カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Puli】 (Tamil)

<<   作成日時 : 2015/10/13 21:22   >>

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 映画館でヴィジャイ、シュリーデーヴィ、スディープが出る本作の派手な予告編を見て、面白そうだと思った。もっとも、タミル映画のファンタジー、しかもシンブデーヴァン監督の作品となると、どう予想しても鬼門なのだが、怖いもの見たさで観ることにした。

【Puli】 (2015 : Tamil)
物語・脚本・監督 : Chimbu Deven
出演 : Vijay, Sridevi, Sudeep, Shruti Haasan, Hansika Motwani, Thambi Ramaiah, Sathyan, Prabhu, Aadukalam Naren, Vijayakumar, Ali, Robo Shankar, Imman Annachi, Vidyullekha Raman, Jasper, Jangiri Madhumitha, Nandita Swetha, Joe Malloori
音楽 : Devi Sri Prasad
撮影 : Natarajan Subramaniam
編集 : A. Sreekar Prasad
制作 : Shibu Thameens

題名の意味 : 虎
映倫認証 : U
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : ファンタジー
公 開 日 : 10月1日(木)
上映時間 : 2時間34分

《 あらすじ 》
 孤児のマルディーラン(Vijay)は、赤子のとき川を流れて来たところを村人のヴェンブナーダン(Prabhu)に拾われ、実の子として育てられた。この村はヴェーダーラ国の支配下にあり、ヴェーダーラ人の暴虐に苦しめられていた。ヴェーダーラ国は魔法使いのヤワナ女王(Sridevi)と、同じく魔法使いの軍隊長ジャラダランガン(Sudeep)が支配していた。マルディーランの義姉もヴェーダーラ人に殺され、養父ヴェンブナーダンもジャラダランガンに片腕を切り落とされていた。
 マルディーランは、学業を終えて村に帰って来た幼馴染みのパワラマッリ(Shruti Haasan)と再会する。二人の間に恋が芽生え、ほどなく結婚する。しかし、その直後に村がヴェーダーラ人に襲撃され、ヴェンブナーダンは殺害され、パワラマッリも拉致される。
 マルディーランは、村人たちの要請もあって、パワラマッリ奪還のためにヴェーダーラ国へ行くことにする。彼は友人のコーランギ(Thambi Ramaiah)とサーマ(Sathyan)を連れて行くことにする。また、薬師(Joe Malloori)から跳躍力が増す薬をもらう。マルディーランはヴェーダーラ人(青眼と牙が特徴)のふりをして、旅に出る。
 途中でマルディーランたちは小人族の森を通過し、小人たちの捕虜となってしまう。この小人族もヴェーダーラ人に苦しめられていたからである。小人族の王(Ali)は三人を殺そうとするが、彼らが本当はヴェーダーラ人ではなく、むしろヴェーラーダ人と戦う意思を持っていることを知り、支援することにする。王は部下のアルファ(Robo Shankar)とベータ(Imman Annachi)、それに娘のカーマー(Vidyullekha Raman)をマルディーランたちに同行させる。
 一行はまず巨大な老亀に会う。老亀はマルディーランに意味不明の言葉を与える。だが、その言葉はヴェーダーラ国の城に至るヒントだということが分かる。
 ヴェーダーラ城の近くまで来たとき、マルディーランは森の中で黒豹に襲われている女性を救う。それはヴェーダーラ国のヤワナ女王の娘マンダーギニ(Hansika Motwani)だった。マルディーランはここで養父の片腕を切ったジャラダランガンに会う。
 マルディーラン一行はヴェーダーラ城の入城を許され、ヤワナ女王と面会する。彼らは自分たちをヴェーダーラ人の薬師だと紹介する。女王は彼らに城での滞在を認める。
 マルディーランは城の最上階で眠るパワラマッリを救出しようと動く。しかし、ジャラダランガンの部下に捕まってしまう。翌朝、ヤワナ女王とジャラダランガンはマルディーランの素性を疑い、彼に試練を与える。だが、マルディーランはその試練に打ち克ち、ヴェーラーダ人だと認定される。女王は彼の武勇を認め、娘のマンダーギニと結婚させようとする。
 ところが、この直後にマルディーランはこの国の老人から思いがけない事実を聞かされる。実は自分は本当にヴェーダーラ人で、しかも王の血を引く人物だと言うのである。この国の元凶はすべてジャラダランガンで、行者より魔術を授かったジャラダランガンは王国を支配しようと、まず姫のヤワナを魔術でコントロールし、その父である王(Vijayakumar)を幽閉する。ヤワナの弟プリヴェンダン(Vijay)はジャラダランガンに対抗するが、村人たちのために死を選ぶ。そのプリヴェンダンの息子がマルディーランだったのである。
 ジャラダランガンとヤワナ女王は魔術による支配を永遠のものとするため、若い女を生贄に捧げるプージャーを過去17回月食の日に行っていたが、18回目で最後の生贄がパワラマッリというわけであった。しかも、プージャーが行われる月食の晩は間近に迫っていた、、。

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★☆☆☆
◎ 物 語 : ★★☆☆☆
◎ 脚 本 : ★★☆☆☆
・分かりやすいストーリーのファンタジー映画なので、こんなに詳しくあらすじを書くこともなかったかな。

・私はファンタジー映画と相性が悪いことに最近気付いたので、観る前は心配だった。しかも、レビューをちらっと覗いたら、けっこう酷評が並んでいるし、知人のヴィジャイ・ファンのタミル人さえ「アベレージだ」と言っていた。かつてテルグ映画【Anaganaga O Dheerudu】(11)を観て、死にかけた経験もある。しかし、実見すると、なかなか面白い映画だった。

・ほとんどの評者は本作を【Baahubali】の足下にも及ばないと酷評している。気持ちは分かるし、それが間違いだとは思わないが、こと好き嫌いを言うなら、私は【Baahubali】より本作のほうが好き。

・本作のファンタジー映画としての道具立ては、運命により故郷を離れたヒーロー、そのヒーローの故郷帰還、魔術師、お姫様、小人、一つ目巨人、動物たち(言葉を話す鳥を含む)など、実にありふれたもので、そんなに面白みのあるものではなかった。にも関わらず、私が【Baahubali】より好きと言うのは、【Baahubali】にいまいち足りないと思った南インド映画のテイストが本作にはたっぷりあったからだ。

・そのテイストというのは、言葉では説明しにくいが、結局はこのお方に尽きる。

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 ファンタジーのヒーローでありながら、「さっき床屋へ行って来ましてん」みたいなヘアスタイルで、飄々と芝居をしてしまうとは、なんと大胆不敵! いきなり座席からずり落ちたよ。上で書いたとおり、本作は陳腐なまでにファンタジー映画の定番を踏んでいるのだが、ヴィジャイ一人で全部ひっくり返してしまった。

・そこで私ははたと思い出した。そうだ、伝統的にインド映画のスターはセコセコと役作りなんかしないのであった。若き日のアミターブ・バッチャンも、ラジニカーントもそうじゃないか(アーミル・カーンやカマル・ハーサンのような才能見せたがり屋もいるが)。映画がスターを決定せず、スターが映画を決定する。本作のヴィジャイを見て、私は原点回帰した気分だ。

・もう一つ、私の琴線に触れたテイストは音楽シーン。なにせこれですからね。

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 本作は「歌って踊って」が嫌いなインド映画ファンの神経を逆なでするような音楽シーンがたっぷりあったが、私はあっぱれだと思った。

・とは言っても、結局、本作は良い映画だとは言えないと思う。私はシンブデーヴァン監督の作品は【Arai En 305-il Kadavul】(08)と【Irumbukkottai Murattu Singam】(10)しか観ていないが、お伽話の中にもどこか屈折感のあるインテリ臭が感じられて、そこが渋いと思った。本作はそれが効いていなかったように思う。残念ながら、本作が登場したからといって、フォークロア映画の復権ということにはならないと思う。

◎ 配 役 : ★★★★☆
◎ 演 技
・ヴィジャイ(マルディーラン/プリヴェンダン役) ★★★☆☆
 「これがヴィジャイだ」みたいなヴィジャイがいたので安心した。しかし、演技面でもダンス面でも、本作はヴィジャイには簡単すぎたように思う。

・シュリーデーヴィ(ヤワナ女王役) ★★★☆☆
 確かに貫録、存在感はあったと思う。魔術を駆使する女王らしい妖艶さもよく出ていた。しかし、私は本作のシュリーデーヴィを見て、怖いと思った。いや、「怖い」というのは、監督が狙った「魔の女王」という怖さではなく、整形手術で整えた彼女の美貌が綻びていることに気付いた恐ろしさである。往年のファンがこのシュリーデーヴィを見たら、喜ぶどころか、痛々しさを感じるんじゃないだろうか。

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・スディープ(ジャラダランガン役) ★★★★☆
 カッコよかった。ホームのカンナダでは純粋ヒーロー、アウェーでは悪役をやって荒稼ぎするとは、素晴らしい営業魂だな。

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・シュルティ・ハーサン(パワラマッリ役) ★★★☆☆
 見てくれは可愛らしかったし、ダンスも良かったが、台詞(セルフダビング)の声が汚かったなぁ。

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・ハンシカー・モートワーニ(マンダーギニ役) ★★☆☆☆
 ファンタジー映画というのは、作るほうに想像力が必要なら、見るほうにも想像力が要求されるものだが、その点では、ハンシカーの「二人といない美女」という設定が本作一番のファンタジーだった。

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・もう一人、チョイ役だったが、マルディーランの母プシュパを演じたのがナンディターという人で、P・ランジット監督の【Attakathi】(12)でヒロインを務めていた。実は彼女はバンガロール出身で、カンナダ映画【Nanda Loves Nanditha】(08)でデビューしている。私、【Attakathi】も【Nanda Loves Nanditha】も観ているのに、ヒロインが同じだったとはたった今気づいた。

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◎ 音 楽 : ★★★★☆
◎ BGM : ★★★☆☆
◎ ダンス : ★★★★☆

◎ アクション : ★★☆☆☆
◎ 美 術 : ★★★☆☆
◎ 衣 装 : ★★☆☆☆
◎ 撮 影 : ★★☆☆☆
◎ 特殊効果 : ★★★☆☆
◎ 編 集 : ★★☆☆☆
・衣装はどうかなぁ、、それなりのデザイナーがあれこれ考えて作ったのだと思うが、変てこりんなのが私の感覚に合わなかった。

・撮影は、小人たちの撮り方がまずくて、誰が誰だか分からなかった。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★☆☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 10月10日(土),公開第2週目
・映画館 : PVR (Koramangala Classic),10:15のショー
・満席率 : 4割
・場内沸き度 : ★★★☆☆
・備 考 : 英語字幕付き

 

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【Ekkadiki Pothavu Chinnavada】 (Telugu)
 ニキル主演の映画は【Swamy Ra Ra】(13)、【Karthikeya】(14)、【Surya vs Surya】(15)など、重くもなく、軽くもなく、そこそこ楽しめるものが多いが、この新作【Ekkadiki Pothavu Chinnavada】は私好みの中途半端なヒロインが3枚出演するということで、やはり観ておきたかった。 ...続きを見る
カーヴェリ川長治の南インド映画日記
2016/12/01 21:06

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