カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Shivam】 (Kannada)

<<   作成日時 : 2015/01/21 21:38   >>

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 ウペンドラの新作【Shivam】は製作の早い段階から話題となっていた。当初の題名は「Basavanna」だったが、これに対してカルナータカ州のリンガーヤト・コミュニティーが反発し、題名変更を余儀なくされる。「バサワンナ」はリンガーヤト・コミュニティーの創始者とされているが、その偉人の名を冠した同映画のポスターが印を結び瞑想する僧侶の傍らに拳銃が置かれているというもので(下)、さすがにこれはけしからんというわけである。

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 題名問題はネガティブな話題だが、ポジティブな話題は次々と公開されたポスター/スチルでのウペンドラの姿だった。何と、ウッピがガチなバラモン僧になっているではないか! ファンとしては期待が膨らんだ。
 しかも、監督が【Dandupalya】(12)でカンナダ映画界に衝撃を与えたシュリーニワーサ・ラージュだけに、ただでは済まない映画だろうと、期待はさらに膨らむ。(あ、言うまでもありませんが、私にとって最大の話題はキューティー・サローニです。)

【Shivam】 (2015 : Kannada)
物語・脚本・監督 : Srinivasa Raju
出演 : Upendra, Saloni Aswani, Ragini Dwivedi, Ravishankar, Sharath Lohitashwa, Avinash, Srinivasa Murthy, Makrand Deshpande, Bullet Prakash, Geetha, Bhavya, Shivaram, Gowrish Akki, Doddanna, C.R. Gopi, Muni, Kari Subbu, Jai Jagadish, Chidanand, その他
音楽 : Mani Sharma
撮影 : Venkat Prasad
編集 : Vinod Manohar
制作 : C.R. Manohar

題名の意味 : シヴァ
映倫認証 : U/A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : アクション
公 開 日 : 1月2日(金)
上映時間 : 2時間29分

《 あらすじ 》
 新興マフィアのドン、アレックス(Upendra)は、敵対するマフィアの大物ドン、アマーヌッラー・カーン(Ravishankar)を射殺する。アレックスは実はバサワンナという名前で、シヴァ派の由緒正しき寺院を守る僧侶パラメーシュワラ(Srinivasa Murthy)の二男坊だった。故郷カルナータカ州の実家に帰ったバサワンナは、幼馴染みのバワーニ(Saloni)と再会し、いくつかの経緯を経て、結婚することが決まる。
 パラメーシュワラは自分の僧侶職を長男シヴ(Gowrish Akki)に継がせたいと願っていた。だがソフトウェア技術者としてアメリカのNASAで働くシヴは父の願いを斥ける。ショックのあまり父は急死してしまう。そこで、バサワンナは僧侶として父の跡目を継ぐことにする。
 この寺院は、悪徳政治家シッダンナ(Avinash)とその取り巻きによって財宝と土地が狙われていた。バサワンナはシッダンナらの悪巧みから敢然と寺院を守る。
 ところで、アレックス(バサワンナ)が射殺したアマーヌッラー・カーンは実は替え玉で、本人は生きていた。カーンはアレックスに復讐するために、大規模な刺客を送り込む。まさに寺院の門前で銃撃戦が起こらんとするとき、カーンの部下である「スネーク」ことマンディラ(Ragini Dwivedi)が裏切り、カーンの手下らを射殺する。さらにヘリコプターが飛んで来て、バサワンナとマンディラを乗せ、デリーへと運ぶ。実はバサワンナとマンディラはインド対外諜報機関のエージェントで、インドに危害を加えようとしていたアマーヌッラー・カーンを討伐する任務を帯びていたのである、、、。

・その他の登場人物 : バサワンナの祖父(Shivaram),バサワンナの母(Geetha),シュリーカーント(Bullet Prakash),サードゥー(Makrand Deshpande)

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★★☆
◎ 物 語 : ★★☆☆☆
◎ 脚 本 : ★★☆☆☆
・シュリーニワーサ・ラージュ監督の【Dandupalya】は実在したレイプ殺人強盗集団であるダンドゥパーリヤ・ギャングを実録風に描いた異色作だったが、本作は打って変わって、比較的正統な娯楽アクションに仕立てている。

・しかし、そこはこの監督のこと、作品全体のアイデアは「バラモン僧がダルマを護るためには武器を取ることも辞さない」という突飛なものだし、脚本にも大きなヒネリが加えられていた。

・ただ、脚本の出来は良くない。主人公バサワンナのキャラクターが、マフィアのドン→由緒正しきヒンドゥー寺院の二男坊→対外諜報機関(RAW : Research and Analysis Wing)のエージェントと、驚きの展開を見せるのだが、それがあまり驚きでなかった。映画後半の途中になるまでストーリーがすっきり分からないというのは、隠しすぎだと思った。

・上の「瞑想する僧侶と拳銃」のポスターから、「戦うヒンドゥー僧」という物騒な内容が予想されたが、映画自体はその予想をはるかに超えるはちゃめちゃさだった。なにせバサワンナは、拳銃はおろか、散弾銃はぶっ放すわ、シヴァの三叉戟で人を刺すわで、よくぞ「U/A」で映倫が通ったものだ。(映画の最後にイスラーム教に対する配慮もあったが、形だけっぽい。)

・それで、私も心配になって、周りのインド人(ヒンドゥー教徒)に「ヒンドゥー僧をこんなふうに描いて、問題はないのか?」と聞いてみたら、「まぁ、映画だし」とか、「問題ないんです、インドだから」とか、「やられる相手がムスリムならOK」とか、いたって呑気な答えが返ってきた。

・今や世界では「イスラーム国」や「シャルリ・エブド事件」などの問題があり、宗教がらみの事柄はデリケートに扱いたい時勢なのに、呑気なもんだ。もっとも、インド人のこの鈍感さが、多様な宗教の共存を可能にし、コミュナル暴動やテロはあっても、国家転覆の危機にまで至らない理由かな、と思わないこともない。

・さて、ウペンドラ演じるヒンドゥー僧のアクションはかなりパワフルだったが、悪役との対決という肝心部分の展開が甘かったため、緊張感を欠くアクション映画になってしまっていた。この辺は監督の経験不足かな。

◎ 配 役 : ★★★☆☆
◎ 演 技
・ウペンドラ(バサワンナ役) ★★★★☆
 長髪がデフォルトのウッピが坊主頭になるというのは過去にあったかどうか思い出せないが、実にカッコよかった。ただし、この頭は実際に剃ったものではないらしい。役柄上、セリフがいつもより少ないのが残念だったし、アクションもどんくさいところがあったが、贔屓で4つ星を付けておく。
 (写真下:スクーターに乗る坊主は珍しくないが、ロイヤルエンフィールドというのは、、、。)

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・ラーギニ・ドゥイウェーディ(マンディラ役) ★★★☆☆
 「帝塚山の若マダム」ことラーギニさんは、今回は女スパイ的な役回り。このお方はアイドルは諦め、硬派路線を突き進むようだ。胸元から腹にかけての蛇の刺青がセクシー・ポイントだが、こうも体がごついと、色気を感じぬ。

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・キューティー・サローニ(バワーニ役) ★★★☆☆
 名前どおり(勝手に名前を変えちゃいましたが)、可愛かった。30代中盤でこの可愛らしさは、インド女では奇跡の部類だな。
 (写真下:左よりキューティー・サローニ、普段のウッピ、帝塚山の若マダム。)

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・シュリーニワーサ・ムールティ(パラメーシュワラ役) ★★★★☆
 このバラモン僧の味わいは達の域だな。

・【Dandupalya】でも起用された北インド俳優のマクランド・デーシュパーンデーイがサードゥー役で登場し、何かやってくれそうだったが、何もやってくれなかった。

◎ 音 楽 : ★★★☆☆
◎ 音 効 : ★★★☆☆
◎ ダンス : ★★☆☆☆
・音楽は珍しくテルグのマニ・シャルマ。特段優れた音楽でもなかったが、やはり通常のカンナダ作品の音楽(多くはハリクリシュナの仕事)とはビート感などが違うので、新鮮だった。

◎ アクション : ★★★☆☆
◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★☆☆
◎ 編 集 : ★★★☆☆

◎ その他(覚書)
・物語中の寺院はカーラヴァイラウェーシュワラ神を祀ったものだったように思うが、ご本尊には金色のリンガが祀られていた。撮影に使われた寺院がどこかは分からない。

◆ 完成度 : ★★☆☆☆
◆ 満足度 : ★★☆☆☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 1月18日(土),公開第3週目
・映画館 : Kapali,16:30のショー
・満席率 : 4割
・場内沸き度 : ★★★☆☆ (観客が少ないながら、要所要所で指笛が。)
 

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