今年初のマラヤーラム映画鑑賞。 マンムーティ主演の映画は【Daivathinte Swantham Cleetus】(13)以来観ていないが、最近あまり当たっていないとはいえ、マンムーティの作品を1年半もご無沙汰というのはあんまりだった。 消防士の活躍を描いた物語ということだが、インド映画ではこれは非常に珍しい(というか、記憶にない)。マンムーティも凛々しく赤ヘルをかぶっており、先月はダルシャンの黄ヘルを観たので、こちらも観ておこうかと、、、と思ったわけではないが、ナイラ・ウシャー(カタカナ表記は当てずっぽう)の婦警姿に惹かれたことは認める。 【Fireman】 (2015 : Malayalam) 脚本・台詞・監督 : Deepu Karunakaran 出演 : Mammootty, Nyla Usha, Unni Mukundan, Salim Kumar, Siddique, P. Sreekumar, Hareesh Peradi, Sivaji Guruvayoor, Sreekumar, Sreerag Nambiar, Manu Varma, Krishnaprasad, その他 音楽 : Rahul Raj 撮影 : Sunoj Velayudhan 編集 : V. Saajan 制作 : Milan Jaleel 題名の意味 : 消防士 映倫認証 : U タ イ プ : オリジナル ジャンル : スリラー 公 開 日 : 2月19日(木) 上映時間 : 1時間58分 《 あらすじ 》 病気の娘を連れた男(Salim Kumar)が検査のために町へやって来る。だが、娘は行方不明になってしまう。男は捜索願いを出しに警察署へ行くが、やる気のない警官に取り合ってもらえない。いらついた男は車を運転する際に注意力を失い、LPガスを運搬する大型トラックと衝突しそうになるが、トラックのほうが横転してタンクが転がり落ち、その裂け目からガスが漏れ出す。 すぐさま警察と消防隊がやって来るが、警官の不用意な行動でガスに引火し、付近一帯が火事となる。その日は非番だった消防隊隊長のヴィジャイ(Mammootty)もすぐさま駆けつけ、消火活動に当たり、火は鎮まる。 だが、ガスの漏れは止まらず、付近のガス濃度が危険なレベルに達していたため、ヴィジャイは警察本部長のシェーリン・トーマス(Nyla Usha)に、危険区域の住民をすべて避難させるよう要請する。一般市民は問題なかった。ただ、ここに大きな問題があった。危険区域内には中央刑務所があり、その囚人たちをどうするかということだったが、ヴィジャイと警察の間で意見が分かれてしまう、、。 ・その他の登場人物 : シャージャハン(Unni Mukundan),内務大臣(Hareesh Peradi) * * * * ◎ テーマ : ★★★★☆ ◎ 物 語 : ★★★☆☆ ◎ 脚 本 : ★★☆☆☆ ・ハリウッドではすでに1974年に【タワーリング・インフェルノ】という消防士映画の大作が作られていたが、40年後にインドに現れた消防士映画は、豪華さという点では五つ星ホテルと安食堂(ホテル)ぐらいの差があった。しかし、それを以って笑うのはよそう。予算が少なかろうと、使える技術に限りがあろうと、それでも良い映画を作るのがマラヤーラム映画なのだから。 ・しかし、良い映画とも言えないなぁ。テーマに「消防士」を取り上げたこと、非常事態なのに消防隊と警察の間で対立が起きること、それを1日の出来事としてまとめていることなど、アイデアは良かった。ただ、監督のディープ・カルナーカランは下手くそだと思う。 ・面白さという点では、前半は「おもろないなぁ、、」と思いながら観ていたが、後半に入って思いがけない展開になり、どんでん返しもあって、なんとか満足できるゾーンに収まった。 ・警察側と消防隊隊長ヴィジャイ(Mammootty)がヤバいレベルまで対立するので、これは政府系機関の縦割りと自部署優先主義の弊害を風刺する映画なのかな、と思いながら観ていたが、最後は仲良くオチがついていたので、安心した。 ・映画の評価とは直接関係ないが、インドの消防の事情が分かる点が面白かった(すべてが事実に基づいているわけではないと思うが)。例えば、インドの子供たちの間では、「消防士」という職業は他の職業(例えば警察)に比べてはなはだ人気がないとか、消防士は火事だけでなく他の災害時にも活動するが、市民のために井戸の落ちた1羽の鶏さえレスキューしてやるとか、署内では上官や先輩に対して「アンナー」と呼ぶとか。 ◎ 配 役 : ★★★☆☆ ◎ 演 技 ・マンムーティ(ヴィジャイ役) ★★★☆☆ 頼もしい消防士さんだった。ファンの欲目かもしれないが、赤ヘルをかぶらせても、消防用ホースを持たせても、カッコいいと思った。1ヶ所あったアクションが、パンチもキックもばちっばちっと痛そうだった。 ・ナイラ・ウシャー(シェーリン役) ★★☆☆☆ スチルを見て、すごく楽しみだったが、ミスキャストだろう。この役なら、もっと怖い顔のオバサンのほうがよかったと思う。視覚的には満足できたが、個人的希望として、一度でいいから帽子を脱いでほしかった。 ・ウンニ・ムクンダン(シャージャハン役) ★★☆☆☆ 【Vikramadithyan】(14)では印象的だったこの人もムダに使われていた。 ・サリーム・クマール(役) ★★☆☆☆ 面白い役回りだった。しかし、心配はこの痩せ方。もしや病気か? ◎ BGM : ★★☆☆☆ ・歌は1曲もなかった。入れようと思えば入れられる場面もあったので、あっても良かったのでは? ◎ アクション : ★★☆☆☆ ◎ 撮 影 : ★★★☆☆ ◎ 特殊効果 : ★☆☆☆☆ ◎ 編 集 : ★★★☆☆ ・トラックが横転する場面や火事の場面でのグラフィックスがひどかった。 ◎ その他(覚書) ・本編が始まる前に、先日他界したラーマナーイドゥ・ダッグバーティの遺影が映し出された。 ◆ 完成度 : ★★☆☆☆ ◆ 満足度 : ★★★☆☆ ◆ 必見度 : ★★☆☆☆ ◆ 鑑賞データ ・鑑賞日 : 2月21日(土),公開第1週目 ・映画館 : Sangeet,14:45のショー ・満席率 : 3割 ・場内沸き度 : ★★★☆☆ (マンムーティの場面は賑やかだった。) |
<< 前記事(2015/02/19) | ブログのトップへ | 後記事(2015/02/26) >> |
タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
---|---|
【The Great Father】 (Malayalam)
今年初のマラヤーラム映画。意図しているわけではないが、毎年マラヤーラム映画の鑑賞本数が伸びない。鑑賞記録をチェックしてみたら、去年は3本しか観ていなかった。ちなみに、去年の1本目は【Jacobinte Swargarajyam】で、鑑賞日がこの【The Great Father】とちょうど同じ4月9日だった(単なる偶然だが)。 で、当然の結果と言えるかどうか、マンムーティの作品もずいぶん久し振りで、【Fireman】(15)以来。その前は【Daivathinte Swantham... ...続きを見る |
カーヴェリ川長治の南インド映画日記 2017/04/13 21:12 |
内 容 | ニックネーム/日時 |
---|
<< 前記事(2015/02/19) | ブログのトップへ | 後記事(2015/02/26) >> |