カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Thirumanam Enum Nikkah】 (Tamil)

<<   作成日時 : 2014/08/01 00:22   >>

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 ナスナス目当てで観に行ったんだよ。

【Thirumanam Enum Nikkah】 (2014 : Tamil)
脚本・監督 : Aneesh
出演 : Jai, Nazriya Nazim, Deekshitha Manikkam, Heebah Patel, Jamal, Pandiarajan, Mayilswamy, Dinesh, Badri Narayanan, その他
音楽 : M. Ghibran
撮影 : Loganathan
編集 : Kasi Vishwanath
制作 : V. Ravichandran

題名の意味 : 結婚(Thirumanam)すなわち結婚(Nikkah)
映倫認証 : U
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : ロマンス/ドラマ
公 開 日 : 7月24日(木)
上映時間 : 2時間13分

◆ あらすじ
 ラーガヴ(ヴィジャヤラーガヴァン・チャーリ:Jai)は所用でコインバトールへ行くことになるが、ブローカーを通して手に入れた列車のキャンセル切符の名義が「アブー・バッカル」だったため、道中このイスラーム教徒の名前で通すことになる。同じ列車にプリヤー(ヴィシュヌ・プリヤー:Nazriya Nazim)が乗って来るが、彼女もイスラーム教徒の友達アーイシャー(Deekshitha Manikkam)の代わりにコインバトールでのプロジェクトに出席するため、車中「アーイシャー」というイスラーム名で通す。ラーガヴはプリヤーを見て、惹かれるものを感じる。ここに変な男が乗って来、プリヤーに良からぬことをしようとするが、ラーガヴが助ける。これをきっかけにプリヤーもラーガヴに好意を抱く。しかし、二人は目的地で下車した際に、連絡先を聞かないまま別れてしまう。
 チェンナイに戻ったラーガヴとプリヤーはそれぞれ相手のことを愛していることに気付く。二人は運良く再会し、交際が始まるが、困ったことに、会うたびに「アブー・バッカル」と「アーイシャー」というイスラーム教徒のふりをしなければならなかった。また、結婚のことを考えると、二人は実はタミル・ブラフミンの全く同じカースト(アイヤンガール)に属しているため、本来障害はないのだが、果たしてヒンドゥー・ブラフミンの私がイスラーム教徒と生活できるのか、否、それ以前に家族が許さないだろう、という大問題があった。これに罪の意識を感じたプリヤーはラーガヴとの交際を打ち切る。
 思い悩んだラーガヴは、高名なイスラーム教徒の医者シャウカト・アリー(Jamal)の家に通い、イスラーム教徒の習慣について理解を深め、愛着を感じるようになる。他方、プリヤーのほうもアーイシャーからイスラーム教の習慣についていろいろ教わり、その過程でやはりアブー・バッカル(ラーガヴ)のことを愛していることに気付く。
 二人は結婚を決意し、実際に結婚することが決まる。だが、この過程でお互いが実はヒンドゥー・ブラフミンだと知った二人は、かえって結婚をためらうようになる、、、。

・その他の登場人物 : シャウカト・アリーの娘ナジーマ(Heebah Patel)

◆ ざっくりしたコメント
・題名の「Thirumanam Enum Nikkah」は、「Thirumanam」がヒンドゥー教徒の結婚を意味するタミル語、「Nikkah」がイスラーム教徒の結婚を意味するウルドゥー語で、「(ヒンドゥー教であれイスラーム教であれ)結婚というのは結婚」といった意味になるらしい。まさに題名の表すとおり、通常インドでは大きな問題となる異宗教間婚姻を全面的にテーマとした作品だった。

・もちろん本作も先行する同テーマ作品と同様、「異宗教間結婚はダメ」と言うものではなく、「真の愛の前には宗教やカーストの壁はない」という話になっている。しかし、本作の場合はかなり特殊で、通常の異宗教間結婚映画は本当に異宗教の男女が熱愛の末、艱難辛苦を乗り越えて結ばれる(あるいは、まれに悲劇的結末を迎える)というものだが、本作のラーガヴ(Jai)とプリヤー(Nazriya Nazim)は実は全くの同宗教/同カーストの二人で、結婚には支障がないのである。それでも「宗教を越えた愛」を言いたいために、アニーシュ監督はかなり難しいロジックを使っている。

・そりゃあそうだろう。互いに相手のことをイスラーム教徒だと思っていた二人が、実は同じヒンドゥー・ブラフミンだと分かり、「じゃあ、結婚できるじゃん」と結婚していたら、「宗教を越えた愛」にはならないのである。そこでアニーシュ監督は、ラーガヴとプリヤーにそれまで無関心・無知だったイスラーム教の習慣を理解させ、それに愛着を感じるようになった結果、「私が愛していたのはヒンドゥー教徒のプリヤー/ラーガヴではなく、イスラーム教徒のアーイシャー/アブー・バッカルなんだ」と悟らせ、一旦は別れさせる。しかし結局、「たとえ相手がイスラーム教徒だとしても、私は結婚できるんだ」という境地で二人を結び付けるという、非常にややこしいストーリーを考えている。

・「理解」を基にした異宗教の受け入れという物語は、アイデアとしてはとても面白いし、意図としても高潔なものを感じる。しかしアニーシュ監督(新人らしい)の脚本が問題だらけだったため、映画の終盤は混乱し、しかも面白くなかった。悔やまれる。

・間違いなくフロップに沈むと思う。そもそも現実の一般的インド人というのは、他宗教・他カーストに対しては恐ろしいほどの「無関心」が基本モードであり、「宗教を越えた愛」の映画がヒットしたりするのは、そんな障壁があっても愛を成就させる熱愛のドラマティックさに感動しただけであり、「愛は宗教を越える」といったメッセージに感心したからではない。本作のような、ヒンドゥー教徒もイスラーム教をよく理解すれば愛も成就する、と噛んで含めるように諭す博愛主義は、実際のところ大衆にとっては用なしの説教にすぎないのである。大衆的ヒットを狙うなら、ヒーロー(大抵ヒンドゥー教徒)がマフィアやテロリスト(多くはイスラーム教徒)をばったばったと倒す映画にしておいたほうがいい。

・面白い点を挙げると、テーマがテーマだけに、ヒンドゥー教(特にブラフミンの)とイスラーム教の祭礼が対比的に提示されていて、インド的な雰囲気に浸れる。(私も詳しくないので、Wikipediaの記述を参考にすると、ヒンドゥー教からは「ゴル(Golu)」、「アーヴァニ・アヴィッタム(Avani Avittam)」、イスラーム教からはラマダーン関連の儀礼、「ムハッラム(Muharram)」などが取り上げられている。)ただし、実際に祭りの行われる時期と映画の流れがどうも一致していないようで、ここはリアリティーよりネタを詰め込むほうを優先したのかもしれない。
 (写真下:こんな人も出て来たよ。)

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◆ 演技陣へのコメント
・ジェイ(ラーガヴ/アブー・バッカル役) ★★☆☆☆
 特にコメントしたい点はない。ジェイはやっぱり先日紹介した【Vadacurry】のようないじられ役が似合うかな、今のところ。

・ナスリヤ・ナシーム(プリヤー/アーイシャー役) ★★★☆☆
 さすがに可愛かったが、ナスナスをお目当てにした割には、光り方は中程度で、残念な感じ。こういう物語でこそ、彼女の魅力と才能が活きそうなのに。やはり女優を光らせるには監督とカメラマンの力量が大きく物を言うなぁ。ちなみに、ダビングは彼女自身が行っている。

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・ヒーバー・パテール(ナジーマ役)
 セカンド・ヒロインとしてこのお方が出演していた。特にインパクトのある仕事はしていないが、物の陰からそっと主人公を見つめるといった純朴な振る舞いがいじらしかった。

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・パーンディヤラージャンとマイルサーミが古典的なコメディートラックを作っていた。

・ナーサルが声の出演をしているらしいが、気が付かなかった(シャウカト・アリー役のアフレコか?)ムハッラムのシーンにちらっと顔も出していた。

◆ テクニカル面・その他(覚書)
・音楽 : ギブラーン ★★★☆☆
 宗教祭礼をモチーフにした音楽シーンが多く、割と良かった。

・撮影 : ローガナータン ★★★☆☆

◆ 完成度 : ★★☆☆☆
◆ 満足度 : ★★☆☆☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 7月27日(日),公開第1週目
・映画館 : Vision Cinemas,11:00のショー
・満席率 : 2割
 

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【Kumari 21F】 (Telugu)
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2015/11/25 21:56

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