カーヴェリ川長治の南インド映画日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 【Vedalam】 (Tamil)

<<   作成日時 : 2015/11/17 22:01   >>

ナイス ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

画像

 わ〜い、アジットの胡麻塩オニギリだ〜い。

【Vedalam】 (2015 : Tamil)
物語・脚本・台詞・監督 : Siva
出演 : Ajith, Shruthi Haasan, Lakshmi Menon, Rahul Dev, Kabir Duhan Singh, Aniket Chouhan, Thambi Ramaiah, Sudha, Ashwin, Avinash, Soori, Kovai Sarala, Vidyullekha Raman, Mayilswamy, Raviraj, Sriranjini, Nagineedu, Bala Saravanan, Swaminathan, Rajendran, Ramesh Thilak, Jasper, Yogi Babu, R.N.R. Manohar, Sukran, その他
音楽 : Anirudh Ravichander
撮影 : Vetri
編集 : Ruben
制作 : S. Aishwarya

題名の意味 : 魔物
映倫認証 : U
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : アクション
公 開 日 : 11月10日(火)
上映時間 : 2時間36分

《 あらすじ 》
 ガネーシュ(Ajith)が妹のタミル(Lakshmi Menon)を連れてチェンナイからコールカーターへやって来る。タミルを当地の美術大学で学ばせるためである。二人は部屋を借り、タミルは無事に大学に入学し、ガネーシュもタクシー運転手の職を得る。ガネーシュは非常な妹思いで、人当たりの良い好人物だった。
 ガネーシュの初めての客はシュウェータ(Shruthi Haasan)という駆け出しの弁護士で、行き先は裁判所だった。裁判所に着くや、彼女の担当する裁判の証人が役に立たないことが分かると、シュウェータはガネーシュを「やらせ」の証人に仕立て、法廷に臨む。だが、それがガネーシュのへまでバレてしまい、シュウェータは弁護士の資格取り消しとなる。この件で彼女はガネーシュに恨む。
 コールカーター警察はタクシー運転手を呼び集め、国際マフィアの三兄弟――ラーフル(Rahul Dev)、アビナイ(Kabir Duhan Singh)、アニケート(Aniket Chouhan)――及びその協力者に関するタレコミ情報提供を依頼する。ガネーシュは早速手配されていた一味を見つけ、警察に通報する。これが三兄弟の末弟アニケートの怒りを買い、ガネーシュは誘拐され、アニケートの船まで運ばれる。だが、ガネーシュは悪漢たちを根こそぎ倒し、アニケートを殺害する。
 ときに、シュウェータの兄アルジュン(Ashwin)はタミルに好意を寄せていたが、結婚を決意し、正式に結婚を申し出る。ガネーシュはこれを認め、アルジュンとタミルの婚約式が行われる。その過程で、シュウェータもガネーシュを愛するようになる。
 アニケートを殺された次兄アビナイは、組織の技術力を駆使して、弟の仇としてガネーシュを特定する。だが、ガネーシュのほうが先手を取ってアビナイのビルディングに乗り込み、悪漢たちを根こそぎ倒し、アビナイも殺害する。ところが、この場面をシュウェータが目撃してしまい、ショックを受ける。ガネーシュはシュウェータに対し、実はタミルは本当の妹ではないと明かす。そして、かつては金のことしか興味がなく、「ヴェーダーラム(魔物)」と呼ばれたヤクザだった自分がどうしてタミルの兄となったか、経緯を語って聞かせる、、。

・その他の登場人物 : ラクシュミ・ダース(Soori),タミルの父(Thambi Ramaiah),タミルの母(Sudha)

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★☆☆
◎ 物 語 : ★★★☆☆
◎ 脚 本 : ★★★★☆
・面白い映画だった。こういうタミル映画らしい単純明快さ、ハチャメチャさ、力強さ、情緒、良心が純粋に詰まった作品を観たのは久しぶり。【Kaththi】(14)以来、約1年ぶりかな。実に旨みのある南インド・ミールスだった。

・ただ、この映画のどこが面白いかを説明するのは難しい。毎度、マサラ娯楽映画のフォーミュラで作られた似たような映画はたくさんあるが、そのうちのいくつかは面白く、他はつまらない作品になる。その分かれ目が何なのかを言うのは難しい。本作も、左脳の見地からだと、ストーリーは単純で特に秀でたものはないし、ロジックも咀嚼しにくい部分が多い。しかし、右脳的見地からは実に面白いのである。

・時々言っていることだが、私はちょっと頭の良い人なら作れそうなメッセージ本位の映画は(たとえ批評家等に評価されても)特に感服しない。インド映画の本質は「見世物」であり、大衆的娯楽だと思っている。もちろん、インテリ層にアピールする映画が悪いとは言わないが、それらはインド映画地図から見れば辺境地であり、誓って言うが、インド映画の王都になることはない。ところが、マサラ娯楽映画のフォーミュラを踏んでいれば、面白い映画が勝手に出来上がるというものでもなく、実は本当に面白いマサラ映画を作ることこそ難しく、監督や技術スタッフ、演技陣の力量が要求される。しかし、一度出来の良いマサラ映画が登場すると(たとえ批評家ウケが悪くても)、信じがたい勢いで観客を集める。本作も、間違いなく今年のタミル映画興収トップ5に入ると思う。

・本作の面白さを言うと、「兄妹のセンチメント」を前面に押し出したことだろう。しかも、その押し出し方が変則的で、実はガネーシュ(Ajith)とタミル(Lakshmi Menon)は本当の兄妹ではなく、にもかかわらずガネーシュはタミルを必死で守り、本当はヤクザなのに、殺されるかもしれない状況においてさえ、タミルの前では「善良な兄」を演じ切ろうとする。そのセンチメントに泣ける。

・さらに、元々は金のことしか関心がなく、非情で「魔物」と呼ばれたヤクザが「善良な兄」に変わるきっかけが「良心」ということなのだが、この「インド的良心」というのはインド娯楽映画の基本テイスト、食材で言えばタマリンドみたいなもので、どんな娯楽映画にも多かれ少なかれ含まれている。その味をどう効かせるかが監督の腕の見せどころだが、本作ではそれが美しく、ユーモアも込めてストーリー化されている。これも本作の評価ポイント。

・しかし、こうさらりとまとめることはできても、やっぱり本作の面白さを言い得ているとは思えない。何か別次元の秘訣があるようなのだが、それが何か分からないので、ここでは「シヴァ監督自身が一種の魔物なのだ」ということにしておこう。

◎ 配 役 : ★★★☆☆
◎ 演 技
・アジット(ガネーシュ役) ★★★★☆
 上で書いたとおり、「非情なヤクザ」と「善良な兄」の2面を、一役なのに二役ぐらいの差で演じ分けている。演じ分けの上手さという点では【Varalaru】(06)に及ばないが、本作では「笑顔」を道具としたのが面白い。
 (写真下:今回はダンスも頑張っていたタラ。)

画像

 しかし、いちいちタミル人の声は聞いていないが、本作のアジットの「笑顔」はあちこちで議論を呼んでいるだろうなぁ。
 (写真下:こんな場面はなかったけど、面白いのでこの写真。)

画像

・ラクシュミ・メーノーン(タミル役) ★★★☆☆
 ヒロインはシュルティ・ハーサンになろうかと思うが、役回り上、より重要だったのは妹タミル役のこのお方。今の南インド映画界で、彼女ほど「タミル」という名の似合う地味娘はいないだろう。

画像

・シュルティ・ハーサン(シュウェータ役) ★★☆☆☆
 いや、ヒロインというよりはコメディー陣の一角になってしまい、本当に気の毒だった。しかも、スーリとのコメディー・トラックは信じがたいほど面白くなかったが、これは彼女だけの責任ではないだろう。今回もセルフダビングしているようだが、彼女の声はやっぱり歌向きだ。

画像

 こんなコスプレの場面もあったらしいが、当方の記憶になし。

画像

・悪役の三兄弟はそれぞれツラ構えが良かったが、最も存在感のあったのは次兄アビナイ役のKabir Duhan Singhだろう。顔が長すぎるのは仕方ないとして、さすがモデル、よく見ればハンサムだぞ。
 (写真下:本作のスチルではありません。)

画像

・タンビ・ラーマイヤとスダーが盲人の夫婦(タミルの両親)を上手く演じている。

・今回も何気に男前で、存在感の薄かったのはアルジュン役のアシュウィン氏。彼の出演作は過去に4本観ているが、いつ見ても初めて見たように錯覚するのはなぜ?

画像

◎ 音 楽 : ★★★★☆
◎ BGM : ★★★☆☆
◎ ダンス : ★★★☆☆
・体重では「ぶタマン」ことS・S・タマンの3分の1しかなさそうなアニルドくんなのに、その音楽はタマンのと同じくらいエネルギッシュなのに毎度驚く。ちなみに、‘Aaluma Doluma’というノリの良い曲で「アールマ、ドールマ」と景気よく歌っていたので、コインバトール出身のタミル人に意味を尋ねたら、「チェンナイのローカル方言なので、よく分かりません」と言われた。

◎ アクション : ★★★★☆
◎ 美 術 : ★★★☆☆
◎ 衣 装 : ★★★★☆
◎ 撮 影 : ★★★★☆
◎ 編 集 : ★★★☆☆
・いくら国際マフィアとはいえ、コールカーターの街の中にペンタゴンも真っ青なハイテク・アジトを持っているとは、のけ反りものだった。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★★☆
◆ 必見度 : ★★★★☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 11月14日(土),公開第2週目
・映画館 : Gopalan Cinemas (RR Nagar),16:30のショー
・満席率 : 7割
・場内沸き度 : ★★★★☆

 

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
【Vedalam】 (Tamil) カーヴェリ川長治の南インド映画日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる