カーヴェリ川長治の南インド映画日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 【Bhale Bhale Magadivoy】 (Telugu)

<<   作成日時 : 2015/09/09 22:08   >>

ナイス ブログ気持玉 2 / トラックバック 3 / コメント 0

画像

 【Andala Rakshasi】(12)を観て以来、「美しき羅刹女」こと、ラーワンニャ・トリパーティのファンをしているが、最近のインド人の好みに合わないのか、本人にやる気がないのか、ヒット作の【Doosukeltha】(13)や【Manam】(14)を以ってしても、ポピュラー女優に浮上する気配がない。それで、消えてしまう運命かと嘆いていたら、この【Bhale Bhale Magadivoy】が登場した。かくなる上はどんな駄作であっても観に行くつもりだったが、幸い好評で、ヒット宣言が出されている。
 監督はマールティ・ダーサリという、私にはあまり縁のない人。監督としてのヒット作もあるようだが、一番の成功はプロデューサー/脚本を担当した【Prema Katha Chitram】(13)だろう。

【Bhale Bhale Magadivoy】 (2015 : Telugu)
物語・脚本・台詞・監督 : Maruthi Dasari
出演 : Nani, Lavanya Tripathi, Murali Sharma, Ajay, Madhumitha, Naresh, Sithara, Vennela Kishore, Praveen, Srinivasa Reddy, Ragini, Satya Krishnan, Prabhas Sreenu, その他
音楽 : Gopi Sunder
撮影 : Nizar Shafi
編集 : Uddhav SB
制作 : Bunny Vas

題名の意味 : 素晴らしいわ、貴男
映倫認証 : U
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : コメディー・ロマンス
公 開 日 : 9月4日(金)
上映時間 : 2時間24分

《 あらすじ 》
 生物学研究者のラッキー(ラッカラージュ:Nani)は、社会生活ができないほどではないが、ひどい健忘症で、友人や仕事上の関係者との待ち合わせを忘れる、保留にした電話をそのまま忘れてしまう、などということがしょちゅうだった。
 ラッキーはある日、路上で美しい女性を見かけ、一目惚れする。その女性はナンダナー(Lavanya Tripathi)という名で、子供たちに古典ダンスを教えるかたわら、慈善活動なども行っていた。ラッキーはナンダナーと交際するようになるが、健忘症のことは知られたくなかった。彼はナンダナーに対してもあれこれ忘れてへまをやらかすが、その度にうまく切り抜け、逆にナンダナーはラッキーのことを尊敬すべき人物だと信じるようになる。
 ナンダナーの家族の知人にアジャイ(Ajay)という警官がいたが、彼もナンダナーに一目惚れし、結婚を望む。しかし、ナンダナーはアジャイを嫌う。ある夜、路上を歩いていたナンダナーは売春容疑で逮捕されてしまう。そこはアジャイの取り成しで難なく釈放されるが、実はこれは得点を稼ぐためにアジャイが仕組んだ狂言だった。
 ナンダナーの家には妊娠中の従姉ガヤトリ(Madhumitha)が同居していたが、ナンダナーの逮捕で一家が不在だった夜、彼女は陣痛に襲われる。その時たまたまやって来たラッキーに病院に運ばれ、無事に出産を終える。この件でナンダナーはラッキーとの結婚を決意し、父に彼と会うように言う。
 ラッキーはナンダナーの父と会う約束をするが、待ち合わせの場所に行ってびっくり。ナンダナーの父パーンドゥランガー・ラーウ(Murali Sharma)はラッキーとの仕事上のパートナーで、ラッキーの健忘症のことを知っており、そんなラッキーのことを嫌っているようだった。ラッキーはナンダナーの交際相手が自分だと父に知れると、すべてがおじゃんになると思い、その場はこっそり逃げる。そして後日、苦し紛れに自分の友人(Vennela Kishore)をラッキーとしてナンダナーの父に紹介する、、。

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★☆☆
◎ 物 語 : ★★☆☆☆
◎ 脚 本 : ★★★☆☆
・私がインド映画の感想を描き始めた頃にテルグ映画の秀作【Bommarillu】(06)があり、大好きになり、アホの一つ覚えみたいに「ボンマリッル、ボンマリッル」と友人知人に勧めていた時期があった。それ以来、どうも【Bommarillu】に匹敵する、もしくは超えるラブコメの傑作に出会っていないようで、この【Bhale Bhale Magadivoy】にはそれを期待したが、残念ながら、遠く及ばなかった。

・「健忘症」という、主人公ラッキーのキャラ1本で押したようなストーリーで、ちょっと苦しいと思った。言葉が分からなくても、状況で笑える部分がたくさんあったが、基本的に言葉が分からないと困る映画だった。

・前半はラッキーの健忘症ぶりをあの手この手で見せるという単純なものだったが、演じたナーニのボケぶりが面白く、退屈はしない。

・後半は、ラッキーの健忘症を知らないナンダナーと、それを知っているナンダナーの父、逆に、ラッキー本人を知っているナンダナーと、それを知らないナンダナーの父、、、この両者の齟齬が面白い。そして、ラッキーが苦し紛れに友人をラッキーの替え玉にしてしまったことで(かなり不自然な展開だが)、ナンダナー家とラッキー家でごちゃごちゃが起きるという、なかなか面白いコメディー・オブ・エラーズになっていた。

・ただ、どん臭そうな理系学者のラッキーがクライマックスで突然強くなり、アクション・ヒーローばりに悪漢をばったばったとなぎ倒す展開はどうかと思った。なんで急にアクション映画にしなきゃいけないのか? アクションなら、テルグ映画では凄いのをしょちゅう観ているので、ここは爽やかに収めてほしかった。

・ラッキーの「健忘症」はコメディー的にデフォルメされ、それが本作の笑いのツボになっていた。ただ、これは物語中でははっきり「欠陥」と語られ、ラッキー自身も苦にしている。そんな欠陥を持つ人物を周囲の人間がいかに受け入れるかという点が、本作の感動のツボになっていた。

・題名の「Bhale Bhale Magadivoy」はK・バーラチャンダル監督の傑作【Maro Charitra】(78)の挿入歌から取られたもので、本作ではラッキーの持つスマホの着信メロディーに使われていた。【Maro Charitra】のこの歌は好きなので、動画を貼っておく。(この音楽シーンだけでなく、ぜひ全編ご覧になっていただきたい。)



◎ 配 役 : ★★★☆☆
◎ 演 技
・ナーニ(ラッキー役) ★★★☆☆
 まず、本作で(おそらく初めて)ナーニが「Natural Star」という冠タイトルを戴いているのには笑った。役柄もナーニの背丈に合っているし、上手く演じているし、評価できる。ただ、やっぱりクライマックスのアクションは間違いだと思った。
 (写真下:しばらく見なかったナーニだが、ずいぶん太ってたぞ。)

画像

・ラーワンニャ・トリパーティ(ナンダナー役) ★★★☆☆
 とにかくラーワンニャ目当てで観に行ったので、大画面にアップで映し出される彼女を見て、涙が滲み出た。古典ダンスの教師という設定で、それらしく踊っていたが、上手いのかどうかは分からなかった。吹き替えも良かったが、これはチンマイさんだった。本作のヒットで、今度こそ彼女も芽が出るかな?

画像

・ムラリ・シャルマ(ナンダナーの父役) ★★★☆☆
 意外な感動ポイントがこのお方だった。通常は割とキモい悪役をやる御仁だが、本作では、、、見てのお楽しみ。吹き替えが良かったと思ったが、もしかしたら本人がアフレコしているのかもしれない。

・ナンダナーの従姉ガヤトリを演じたマドゥミタさんが妙に色っぽかった。

◎ 音 楽 : ★★★☆☆
◎ BGM : ★★★☆☆
◎ ダンス : ★★★☆☆
・音楽はゴーピ・スンダルの担当。マラヤーラム映画界のモダンな楽聖とも呼びたいこのお方がテルグのラブコメを?と観る前は心配したが、デーヴィ・シュリー・プラサードの曲だと言われても違和感がないほど、すんなり作品に馴染んでいた。器用なもんだ。

◎ アクション : ★★★☆☆
◎ 美 術 : ★★★☆☆
◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★☆☆
◎ 編 集 : ★★★☆☆
・撮影は良かった。特にインターミッション前のラッキー(ナーニ)の顔のアップは、素朴なアイデアながら面白かった。しかし、ラーワンニャを全ショットできれいに撮れていたわけではないので、ちょっと減点。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★☆☆
◆ 必見度 : ★★☆☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 9月5日(土),公開第1週目
・映画館 : Gopalan Cinemas (RR Nagar),16:00のショー
・満席率 : 5割
・場内沸き度 : ★★★☆☆

 

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 2
ナイス ナイス

トラックバック(3件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
【Soggade Chinni Nayana】 (Telugu)
 この週末(サンクラーンティの祝日)はテルグとタミルに観るべき映画がいくつかぶつかってしまい、困った。まずテルグの【Nannaku Prematho】を観たので、次はタミルの【Kathakali】か【Rajini Murugan】にしようかとも思ったが、次の週末にクアラルンプールへ行く予定なので、タミル映画はそれまで温存。というわけで、ナグさん主演のテルグ映画【Soggade Chinni Nayana】にした。  監督はカリヤーン・クリシュナという新人だが、制作もスタッフも【Man... ...続きを見る
カーヴェリ川長治の南インド映画日記
2016/01/21 21:41
【Krishna Gaadi Veera Prema Gaadha】 (Telugu)
 【Bhale Bhale Magadivoy】(15)が大当たりしたナーニだが、続く本作も大ヒットしそうで、ついにナーニもトリウッドのトップ・スターの仲間入りをしたか。思えば、これまで「中途半端ハンサム・スター」と茶化しつつも支持してきた私としては、感慨深いものがある。  と、ナーニの話題から入ったが、本作の私の注目は監督のハヌ・ラーガワプーディのほう。なにせ【Andala Rakshasi】(12)で重苦しい愛のドラマを見せたハヌ監督が、ラーヤラシーマを舞台にしたアクション・コメ... ...続きを見る
カーヴェリ川長治の南インド映画日記
2016/02/24 21:00
【Gentleman】 (Telugu)
 テルグの「中途半端スター」、否、「ナチュラルスター」ナーニの主演作は【Bhale Bhale Magadivoy】(15)、【Krishna Gaadi Veera Prema Gaadha】(16)と、ヒット作を2作続けて観たので、この【Gentleman】はパスしようと思っていた。ところが、監督がモーハン・クリシュナ・インドラガンティだと知り、やっぱり観ておくことにした。忘れていたが、そういえばナーニのデビュー作は、同監督の【Ashta Chamma】(08)なのであった。  ... ...続きを見る
カーヴェリ川長治の南インド映画日記
2016/07/06 19:27

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
【Bhale Bhale Magadivoy】 (Telugu) カーヴェリ川長治の南インド映画日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる