カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Krishna Leela】 (Kannada)

<<   作成日時 : 2015/03/25 21:22   >>

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 さぁ、ハッピー・ユガーディ、「隣の女の子」に愛を注ぐ企画・第2弾は、【Krishna Leela】のマユーリちゃん。私は早くも「神田まゆり」という日本名まで用意して本作の公開を待ちわびていた(この「神田」は微妙に「かんなだ」と発音してください)。

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 それはさて置き、冷静に見ると、本作はシャシャーンク監督の新作ということのほうが重要だ。【Bachchan】(13)でアクション映画にもうま味を見せた同監督だが、そもそもは【Moggina Manasu】(08)や【Krishnan Love Story】(10)のようなドラマ性の強いラブストーリーを得意としていた。前情報を見る限り、今回はこの原点のほうに回帰していると予想されるものだった。
 主演はアジャイ・ラーウだが、シャシャーンク監督は【Krishnan Love Story】でもアジャイを「クリシュナ」という役名で起用していた。かといって、本作が同作品の続編というわけではない。面白いことに、アジャイには【Krishnan Marriage Story】(11)という作品もあり、さらに【Krishna S/O CM】も製作中だが、どうやら「アジャイ=クリシュナ」というのがサンダルウッドのラッキー・キャラと見なされつつあるようだ。ちなみに、アジャイは本作のプロデューサーも兼ねている。
 題名の「Krishna Leela」は単に主役ペアの名前で、絵画や音楽のモチーフによく使われる「クリシュナの戯れ(リーラー)」とは関係なさそう。

【Krishna Leela】 (2015 : Kannada)
脚本・監督 : Shashank
出演 : Ajay Rao, Mayuri, Achyuth Kumar, Rangayana Raghu, Dharmendra Urs, Vijay Chendur, Shobharaj, Tabla Naani, Mico Nagaraj, Sadhu Kokila, Bullet Prakash, Sindhu Lokanath(特別出演), その他
音楽 : Sridhar V. Sambhram
撮影 : Shekhar Chandra
編集 : Naveen Raj
制作 : Ajay Rao

題名の意味 : クリシュナとリーラー
映倫認証 : U
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : ドラマ
公 開 日 : 3月20日(金)
上映時間 : 2時間31分

《 あらすじ 》
 クリシュナ(Ajay Rao)は学童送迎車の運転手。両親、妹と暮らしていたが、父(Achyuth Kumar)は飲んだくれで働かなかったため、クリシュナが家計を背負っていた。また、嫁いだばかりの姉もおり、クリシュナはその夫(Vijay Chendur)とも親しくしていた。
 大学生のリーラー(Mayuri)は両親と暮らしていたが、口やかましい父(Dharmendra Urs)にうんざりする日々だった。彼女はある日、ランゴーリ・コンテストで優勝し、賞品にスマートフォンをもらう。リーラーの友達は彼女に「スマホの賢い使い方」として、手当たり次第ワン切りをし、かけ直してきた人の中から、人の良さそうな男にスマホのリチャージ代を払わせるという術を授ける。果たしてその通り行った結果、クリシュナが罠にはまるが、しかし電話だけの会話を通して、リーラーはクリシュナに惹かれるようになる。一方、クリシュナにはすでに婚約者(Sindhu Lokanath)がいたが、それでも彼はリーラーとの会話を楽しく感じていた。
 ある夜、リーラーが電話での会話を楽しんでいたとき、父に見つかってしまい、スマホを壊された上、暴力も振るわれる。いたたまれなくなったリーラーは家出をし、友達のアパートに転がり込む。
 そうとは知らず、怒りの収まらないリーラーの父は、娘を誘拐したとして、警察にクリシュナのことを訴える。警察署に連行されたクリシュナは、署長のチャンドラシェーカル(Rangayana Raghu)に対して、リーラーのことは電話だけの友達で、面識はないと説明する。そこへリーラーもやって来るが、チャンドラシェーカルは、二人がもし結婚したいほど愛し合っているなら、直ちに結婚しろ、すると誘拐にはならない、さもなくば、誘拐容疑として立件すると言う。リーラーはこれに対し「愛している」と答えるが、すでに婚約者のいるクリシュナは肯定できるはずがなかった。しかし、家族の手前、誘拐犯扱いされるわけにも行かず、泣く泣くこれを飲み、二人は結婚式を挙げることになる。
 しかし、どうしても納得の行かないクリシュナは、新妻として同居し始めたリーラーに辛く当たるようになる、、。

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★★☆
◎ 物 語 : ★★★☆☆
◎ 脚 本 : ★★★☆☆
・またまたこじれる話だった。前回紹介した【Raate】といい、本作といい、私は単にカンナダの「普通の女の子」をぼ〜っと眺めていたいだけなのに、神経を休ませてくれんなぁ。どうしてカンナダ人はこう話を難しいほうへ持って行きたがるのだろう。

・しかし、全体的には面白かったと言えるし、脚本も比較的しっかり書かれているし、出演者も集中して演技しているし、ハッピーエンドだし、【Raate】よりは満足度が高い。おそらくヒットするだろう。

・2010年に実際に起き、ニュースでも報道された出来事をベースにしていると映画の冒頭で明言してあった。しかし、そのことに特に価値があるわけではない。事実より面白い映画を作らないことには意味がないからだ。その点、シャシャーンク監督はうまく映画化している。

・ポスターにもSIMカードがデザインされているように、携帯電話が本作のモチーフになっている。そういえば、何年か前に「モバイル・ラブ」という言葉がちらほら聞かれ、カンナダ映画でも【Neene Neene】(08)や【Taj Mahal】(08)といった作品が現れた(奇しくも後者はアジャイ・ラーウが主演していた)。本作でも、ほんの悪戯っぽいスマホの使用が命にかかわる大問題にまで発展するという、「スマホの危険性」がテーマとなっている。

・ただ、本作では一面的にスマホが悪いと言っているわけではなく、リーラーがほとんど口を利いてくれないクリシュナとの関係を修復するために、せっせとSMSを送って効果を上げていたが、こういうスマホのプラス面もフォローされている。

・しかし、本作をつぶさに見る限り、本当に危険なのは「携帯電話」ではなく、リーラーの父に代表されるような保守的で頭が固く、貧しさから苛々と周りに当たり散らし、それでいて徒にプライドが高いという、インドにありがちな「ミドルクラスの親父」だ。こういう人物が妻や子を苦しめる限り、時代がいつであろうと、どんな電子機器が現れようと、関係なくカンナダ映画は作れる!

・脚本は概ね現実的な視点で書かれているが、現実離れしていると思われた点は、警官があんな形で赤の他人の男女を結婚させるか、また、クリシュナもどうして結婚を承諾してマンガラスートラを結んでしまったのか、ということだ。あり得ないと思うが、「事実に基づいている」というのだから、そんなこともあり得るのだろう。そう言えば、タミル映画【Laadam】(09)でも似たような展開があったので、もしやインドの警察は結婚仲介サービスも職能のうちなのか!(ないない。)

◎ 配 役 : ★★★★☆
◎ 演 技
・アジャイ・ラーウ(クリシュナ役) ★★★☆☆
 地味ながら堅実な仕事をしてきたアジャイだが、本作でも地味堅なパフォーマンスだった。OKです。

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・マユーリ(リーラー役) ★★★☆☆
 かわゆうございました。この人はテレビドラマ「Ashwini Nakshatra」で注目されて、晴れて映画デビューとなったらしいが、演技が上手いという印象は受けなかった。ダンスなんかもからっきしで、この不器用さと幼っぽいルックスで、私は「昭和アイドル」への郷愁を感じたよ。右肩にタトゥーを入れているようで、その理由を知りたい。

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・クリシュナの母とリーラーの母を演じた中年女優が、それぞれ厄介な旦那に泣かされる妻をけなげに演じていて、胸打たれるものがあった。まゆりちゃん目当てで観に行ったのに、オバサマたちに感涙してしまったぜ!

◎ 音 楽 : ★★★☆☆
◎ ダンス : ★★☆☆☆
・音楽は存在感の薄いV・シュリーダルの担当だが、なかなか良かった。音楽シーンも面白く作られている。

・ウペンドラとプニート・ラージクマールが歌っている歌がそれぞれ1曲ずつあるが、冒頭のウペンドラのものは分かったが、プニートのほうは気が付かなかった。【Raate】のスディープといい、近ごろスターがプレイバック・シンガーとして協力するのがトレンドなのか?

◎ アクション : ★★★☆☆
◎ 美 術 : ★★★☆☆
◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★☆☆
◎ 編 集 : ★★☆☆☆
・廃品/リサイクル品回収屋でのアクション・シーンは面白いアイデアだった。

◎ その他(覚書)
・ランゴーリのデザイン・コンテストをストーリー中に入れたのもグッドアイデアだった(こんな様子)。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★☆☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 3月22日(日),公開第1週目
・映画館 : INOX (Jayanagar),13:10のショー
・満席率 : 8割
・場内沸き度 : ★★☆☆☆
 

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