カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Endrendrum Punnagai】 (Tamil)

<<   作成日時 : 2014/01/29 21:58   >>

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 1ヶ月ほど「冬眠」しておりました。本年も懲りずにこの映画日記を続けることにいたします。

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 さて、今回紹介するのは、昨年末にクアラルンプールで鑑賞したタミル映画の【Endrendrum Punnagai】。ちょうどウェンカト・プラブ監督の【Biriyani】と重なり、裏番組的な扱いになってしまったが、評価が高く、スリーパー・ヒットとなった。

【Endrendrum Punnagai】 (2013 : Tamil)
脚本・監督 : I. Mueenuddin Ahmed
出演 : Jiiva, Trisha, Vinay Rai, Santhanam, Andrea Jeremiah, Nasser, T.M. Karthik, Abhinay, Sriranjini, Jegan, その他
音楽 : Harris Jayaraj
撮影 : R. Madhi
編集 : Praveen K.L., N.B. Srikanth
制作 : G.K.M. Tamil Kumaran, Dr. Ramadoss

題名の意味 : ずっと笑顔
映倫認証 : U/A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : ロマンス
公 開 日 : 12月20日(金)
上映時間 : 2時間32分

◆ あらすじ
 ガウタム(Jiiva)、スリー(Vinay Rai)、ベービ(Santhanam)は少年時代からの親友で、広告フィルムを製作する会社を営んでいた。三人は仲が良いだけでなく、決して結婚しないという「独身の誓い」も交わしていた。その首謀者はガウタムで、それというのも彼は、幼少期に母が家出し、嘆き悲しむ父(Nasser)を見たため、女性を愛することができなくなっていたからである。しかし、その父が15年前に再婚しようとしたとき、それに失望したガウタムは、以来父とも言葉を交わしていなかった。
 ある日、ガウタムの会社にサンニ(T.M. Karthik)より企画が持ち込まれる。トップモデルのソニア(Andrea Jeremiah)を使ってCMを撮るというものだった。ガウタムらはスタッフのプリヤー(Trisha)を紹介されるが、彼女はこの風変わりな三人組を気色悪く感じる。
 しかし、撮影はうまく行き、プリヤーはガウタムの仕事ぶりに感銘を受ける。モデルのソニアもガウタムに興味を抱き、彼の頬にキスする。しかし、女嫌いのガウタムはこれに平手打ちで返してしまう。
 撮影終了後、プリヤーが交通事故で入院してしまう。ガウタムら三人は見舞いに行く。プリヤーの家族は貧しかったため、ガウタムの会社が彼女の治療費を立て替えることにする。
 ところで、奇妙なことに、病院へ見舞いに行った直後から、スリーとベービが音信不通となる。さらに驚いたことに、間もなく姿を現した二人はそれぞれ結婚が決まったとガウタムに告げる。憤ったガウタムは二人に対し絶縁状を叩き付ける。
 退院したプリヤーは自分がガウタムに惹かれていることに気付く。彼女はガウタムの父から、ガウタムの女嫌いの理由を聞く。プリヤーはカールティク(Abhinay)という男からプロポーズされていたが、ガウタムのことが気に掛かって仕方がない。
 そうこうしているうちに、ソニアを使ったCMがヒットし、第2弾の製作が決まる。サンニとプリヤー、ソニア、そしてガウタムらの一行は撮影のためスイスへと飛ぶ、、、。

◆ アナリシス
・物語はこの後、スイスを舞台としてドラマチックに動く。雪深い地で「女性不信」のガウタム(Jiiva)の心に雪融けの起きる展開が本作の見どころ。

・主人公が頑なに「女嫌い」のインド映画として、テルグ映画の【Manmadhudu】(02)が思い浮かぶ。【Manmadhudu】と本作の間にあまり類似点はないが、ヨーロッパ行きが主人公の変化のきっかけとなるという点では似ている。(あと、主人公の仕事が広告業界というのも。)

・【Manmadhudu】ではナーガールジュナ演じる主人公自身が恋人に裏切られて(そう本人が誤解している)女性嫌悪に陥るというものだが、本作では「父に対する母の裏切り」がガウタムの女性観を決定し、その後の「父の裏切り」が彼の心をさらに頑なにしている。

・それで、本作のガウタムの物語はもっと複雑なものとなり、ガウタムがいかに女性を受け入れるようになるかということだけでなく、固まってしまった彼の「エゴ」をいかに周囲の人間が崩していくかが主題となる。このために、ガウタムに対する二人の親友(スリーとベービ)、プリヤー、及び父との関係がドラマチックなものとなり、かなり濃密な情感のドラマとなっている。

・【Manmadhudu】は、トリウッドきっての「キザ者」であるはずのナーガールジュナが女嫌いを標榜し、あの手この手で女性に「意地悪」をし、しかし結局、晴れ晴れと女性を受け入れて「キザ者」の本性に帰るという、いわばナグさんの個人技の映画であったが、本作はそうではない。ガウタムを取り巻くプリヤー、スリー、ベービ、父たちの組織プレーで話が進む。それぞれのキャラクター付けが良い。

・わけても効果的に描かれていたのがトリシャー演じるプリヤーで、広告業界に勤めるキャリアウーマンでありながら、突っ張ったところの全くない地味キャラ。なかなかインド映画ではお目にかかれないヒロインで、ガウタムの心だけでなく、観客の心にもすっと溶け込んでいったであろう。

・対して、アンドレア演じるトップモデルのソニアが女のプライドや我儘さを体現しているような攻撃的キャラで、実に効果的なプリヤーの引き立て役となっていた。

・レビューを読むと、本作を「ブロマンス」と捉えているものがいくつかあったが、どうだろう? 確かにガウタム、スリー、ベービの友情は強く描かれていたが、それよりもガウタムと父、ガウタムとプリヤーの関係のほうが重要だったので、友愛は主題ではでなかったと思う。

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・むしろ、監督は本作で「結婚」の問題に生真面目に向き合おうとしたように思われる。結婚生活が必ずしもうまく行くとは限らないが、しかし結局、男と女が愛し合って、エゴを捨てて、ちょっとの辛抱でやって行くしかないんじゃないか、という、保守層にも安心なゾーンに落としていたと思う。

◆ パフォーマンス面
・ジーヴァ(ガウタム役) ★★★★☆
 なかなかハンサムだった。主役としてきちんとゲームメイクしている。

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・トリシャー(プリヤー役) ★★★★★
 【Vinnaithaandi Varuvaayaa】(10)でタミル人を虜にした感のあるトリシャーだが、本作もそれに匹敵する出来。アップ時の微妙なフェイスエクスプレションが秀逸。夢にまで出て来るほどの愛らしさで、彼女目当てで本作は一見の価値ありとなる。ちなみに、アフレコはチンマイさんが担当しているが、【Vinnaithaandi Varuvaayaa】とはまた違った声質/セリフ回しで聞かせている。

・ヴィナイ・ラーイ(スリー役) ★★☆☆☆
 【Unnale Unnale】(07)や【Modhi Vilaiyadu】(09)の頃はハンサムボーイとして注目されたヴィナイだが、最近は音沙汰なしだった。カルナータカ出身のバント族の誇りにかけて奮起したいところだが、本作でも不器用さがありありと。
 (写真下:音楽CD発表セレモニーのヴィナイくん。)

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・サンターナム(ベービ役) ★★★☆☆
 主人公の友人役として言うことのないパフォーマンス。酔って斜めに傾くシーンは流れ的には不要とも言えるが、笑えた。

・アンドリア・ジェレミア(ソニア役) ★★★☆☆
 高慢ちきなモデルをそれなりに好演している。しかし、「世界のトップモデル」という設定の割に、足が太かったような気が、、、。
 (写真下:なにせ「これ様」ですからね。)

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・ナーサル(ガウタムの父役) ★★★★☆
 「有名な画家」という設定だったが、それは重要でなく、ありがちな「ちょっと弱さを持つ父」だった。「親父の匂い」が漂って来るような父親像を好演。

◆ テクニカル面・その他
・音楽 : ハリス・ジャヤラージ ★★★☆☆
 彼らしい、聴いて心地よい音楽だった。
 音楽シーンの出来はまずまずだが、ダンス的には特に見るべきところなし。

・撮影 : R. Madhi ★★★☆☆

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★★☆
◆ 必見度 : ★★★★☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 2013年12月29日(日),公開第2週目
・映画館 : Coliseum (Kuala Lumpur),15:15のショー
・満席率 : 4割
・特記事項 : 英語字幕付き
 

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
お待ちしておりました!今年も楽しみに拝見させて頂きます。よろしくお願いします。
よっぴい
2014/01/29 23:12
こちらこそ、よろしくお願いします!
今年もフレッシュな女優の情報をお願いします。
 
カーヴェリ
2014/01/30 16:31

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