カーヴェリ川長治の南インド映画日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 【Avunu 2】 (Telugu)

<<   作成日時 : 2015/04/07 21:38   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

画像

 テルグのラヴィ・バーブ監督は私のお気に入りだが、彼自身の風貌と同じぐらいクセのある映画を撮るものだから、興業的には苦戦することが多い。ホラー作品の【Avunu】(12)はそんな同監督の多くないヒット作の1つであるが、この度、めでたく続編の【Avunu 2】が公開となった。これはうれしい。キャスト表を見たら、プールナとハルシャヴァルダン・ラーネーはそのままなので、あの「おいで〜、モーヒニ〜」が帰って来るというわけか? しかも、プールナに加えて、パート2ではサンジャナーとニキタという、どうせ殺されるに違いない中途半端美女も並んでおり、観る前から鳥肌ものだった。
 題名の「アウヌ」は周知のとおり「はい(そうです)」という意味なので、単純に言葉を置き換えると「はい・パート2」になるが、それでは間抜けなので、各自でカッコいい邦題を考えていただきたい。

【Avunu 2】 (2015 : Telugu)
脚本・監督 : Ravi Babu
出演 : Poorna, Harshvardhan Rane, Ravi Varma, Chakravarthi, Sanjjanaa, Nikita Thukral, Ravi Babu, その他
音楽 : Sekhar Chandra
撮影 : N. Sudhakar Reddy
編集 : Marthand K. Venkatesh
制作 : Ravi Babu, D. Suresh Babu

題名の意味 : はい・パート2
映倫認証 : A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : ホラー
公 開 日 : 4月3日(金)
上映時間 : 1時間48分

《 あらすじ 》
 キャプテン・ラージュ(Ravi Babu)の亡霊から何とか逃れたハルシャ(Harshvardhan Rane)とモーヒニ(Poorna)は、交通事故死したハルシャの両親の遺灰を流すためにヴァラナシへと行く。モーヒニはガンジス河のガートでサードゥーから悪霊除けのペンダントを授かる。
 ハイダラーバードに戻った夫婦は、友人モーハン(Chakravarthi)の紹介で高級アパートに入居する。隣室の神経質な住人(Ravi Varma)が鬱陶しい以外、ハルシャとモーヒニは新婚生活の幸福感に浸っていた。
 だが、キャプテン・ラージュの霊は懲りずにこの新居にも侵入し、モーヒニをレイプする機会を窺うのであった、、。

・その他の登場人物 : 隣室の妻スワーティ(Nikita),サンジャナー(Sanjjanaa)

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★☆☆
◎ 物 語 : ★★☆☆☆
◎ 脚 本 : ★★☆☆☆
・ホラー映画というのは古今東西、シリーズ化されることが多いが、シリーズと言いながら、登場人物やストーリーに連続性のないものも多い。しかし、本作は純粋に続編だった(そもそも【Avunu】の終わり方が続編を想定したようなものだったし)。パート1を観ていなくても本作は楽しめるが、いくつかのアイデアがリピートされているので、やっぱり【Avunu】も観ておいたほうがいいと思う。

・そのアイデアというのは、上に触れた、キャプテン・ラージュの霊に取り憑かれた人物が「モーヒニ〜、どこだ〜。おいで〜、モーヒニ〜」と気持ち悪くモーヒニに迫る場面もそうだが、モーヒニとハルシャの住む家屋の構造もそうだ。パート1でもパート2でも、完璧にコンピューターで制御されたハイテク住居なのだが、それが滑稽で面白い。パート1の自動でフタが開くゴミ箱に当たるアイデアは、パート2では防蚊スプレーになるが、これはゴミ箱のほうが面白かったかな。

・ホラー映画には「ホラーの焦点」というものがあると思う。どんな人物が、どういう経緯で幽霊等になったのか、どんな人物が攻撃の対象になっているか、怪奇現象が起きる場所はどんな所か、時代はいつか、どんな小道具が重要なモチーフになっているか、幽霊等は調伏されたか、物語の中で幽霊等は実在すると設定されているか、怪奇現象が比較的合理的に説明されているか、あるいは全く謎のまま残されているか、等々のことだが、【Avunu】シリーズは比較的はっきりした特徴を持っている。

・目に付く特徴は、ハルシャの職業がソフトウェア・エンジニアであり、この夫婦がパート1ではゲーテッド・コミュニティーに、パート2では高級アパートに暮らしているという点だ。ゲーテッド・コミュニティーも高級アパートも富裕層が、しかも、本来その土地とは関係のない他所から移住して来た浮遊層が暮らす所であり、そこに住むソフトウェア・エンジニアというのは、伝統的な強い信仰心というより、世俗的で緩やかな宗教感覚の持ち主なのだろう。こういう伝統的な小宇宙的共同体から外れた場所・人物の上に、悪霊を登場させたくなるという意地悪な気持ちは、私は共感できる。

・もう一つ、ハルシャ夫妻の隣室には嫌な男が暮らしているが、この人物の性格付けも興味深い。根は心優しいはずだが、理屈っぽく、神経質で、特に騒音には口やかましい。私の固い信念によると、インド人と外国人(まぁ、私としておこう)、あるいはインドの庶民層と高教養富裕層とを分かつ線の一つに、音に対する感覚があると思う。前者(インド人庶民層)は音に対する感性が麻痺してしまっているかのようであり、うるさいという感覚がないようにも見える。ところが外国人(まぁ、私としておこう)やアッパークラスの人間はそうではなく、他者の生活音さえうるさく感じる。この隣人は近代的な教養層のカリカチュアとも見え、面白いと思った。

・ただ、分からないのは、亡霊キャプテン・ラージュの設定だ。「男」というのはインドのホラー映画では少数派になる。それはいいとして、キャプテン・ラージュ自身が恨みを買って惨殺され、その復讐の相手がそこにいるというのに、彼らには祟ろうとせず、ひたすらモーヒニと一発やりたくて彼女の尻を追い回すというのも、幽霊としては異例だなぁ。分かりにくいが、ここにラヴィ・バーブ監督の深遠な思想が隠されていると信じたい。

◎ 配 役 : ★★★★☆
◎ 演 技
・プールナ(モーヒニ役) ★★★★☆
 4つ星はあげすぎだが、【Avunu】シリーズはプールナの最高傑作には違いない。ムチムチ・ボディーとダスキー肌のシャワー・シーンは何度見ても飽きん。
 (写真下:パート1からの画像です。)

画像

・ハルシャヴァルダン・ラーネー(ハルシャ役) ★★★☆☆
 男前で体格も良いのに、【Avunu】シリーズといい、【Geethanjali】(14)といい、ホラー映画でしか目立っていないというのも気の毒な話だ。
 (写真下:左端。右端は友人モーハン役のお方。)

画像

・ニキタとサンジャナーがどういう命運だったかはここには書かない。サンジャナーの見せ場にはワロタ。

・隣室の住人を演じたのはラヴィ・ヴァルマという俳優らしい。よくある名前で紛らわしいが、こちらのお方だと思う。

・もう一人、メンテナンス作業員役の俳優の顔が素晴らしかった。

◎ BGM : ★☆☆☆☆
・BGMはひどかった。

◎ アクション : ★★★☆☆
◎ 美 術 : ★★★★☆
◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★★☆
◎ 特殊効果 : ★★★☆☆
◎ 編 集 : ★★★☆☆
・前半は特に見せ場はなかったが、クライマックスの荒れ場はまずまず面白かった。

◎ その他(覚書)
・当然と言えば当然だが、本作の冒頭にも2月に物故したD. Ramanaiduの遺影が映し出されていた。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★☆☆
◆ 必見度 : ★★☆☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 4月4日(土),公開第1週目
・映画館 : PVR (Koramangala),10:00のショー
・満席率 : 1割
・場内沸き度 : ★★☆☆☆

《 勝手インタビュー 》
画像
カーヴェリ「ラヴィ監督、パート3は作りますか?」
ラヴィ監督「アウヌ(はい)。レードゥ(いいえ)。」
カーヴェリ「どっちなんですか?」
ラヴィ監督「タイトルが『レードゥ』や!」







 

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
【Avunu 2】 (Telugu) カーヴェリ川長治の南インド映画日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる