カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Bahaddur】 (Kannada)

<<   作成日時 : 2014/10/23 20:49   >>

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 ディーパーワリ以降の話題作公開を控え、先週末は特に目ぼしい作品の公開がなかったため、優先順位の低かったカンナダ映画【Bahaddur】を観て来た。私的には順位を下にしていたが、口コミでは面白いということで、ブロックバスターになりそうな作品である。
 監督はチェータン・クマールという人で、新人らしい。(カンナダ俳優に同じ名前の人がいるが、別人。)
 ヒーローは【Addhuri】(12)でデビューしたドゥルワ・サルジャー(アルジュン・サルジャーの甥)で、彼の2作目となる。ヒロインはラーディカー・パンディトで、この主役ペアは【Addhuri】でも同じだった。

【Bahaddur】 (2014 : Kannada)
物語・脚本・歌詞・台詞・監督 : Chethan Kumar
出演 : Dhruva Sarja, Radhika Pandit, Srinivasa Murthy, Ravishankar, Achyuth Kumar, Jai Jagadish, Tabla Naani, H.G. Dattatreya, Avinash, Sudharani, Sangeetha, Pavithra Lokesh, Spoorthi, Petrol Prasanna, Puneeth Rajkumar(ナレーター), その他
音楽 : V. Harikrishna
撮影 : Shreesha Kuduvalli
編集 : Deepu S. Kumar
制作 : R. Srinivas

題名の意味 : (主人公の名前)
映倫認証 : U
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : アクション/ロマンス
公 開 日 : 10月3日(金)
上映時間 : 2時間35分

◆ あらすじ
 アショーカ・バハッドゥール(Dhruva Sarja)は王族バハッドゥール家の子孫だが、恋愛結婚の信奉者で、良き伴侶を探していた。一方、マイソールの大学でジャーナリズムを学ぶアンジャリ(Radhika Pandit)は、故郷のマディケーリに暮らす父シャンカラッパ(Srinivasa Murthy)に対して、学業が終わったら必ず父の選んだ相手と結婚すると約束していた。
 ある日、アショーカはマイソールでアンジャリを見かけ、一目惚れする。以来、アショーカは(身分を隠して)猛烈な勢いでアンジャリにまとわりつく。当初はアショーカの出現に苛ついていたアンジャリだが、悪漢に誘拐されそうになったところを救ってもらったのをきっかけに、アショーカに好意を抱くようになる。だが、父との約束があるため、彼からのプロポーズは拒否する。
 一旦は落ち込むアショーカだが、気を取り直し、まずはアンジャリと友達付き合いすることから始める。そして、クラスメイトの結婚式に参加するためにフブリへ行くアンジャリに同道することにする。
 その結婚式場での出来事を通し、アンジャリはアショーカの人柄を理解し始める。そしてフブリからの帰り道、アンジャリは事故で怪我をしてしまうが、アショーカに病院まで運んでもらい、輸血までしてもらう。それを機にアンジャリはアショーカを愛するようになるが、自分の複雑な気持ちと立場を彼に伝える。
 そんな折に、皮肉なことにアンジャリの父シャンカラッパが娘の結婚相手を見つけてしまう。それはシャンカラッパの友人(Jai Jagadish)の息子で、アメリカ帰りの人物だった。何も知らずにアンジャリの下宿を訪ねたアショーカは、彼女のおじ(Achyuth Kumar)からその事実を知らされる。
 かくてアンジャリの結婚式の日となるが、そこには有力者(実はマフィアのドン)のアッパージ・ガウダ(Ravishankar)も招かれていた。アッパージ・ガウダはアンジャリを見るなり、顔色を変える。実はアッパージ・ガウダはアンジャリとアショーカを一度目撃しており、さらに自分の弟を病院送りにした敵として、アショーカの命を狙っていたからである、、、。

・その他の登場人物 : アショーカの祖父(H.G. Dattatreya),僧侶(Tabla Naani),パッドゥ(Spoorthi),女医(Sudharani)

◆ ざっくりしたコメント
・面白いかどうかと言えば、不思議に面白い。そして、非常に興味深い。

・不思議に面白いと言うのは、上のあらすじを読んで分かるとおり、何の変哲もない娯楽マサラ仕様だし、しかもそれぞれの娯楽ガジェットが、カンナダ映画にしてはよくできているが、テルグやタミルに比べても野暮ったいものなのに、全体として面白い(満足感がある)ということ。

・何かと是非の問われるマサラ型映画だが、同じように歌って踊って泣いて笑ってのフォーマットで作っても、陳腐で新鮮味がなく、つまらないものもあれば、やたらと面白く、大ヒットするものもある。この分かれ目というのは、私も何とか突き止めて説明したいと思うのだが、難しい。

・「何の変哲もない」と書いたが、実は本作のクライマックスはかなり変則的で、新奇な線を狙った節がある。しかしそれが本作の面白さの理由とは思えない。本作は、何と言うか、「命を吹き込まれた」とでも言えそうな活きの良さがあちこちから感じられるのである。ところが、こうした感覚はヒットするマサラ娯楽映画に等しく感じられる特徴だし、またマサラ映画以外では味わえないものなので、やはりマサラ映画は侮れないのである。

・本作で言うと、例えば、ヒーロー(アショーカ)とヒロイン(アンジャリ)のラブ&ヘイトの展開に飽きた頃に、場面がぱっと田舎(フブリの郊外)に移り、明るくカラフルな結婚式のシーンになる。そこには大家族の気さくなオッチャン、オバチャンや使用人、とんちんかんな娘さんらがおり、コミカルな展開で盛り上がったところで、どんと神様をモチーフとした音楽シーンになる。こうした流れは何度見ても気持ち良い。

・上で「非常に興味深い」と書いたのは、本作がカンナダ・ロマンス映画の特徴をよく備えているということだ。本作ではまず冒頭に「現代の若者の関心事は恋愛、仕事、結婚の3点。分けても結婚は見合い結婚か恋愛結婚かで混乱している」というナレーションが入り、最初のシーンで見合い結婚派のアンジャリ、自由恋愛結婚派のアショーカと、はっきり色分けして登場させ、最終的な結論は保守的で、やや教訓めいた終わり方をしている。これはもう博物館に入れたいほど典型的なカンナダ映画だ。

・よって、カンナダ映画に馴染んでいる方、関心がある方にはお勧めしたいが、そうでない方なら、何が面白いかさっぱり分からないかも。

・疑問に思ったのは、主人公のアショーカが王族の出身と設定されていること。ストーリー的には主人公が貧乏長屋の青年でも十分成り立つものだし、実際、「実はボク、王家のプリンスなんだ」、「ええっ、そうだったの!」なんて告白がストーリー展開のキーとなることはなかった。

・この点は、新人のチェータン・クマール監督に好意的に解釈すると、たぶん、インド映画が伝統的に登場させてきたヒーローの人間としての気高さを描きたかったのだろうと思う。その、簡単に言うと「男らしさ」を、演じたドゥルワはある程度(あくまでもある程度)表現することに成功している。

◆ 演技陣へのコメント
・ドゥルワ・サルジャー(アショーカ役) ★★★☆☆
 デビュー作【Addhuri】よりは格段に進歩している。この男の絶えずニコニコとした愛嬌のある表情には(バカみたいなんだが)、もしかしたら自殺を考えている人も思い留まるかもしれない。ただし、力瘤と身体能力には目を見張るものがあるものの、「Action Prince」という冠タイトルはちょっと、、。

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・ラーディカー・パンディト(アンジャリ役) ★★★☆☆
 さすがに上手く演じているが、この人もそろそろ薹が立ってきたかな。音楽シーンで精彩を欠いていたので、もっと若くて踊れる新人にやらせてもよかったと思うが、そんな女優がサンダルウッドいないところが辛い。
 (写真下:血糊メイクで撮影を待つラーディカーさん。)

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・ほとんど上の2人だけで進行するような映画だが、脇役陣ではシュリーニワーサ・ムールティ、ダッタットレーヤ、ラヴィシャンカル、タブラ・ナーニ、スプールティあたりが良かった。

◆ テクニカル面・その他(覚書)
・音楽 : V・ハリクリシュナ ★★★★☆
 いつものハリクリシュナ・チューンとも言えるが、いつになく良い。音楽シーンの出来は、5曲のうち3曲は良い。

・撮影 : シュリーシャ・クドゥワッリ ★★★☆☆
 ほとんど名前を見かけない人だが、悪くなかった(調べたら、【Topiwaala】(13)でカメラを回しているようだ)。

・アクション監督はラヴィ・ヴァルマで、かなり良い仕事をしている。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★★☆
◆ 必見度 : ★★★★☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 10月19日(日),公開第3週目
・映画館 : Kamakya,11:15のショー
・満席率 : 6割
 

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