャ(Samantha)の「ラブ&ヘイト」な展開が適度に逸脱感があって面白かった。NTRジュニアの登場シーンと老婆(Rohini Hattangadi)とのやり取りのシーンでは恒例のお祖父様(NTR)への関連付けがあり、これが効果的だった。

・前半は毒のないラブコメ・タッチで、本作の認証がどうして「A」なのだろう?と訝っていたら、前半終了間際からクライマックスにかけて、血みどろの展開になった。アクション・シーンも痛い映像の連発だったが、しかしこれがいまいち旨みのないもので、痛さの割にはインパクトは弱かったと思う。

・「ヒーロー中心の定型映画」というのは良いとしても、どうも本作は(というより、ハリーシュ・シャンカル監督は)定型を信じすぎている感がある。例えば、いかに「インド映画はハッピーエンド」といっても、本作のエンディングは、あれほどの経緯があった後でもヒーローとヒロインが「ハッピーエンド」、というのにはずっこけた。

・また、作り手としてはそんなつもりはないのだろうけど、こちらにしてみれば、「ジュニアをこんなふうに持ち上げて、ここにこんなアクションを入れて、あそこにあんなダンスを入れてさえおけば、、、」みたいな、安易なものを感じてしまった。定型映画を撮るといっても、S・S・ラージャマウリや、シュリーヌ・ヴァイトラ、クリシュナ・ヴァムシ、トリヴィクラムなどはかなり頭を使って、アイデアや独創性、スタイルを作り出しているが、ハリーシュ・シャンカル監督にはそういったものがほとんど感じられない。 

・もっとも、本作にも定型崩しを狙ったかな、と思える点はあった。例えば、悪役への復讐を二段構えにした点や、ツインヒロイン(サマンタとシュルティ・ハーサン)の使い方などだが、これがネガティブに作用した可能性はある。

・また、著名コメディアンが一人も登場しないという信じがたい事実も、意図的に狙った定型崩しの一つかもしれない。前半はNTRジュニアが笑いを取っていたので問題なかったが、後半はやはり展開が単調になる原因になっていたと思う。

◆ パフォーマンス面
・上で触れたとおり、本作のNTRジュニアはカッコいい。ボディー的にはやや絞ったようだが、痩せすぎというわけではなく、適度な重量感。演技的には自由闊達さが見られ、もともとセリフ回しは上手かったが、本作ではさらに滑舌の良さが増しているようだった。(ちりぢり頭復活が個人的にはうれしかったが。)
 (写真下:なにゆえ彼らは斧を持って走るのか?)

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・アーカルシャ役のサマンタは普通の出来だろう。絵的には【Attarintiki Daaredi】のほうが可愛かった。本作では、ストーリーの部分は特に映えていなかったが、音楽シーンでは可愛らしく撮ってもらっていた(ダンスもちょっとはマシになったようだし)。NTRジュニアとは【Brindaavanam】(10)以来の共演だと思うが、相性は良いようだ。

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・アムルー役のシュルティ・ハーサンは謎。まず、カマルのお嬢様がよくぞこんな作品に出演したもんだ。というのも、ラグ・テージャに滅多刺しにされるために登場したようなもんだぜ。もしや、「社会活動家」という役の設定に惑わされてサインした? 何はともあれ、パフォーマンス的には申し分なかった、、、と言いたいところだが、彼女のルックスは村の場面では浮いていたぞ。

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・ネガティブロールはムケーシュ・リシ、ラヴィシャンカル、コータ・シュリーニワーサ・ラーウの3枚になるが、最も悪役らしい役回りはラヴィシャンカル。好色腐敗政治家をキモく演じている。その父役(悪徳政治家役)のコータの場面は、ちょっとした政治パロディーになっている模様。

・アジャイは「ビフォー&アフター」に注目。

・「ベイビー・シャーミリ」を自称する万年乙女な?お婆さんを演じたのはローヒニー・ハッタンガディーさん。マラーティーのベテラン女優だが、最近では【Shiridi Sai】(12)や【Seethamma Vakitlo Sirimalle Chettu】(13)などのテルグ映画にも出演している。

・前半でぶいぶい言わしていた(←死語らしい)おデブさんは、ご存知、ヴィディユレーカーさん。今回もチャーミングだった。

・終盤にちらっと登場し、好色政治家ビクシャパティをおびき寄せる美女はハムサ・ナンディニさん。女優としては全然パッとしていなかったが、【Attarintiki Daaredi】にも出ていたし、近ごろ出演本数が増えているようだ。これも【Eega】(12)効果?

◆ テクニカル面・その他
・S・S・タマンの音楽は良かったと思う。売れっ子音楽監督として脂の乗ってきたタマンくんだが、ボディーのほうにもいよいよ脂が乗り、気を付けないとブタマンくんと呼んでしまいそうだ。

◆ 満足度 : ★★★☆☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 10月12日(土),公開第1週目
・映画館 : INOX (Jayanagar),10:30のショー
・満席率 : 4割
 

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
これ面白かったですが、そちらではあまり振るわなかったようですね。一部メディアはフロップと言っているようですが…。インドの方々と感覚が違うのでしょうか?
思うに、後半に一枚ヴェーヌさんなりアリィさんなりコメディアンを使ったコントシーンがあると息抜きになってよかったのではないかと思いました。後半は一気に物語が硬派になるので余計に。
NTRジュニアさんのパフォーマンスは文句無しですね。ダンスのキレと安定性、メリハリのある口調、後半のヒロインを救うことが出来なかった自分の不甲斐なさを嘆く慟哭文句なしです。後半放火魔になるRakhiにも同じような場面がありますが、その時より迫力が増していますね。
サマンタさんは、Brindaavanamのインドゥの頃より大人っぽくなってましたね。何気に三週連続サマンタさん祭だったですね。
あと、アジャイさんが良いですね。冒頭のスナイパーの時の悪役然とした表情が…。やっぱ似合いますね。後半のメガネっ子モードの時もまた良かったです。こういう役もできたのですね。
ナンドゥ祖父役ナーギニドゥさん、お気に入りのテルグ役者さんの一人です。なんか味があっていいですね。で、主人公のよき祖父をうまく演じていらしていて、殺された時はコータさん許すまじ!と思ってしまいましたw。
テルグ映画会今回は横浜ディワリがあり、テルグの方々はあまりいらっしゃらずにほとんど日本人貸し切り状態でした。テルグ人の人がシリアスシーンでお笑いになっていたので少し感覚の相違を感じることが出来ました。
ナン
2013/11/04 18:18
同じ理由により、レス遅れて、すみません。(最近、ナンさんからコメントが付かないなぁ、と不思議に思っていました。)

>後半に一枚ヴェーヌさんなりアリィさんなりコメディアンを使ったコントシーンがあると息抜きになってよかったのではないかと思いました。

これが大きかったと思いますよ。インド映画は笑いの要素がないと、歓迎されないようです。

>アジャイさんが良いですね。

はい、メガネの好青年モードには笑いましたね。

>テルグの方々はあまりいらっしゃらずにほとんど日本人貸し切り状態でした。

これも信じがたい話ですね。
日本人元気!
 
カーヴェリ
2013/11/22 02:59

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