カーヴェリ川長治の南インド映画日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 【Naanum Rowdy Dhaan】 (Tamil)

<<   作成日時 : 2015/10/26 21:34   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 0

画像

 ダサラ祭の連休に注目していた2本のタミル映画、【10 Endrathukulla】と【Naanum Rowdy Dhaan】が公開された。2つとも観るゆとりはなかったので、どちらを観るか迷った末、【Naanum Rowdy Dhaan】にした。理由は簡単、予約サイトのユーザー点数がこちらのほうが高かったから。

【Naanum Rowdy Dhaan】 (2015 : Tamil)
脚本・監督 : Vignesh Shivan
出演 : Vijay Sethupathi, Nayantara, Parthiban, Raadhika Sarathkumar, RJ Balaji, Azhagam Perumal, Mansoor Ali Khan, Anandaraj, Rajendran, R.N.R. Manohar, R. Sundarrajan, Meenakshi, Baby Anikha, Surya Vijay Sethupathi, その他
音楽 : Anirudh Ravichander
撮影 : George C. Williams
編集 : A. Sreekar Prasad
制作 : Dhanush

題名の意味 : オレもヤクザだぜ
映倫認証 : U/A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : コメディー
公 開 日 : 10月21日(水)
上映時間 : 2時間20分

《 あらすじ 》
 ポンディシェリに暮らす少年パーンディ(Surya Vijay Sethupathi)は、警察官の母ミーナークマーリ(Raadhika Sarathkumar)に倣って警官になるつもりだったが、ある日、警察署でヤクザ(Rajendran)から「警官よりヤクザのほうが偉い」という話を聞き、将来の志望をヤクザに変える。
 成人したパーンディ(Vijay Sethupathi)はなんとしてもヤクザになりたいと思い、友人(RJ Balaji)らとヤクザの真似事をしていた。しかし、片や母の希望に逆らえず、一応警官になる試験も受けていた。
 ある夜、カーダンバリ(Nayantara)という女性がちょっとした誤解でミーナークマーリの警察署に連行される。この時、パーンドゥは彼女を見、惚れる。うっかりと彼女のスマホを持ったままになったパーンドゥは、それを口実にカーダンバリに近付く。
 カーダンバリは聴覚障害を持つ女性だった。彼女の父は警官のラヴィクマール(Azhagam Perumal)で、出かけたまま連絡が取れなくなっていた。実は、カーダンバリが子供のころ、ラヴィクマールに恨みを持つヤクザのキッリワラワン(Parthiban)がラヴィクマールの家に爆弾を仕掛け、その爆発でカーダンバリの母が死亡、カーダンバリ自身も耳が聞こえなくなった、という経緯があった。その直後に一家はマエに引っ越すが、ポンディシェリに戻ったのを機に、ラヴィクマールはキッリワラワンに復讐しようと出かけ、音信不通になったわけである。
 カーダンバリは母を殺したヤクザに復讐したいと思っていたが、全く警察を信じていなかったため、ヤクザに依頼したいと言う。そこでパーンディが立候補するが、カーダンバリは「あなたはヤクザじゃなく、はったり屋だ」とバカにする。しかし、パーンディは何とかカーダンバリのヤクザ試験をクリアする。
 そうこうしているうちにラヴィクマールの死体が発見されるが、パーンディはカーダンバリが嘆くのを嫌い、事実を伝えない。だが、ミーナークマーリが彼女にそれを伝えてしまう。激しく嘆くと同時に憤るカーダンバリに対し、パーンディは協力を申し出るが、彼女は復讐のみを要求する。それも、遠くから射殺するとかではなく、敵を取り押さえ、カーダンバリ自身がナイフで刺し殺すお膳立てをしてくれ、と言うのである。彼女の愛を勝ち取ると同時に、自分自身を一人前のヤクザだと証明するために、パーンディはその要求を請ける。彼は仲間たちと作戦会議を持つが、相手がキッリワラワンと知るや、一人二人と逃げていく、、。

画像

・その他の登場人物 : ローカル・ドン(Anandaraj),キッリワラワンの敵マンスール(Mansoor Ali Khan),BTK(R.N.R. Manohar),ベイビー(Meenakshi)

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★☆☆
◎ 物 語 : ★★★★☆
◎ 脚 本 : ★★★☆☆
・映画館内が抱腹絶倒状態だった。これだけタミル人を笑わせたなら、ブロックバスターは堅い。

・監督のヴィグネーシュ・シヴァンについては全く知らないが、たぶん底意地の悪い悪戯っ子なのだろう。でなきゃ、あれだけ腰が砕けるようなヒネリに次ぐヒネリを思い付くはずがない。

・しかし、センスの良さは感じた。時間軸の節目に「語り」や「回想」をうまく挿入し、物語を層的に効果的に積み上げている。例えば、冒頭でヤクザ(Rajendran)がパーンディ少年に語る「警官より偉いヤクザ」のエピソードが、実はカーダンバリ(Nayantara)の家族が蒙った悲劇そのものだったとか、カーダンバリの過去とキッリワラワンへの憎しみが3段階ぐらいに分けて提出され、じわじわとフォーカスを合わせていくとか。

・細かいところにもセンスを感じた。例えば、カーダンバリの父殺害を目撃したのが乞食で、その形見が靴(しかもサイズがデカい)だったとか、耳の聞こえないカーダンバリもBluetoothイヤホンをほしがるとか。

・キャラクター造形と配役も良い。まず、「ヤクザになりたい普通の人」の役に、スーパーヒーローも悪役も絶対にできそうにないヴィジャイ・セードゥパティを充てた時点で勝負あった。パールティバン演じるキッリワラワンもなぁ、、凶悪な政治家兼マフィアのドンでありながら、女絡みの件でちらっと覗かせる男の弱みがカワユい。

・もちろん、最もキャラが立っていたのはナヤンターラー演じるカーダンバリだが、聴覚障害という設定をうまく使って、トンチンカンな状況を作っていた。しかもこれは「生まれつき」という無理からな設定ではなく、キッリワラワンの爆弾テロで負った障害という設定だったのが良い。

・ただ、私的には、結局のところ腑に落ちないものを感じながら映画館を出た。やっぱり、あのヒネリはやりすぎだろう。私の勝手な期待だが、本作はタミル映画的なセンチメントが美しく花開こうかというところまで行きながら、ヒネリ潰してしまった。また、モラル的なテーマである「警察とヤクザはどちらが偉いか」という結論も、何だか付け足しみたいな形で終わってしまった。

・もう1つ、本作はドタバタ喜劇の領域に踏み込むべきではないと思いながら観ていたが、後半は片足ぐらい突っ込んでいた。

・本作が近ごろのタミル映画のラウディ物と違った印象を受けるのは、舞台がポンディシェリだったからかもしれない。チェンナイ物とは絵的にずいぶん違っていた。ポンディシェリにもああいうスラムがあるのは意外だった。

・パーンディの仲間なる1人に、どう見ても西洋人なのに、「カーマークシ」という名の女性がいたが、何気にこういう人物が出てくるところもポンディシェリらしいと思った。

◎ 配 役 : ★★★★☆
◎ 演 技
・ヴィジャイ・セードゥパティ(パーンディ役) ★★★★☆
 上で書いたとおり、スーパーヒーローも悪役も絶対にできそうにない彼がラウディ志望の普通のお兄さんの役を、しかししょぼくなく、一個の人物として演じてしまうところが素晴らしい。さすが新娯楽主義タミル映画の申し子、と訳の分からないレッテルを貼っておく。髭剃って、ハンサムだった。

画像

・ナヤンターラー(カーダンバリ役) ★★★★☆
 【Maya】【Thani Oruvan】と、立て続けに3回もナヤンさんを見てしまったが、それぞれ違った役柄をがっちり演じ分けていて、さすがベテラン女優、と安易なまとめ方しか思い付かないほど良い芝居だった。心配されたセルフダビングもばっちりじゃん。
 (写真下:一見ロマンチックに見える場面だが、カメラの背後で一体何が!)

画像

・パールティバン(キッリーワラワン役) ★★★★☆
 必ずしも悪役俳優ではないのだが、何だ、この怖さは? しかし、結局は笑えたぞ。

画像

・カーダンバリの少女時代を演じた子役は【Yennai Arindhaal...】(15)でアジットの娘をやっていた子だった。他方、パーンディの少年時代を演じた子役の名前がスーリヤ・ヴィジャイ・セードゥパティとなっているが、これはヴィジャイ・セードゥパティの息子か?(何だかすごい名前だが。)

◎ 音 楽 : ★★★★☆
◎ BGM : ★★★☆☆
◎ ダンス : ★☆☆☆☆

◎ アクション : ★★☆☆☆
◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★☆☆
◎ 編 集 : ★★★☆☆

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★★☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 10月23日(金),公開第1週目
・映画館 : INOX (JP Nagar),13:05のショー
・満席率 : 8割
・場内沸き度 : ★★★★☆
・備 考 : 英語字幕付き

 

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
【Miruthan】 (Tamil)
 タミルのジェイヤム・ラヴィは男前で体格も良いのに、ヴィクラム、ヴィジャイ、アジット、スーリヤ、ダヌシュの線に並ぶことができず、忘れられがちなスターであったが、昨年の【Thani Oruvan】の大ヒットで一気に存在感を増した。前作の【Bhooloham】(15)も成功したようで、今最も勢いに乗っているタミル・スターかもしれない。 ...続きを見る
カーヴェリ川長治の南インド映画日記
2016/03/10 20:15

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
【Naanum Rowdy Dhaan】 (Tamil) カーヴェリ川長治の南インド映画日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる