カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Aagadu】 (Telugu)

<<   作成日時 : 2014/10/01 01:48   >>

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 本ブログでも度々私がマヘーシュ・バーブのファンであることを明言してきたが、そのくせ前作【1: Nenokkadine】(14)はタイミングが悪く映画館では観逃してしまったので、今回の新作はしっかり観て来た(2週目に回してしまったけど)。
 監督はシュリーヌ・ヴァイトラ。周知のとおり、同監督とマヘーシュのコンビにはブロックバスターの【Dookudu】(11)があり、お祭りシーズン序盤のテルグ映画の超話題作に挙げられていた。
 ヒロインはタマンナー。昨年からボリウッド作品出演が目立ち、かぐや姫を月へ見送る竹取の翁みたいな心境でいた私としては、こうして再び南の作品に出てくれて、うれしい。
 加えて、シュルティ・ハーサンがアイテム出演しているのにも注目だろう。

【Aagadu】 (2014 : Telugu)
脚本 : Anil Ravipudi, Upendra Madhav, Praveen Varma
監督 : Sreenu Vaitla
出演 : Mahesh Babu, Tamannaah, Sonu Sood, Brahmanandam, Nasser, Rajendra Prasad, Brahmaji, M.S. Narayana, Ashish Vidyarthi, Vennela Kishore, Raghu Babu, Posani Krishna Murali, Prabhas Srinu, Rao Ramesh, Tanikella Bharani, Ajay, Ravi Prakash, Raghu Karumanchi, Shravan, Satya Krishnan, Mumtaj, Shruti Haasan(アイテム出演), その他
音楽 : S.S. Thaman
撮影 : K.V. Guhan
編集 : M.R. Varma
制作 : Ram Achanta, Gopichand Achanta, Anil Sunkara

題名の意味 : 止まらないヤツ
映倫認証 : U/A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : コメディー/アクション
公 開 日 : 9月19日(金)
上映時間 : 2時間45分

◆ あらすじ
 シャンカル少年は孤児だったが、機転の利く賢い子だったため、警官のラージャー・ラーム(Rajendra Prasad)は気に入り、自分の子供として育てる。シャンカルもラージャー・ラームを神様のように慕う。ところがある日、ラージャー・ラームの実子(シャンカルの義兄)が誤って人を殺めてしまったため、シャンカルが自ら罪を被ることにし、少年院に入る。シャンカルはそれ以来この家族と生き別れになる。
 時が下り、シャンカル(Mahesh Babu)は「エンカウンター・シャンカル」の異名をとる猛烈警官になっていた。そして、ボッカパトナムという悪名高き地方の町に警察署長として赴任する。ボッカパトナムはダーモーダル(Sonu Sood)というドンが牛耳っている町だった。ダーモーダルは違法ビジネスでのし上がった極道だが、今や発電所建設プロジェクトを請け負い、さらに阿漕に稼ごうとしていた。シャンカルはダーモーダルの部下に接近し、懐柔し、徐々にダーモーダルのビジネスに打撃を与える。その一方でシャンカルは、サロージャ(Tamannaah)というスイーツ屋を営む女性に出会い、惚れる。
 シャンカルはダーモーダルの発電所建設プロジェクトを差し止めるところまでは成功する。だが、警視マッリカールジュン(Ashish Vidyarthi)と組んで、ダーモーダルを逮捕する段では、うまくかわされてしまう。
 そんなある日、シャンカルは町でかつての養父ラージャー・ラームと再会する。そして養父の口から、シャンカルの義兄(Ajay)は人権委員会の役人と組んでダーモーダルの発電所計画を中止させようとしていたが、罠にはめられ、自殺に追い込まれたこと、そしてその罠を仕組んだのが、ダーモーダルと警視のマッリカールジュンと大臣のナーガラージュだということを知らされる。
 シャンカルは弁護士‘データベース’ダーナイヤに紹介してもらった‘デリー’スーリ(Brahmanandam)という犯罪ブローカーをだしに使い、またサロージャの家族にも協力してもらって、義兄の敵を討ち、ボッカパトナムを悪の手から解放する行動を開始する、、、。

◆ ざっくりしたコメント
・目にし、耳に届く評価に芳しいものはなかったが、私はマヘーシュのファンだし、シュリーヌ・ヴァイトラもこれまで贔屓にしてきた監督だったので、淡い期待を抱いて観に行ったが、はっきり言って失敗作だろう。失敗作とまで言わないなら、監督の狙いがうまく結実しなかった作品とは言える。

・シュリーヌ・ヴァイトラ監督の作品は、私の見立てでは、【Ready】(08)と【King】(08)で頂点に登りつめた感があり、【Dookudu】、【Baadshah】(13)と段階的に新鮮味、面白さが落ちているような気がしたので、やばいものは感じていたが、本作でがくっと落ちたようだ。

・実はシュリーヌ監督の作品は、前作【Baadshah】まではゴーピ・モーハン(それにコーナ・ウェンカト)がライターを務めており、同監督作品の面白さというのは監督の力量によるものなのか、ライターの才能によるものなのか、長年の疑問だったが、本作を観て、答えが出たかな。これまでのヒット作と比べて、本作も表面的には同じように見えるが、内部的には違っている。ダイナミックなアクション・コメディーとするためのアイデアが決定的に不足している。(個々のネタのアイデアが枯渇しているという意味ではない。)

・おそらく、シュリーヌ監督は違ったコンセプトの映画を作ろうとしており、そのコンセプトとは「猛烈な勢いのセリフによるコメディー」なのだと推察する。ただ、それがあまりにも極端だし、それをこれまでと同じ規模の器でやろうとしたものだから、無理が生じている。喩えて言うなら、小型飛行機のエンジンで、ジャンボジェット機を飛ばすようなものだ。

・【Dookudu】鑑賞記の中で私は「映画の開始30分は素晴らしく、豪華な道具立てが整って、さぁ、どんなファンタスティックなイベントが始まるのかと期待していたら、結局はコントかい!といった印象だ。この手のお笑いネタで観客の関心を繋ぎとめたいのなら、何も3億5千万ルピーの製作費をつぎ込む必要はなかったと思う」と書いたが、本作でもほぼ同じ感想。大体、コメディー映画を作るのに4億ルピー(Wikipediaによる本作の製作費)も必要ないし、アクション映画を作るのにヒーローにこれほど喋らせる必要はない。これと同じ面白さの映画なら、スディープなら4千万ルピーで撮るはずだ。

・また、【Baadshah】鑑賞記では「これまでのシュリーヌ監督の作品は、娯楽ガジェットの部分的な面白さと共にストーリー全体の展開に魅力を感じたが、本作では各パーツの面白さがストーリーを凌駕してしまっている。それで、鑑賞中、何度もストーリーを忘れ」と書いたが、本作では忘れるも何も、ストーリー自体がなかったぞ。

・ただし、言葉がナチュラルに分かるテルグ人なら、当然私以上に面白く鑑賞しているわけで、またマヘーシュの吸引力もあって、結果的にはまとまった数の観客を集めるだろう。ただ、本作のセリフの量とスピードは非母語者にはきつい。たとえ英語字幕が付いていたとしても、フォローするのは難しいと思う。

・お笑いネタに関しては、個々のネタを部分的に見たなら、面白いと言えるものなのだが、それが2時間45分のランライムの中で連発するものだから、メリもハリもなかった。最後のブラフマーナンダムのダンスショーのシーンは、さすがにテルグ人観客も笑うのを諦めていたようだった。

◆ 演技陣へのコメント
・マヘーシュ・バーブ(シャンカル役) ★★★★☆
 ただし、マヘーシュ・バーブの「マジ目でコメディー」のパフォーマンスは光っており、マヘーシュという1要素だけで満足度3つ星をキープ。
 例えば、制服姿でインド国旗をバックにしてもよし!

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 夕陽を背にガンを構えてもよし!

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 二挺拳銃を持ってもよし!

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 なぜか松明を持ってもよし!

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 燃え盛る炎をバックにしてもよし!

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 採鉱現場で仁王立ちしてもよし!

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 ジープの上に乗ってもよし!

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 吊るされた車の上に立ってもよし!

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 地球儀の横であぐらをかいてもよし!

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 いやぁ、さすがテルグの「スーパースター」マヘーシュは違いますなぁ。(これで日本人ファンが2,3人減っちゃったかな?)

・タマンナー(サロージャ役) ★★★☆☆
 シュリーヌ・ヴァイトラ監督はヒロインの使い方・描き方が上手いほうではないと思うが、本作でもタマンナーの実力が全然活用されておらず、竹取翁はご機嫌斜め。暴力的なタマちゃんというのは見ものではあったが。

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・そのくせシュリーヌ監督はアイテム・ナンバーを作るのが上手く、シュルティ・ハーサンのナンバーは良かった。ただし、チープな展開での挿入だったので、シュルティを使うこともなかったなぁ、ムムタージにやらせておけば十分なのに、と思った。

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◆ テクニカル面・その他(覚書)
・音楽 : S・S・タマン ★★★☆☆
 タマンくんの音楽・BGMは普通。1曲目のマヘーシュ導入のシーンとシュルティ・ハーサンのアイテム・ナンバー以外、ほとんど印象に残っていない。

・撮影 : K・V・グーハン ★★★★☆
 撮影は良かったと見ている。
 物語の舞台はラーヤラシーマにある田舎町と設定されていたようだが、実際の撮影は別所で行われたようだ。(興味のあるお方はWikipediaの長々とした記述を参照。)

◆ 完成度 : ★★☆☆☆
◆ 満足度 : ★★★☆☆
◆ 必見度 : ★★☆☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 9月27日(土),公開第2週目
・映画館 : Gopalan Cinemas (RR Nagar),13:00のショー
・満席率 : 1割
 

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【Srimanthudu】 (Telugu)
 我が敬愛するテルグのスーパースター、マヘーシュ・バーブも、昨年の【1: Nenokkadine】と【Aagadu】は当たらなかったらしい。しかし、マヘーシュ本人もマヘーシュ・ファンもこれしきでは揺れないだろう。むしろ、3作続けてハズレはないはずなので、そろそろブロックバスターが出る吉兆と見ているに違いない。  というわけで、公開後、いたって好評なのがこの【Srimanthudu】。監督は台詞ライターとして活躍した後、【Mirchi】(13)で監督デビューしたコラターラ・シヴァ。【M... ...続きを見る
カーヴェリ川長治の南インド映画日記
2015/08/12 21:40

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