カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Ranna】 (Kannada)

<<   作成日時 : 2015/06/24 01:32   >>

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 本作はテルグ映画のブロックバスター【Attarintiki Daaredi】(13)のリメイクだし、サンダルウッドの今太閤とも言えるスディープの主演とあって、ヒットは堅いので、わざわざ私が小金を落とす必要もないかなぁと思ったが、監督のナンダ・キショールには注目したかった。【Victory】(13)と【Adyaksha】(14)の監督で、カンナダ映画界に活力を蘇らせてくれそうな大衆娯楽映画の作り手と期待されるからだ。
 題名の「Ranna」は訳語を付けにくいが、「貴重なもの」、「大切なもの」という意味で、親が自分の子を愛でるときに「私のチンナよ、ランナよ」と言うらしい。チンナは「金」なので、ランナはさしずめ「珠」か。

【Ranna】 (2015 : Kannada)
物語 : Trivikram Srinivas
脚本・監督 : Nanda Kishore
出演 : Sudeep, Rachita Ram, Haripriya, Prakash Rai, Madhubala, Devaraj, Sharath Lohitashwa, Chikkanna, Sadhu Kokila, Tabla Naani, Avinash, Mandya Ramesh, Dharma, Muni, Satyajit, Mico Nagaraj, その他
音楽 : V. Harikrishna
撮影 : Sudhakar S. Raj
編集 : K.M. Prakash
制作 : M. Chandrashekar

題名の意味 : かけがえのない子
映倫認証 : U/A
タ イ プ : リメイク
ジャンル : アクション・コメディー(家族物)
公 開 日 : 6月4日(木)
上映時間 : 2時間33分

《 あらすじ 》
 スイスに暮らす大富豪のシャラト・チャンドラ(Prakash Rai)はサラスワティ(Madhubala)という娘がいたが、彼の意志に反してプラカーシュ(Devaraj)という貧しい弁護士と恋愛結婚してしまったため、25年前に親子の縁を切っていた。ところが、老いたシャラトは悔悟の念に駆られ、もう一度サラスワティに会いたいと、信頼する孫のバールガワ(Sudeep)に彼女を連れて来るよう依頼する。バールガワは早速ベンガルールまで飛ぶ。
 バールガワはまず、叔母サラスワティの夫プラカーシュが車の運転中に心臓発作に襲われたところを救い、病院に運び込む。これでプラカーシュの信頼を得たバールガワは、チャンドゥという名を名乗り、運転手としてサラスワティの家に雇われることになる。
 (以下、【Attarintiki Daaredi】のあらすじを参照。)

・その他の登場人物 : サラスワティの娘ルクミニ(Rachita Ram),ルクミニの姉インディラ(Haripriya),バールガワの父(Avinash),ラクシュミナーラーヤナ(Chikkanna),地方の豪族ヴィーラッパ(Sharath Lohitashwa),バースカル(Sadhu Kokila)

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★☆☆
◎ 物 語 : ★★★☆☆
◎ 脚 本 : ★★★☆☆
・オリジナルの【Attarintiki Daaredi】は私にはいまいちフィットしなくて、DVDでも再見していないので(DVD自体、買っていないし)、大筋も細部もほとんど覚えていない。それで、思い出すために本ブログの鑑賞記を読み返してみたら、一定の評価をしつつも、あちこちにケチを付けているので、我ながら笑ってしまった。

・【Attarintiki Daaredi】になぜフィットしなかったかというと、トリヴィクラム監督の意図が分からなかったからだ。いや、素直な「家族映画」を撮っただけなのかもしれないが、あの神秘的な髭の持ち主なら、きっと見えているもの以上の仕掛けを仕組んでいるに違いないと勘ぐってしまい、落ち着かなかったのである。その点、この【Ranna】は、単純明快、とことんスディープの持ち上げと、「家族の絆」という主題への直線的なアプローチ以外何ものもなく、落ち着いて観られた。私的にはオリジナルより楽しく鑑賞できた。

・【Attarintiki Daaredi】に限らず、近ごろのテルグ娯楽映画は大リーグの投手みたいに、直球と見せかけて、打者の手元で細かく変化するクセ球を投げて来るものが多いが、本作のナンダ・キショール監督は「変化球の投げ方は知りませんねん」みたいに、直球一本というのが素晴らしい。

・細部は覚えていないので見比べというのは難しいが、基本的にはオリジナルに忠実なリメイクだと言える。しかし、ランタイムは、オリジナルの2時間49分に対し、本作は2時間33分なので、ナンダ・キショール監督が軽量化、スピード化に心掛けたことが分かる。

・ただ、それなら、後半のサードゥ・コーキラ演じるバースカルのエピソード(オリジナルではブラフマーナンダムがやっていた)は大きく改変してほしかった。私は両作ともあそこで白けてしまった。(まぁ、パワン・カリヤーンやスディープの「スワーミ姿」が拝めるというのは、ファンにはたまらないものだろうけど。)

◎ 配 役 : ★★★☆☆
◎ 演 技
・スディープ(バールガワ役) ★★★★☆
 ダンス以外、すべてにおいて良かった。オリジナルのパワン・カリヤーンも良かったが、トリヴィクラム監督は実はスディープのためにこの脚本を書いたのではないかと思ってしまうほど、スディープは【Attarintiki Daaredi】の乗っ取りに成功している。良いリメイク作品ではこういうことが起きる。
 (写真下:売出し中のコメディアン、チッカンナと。)

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・ラチター・ラーム(ルクミニ役) ★★★☆☆
 目も大きいし、えくぼもあるし、笑顔も可愛いのだが、どうもこの娘には萌えるものを感じなくて、困る。ただ、発見だったのは、音楽シーンの‘Thithli Thithli’でぴょんぴょん跳ねる感じが面白く、ダンススキルはありそうな気配だった(ウィキペディアには「バラタナーティヤムの訓練を受けた」との記述があるが)。台詞は吹き替えだと思ったが、インタビュー動画を見ると、張りのあるしっかりした声をしているので、セルフダビングだったのかもしれない。

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・ハリプリヤー(ルクミニの姉役) ★★☆☆☆
 ハリプリヤーが出ていることも本作を観る楽しみの一つだったが、オリジナルではプラニータがやった役で、つまらない役回りだということも分かっていたので、期待しないで見た。はたしてつまらない役回りだったが、彼女の古典ダンススキルの片鱗は見ることができた。台詞はセルフダビング。

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 ところで、本作を見ていて、ハリプリヤーの背中にタトゥーがあるように見えたので、画像を探してみたら、やっぱりあった。

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・マドゥバーラ(サラスワティ役) ★★★☆☆
 重要な役を演じたのは【Roja】(92)のマドゥーさんだが、やっぱりオリジナルのナディヤさん(←好き)のほうが良い。ちょっと芝居が濃かった(吹き替えも良くなかった)。

・チッカンナ(ラクシュミナーラーヤナ役)
 最近売出し中のコメディー俳優、チッカンナ(写真上)が出ていて、登場シーンではスディープの次ぐらいに大きな声援が起きていた。始めて見たが、飄々とした感じが良さげ。

・プラカーシュ・ライの老け役も良かったが、出番は短かった。実年齢では5歳も年上のアヴィナーシュがその息子役をやっており、プラカーシュ・ライを「アッパ」と呼んでいた。

◎ 音 楽 : ★★★★☆
◎ BGM : ★★★☆☆
◎ ダンス : ★★☆☆☆
・音楽シーンはテレビで見ている限りさほど面白く感じなかったが、映画館で見たら良かった。

・音楽シーンの‘What to do’では複数の女優がカメオ出演していた。それがヴァーララクシュミ・サラトクマール、ニキタ、ソニア・アガルワール、【Sparsha】のレーカーなどだったので、「中途半端な女優、賞味期限切れ女優のオンパレードか」とにやにやしながら見ていたら、最後にプリヤーマニが出て来たので、ずっこけた。どうもスディープと共演した女優たちの友情出演という趣向らしい。これにサローニと【Huchcha】のレーカーが加われば、完璧なマニア・コレクションになったのに、惜しい!

◎ アクション : ★★★★☆
◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★★☆
◎ 編 集 : ★★★☆☆
・【Attarintiki Daaredi】はアクションのアイデアが面白かったが、本作は基本的にそのアイデアを踏襲している。冒頭のスディープの出のアクション・シーンはパワーアップしている。

◎ その他(覚書)
・クライマックスで使われた駅はケンゲーリ駅だった。【Mynaa】(13)か何かでもこの駅が使われていたように記憶しているが、使いやすい駅なのだろうか。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★★☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 6月21日(日),公開第3週目
・映画館 : Nartaki,10:30のショー
・満席率 : 8割
・場内沸き度 : ★★★☆☆

 (オマケ画像:近々閉館してしまうらしいナルタキ劇場と、前夜の風雨で落ちてしまったスディープのカットアウト。)

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
やっと拝見しに参りました。
ほとんどオリジナルに忠実に作られていたと思うのですが、さすがにこちらは一睡もせず3回見られました。

あの100人ダンスはそういう方々が出てられたのですね。
女優さんは専門外なので、まったくわかりませんでした。
ハイプリヤーの入れ墨なんて!もちろん全然気づきませんでした。

俺様映画、とことんやってくれたので満足です。
冒頭の後姿からたまりませんでした。
アクションはわたしも良かったな、と。
これからもいいアクション監督つかってかっこよく撮ってほしいです。
ただ、あのサングラスのところだけはパワンさんの方が好きでした。

ダンスはまあ、動いていればオッケーということで。

バースカルのエピソードというのはあのニワトリのところですか?
神話か何かがもとになっているのでしょうか。
あのシーンは眼球疲労で疲れたところでやってくるので、試練でした。

チッカンナという役者さん、私はたぶんこの作品が最初で、
帰りの飛行機で見たSharan Adhyakshaにも出てましたが、私は彼の雰囲気が好きです。
他にも出ているのか、探して見てみたいくらい。
可愛いんです。

で、なんで最後に下半身だけのSudeep様なんですかぁ!!
まあ、みんな神様扱いなので、こういうの載せてくださるのはこちらだけでしょうけどw
直ったSudeep様、なんか縮尺が不自然になってました。
やっほー
2015/07/23 13:52
弾丸ツアー、お疲れ様でした。
駆け付け三杯とは、さすがですね。

私は一見スディープのことをチクチク書いてるように見えますが、これはすべてやっほーさんのスディープ愛をさらに燃え上がらせるための作戦ですからね、悪しからずです。
 
カーヴェリ
2015/07/24 10:03

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