カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Naiyaandi】 (Tamil)

<<   作成日時 : 2013/10/19 01:58   >>

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 タミル映画ではミシュキン監督の【Onaayum Aattukkuttiyum】が公開されているのに、バンガロールではやってくれない(泣)。仕方がないので(というわけでもないが)、サルグナム監督の【Naiyaandi】を観て来た。
 サルグナムは【Kalavaani】(10)と【Vaagai Sooda Vaa】(11)という、2本のハートのある田舎映画を撮った監督で、特に後者は国家映画賞まで受賞した(この2作はお勧め)。本作も地方を舞台としたコメディーという触れ込みだった。
 主演はダヌシュ。この人もド田舎映画の【Aadukalam】(11)で国家映画賞を取ったほどなので、本作でも期待が持てる。
 ヒロインは先日紹介した【Raja Rani】に出ていたナズリヤー・ナジーム。【Raja Rani】ではかなり好印象だったが、なにせセカンド・ヒロイン。今回はピンのヒロインということで、じっくり観察する良いチャンスだ。

【Naiyaandi】 (2013 : Tamil)
脚本・監督 : A. Sarkunam
出演 : Dhanush, Nazriya Nazim, Sriman, Sathyan, Vamsi Krishna, Soori, Pyramid Natarajan, Meera Krishnan, Naren, Sachu, Imman Annachi, Sathish, Ashwin Raja, Manobala, Singampuli
音楽 : M. Ghibran
撮影 : Velraj
編集 : Raja Mohammed
制作 : S. Kathiresan

題名の意味 : 喜劇
映倫認証 : U
タ イ プ : リメイク
ジャンル : コメディー
公 開 日 : 10月11日(金)
上映時間 : 約2時間25分

◆ あらすじ
 チンナワンドゥ(Dhanush)はプーワーリという村で仕事をしていたが、どちらかと言うと、いとこのスーリ(Soori)を含む友人たちと日々ぶらぶらしているといった感じだった。実家はクンバコーナムにあり、両親(Pyramid Natarajan & Meera Krishnan)は真鍮具店を営んでいた。また、彼には2人の兄、パランジョーディ(Sriman)とパランダマン(Sathyan)がいたが、どちらも女性関係で痛い経験をしており、30代後半になってもまだ独身だった。それで、母の関心事と言えば、早く2人の兄に嫁を見つけることだった。
 ある村祭りの夜、チンナワンドゥは可愛らしい女性を見かけ、一目惚れする。それはワナロージャ(Nazriya Nazim)という歯科大生で、たまたま祖母(Sachu)に会いにプーワーリ村まで来ていたのであった。
 チンナワンドゥは、友人たちの力も借りて、あの手この手でワナロージャの気を惹こうとするが、うまく行かない。しかしある晩、ワナロージャが失くした指輪をチンナワンドゥが見つけたのがきっかけで、彼女もチンナワンドゥを愛するようになる。
 二人はすぐさま結婚を決意する。しかし、困ったことに、ワナロージャの誕生日に彼女の父(Naren)がサプライズ・プレゼントとして用意したのは、花婿候補の男(Vamsi Krishna)だった。よんどころなく、ワナロージャとチンナワンドゥは駆け落ちし、密かに結婚する。
 チンナワンドゥはワナロージャを連れてクンバコーナムの実家に戻ることにする。しかし、未婚の2人の兄のこともあるし、両親もワナロージャを気に入るかどうか分からなかったので、結婚したとは言えそうになかった。それで、チンナワンドゥはいとこのスーリに手伝ってもらい、両親の真鍮具店にワナロージャを雇ってもらうよう、段取りさせる。この作戦はうまく行き、ワナロージャは住み込みの店員として働くことになる。そして、何食わぬ顔でチンナワンドゥも実家に戻る。
 だが、チンナワンドゥの2人の兄がワナロージャを見るなり惚れてしまい、それぞれ彼女の気を惹こうとし始める。そんなこんなのうちに、ワナロージャが妊娠していることが発覚する。さらに、父親は誰だ?と大騒ぎしている最中に、今度はワナロージャのそもそもの花婿候補がクンバコーナムにやって来、彼女を連れ去ろうとする、、、。

◆ アナリシス
・本作は純粋なオリジナル作品ではなく、【Meleparambil Aanveedu】(93)というマラヤーラム映画のリメイクらしい。オリジナルは観ていないので、どの程度忠実なリメイクかは分からない。実は、リメイク権を買っての製作かどうかも知らないし、各レビューでも「inspired」とだけ言及してあるので、「リメイク」よりは「翻案」としたほうが適切かもしれない。しかし、【Meleparambil Aanveedu】のあらすじを読む限り、かなり多くを負うているようなので、ここではリメイクに分類した。

・サルグナム監督とダヌシュという、国家映画賞コンビによる作品の割には、情けないほど評判が悪い。しかし、多くを期待せずに、のんびり、ゆったりと田舎の笑い話を楽しもうというつもりなら、それなりに面白く鑑賞できる。

・まずかった点は、コメディー映画という割にはどかんどかんと笑えないことだろう。全体的に上品な面白さはあるのだが、インドの大衆にアピールするためには、もっと下品でもいいから、抱腹絶倒というレベルにまで行かないと難しいだろう。

・また、サルグナム監督らしい思い切りの良さが見られないのも、期待外れと感じる要因だろう。【Kalavaani】では村の若者の活きの良さが清々しかったし、【Vaagai Sooda Vaa】ではインドの村落というものを真摯に見つめる目が感動的だった。しかし、本作では「ここを見てくれ」という強いものが感じられなかった。

・本作でサルグナム監督が面白おかしく描こうとしたのは、やっぱりインドの結婚にまつわる習慣だろう。インドの婚姻は、概ね(特に地方や村落では)親や親族のよる「アレンジ」が普通なので、本作のチンナワンドゥとワナロージャのように、「恋愛/恋愛結婚」という個人的・偶発的出来事が起こった際の関係者一同の「おろおろ感」が面白い。また、兄弟がいる場合、結婚は「上から順に片付けていくべき」という常識もあるので、もてない兄を2人も持った弟(チンナワンドゥ)の苦労も笑いのツボになっていた。

・オリジナルがどうなっているかはさて置き、印象的だった点は、まず物語の舞台がクンバコーナムであること。【Boss Engira Baskaran】(10)でもそうだったが、この門前町は絵になる。次に、主人公(チンナワンドゥ)の家族が真鍮具店を経営していること。これは主に各種式典や寺院の祭礼、プージャーなどで使うランプ台などを扱っている店だが、真鍮の控えめで艶やか輝きが美しかった。また、ワナロージャの設定が「歯医者の玉子」だというのは珍しいと思ったが、ストーリーの中では特に発展させられていなかった(しかし、この一点で彼女がお金持ちの娘だということが分かる)。

◆ パフォーマンス面
・チンナワンドゥ役のダヌシュのパフォーマンスは特に何と言うこともなかった。しかし、この人はボロボロ、ズタズタになる極端な役柄が多かったので(またそれが評価されていたりするのだが)、本作のような「普通の田舎男」の役はかえって好感が持てた。

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・ヒロインのナズリヤーだが、あらゆる角度から観察した結果、やっぱり可愛いということが分かった。【Kalavaani】と【Vaagai Sooda Vaa】でもそうだったが、サルグナム監督は経験の浅い女優を活かすのが上手い。しかし、本作のナズリヤーは【Raja Rani】と基本的に同じ攻め手で、新たな衝撃はなかった。また、デビューして間もないころのニティヤに「上手い演劇部員」と感じたのと同じような印象を彼女からも受ける。彼女の実力を測るにはもう少し観察する必要がある。
 ダンスは上手くないようだ(大体、下半身が安定していないし)。【Raja Rani】では「まだ女として熟し切っていない」と書いたが、本作ではセクシー系の音楽シーンもあり、まずまず行けそうだった。
 (写真下:こういうスチルを見る限り、まだまだきれいになる予感がする。)

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・シュリーマンとサティヤンの演じる「もてない2人の兄」というのがいかにもぴったりで、良かった。

・チンナワンドゥの両親を演じたピラミッド・ナタラージャンとミーラー・クリシュナンも味があった。特にオヤジの耳毛ぼうぼうには強い感銘を受けた。

◆ テクニカル面・その他
・ギブラーンの音楽はいまいち。【Vaagai Sooda Vaa】は良かったが、【Vathikuchi】(13)もそれほど良くないと感じたので、この人に対する私の評価はまだ揺れている。次の【Vishwaroopam 2】に期待したい。
 音楽シーンのいくつかで外国ロケしており、娯楽度を上げていたが、作品全体にうまく馴染んでいないように思えた。

◆ 満足度 : ★★☆☆☆
◆ 必見度 : ★★☆☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 10月14日(月),公開第1週目
・映画館 : Gopalan Cinemas (RR Nagar),12:45のショー
・満席率 : 2割
 

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