カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Run Rajaa Run】 (Telugu)

<<   作成日時 : 2014/08/07 21:03   >>

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 前回紹介した【Jigarthanda】のカールティク・スッバラージ監督も短編映画作家として出発し、商業映画界入りした人だが、【Kadhalil Sodhappuvadhu Yeppadi】(12)と【Samsaaram Aarogyathinu Haanikaram】(14)のバーラージ・モーハン監督も同じような経歴を歩んでいる。このお二方の作品は興行的にも成功しているし、一味違った作風が南インド映画界に新風を呼び込んでもいる。

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 本作【Run Rajaa Run】でデビューすることとなったスジート監督も、これまでに30本ほど短編映画を発表してきた人らしい。上のお二方に続くクリエーターになれるかどうか、注目したい。
 主演はシャルワーナンドだが、公開されたトレイラーやポスター類を見る限り、これまでのイメージとは全く違う役柄に挑戦するようで、これは笑えそうだった。
 ヒロインにはシーラト・カプールという新人が就いている。

【Run Rajaa Run】 (2014 : Telugu)
物語・脚本・台詞・監督 : Sujeeth
出演 : Sharwanand, Seerat Kapoor, Sampath Raj, Jayaprakash, Adivi Sesh, Kota Srinivasa Rao, Vennela Kishore, Ali, Vidyullekha Raman, Harish Koyalagundla, Ajay Ghosh, Neelya Bhavani, その他
音楽 : M. Ghibran
撮影 : R. Madhi
編集 : Madhu
制作 : Uppalapati Pramod, V. Vamsi Krishna Reddy

題名の意味 : 走れ、ラージャー、走れ
映倫認証 : U/A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : ロマンティック・コメディー/スリラー
公 開 日 : 8月1日(金)
上映時間 : 2時間17分

◆ あらすじ
 ハイダラーバードでは謎の覆面グループによる警官や政治家の誘拐事件が相次ぎ、犯行グループ検挙のため、凄腕の警察本部長ディリープ・クマール(Sampath Raj)が捜査に当たることになる。
 ラージャー(ラージャー・ハリシュチャンドラ・プラサード:Sharwanand)は学もなく、定職にも就いていないお気楽な若者だったが、良き結婚相手を見つけようと、気に入った女性を見つけてはアタックし、失恋していた。しかし、八百屋を営む父プラカーシュ(Jayaprakash)は、そんなバカ息子を温かく見守っていた。
 ある日ラージャーは、明らかに結婚式場から逃げ出して来たと思われる女性プリヤー(Seerat Kapoor)を保護する。ラージャーはプリヤーに一目惚れするが、プリヤーもラージャーを気に入り、二人の仲は順調に発展する。だが、プリヤーは警察本部長ディリープ・クマールの娘だった。二人の交際を知ったディリープは快く思わない。
 誘拐犯の捜査が思うように進まないディリープは苛立つ。ここに部下のナイーム(Adivi Sesh)が、警察だけの捜査では限界があるので、一般人をおとり捜査に使うアイデアを進言する。そこでラージャーのことを思い付いたディリープは、彼にこの任務を押し付け、誘拐犯を捕まえて来たなら娘との結婚を認める、と伝える。ラージャーはこれを引き受ける。ところが、ラージャーが真っ先に誘拐したのは、ディリープその人の娘プリヤーだった、、、。

◆ ざっくりしたコメント
・新人監督に人気スター不在ということで、地味な作品かと思われたが、公開されるや意外に評判が良い。で、観てみたら、なるほどストーリー的には面白かった。ただ、満足できたかと言えば、何か物足りなかったし、好きかと問われれば、ノーと答える。

・終盤に大規模などんでん返しがあり、ここで救われるし、終わり方も軽やかで後味は悪くない。しかし、それに至るまでけっこうイライラした。こういう終盤どんでん返し型の映画は珍しくないが、本作が物足りなく感じられたのは、やはりどんでん返しに至るまでの中途の部分に見せ場が乏しかったせいだろう。要所要所に秀逸なダンスやアクション、コメディーが入るというマサラ映画は、思えばよく考えられたフォーミュラなのだが、本作は意図的にそれを抑制した感がある。

・また、本作全体が醸し出している雰囲気、主にコメディー・センスに関わる部分が、どうも私の好むそれではない。インド映画のお笑いセンス、、、といっても、各言語映画産業で何かと違っているので一概には言えないが、共通して言えるのは、一般的な日本人なら即座には笑えないというのがあるだろう(インド映画のコメディーに自然に腹を抱えて笑えるお方は、日本社会では苦労されていることと推察する)。私も長い歳月をかけてインド型のこてこてのお笑いに慣れたわけだが、本作のコメディー・センスはまた違ったもので、これにも慣れるのは生きているうちには無理だと思った。ただし、これが現地人(テルグ人)にはフレッシュなお笑い感覚に見えている可能性はある。

・とはいっても、ストーリの組み方(どんでん返しも含めて)はよく考えられていると思う。インドの娯楽映画はしばしばご都合主義と言われ、「偶然」「たまたま」が連発することが多く、本作も途中まではそんな感じで進む。しかし、どんでん返しの後では、偶然と思われたことに意図があったり、たまたまと思われたことに理由があったりしていることが分かる(一例を挙げると、ラージャーに学がないという設定も、単なる人物描写以上の意味があることが後で分かる)。この点とコメディー・センスの2点が、新人監督の作品らしい点だったかな。

◆ 演技陣へのコメント
・シャルワーナンド(ラージャー役) ★★★☆☆
 この人のパフォーマンスには賛否が分かれるだろう。概ね評価は良いようだが、私はちょっと恥ずかしいものを感じた。そもそもシャルワーナンドといえば、【Gamyam】(08)や【Prasthanam】(10)、【Engaeyum Eppothum】(11)のように、メッセージ志向の作品でシリアスな役をやる俳優だったが、今回はイメージチェンジで、ラームがやるようなチャラ男の役をやっている。本人はどんな感触だったのだろう? スクリーン上では、気合いが入っているようにも見えたし、「照れ」があるようにも見えた。ちなみに、報道によると、彼はノー・ギャラで出演を引き受けたらしい。
 (写真下:やっぱりこれは間違いだと思う。)

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・シーラト・カプール(プリヤー役) ★★★☆☆
 おそらく映画デビューだと思う。情報があまりないが、こちらの記事によると、ダンスインストラクターやモデルをやっている21歳らしい。カンガナー・ラーナーウトを薄くしたような感じで、南インド映画のスクリーンには場違いな印象も受けたが(なにせ、ほとんどのシーンで足を出していた)、悪くはなかった。

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・サンパト・ラージ(ディリープ・クマール役) ★★★☆☆
 常のとおり、グレーな役柄を面白く演じている。こんな熱烈なマイケル・ジャクソン・ファンのポリス・コミッショナーが本当にいたら笑うけど。

・ジャヤプラカーシュ(ラージャーの父プラカーシュ役) ★★★☆☆
 タミルからの客演。落ち着いた芝居。

・アディヴィ・セーシュ(ナイーム役) ★★★☆☆
 ちょっと面白い役回り。この人は【Balupu】(13)で悪役をやっていたが、野心があるようで、【Kiss】(13)という作品で監督と主演をこなしている(ヒットしなかったようだが)。今後面白い使われ方をされるかもしれない。

・ヴィデュレーカー・ラーマン(プリヤーの友達役)
 一応ファンなので、名前を上げておく。いつものとおり、可愛かった。

◆ テクニカル面・その他(覚書)
・音楽 : M・ギブラーン ★★☆☆☆
 テルグ映画を担当するのは初めてらしい。評判は良いようだが、私的には面白みを感じなかった。

・撮影 : R・マディー ★★★☆☆
 実績のある撮影監督だが、本作では特に凄みのあるカメラではなかった。。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★☆☆☆
◆ 必見度 : ★★☆☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 8月3日(日),公開第1週目
・映画館 : Bhumika,10:30のショー
・満席率 : 1割以下
 

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