カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【S/O. Satyamurthy】 (Telugu)

<<   作成日時 : 2015/04/14 21:19   >>

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 前作【Attarintiki Daaredi】(13)が記録的大ヒットとなったトリヴィクラム監督の新作は、アッル・アルジュン主演の【S/O. Satyamurthy】。この二人にはこれまた大ヒット作【Julayi】(12)があるだけに、かなり話題度が高かった。しかし、【Attarintiki Daaredi】がよく分からなかった私としては、いまいち闘志が湧かなかったが、やっぱりウペンドラが出ているし、サマンタ、ニティヤ、スネーハ、アダー・シャルマーも出ているし、M・S・ナーラーヤナの遺作だしで、観ないわけにはいかなかった。

【S/O. Satyamurthy】 (2015 : Telugu)
脚本・監督 : Trivikram Srinivas
出演 : Allu Arjun, Upendra, Rajendra Prasad, Prakash Raj, Samantha Ruth Prabhu, Sneha, Adah Sharma, Nithya Menen, Rao Ramesh, Kota Srinivasa Rao, Sampath Raj, Pavitra Lokesh, Sindhu Tolani, Ali, M.S. Narayana, Brahmanandam, Vennela Kishore, Ravi Prakash, Chaitanya Krishna, Sree Vishnu, Mamilla Shailaja, Surekha Vani, Baby Vernika
音楽 : Devi Sri Prasad
撮影 : Prasad Murella
編集 : Prawin Pudi
制作 : S. Radha Krishna

題名の意味 : サティヤムールティの息子
映倫認証 : U/A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : アクション/ドラマ(家族物)
公 開 日 : 4月9日(木)
上映時間 : 2時間42分

《 あらすじ 》
 ヴィラージ(Allu Arjun)は裕福な実業家サティヤムールティ(Prakash Raj)の息子で、海外で贅沢に暮らしていた。だが、父が事故死したため、インドのハイダラーバードに戻る。サティヤムールティには30億ルピーの財産があったが、同時に30億ルピーの負債もあった。サンバシヴァ・ラーウ(Rajendra Prasad)を始めとする債権者たちはヴィラージに破産申請するよう助言するが、ヴィラージは有徳者として知られていた父の名誉を守るため、その助言を斥け、財産を処分して負債の返済に充てる。屋敷も失ったヴィラージは、母(Pavitra Lokesh)、兄夫婦(Vennela Kishore & Sindhu Tolani)、及びその娘(Baby Vernika)とアパートに引っ越す。事件のショックで兄の気が触れたため、ヴィラージが家族の生活を支えることになる。また、彼には婚約者のパッラヴィ(Adah Sharma)がいたが、無一文となったため、一方的に婚約を破棄される。
 ヴィラージは友人(Sree Vishnu)のイベント会社で働くことになり、ある結婚式の企画を担当するためにウーティヘ行くが、驚いたことにそれは元の婚約者パッラヴィの結婚式だった。この会場で彼はサミーラ(スッバラクシュミ:Samantha)という女性と知り合い、一連の出来事を通して、惹かれ合う仲になる。
 ハイダラーバードに戻った二人は結婚を考えるが、悪いことにサミーラの父はサンバシヴァ・ラーウだった。サンバシヴァは娘とヴィラージの結婚を認めない。というのも、彼がヴィラージの父から買った土地が、実はデーヴァラージ・ナーイドゥ(Upendra)というファクショニストが違法に占有している土地だったため、サンバシヴァの所有にはならず、それを恨みを抱いていたからである。サンバシヴァはヴィラージに、娘と結婚したいなら、4週間以内にデーヴァラージを説得し、土地の権利書を持って来いと要求する。当然ヴィラージはこの挑戦を受けて立ち、デーヴァラージの在所、タミル・ナードゥ州のレッディヤルパッティへと向かう、、。

・その他の登場人物 : パッラヴィの父(Rao Ramesh),デーヴァラージの妻ラクシュミ(Sneha),デーヴァラージの妹ワッリ(Nithya Menen),ヴィーラサーミ・ナーイドゥ(Sampath Raj),クマーラサーミ・ナーイドゥ(Ravi Prakash),パラム(Ali),コーダ・ランバブ(Brahmanandam)

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★☆☆
◎ 物 語 : ★★★☆☆
◎ 脚 本 : ★★★☆☆
・微妙な出来だな。何か嫌なものを観たという印象はないし、事実、心地よい気分で映画館を出たのだが、面白かったかと聞かれると、、。しかし、興業的には間違いなくヒットすると思う。

・【Attarintiki Daaredi】と似た内容の映画だが、同作品ほどアクや重たい情感はなく、インパクトは薄いように感じた。来週の今ごろはもう何を見たか忘れていそう。

・ストーリーが退屈なのか? 思い返してみると、後から後から一人ずつキャラクターを投入して、変化を付けようとしていたが、基本的に単調なストーリー。前半も後半も、結婚式/婚約式がらみのシーンが大きな時間を占めるというのはどうも。

・盛り込まれた個々のネタは面白かった。例えば、パッラヴィ(Adah Sharma)の「アクチュアリ〜」とか、糖尿病サミーラ(Samantha)とアクション・シーンのぶっつけとか、スイッチ・オン/オフで人格が変わるデーヴァラージ(Upendra)とか、その妻ラクシュミ(Sneha)の目の触れない形での乱闘とか、クマーラサーミ(Ravi Prakash)の死骸との昼食とか、スニーカーの紐でブラウスのサイズを変えるワッリ(Nithya Menen)とか。

・テーマ的にも、父の名誉を徹底して守りたい息子とか、家族の紐帯の大切さとかは、素晴らしいと思う。私は昔、こういう作品が嫌いだったが、どうしたわけか、今では「インド映画はこうでなくっちゃ」と思うようになった。

・昔、ヒンディー映画の【Hum Saath-Saath Hain】(99)を観たとき、インド人から「こういう家族映画を作っていれば、内容がつまらなくてもヒットするんです」と教示されたことがあるが、確かに家族物はインド映画の王道の一つに違いない。ただ、【Hum Saath-Saath Hain】みたいな真正直な家族物は今では古くさいと考えられるだろう。トリヴィクラム監督が【Attarintiki Daaredi】と本作で家族物に(かなりマジで)取り組んだのは、家族映画の現代的再生を狙ったのかなとも思われる。

・【Hum Saath-Saath Hain】は『ラーマーヤナ』を下敷きにした作品だったと記憶しているが、この【S/O. Satyamurthy】にもどうも二大叙事詩の匂いを感じる。ただ、この辺のことは言葉が分からないと正確に把握できないし、二大叙事詩の知識も必要だ。トリヴィクラム監督はおそらくいろいろと文学的仕掛けをしていると思われるが、そこまでは私の手には負えない。

・「家族」ということなら、やっぱり「遺伝」にもこだわりたいのか、本作のサミーラと父はどちらも糖尿病ということだった。(【Attarintiki Daaredi】ではビンタを食らわす癖が遺伝のようだった。)

◎ 配 役 : ★★★☆☆
 配役が不適切とは思わないが、ここまで豪華メンバーを揃えるべき内容だったか、という疑問はある。

◎ 演 技
・アッル・アルジュン(ヴィラージ・アーナンド役) ★★★☆☆
 好感の持てる役柄だったが、これまでのアッル・アルジュンのイメージからすると、物足りない。しかし、スタイリッシュ・スターもいつまでも日本人ファンから「クソガキ」と呼ばれているわけにもいかないので、こういう真面目キャラも支持したい。
 (写真下:このスチルを見たら、やっぱり「クソガキ」だが。)

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・ウペンドラ(デーヴァラージ・ナーイドゥ役) ★★★☆☆
 ウペンドラのファンなので見に行ったが、実は全く期待していなかった。というのも、ウッピがテルグやタミルの作品に出演して良かったものはほとんどないからだ。本作でも、悪くはなかったが、やっぱりウッピとは別人に見えてしまう。アフレコの声のせいかもしれない。
 (写真下:どこのブランドの下着だ?)

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・ラージェンドラ・プラサード(サンバシヴァ・ラーウ役) ★★★☆☆
 いや、この人が登場すると、いつも舞台芝居を見ている気分になるね。

・サマンタ(サミーラ役) ★★★☆☆
 「足のサマンタ」、「尻のサマンタ」と言われていたが、近ごろは「胸のサマンタ」で押しているのか? 胸の谷間がずっと気に掛かったぞ。「スッバラクシュミ」という本名を嫌がるのが可愛かった。
 (写真下:面白い場面はいろいろあったが、やっぱりこれかなぁ。)

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・アダー・シャルマー(パッラヴィ役) ★★☆☆☆
 可愛かったが、私の期待は下回った。テレビCMで見るほどの可愛さが見られなかったのが残念。ボリウッドを諦めて、南下して来たのは正解だと思う。歓迎しますよ、私。

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・ニティヤ(ワッリ役) ★★☆☆☆
 まぁ、ニティヤがやってもいいけれど、ニティヤがやらなくてもいい役だったと思う。この役では、彼女がどんなに名演をしたところで、作品を持ち上げる効果は限定的。それより、あの腹を見たら、私、自然に「ぷにぷにティヤ」と言ってしまったよ。それにしても、ニティヤがウッピと共演する日が来ようとは、、。

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・M・S・ナーラーヤナ
 死ぬ間際に出た作品が酔いどれの役とは、役者冥利に尽きるなぁ。

・プラカーシュ・ラージはカメオ出演みたいなものだった。スネーハはさすがにポイントで効いていた。久々のシンドゥ・トラーニの出演は個人的にうれしかったが、満足はさせてくれなかった。カンナダ女優のパヴィトラ・ローケーシュがまたまたテルグ作品に出演していた。

◎ 音 楽 : ★★★☆☆
◎ ダンス : ★★★★☆
・近ごろでは珍しく、音楽シーンが7曲もあった。それぞれ楽しい。

◎ アクション : ★★★★☆
◎ 美 術 : ★★★☆☆
◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★☆☆
◎ 編 集 : ★★☆☆☆
・アクションはとにかくアイデアが面白い。強直で血しぶき上がるものではなく、緊張と緩和を混ぜたもので、こういうのがトレンドになって行きそう。

◎ その他(覚書)
・デーヴァラージのいる村はタミル・ナードゥ州の「Reddiarpatti」という所らしいが、どこ?(ティルネルウェーリにそんな名前の村があるようだが、あそこまで南下しないだろう。)

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★☆☆☆
◆ 必見度 : ★★☆☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 4月11日(土),公開第1週目
・映画館 : INOX (Jayanagar),09:55のショー
・満席率 : 満席
・場内沸き度 : ★★★☆☆
 

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
基本的に同感です。特に面白いとは思わなかった。

収穫は仇ちゃんだけでしたね。自分の科白がないシーンでは全然演技しないでぼーっと棒立ちしてるとこがとてつもなく可愛かったですね。
メタ坊
2015/04/15 20:56
ただ、ぷにぷにちゃんがあの役に抜擢された理由はタミル語彙の多いテルグ語の方言を喋れる女優が彼女しかいなかったというのがあるらしいですよ。
メタ坊
2015/04/15 21:00
>自分の科白がないシーンでは全然演技しないでぼーっと棒立ちしてるとこがとてつもなく可愛かったですね

やっぱりこの人は女優ってことじゃないんですね。

>タミル語彙の多いテルグ語の方言を喋れる女優が彼女しかいなかったというのがあるらしいですよ

なるほど、そういう理由には思い至りませんでした。それでも無駄遣いな気が。本人が楽しく仕事できたのなら、けっこうですけど。
 
カーヴェリ
2015/04/16 10:42

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