カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Rudhramadevi】 (Telugu)

<<   作成日時 : 2015/10/15 20:52   >>

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 【Arundhati】(09)の成功で、アヌシュカ・シェッティは南インド映画界でも数少ない「剣が持てる」/「女王が演じられる」女優というイメージを確立したが、その彼女が実在した女王ルドラマ・デーヴィを演じるということで、話題となっていた。しかも監督が【Okkadu】(03)や【Arjun】(04)などのスペクタクルな娯楽作品を送り出してきたグナシェーカルということで、期待はさらに膨らんだ。ところが、トレイラーが発表されるや、しょぼいCGに「えっ?」となり、また、公開予定日が何度も延期されたりして、期待がいつしか心配に変わっていた。
 ルドラマ・デーヴィについては、よく知らないが、1245年生まれで1289年没、現在のテランガーナ州ワランガル辺りにあったカーカティヤ王国の女王で、女ながら国情により男(王子)として育てられた数奇の運命を持つ人物らしい。

【Rudhramadevi】 (2015 : Telugu)
物語・脚本・監督 : Gunasekhar
出演 : Anushka Shetty, Allu Arjun, Rana Daggubati, Krishnam Raju, Prakash Raj, Vikramjeet Virk, Nithya Menen, Catherine Tresa, Suman, Adithya Menon, Hamsa Nandini, Ajay, Jayaprakash Reddy, Krishna Bhagawan, Baba Sehgal, Jeeva, Venu Madhav, Vennela Kishore, Ulka Gupta, その他
音楽 : Ilaiyaraaja
撮影 : Ajayan Vincent
編集 : A. Sreekar Prasad
制作 : Gunasekhar, Raagini Guna

題名の意味 : ルドラマ・デーヴィ(プロタゴニストの名前)
映倫認証 : U/A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : 伝記
公 開 日 : 10月9日(金)
上映時間 : 2時間38分

《 あらすじ 》
 時は13世紀、カーカティヤ国の王ガナパティ・デーヴァ(Krishnam Raju)には世継となる男児がおらず、そのため、親類のハリハラ・デーヴァ(Suman)やムラリ・デーヴァ(Adithya Menon)は王位簒奪を企み、デーヴァギリ国の王マハーデーヴァ(Vikramjeet Virk)もカーカティヤ侵略の機を窺っていた。なんとしても男児のほしいガナパティ・デーヴァであったが、新たに生まれた子も女児。しかし、今度は宰相シヴァ・デーヴァイヤ(Prakash Raj)の意見を取り入れ、子を男児だと公式に発表し、ルドラ・デーヴァ(Anushka)と名付ける。
 ルドラ・デーヴァは武術に長けた「少年」に育つが、初潮を迎えたとき、自分が女であることに気付く。だが、父の思いと国情を察し、王子として生きていく決意をする。
 成人したルドラ・デーヴァはカーカティヤ国の希望として臣民に慕われ、父王と共同で国の統治に当たっていた。ルドラ・デーヴァには2人の幼馴染みがいた。1人は近隣国の王子チャールキヤ・ヴィーラバドラ(Rana Daggubati)で、ルドラ・デーヴァとは友好な関係を築いていた。もう1人はゴーナ・ガンナー・レッディ(Allu Arjun)で、彼は義賊として貧民層から絶大な支持を集め、カーカティヤ国にいちいち反抗していた。
 ルドラ・デーヴァは表向きは男として振る舞っていたが、本性には抗えず、密かに女の衣装に身を包み、夜の川原をさすらう。たまたまそれに遭遇したチャールキヤ・ヴィーラバドラはその女性に惚れるが、ルドラ・デーヴァだとは気付かない。かねてよりヴィーラバドラに恋心を抱いていたルドラ・デーヴァは、素性を明かさず、ヴィーラバドラとの逢瀬を楽しむ。
 ルドラ・デーヴァが実は女ではないかとの疑惑が流れる。それを打ち消すかのように、ルドラ・デーヴァは親類の姫ムクターンバ(Nithya Menen)と結婚する。だが、当然二人が交わることはなかった。
 それでもルドラ・デーヴァが女だという疑惑は拭えなかった。敵対勢力はマーダニカー(Hamsa Nandini)をスパイとしてカーカティヤの宮廷に送り込む。そして、遂にルドラ・デーヴァが女である事実を突き止める。宮廷内に動揺が起きるが、これを機にルドラ・デーヴァは自身が女であることを公表し、王女ルドラマ・デーヴィとして国を治めていく決意を語る。しかし、敵対勢力も臣民も女帝が立つことを喜ばなかったため、ルドラマ・デーヴィは王国を去ることになる。
 この機にハリハラ・デーヴァとムラリ・デーヴァがクーデターを起こし、ガナパティ・デーヴァとシヴァ・デーヴァイヤを追放する。さらに、この混乱を見たデーヴァギリ国のマハーデーヴァが軍勢を率いてカーカティヤに攻め込む。ルドラマ・デーヴィはチャールキヤ・ヴィーラバドラやシヴァ・デーヴァイヤに鼓舞され、再びカーカティヤ国のために剣を取ることにする、、。

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★☆☆
◎ 物 語 : ★★☆☆☆
◎ 脚 本 : ★★☆☆☆
・ものすごく期待していた1作だったが、残念ながら退屈で退屈で、観ながら呼吸が止まるかと思ったほどだ。実際のランタイムも2時間38分と長めだが、映画館に5時間ぐらい座わっていたような気がした。

・確かにCGのしょぼさはマイナス要因になると思うが、私はそれを気にしない。スカスカなCG映像はこれまでにも馴染んできたものだし、あっさりしていてけっこう好きだったりする。そうじゃなくて、やっぱり本作のダルさの原因は、グナシェーカルのストーリー、脚本のまずさだと思う。とても【Okkadu】、【Arjun】を撮った監督だとは思えない。

・というわけで、感想を書く意欲も薄れたので、ダルさの中にも良いと思った点、興味深い点を列記するに留めたいと思う。

・まず、本作の物語全体は、なんとマルコ・ポーロが語るという趣向になっている。13世紀のヨーロッパのどこかの王室で男子の世継がおらず、女王を認めるかどうかで議論しているところに、マルコ・ポーロが「インドにこんな例があるよ」と語り始める。実際に『東方見聞録』にルドラマ・デーヴィの記述があるかどうかは知らないが、マルコ・ポーロが13世紀末にインドを通過したのは事実らしい(マルコ・ポーロという人物が実在したとして)。何であれ、歴史といえば「西洋中心史観」を強引に「インド優越史観」に持ってくるアイデアはあっぱれだった。

・歴史物/伝記物ではあるが、史実に忠実ではなく、映画的に変更を加えているとグナシェーカル監督自身が認めているらしい。

・一にも二にも注目の集まるアヌシュカのパフォーマンスだが、残念ながら、私の期待には届かなかった。【Arundhati】では上手いと思った剣さばきも、どこか鈍く見えた(ただ、本人は腱鞘炎になるほど努力したらしいので、悪く言いたくない)。しかし、「王子」としてのパフォーマンスはいまいちでも、男から女に返り、密かに女の自分を楽しむ場面はすごく色っぽく見えた。

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・女性であることをカミングアウトしてからのルドラマ・デーヴィはさらにセクシーで、女王姿も凛々しかった。下のスチルは本作で数少ない「目の覚める」場面だった。
 (写真下:ニティヤ、キャサリンと。この場面を見たら、なぜか焼肉を食いたくなったぞ。)

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・ちなみに、少女(少年)時代のルドラマ・デーヴィ(ルドラ・デーヴァ)を演じたのはUlka Guptaさん(下)。虚ろな目が山口百恵を思い出させた。

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・性を公表してからのルドラマ・デーヴィは下のような乳房の部分が膨らんだ鎧を付けていたが、昔の女戦士の甲冑は実際にこうだったのだろうか?(違うと思うがなぁ。)

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・義賊のゴーナ・ガンナー・レッディを演じたアッル・アルジュンはカッコよかった。本作の見どころ。台詞はテランガーナ方言を駆使していたらしい。映画的にかなり脚色されていると思うが、これは実在した人物。アンナンビカー(Catherine Tresa)と結婚したのも史実らしい。

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・対して、チャールキヤ・ヴィーラバドラを演じたラーナー・ダッグバーティはアヌシュカとのロマンス担当で、筋肉を活用する場面が少なかった。

・ルドラマ・デーヴィ(ルドラ・デーヴァ)と結婚するのが、なんとニティヤ演じるムクターンバ。まさかアヌシュカとニティヤの結婚シーンが見られるとは! 本作のニティヤは、短い出番ながら好印象。

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・クライマックスの戦闘シーンで、デーヴァギリ国の軍勢が「蛇の陣形」、ゴーナ・ガンナー・レッディの軍勢が「鷲の陣形」で戦うところが面白かった。インドでは古来より様々な兵法が研究されてきたが、実際に本作で見せたような陣形だったのかな?(違うと思うがなぁ。)

・台詞については何とも言えないが、たぶん格調高い台詞だったのだろう。最もその恩恵に浴していたのがプラカーシュ・ラージ(宰相シヴァ・デーヴァイヤ役)で、朗々と気持ちよさそうに台詞を発していた。

・本作はテランガーナのレジェンドを描いたものとして、昨年独立したテランガーナ州の翼賛映画と見て差し支えないと思うが、グナシェーカル監督の意図がどうなのかは知らない。

◎ 配 役 : ★★★★☆

◎ 音 楽 : ★★★☆☆
◎ BGM : ★★★★☆
◎ ダンス : ★★★☆☆
・音楽はマエストロの担当だが、BGMは良かったが、歌はいまいち精彩を欠くように感じた。

◎ アクション : ★★☆☆☆
◎ 美 術 : ★★☆☆☆
◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★☆☆
◎ 特殊効果 : ★★☆☆☆
◎ 編 集 : ★★☆☆☆
・美術は高名なトーター・ダーラニの担当らしいが、あまり良いとは思えなかった。

・本作は2Dと3Dが製作されたが、私は2Dで見た。確言できないが、3Dで見たほうがよかったかも。

◆ 完成度 : ★★☆☆☆
◆ 満足度 : ★☆☆☆☆
◆ 必見度 : ★★☆☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 10月11日(日),公開第1週目
・映画館 : Gopalan Cinemas (RR Nagar),12:45のショー
・満席率 : 9割
・場内沸き度 : ★☆☆☆☆

 

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
アヌシュカは2013年のタミル語映画Irandaam Ulagamでもチャンバラの真似事やってるんですねえ。上達してませんでしたか。

数ヶ月前会った時は小道具のヨロイはどれほど軽く作ってあっても長時間着けてると肩が凝ると言ってましたよ。アヌシュカみたいに上背あって日頃からヨガで鍛えててもそうなのかと思ったことでした。
メタ坊
2015/10/24 10:14
それからインサイダー情報では陀羅尼先生は全部手下に任せて何もしなかったらしいですよ。予算不足で時代劇撮ろうと思うと色々悲しいことが起こりますね。
メタ坊
2015/10/24 10:24
Irandaam Ulagamは見てないので比較はできないです。
Arundhatiとの比較でも、並べてみたわけではないので、よく分からないというのが本音です。

陀羅尼先生はそうだったんですか!
一部は良かったですが、全般にテレビドラマとさして変わらないぐらいに見えましたよ。
 
カーヴェリ
2015/10/24 13:13

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