カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Doosukeltha】 (Telugu)

<<   作成日時 : 2013/10/24 21:41   >>

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 「テルグ映画・お祭りシーズン・話題作シリーズ」第3弾は、ヴィール・ポートラ監督、マンチュ・ヴィシュヌ主演の【Doosukeltha】。この監督と主演を以てして「大砲」とか「話題作」と呼ぶには気が引けるが、私にとっては間違いなく話題作。というのも、【Andala Rakshasi】(12)でテルグ映画デビューして以来、我が「美しき羅刹女」として注目し、新作を待ち続けていたラーヴァンニャがヒロインを務めているからである。アートフィルムとも呼べる【Andala Rakshasi】では悲壮なヒロインを演じたラーヴァンニャだが、娯楽アクション映画のアイドル型ヒロインとしても輝くことができるか、しっかり見届けたい。

【Doosukeltha】 (2013 : Telugu)
脚本・監督 : Veeru Potla
出演 : Manchu Vishnu, Lavanya Tripathi, Kota Srinivasa Rao, Pankaj Tripathi, Brahmanandam, Vennela Kishore, Posani Krishna Murali, Rao Ramesh, Nagineedu, Ahuti Prasad, Ravi Prakash, Raghu Babu, Annapurnamma, Vinaya Prasad, Rajitha, Ali, Sravan, Bharath, Samrat, Hema, Suja Varunee, Saranya Nag, Sathya Krishnan, Lakshmi Manchu(特別出演)
音楽 : Mani Sharma
撮影 : Sarvesh Murari
編集 : Marthand K. Venkatesh
制作 : Mohan Babu

題名の意味 : 追い抜き
映倫認証 : U/A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : アクション・コメディー
公 開 日 : 10月17日(木)
上映時間 : 約2時間35分

◆ あらすじ
 アーンドラ・プラデーシュ州パナパカム村。少年チンナ(本名ウェンカテーシュワラ・ラーウ)はライバル、ピッチェーシュワラ・ラーウとの肝試しの試合で気を失っているところを少女チンニに助けられる。チンニとピッチェーシュワラはいとこ同士だったが、チンナを助けたチンニの行動が気に食わないピッチェーシュワラはチンニをいじめるようになる。それを見たチンナはチンニの味方をする。そこでチンナとピッチェーシュワラの間で果たし合いの競走が行われるが、負けたピッチェーシュワラはそのまま村を出、行方知れずとなる。
 実はピッチェーシュワラの家族はこの村一番の有力者だった。ピッチェーシュワラの祖父(Kota Srinivasa Rao)はこの件で憤り、チンナとその両親(Ahuti Prasad & Rajitha)を村から追い出す。また、孫娘チンニとその母(Vinaya Prasad)も村から追い出してしまう。
 それから13年。チンナ(Manchu Vishnu)はティルパティでお気楽な青年に育っていた。また、チンニはアレーキヤ(Lavanya Tripathi)という名で、ハイダラーバードで女医をしていた。彼女の母はすでに他界していた。
 ジャーナリストになりたいと思っていたチンナは、テレビ局の支局長(Posani Krishna Murali)から危険なタスクをもらう。それは悪徳大臣ディッレーシュワラ・ラーウ(Pankaj Tripathi)に接近し、彼が進めている不正プロジェクトの証拠を暴くことだった。チンナは大臣の家に潜入し、首尾よく証拠ビデオを撮影するが、大臣の手下たちに見つかってしまい、逃走過程で負傷して倒れてしまう。そんなチンナを救い、病院に入院させたのがアレーキヤ(チンニ)だった。
 退院後、自分を救ってくれた女性がアレーキヤという名で、ハイダラーバードの某病院で女医をしていることを知ったチンナは、早速ハイダラーバードに赴く。そしてアレーキヤに会うなり、一目惚れしてしまう。だが、アレーキヤは外科医ヴィシュラント(Samrat)に恋心を寄せていた。そこでチンナは、アレーキヤとヴィシュラントを結び付けるふりをして、次第次第に彼女の関心が自分に向くようにする。この作戦は当たり、アレーキヤもチンナに惹かれるようになる。
 ところで、悪徳大臣ディッレーシュワラはアレーキヤの家族の一族で、アレーキヤの祖父はお家騒動からアレーキヤの命を奪うようディッレーシュワラに依頼していた。ディッレーシュワラは手下の者を送ってアレーキヤを襲撃させるが、チンナが救出する。ところがこの過程で、チンナはアレーキヤこそが幼馴染みのチンニだということを知る。
 チンナとアレーキヤは故郷の村に行き、アレーキヤの祖母(Annapurnamma)に会って、過去の経緯を聞く。そこでチンナは、アレーキヤ(チンニ)が家族に受け入れられ、命の危険がなくなるように一肌脱ぐことにする。そのために彼は、少年時代に失踪したピッチェーシュワラになりすまして、アレーキヤの祖父の屋敷に入り込む、、、。

・その他の登場人物 : チンナの両親(Ahuti Prasad & Rajitha),アレーキヤの父(Rao Ramesh),アレーキヤのもう一人の祖父(Nagineedu),ブラフマン(Brahmanandam),成人したピッチェーシュワラ・ラーウ(Vennela Kishore)

◆ アナリシス
・実のところ、本作がバンガロールで公開されるとは思っていなかった。というのも、監督のヴィール・ポートラも主演のヴィシュヌもエース級とは言えないし、ヒロインのラーヴァンニャもまだまだ知名度が低いからである。私の周りのテルグ人も本作に対する関心が低く、私が「どうして見ないんだ?」と聞くと、「私はヒーローの出ている映画しか見ないんです」という答えが返ってきた。この答えから2つのことが分かる。つまり、バンガロールのソフトウェア企業に勤めるような人物でも、テルグ人は「ヒーロー主体」のアクション映画への志向が強いこと、そして、「マンチュ・ヴィシュヌ」はヒーローに属さないこと、である。そんな訳で、ラーヴァンニャ目当ての私としては、公開されただけでも儲けものと思い、ほとんど期待せずに観に行ったら、これがけっこう面白かった。

・ただし、面白いといっても中位の面白さで、本作にフレッシュな新趣向や衝撃、カタルシスを期待してはいけない。ストーリー的にはここ数年トレンドとなっているテルグ型アクション・コメディーのフォーマットをなぞったもので、【Bujjigadu】(08)や【Ready】(08)の焼き直しを想像すればいい。

・となると、やっぱり脚本や演出の洗練度という点で、シュリーヌ・ヴァイトラ監督やプーリ・ジャガンナート監督の作品に比べると、落ちるなぁ。

・同系統の映画と同様、やっぱり登場人物が多いタイプの作品で、ごちゃごちゃっと、分かりにくかった。また、登場人物が多い割には、「全世界にはこの映画の登場人物しか存在しない」かのようなストーリーだった。

・お笑い面では、ヴィシュヌとブラフマーナンダムを始めとする各コメディアンとの絡みが機能していて、良かった。シュラーヴァンとシャランニャ・ナーグという女優とのエピソードも、小さいながら、ちょっと笑えた。

・感動ポイントは、祖父役のコータが上手いので、最後に家族ドラマとして形が付いた。また、本性を隠して故郷の屋敷に入り込んだアレーキヤ(Lavanya)が、すっかりうらぶれて酒浸りになっている実父(Rao Ramesh)に思わず「お父ちゃん!」と言ってしまうシーンでは、ほろりとした。

◆ パフォーマンス面
・何を隠そう、私はマンチュ・ヴィシュヌの作品といえば【Dhee】(07)しか観ておらず、ヒット作とされる【Denikaina Ready】(12)も観ていない。【Dhee】以降、ヴィシュヌも何かと変わったなぁ、と思う。ヴィシュヌといえば、薄っ禿だったように思うが、本作では立派な頭髪が!(これはカツラか植毛か?)また、一時期ひょろりと痩せていたのに、本作ではけっこうな筋肉を付けていた。
 本作でのパフォーマンスは、それなりに元気一杯だったし、愛嬌もあったので、成功だったと思う。ただし、ヒロインのラーヴァンニャとの相性はあまり良くなかった。

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 改めて見ると、顔の感じや声はやはりオヤジに似ている。しかし、オヤジほどセリフ回しは上手くないようだし、第一、声に張りがない。

・【Andala Rakshasi】以来、数少ないが確実に存在する日本人ファンの期待をよそに、一向に次回作が現れず、果てはスリランカのヘアオイルのテレビCMなんぞに出演するほどヒマだったラーヴァンニャだが、今回じっくり鑑賞できて、私的には本望だった。期待したとおり、可愛らしい。【Andala Rakshasi】では、監督は彼女に精一杯演技をさせたようだが、本作では逆に演技指導は一切なかったかのようなシンプルさだった。しかし、そんな場合のほうが女優としての資質がよく現れたりする。やはり彼女は良いものを持っている。
 彼女の目はドラマになる目で、憂いがあって雰囲気は良いのだが、やや暗いのが気掛かり(たぶん今の大衆の好みはカージャルのようなデカくて分かりやすい目なのだと思う)。鼻はエレガントで十分自己主張している。唇は、下唇がぷっくりしていて、思わずキスしたくなるほど色っぽい。体は思ったより小柄。顔も小顔で、推定「私の手のひらサイズ」だということが、引き立て役のヘーマーさんとの比較で分かった。
 (写真下:本作の音楽CD発表イベントより。)

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 本作での女医という役柄は私の萌え路線だが、白衣に聴診器姿がほとんどなく、残念! それにしても、こんな美しき羅刹女的な女医が本当にいるならば、私、成人病の総合商社みたいな人になっちゃってもいいな。

・悪役の大臣ディッレーシュワラを演じたのは、【Agneepath】(12)や【Gangs of Wasseypur】(12)などのボリウッド映画に出演しているパンカジ・トリパーティー。いろいろ悪いことをしていたが、なぜか強い印象がない。

・コメディー陣では、やはりブラフマーナンダムが目立っており、アリーやラグ・バーブは小さな役回りだった。ブラフミーの役回りはシュリーヌ・ヴァイトラ監督作品などでお馴染みの「面白いようにおもちゃにされ」キャラで、笑えるのは笑えるが、ここまでやらなくてもなぁ、と思った。また、トリウッドのコメディー・シーンでは、最近ブラフミーの一人勝ちといった状況になっているが、これでいいのか?

・他のコメディアンでは、テレビ局支局長役のポーサーニ・クリシュナ・ムラリが良い。この人は次代のM・S・ナーラーヤナぐらいになるかもしれない。ピッチェーシュワラ役のウェンネラ・キショールも良かった。また、子役コメディアンだったマスター・バーラトがすっかり大きくなっていて、驚いた。この人は、前世の行いがもう少し良ければ、マーダヴァンになっていただろう。
 (写真下:Vennela Kishore(左)とBharath。)

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・チンナの父役のアーフティ・プアサードがスキンヘッドだったので、驚いた。

◆ テクニカル面・その他
・マニ・シャルマの音楽は、彼にしては平凡な部類だろう。
 冒頭の音楽シーンではヴィシュヌの姉のラクシュミがカメオ出演している(下)。早くから話題になっていたが、実際にはちらっと登場しただけだった。

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 終盤の音楽シーンでは「奇跡の二百貫デブ振付師」のガネーシュ・アーチャーリヤが姿を見せている。

・アクションは、【Iddarammayilatho】(13)でも担当していたタイ人スタント師ケーチャ(Kecha Khamphakdee)の担当(下)。どのシーンを担当したかは定かでないが、たぶん、インターバル前の大規模なアクション・シーンだろう。

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◆ 満足度 : ★★★☆☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 10月19日(土),公開第1週目
・映画館 : Movieland,19:30のショー
・満席率 : 8割

 (オマケ画像:きっと二日酔いの本作プロデューサー兼ヴィシュヌの保護者。)

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【Bhale Bhale Magadivoy】 (Telugu)
 【Andala Rakshasi】(12)を観て以来、「美しき羅刹女」こと、ラーワンニャ・トリパーティのファンをしているが、最近のインド人の好みに合わないのか、本人にやる気がないのか、ヒット作の【Doosukeltha】(13)や【Manam】(14)を以ってしても、ポピュラー女優に浮上する気配がない。それで、消えてしまう運命かと嘆いていたら、この【Bhale Bhale Magadivoy】が登場した。かくなる上はどんな駄作であっても観に行くつもりだったが、幸い好評で、ヒット宣言が... ...続きを見る
カーヴェリ川長治の南インド映画日記
2015/09/09 22:09

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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。
うう、私は主演の女の子よりも Lakshmi Manchu のほうが気になって画像を検索してしまいました。
Lakshmi Manchuさんは、いまどきの日本人みたいにスマホを下向いて扱うとすると、視界が遮られるんじゃないでしょうか…。

冗談はさておき、ここ最近のインドの洪水は写真で見ると大変そうですね。被災地とは距離的には相当離れていると思いますが、カーヴェリ川さんもどうかお気をつけて。
よっ
2013/10/27 16:23
済みません、ニックネームの下半分が欠けているのはtypoです。
よっぴい
2013/10/27 16:24
>うう、私は主演の女の子よりも Lakshmi Manchu のほうが気になって画像を検索してしまいました。

ラクシュミ姐さん、個性強いですからね。
「Anaganaga O Dheerudu」はラクシュミ目当てでぜひ見てほしいですね。
また、洪水といえば、ラクシュミさんも「Gundello Godari」という洪水映画に出ていますよ。
(どちらも当ブログに鑑賞記を上げています。)
 
カーヴェリ
2013/10/28 01:27
カーヴェリ川さま、こんにちは。レスポンスありがとうございます。
「Anaganaga O Dheerudu」は、はいもうDVD購入済みなのです。ラクシュミーさん目当てではなく、現代のサラスヴァティーことシュルティ・ハーサン目当てでして。実はこの映画でシュルティをはじめて知ったのです。
しかしこのDVDがとてつもなく泣きそうな画質で。もしかしてテレビ画面をキャプチャーしましたか?みたいなザラザラした画でがっかりしました。せっかくシュルティが若かりし頃のあの美肌を惜しげもなく披露しているのに!なのでストーリーを十分追えていないんです、この作品は。もったいない…。

「Gundello Godari」は機会があったら購入してみます。

最近はAnaika Sotiって女優さんに興味があるこの頃です。日本人好みの小顔系(^^)。
よっぴい
2013/10/28 23:27
>ラクシュミーさん目当てではなく、現代のサラスヴァティーことシュルティ・ハーサン目当てでして。

おおお、この映画にシュルティが出ていたことをすっかり忘れていました。(あの頃はまだ、シュルティをじっくり見ようという気はあったんですが。)

しかし、DVDの画質が悪かったとは残念でしたね。映画館で見た限りでは、ストーリーは大したことなかったけど、映像はファンタスティックでしたから。

>最近はAnaika Sotiって女優さんに興味があるこの頃です。

知らんなぁ、、。
 
カーヴェリ
2013/10/29 02:31

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