カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Kick 2】 (Telugu)

<<   作成日時 : 2015/08/26 20:47   >>

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 【Uppi 2】の次は【Kick 2】と、たまたまパート2が並んだ。6年前に公開されたパート1の【Kick】は、バカバカしさの際立つ作品だったが、とにかく面白いので、スレンダル・レッディ監督の作品では一番好きだったりする。なので、このパート2も楽しみだった。
 題名の「キック」は、周知のとおり、「蹴り」のことではなく、酒やドラッグを摂取したときに頭にカチンと来る刺激、興奮、酔いのこと。

【Kick 2】 (2015 : Telugu)
脚本・監督 : Surender Reddy
出演 : Ravi Teja, Rakul Preet Singh, Ravi Kishan, Sanjay Mishra, Brahmanandam, Tanikella Bharani, Rajpal Yadav, Ashish Vidyarthi, Kovai Sarala, Raghu Babu, Nikitin Dheer, Kabir Duhan Singh, Srinivasa Reddy, Prudhviraj, Raghu Karumanchi, Duvvasi Mohan, Melkote, Shaam(特別出演), Ileana(特別出演), Nora Fatehi(アイテム出演), その他
音楽 : S.S. Thaman
撮影 : Manoj Paramahamsa
編集 : Gautham Raju
制作 : Nandamuri Kalyan Ram

題名の意味 : キック・パート2
映倫認証 : U/A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : アクション
公 開 日 : 8月21日(金)
上映時間 : 2時間41分

《 あらすじ 》
 医者のロビン(ロビン・フッド:Ravi Teja)はアメリカに暮らすNRI。彼は徹底した利己主義者で、心地よさを求め、各自が心地よくなることだけが正義だと考えていた。彼はある日、父のカリヤーン(Ravi Teja)からハイダラーバードの所有地がランドマフィアのDD(Ashish Vidyarthi)に掠め取られたと聞き、インドに飛ぶ。ハイダラーバードでは占星術師パンディト・ラヴィ・テージャ(Brahmanandam)の家に宿泊することにする。
 北インドのヴィラースプルという村では、ソロモン・シン・タークル(Ravi Kishan)という悪漢が村人を苦しめていた。ソロモン・シン・タークルは村人を採鉱現場で酷使し、自分を「神」として崇めさせ、さらには村の青年たちをクスリで酔わせ、自分の言いなりになる兵卒として使っていた。村の長(Sanjay Mishra)はこの惨状を救う救世主を待ち望んでいたが、たまたまハイダラーバードから戻って来た村人の一人が悪漢を叩きのめすロビンの姿を報告し、彼こそが救世主になり得る人物だと告げたため、長は三人の男をハイダラーバードへ遣わす。
 ハイダラーバードでロビンは映画のストーリー作家見習いのチャイトラ(Rakul Preet Singh)に出会う。チャイトラはすっかりロビンに惚れてしまう。しかし、土地問題を片付けたロビンはアメリカに戻ることにする。だが、飛行機に搭乗するや、チャイトラがいないことには心地よくないことに気付き、飛行機を降りる。
 しかし、チャイトラは何者かに誘拐されてしまう。行先が北インドのヴィラースプルだと知ったロビンは、自身も彼の地に赴く、、。

・その他の登場人物 : ムンナー(Kabir Duhan Singh)

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★☆☆
◎ 物 語 : ★★☆☆☆
◎ 脚 本 : ★★☆☆☆
・面白くないことはなかったが、いつものスレンダル・レッディ監督作品の逸脱ぶりからすると、「普通かな」と思える作品だった。スピード感も【Kick】や【Oosaravelli】(11)、【Race Gurram】(14)ほどではなく、もたつく感じがあった。

・いや、これで「普通」と言うと、テルグ映画に馴染んでいない人からは「頭おかしいじゃないの?」と言われそうなほど、十分荒唐無稽な設定なのだが、その荒唐無稽さに説得力がなく、結局、何がやりたいのかよく分からないまま終わってしまった。

・まず、本作ははっきりと【Kick】の続編と位置付けられており、本作の主人公ロビン・フッドは【Kick】の主人公カリヤーンの「息子」と設定されている。しかし、【Kick】と【Kick 2】が時代的に30年ぐらい隔たりがあるとはどう見ても見えなかった。両作品の主人公を「親子」にする必要があったのか? もしや【Kick 2】は近未来の物語?

・次に、後半の物語の舞台が北インドの砂漠地方なのも腑に落ちない。テルグ映画なのに、テルグ映画のヒーローが、どうしてわざわざ「北インド」の村人のために、辺鄙な砂漠地方の悪役と戦う物語を作る必要があったのか? 先日の【Srimanthudu】鑑賞記でも書いたとおり、ヒーローが村のために戦うという物語は近ごろのテルグ映画のトレンドだが、今回はちょっと遠すぎませんか?

・加えて、その悪役像がよく分からなかった。悪役は「ソロモン・シン・タークル」というややこしい名前で、これからすると、何かの象徴、喩え、風刺になっていそうなのだが、それが分からないので、落ち着かない。

・テルグ映画の悪役というのは、腐敗政治家であれ、悪徳実業家であれ、現実に(身近な所に)いそうな人物で、ヒーローは何と戦っているのかはっきりしている。しかし、本作の悪役は虚構性が強く、実際にはいそうにない人物なので、監督はヒーローに何と戦わせたいのかよく分からなかった。もっとも、これも「ソロモン・シン・タークル」の象徴する「悪」が何なのか分かれば、もやもやが晴れるのかもしれないが。

・主人公ロビン・フッドのキャラクターがアメリカ生まれのNRIで、自分の快適さしか求めない超利己主義者と設定されているのは、個人主義のアメリカへの当てこすりのようで、面白い。しかし本作は、その欧米型個人主義のロビン・フッドが、他人の幸せこそが自分の幸せという「共同体主義」に目覚めるという物語であるはずなのに、その転換がうまく描けていないように思った。

・クライマックスの「悪役成敗」はヒネリが効いていて、私は面白いと思った。

・「救世主」のロビンを歓迎するために、村人がこぞってテルグ語を勉強するシーンが面白かった。教材にテルグ映画のDVDも使われていたりして。

◎ 配 役 : ★★★☆☆
◎ 演 技
・ラヴィ・テージャ(ロビン・フッド役) ★★★★☆
 本作のラヴィ・テージャのパフォーマンスにカッコいいと思ったわけでも、上手さを感じたわけでもないのだが、テルグ名物「くさやの干物」として完成された味わいがあったので、4つ星贈呈。
 (写真下:ハンピの遺跡で思う存分暴れたマス・マハーラージャーさん。)

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・ラクル・プリート・シン(チャイトラ役) ★★★☆☆
 面白い役回りだった。しかし、美人だし、可愛いし、活き活きとした感じもするラクル嬢なのに、なぜか萌えない私です。

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・ラヴィ・キシャン(ソロモン・シン・タークル役) ★★★☆☆
 残酷な悪役をさすがに上手く演じていたのに、上で書いたとおり、熱演も徒に空回りしている感じだった。

・北インドが舞台ということで、ボリウッド俳優も複数出演していた。しかし、きちんと使われていたのは村の長役のサンジャイ・ミシュラぐらいだった。

・コメディアンは例によってブラフマーナンダムで、悪くはなかったが、彼を後半の村の場面でも使ったのは間違いだろう。後半ではボリウッドのラージパール・ヤーダヴを活用すべきだった。

◎ 音 楽 : ★★★☆☆
◎ BGM : ★★★☆☆
◎ ダンス : ★★★☆☆
・タマンくんの音楽は悪くはなかった。後半の北インドのシーンでは音楽の調子も変えていて、多彩なところを見せていた。

・世界遺産のハンピの遺跡で村人たちが歓喜のジャンプをする音楽シーンは、そのまま「Incredible India」の宣伝ビデオに使えそうだった。

◎ アクション : ★★★★☆
◎ 美 術 : ★★★☆☆
◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★☆☆
◎ 編 集 : ★★☆☆☆
・意地でも2時間40分以上にしたという感じだったが、ムダなシーンをバサバサ切って20分ほど縮めれば、尻は痛くならないと思う。

◎ その他(覚書)
・北インドの場面がどこに設定されているのか分からなかった(見た感じではラージャスターンだが、ビハールだと言及しているレビューもある)。砂漠の中に建つ城塞を見て、それがどこなのかピンと来ないのが私の泣きどころ。ハンピの遺跡が登場したのはうれしかったが、世界遺産であんな荒っぽいアクションシーンを撮っていいものかと、心配した。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★☆☆
◆ 必見度 : ★★☆☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 8月23日(日),公開第1週目
・映画館 : INOX (Jaya Nagar),9:55のショー
・満席率 : 4割
・場内沸き度 : ★★★☆☆

 

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【Bengal Tiger】 (Telugu)
 本作は話題のテルグ映画には違いなかったが、ラヴィ・テージャの前作【Kick 2】(15)がアレだったので、スキップするつもりだった。しかし、先週末は物理的に観られそうなのがこれぐらいだったので、何も観ないよりは何か観たほうがいいと思い、観て来た。  監督は【Rachcha】(12)がヒットしたサンパト・ナンディ。ヒロインがタマンナーとラーシ・カンナーの2枚で、ボリウッド俳優のボーマン・イーラーニーが悪役に就いているようだった。 ...続きを見る
カーヴェリ川長治の南インド映画日記
2015/12/16 21:29

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