カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Boochamma Boochodu】 (Telugu)

<<   作成日時 : 2014/09/09 21:19   >>

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 先日の【Geethanjali】鑑賞記の中で、最近南インド映画界で「ホラー・コメディー」というジャンルが確立されつつあるようだ、ということを書いておいたが、本テルグ映画【Boochamma Boochodu】もその線に連なるもの。といって、本作を観に行ったのは、別にこのジャンルを窮めたいという意図があったからではなく、気分的に気楽な映画、何ら考えさせられることもなく、心に残るものもないB級娯楽映画を観たいと思ったからであり、本作はその気分に実にマッチしそうだった。
 監督はリーワン・ヤードゥという新人で、グナシェーカル監督(最近振るわないが、以前は【Okkadu】(03)や【Arjun】(04)などのヒット作を連発していた)の助監督を務めていた人らしい。
 主演は最近影の薄いシヴァージーだが、ホラー作品ということでは、彼には【Mantra】(07)という佳作がある(もっとも、あれはチャルミーの映画だが)。
 ヒロインは【Ragini MMS】(11)で有名になったボリウッド女優のカイナーズ・モーティーワーラー。話題といえば、この点が本作の話題かもしれない。

【Boochamma Boochodu】 (2014 : Telugu)
脚本・監督 : Rewon Yadu
出演 : Sivaji, Kainaz Motivala, Brahmanandam, Posani Krishna Murali, Vennela Kishore, Chammak Chandra, Thagubothu Ramesh, Dhanraj, Venu, Srinivasa Reddy, Chitram Sreenu, その他
音楽 : Sekhar Chandra
撮影 : Vijay Mishra
編集 : Praveen Pudi
制作 : Annamreddy Ramesh, Prasad Reddy

題名の意味 : 女の亡霊、男の亡霊
映倫認証 : A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : ホラー・コメディー
公 開 日 : 9月5日(金)
上映時間 : 2時間16分

◆ あらすじ
 カールティク(Sivaji)とシュラーヴァニ(Kainaz Motivala)は新婚夫婦。カールティクはシュラーヴァニの誕生日を祝おうと、最近購入した郊外の別荘に彼女を連れて行く。二人はそこでロマンティックな一時を過ごすつもりだった。しかし、到着したその夜から、嫌な物音が聞こえたり、女の幻影が見えたりと、不気味な体験をする。さらに、二人は殴り合いの喧嘩まで始めてしまうが、朝起きたときにはその記憶は全くなく、ただお互いの顔のあざを見てそれと気付くのであった。
 カールティクはこの怪現象の謎を解くため、防犯カメラで記録された自分たちの映像をチェックする。その結果、カールティクとシュラーヴァニにはそれぞれプラバーカルとセノリータという男女の亡霊が取り憑き、それぞれが8月15日に相手を殺す(つまり、カールティクとシュラーヴァニが殺し合いをする)と主張していることを知る。カールティクはいくつかのキーワードを基にインターネットを通して、プラバーカルとセノリータは夫婦であり、この別荘の元の住人で、5年前の8月15日に火災事故で死亡していることを知る。さらに、フェイスブックを通して死亡夫婦の友人を探し出し、話を聞く。それによると、プラバーカルとセノリータは恋愛結婚をして一女をもうけたものの、夫婦仲が悪くなり、喧嘩が絶えず、そんな中で火災事故が起きたということだった。
 カールティクとシュラーヴァニは恐れて別荘から逃げ出そうとするが、その度に憑依した亡霊によって妨害される。そうこうしているうちに、亡霊が告知した8月15日がやって来る、、、。

◆ ざっくりしたコメント
・どうせB級映画だろうと、脳ミソをうちに置いたまま観たら、果たしてトホホなB級ホラーだったが、意外に面白かった。完成度は低いが、アイデアは面白い。

・ホラー映画のありがちな話は、非業の死を遂げた人物(たいてい女性)が成仏できずに怨霊となり、自分を死に至らしめた現世の人物に何らかの仕方で報復するというものだが、本作の場合、互いに憎み合って死んでしまった夫婦が、成仏できずに、現世の夫婦の身体にそれぞれ憑依して、相手をさらに殺してしまおうというもの。おそらくどこかに元ネタがありそうだが、面白いアイデアだと思った。(ということは、幽霊は幽霊を殺せないということが前提となっているのかな? しかし、相手が憑依した肉体を殺したところで、霊までは殺せないと思うのだが。)

・「ホラー・コメディー」という映画に、私はホラー要素とコメディー要素が有機的に絡むことを期待しているのだが、その点で【Geethanjali】は物足りないことを指摘した。しかし、本作はうまくホラーかつコメディーになっていたと思う。例えば、おどろおどろしく登場した悪霊が夫婦に憑依したら、彼らが睨み合い、取っ組み合い、殴り合いの夫婦喧嘩を始めるという発想そのものとか、シュラーヴァニがセノリータの霊に取り憑かれて狂暴化したとき、一方的に殴られるのを恐れたカールティクが「プラバーカルさん、ボクにも憑依してよ」と懇願する場面など、ホラーとコメディーが背中合わせになっていると思った。

・しかし、なんと言っても、本作はホラーとしてちっとも怖くないし、コメディー面でもそれほど笑えないというのが痛い。ここはハッタリでもいいから、視聴覚的に怖さをアップし、コメディー・パートのだらだらした感じを引き締めたら、佳作のレンジに入ってきたかもしれない。

・クライマックスと結末には取って付けたようなモラルが表明されており、ここは評価が分かれるところだろう。たぶん否定的な感想を抱く人が多いと思うが、私は実にインド的だと思うし、気に入っている。

・舞台となった別荘には家屋のあちこちに防犯カメラが設置してあり、シュラーヴァニがカールティクに「あの最中にも撮るの?」と嫌がるシーンがあるが、あれは【Ragini MMS】を意識したものだろう。

・それにしても、インド映画も張りつめた怖いホラー作品が作れるようになったかに見えた流れの中で、南インド映画界が「歌あり、踊りあり、笑いあり、エロあり」のマサラ・ホラーの道を着実に歩み出したというのは、現象として興味深い。

◆ 演技陣へのコメント
・シヴァージー(カールティク役) ★★★☆☆
 どうみてもスターの器ではないシヴァージーだが、こういうB級映画ではそれなりの仕事をする。【Missamma】(03)や【Mantra】の好印象があるのか、本作でも登場シーンでは観客から声援が起きていた。ボリウッド女優相手のレスリングはさぞや楽しかったろう。

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・カイナーズ・モーティーワーラー(シュラーヴァニ役) ★★★☆☆
 ロバ顔で際立った美人とは言えず、今のボリウッドでトップ女優としてやって行くのは難しいと思うが、本作ではツボを押さえた芝居をしていて、このレベルの作品では通用することを証明している。本音を言えば、もう一つ吹っ切れたお化け演技をしてほしかったが、低予算映画の分際で贅沢言うのはやめよう。今のボリウッド女優で完璧に怨霊憑依女を演じられるのは、ギャラの高いカリーナー・カプールかプリヤンカー・チョープラーぐらいしかいないだろうから。

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・コメディー陣はぞろぞろといたが、パッとしなかった。ターグボートゥがやはり酔っぱらい役でチャンマク・チャンドラ、ダナダン・ダンラージ、ヴェーヌ・ワンダーズとお下劣コメディー・トラックを作っている。後ろの3人はテレビのコメディーショー「Jabardasth」で有名になった面々。

◆ テクニカル面・その他(覚書)
・音楽 : シェーカル・チャンドラ ★☆☆☆☆

・撮影 : ヴィジャイ・ミシュラー ★★☆☆☆

◆ 完成度 : ★★☆☆☆
◆ 満足度 : ★★☆☆☆
◆ 必見度 : ★★☆☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 9月6日(土),公開第1週目
・映画館 : Movieland,10:30のショー
・満席率 : 3割
 

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