カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Nenu.. Sailaja...】 (Telugu)

<<   作成日時 : 2016/01/12 21:30   >>

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 テルグ映画といえば、強烈なアクション映画と並んで、【Nuvvostanante Nenoddantana】(05)や【Bommarillu】(06)、【Kotha Bangaru Lokam】(08)など、家族みんなで楽しめるハートウォーミングなロマンス映画の名産地でもあったはずだが、近ごろそのジャンルに名作が出ない。いや、【Life is Beautiful】(12)や【Anthaka Mundu Aa Tarvatha】(13)など、良いのがないわけではないし、私が観逃しているのも多いと思うが、なかなか傑作と呼べる作品に出会えていない。それで、「テルグの秀作ロマンスを探せ」が私の最近のテーマになっている。

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 そんな期待に応えそうなのがこの【Nenu.. Sailaja...】だった。「ラーム主演でそれはないでしょ、、」という声も聞かれそうだが、私が注目したのはヒロインを演じるキールティ・スレーシュ。テルグ映画にこの地味キャラを持って来たということは、監督に策あり、でしょ。

【Nenu.. Sailaja...】 (2016 : Telugu)
物語 : Anand Chowdary Yaramati
脚本・監督 : Kishore Tirumala
出演 : Ram, Keerthy Suresh, Sathyaraj, Rohini, Pradeep Rawat, Dhanya Balakrishna, Prince, Srimukhi, Naresh, Pragathi, Rajasree Nair, Vijayakumar, Krishna Bhagavaan, Chaitanya Krishna, Vamsi Krishna, Sudigali Sudheer, その他
音楽 : Devi Sri Prasad
撮影 : Sameer Reddy
編集 : Sreekar Prasad
制作 : Ravi Kishore

題名の意味 : 私.. シャイラジャ...
映倫認証 : U
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : ロマンス
公 開 日 : 1月1日(金)
上映時間 : 2時間15分

《 あらすじ 》
 アラク渓谷に暮らす小学生のハリは両親(Naresh & Pragathi)と双子の妹との4人家族。ハリは近所に住むシャイルー(シャイラジャ)のことが気に掛かる。シャイルーは母(Rohini)と兄のアショークと暮らしていた。父のシュリーヌ(Sathyaraj)は仕事のためあまり家に帰って来なかった。シャイルーの誕生日にも帰って来なかった。そして、帰って来たと思ったら、お土産にサイズ違いの指輪を買って来るし、誤ってペットの犬をひき殺すしで、シャイルーは父のことを嫌っていた。ハリは、いつも仏頂面しているシャイルーを何とか笑わせようとする。だが、ハリは家族ごとヴィシャーカパトナムに引っ越すことになり、初恋の相手シャイルーともお別れになる。
 成人したハリ(Ram)はヴィシャーカパトナムでディスクジョッキーをしていた。彼は惚れる女性に片っ端からプロポーズしては、ビンタを食らわされていた。それで、今や告白恐怖症に陥っていた。そんな折にハリはシャイラジャ(Keerthy Suresh)と出会い、一目惚れする。しかし、またビンタを恐れて告白できない。シャイラジャもハリのいくつかの行動から、彼に強く惹かれるようになる。
 広告会社に勤めていたシャイラジャは、広告フィルム撮影のためにゴアへ行く。これにハリも同行する。ハリはシャイラジャの作る広告の内容から、彼女が実は子供時代に好きだったシャイルーだと知る。ヴィシャーカパトナムに戻ったハリは、シャイラジャを自宅に招待する。シャイラジャも、ハリの部屋にあった子供時代の写真から、ハリが誰だか気付く。二人の関係は急接近するかに見えたが、なぜか突然シャイラジャが音信不通になる。
 ハリは何とかシャイラジャと連絡を取り、ビーチで会うことにする。そこでハリはシャイラジャにプロポーズするが、彼女は「I love you, but I am not in love with you」という謎めいた言葉を残して、去って行く。
 失恋で落ち込むハリだが、彼は双子の妹(Srimukhi)が密かに男と交際しているのを目撃する。問い詰めると、驚いたことに、その男はシャイラジャの兄のアショーク(Prince)だった。そして、アショークから、シャイラジャはいとこ(Chaitanya Krishna)と婚約したと知らされる。シャイラジャとその家族は結婚準備のために田舎のアラク渓谷へ戻るところだった。ハリはアショークに、妹との恋を成就してやるとの名目で、シャイラジャの家族に同行する。もちろん、真の目的は自分とシャイラジャの恋の成就だった。だが、シャイラジャの婚約の背景には、この家族の難しい人間関係があり、ハリはシャイラジャを自分のものとするためには、こうした問題を片づけなければならなかった、、。

・その他の登場人物 : キールティ(Dhanya Balakrishna),マハールシ(Pradeep Rawat),シャイラジャの祖父(Vijayakumar),シャイラジャのおば(Rajasree Nair)

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★☆☆
◎ 物 語 : ★★★☆☆
◎ 脚 本 : ★★☆☆☆
・「監督に策あり」という私の読みは当たったということにしておこう。シャイラジャ役のキールティ・スレーシュの地味さ、聡明なイメージが、本作のフレッシュさを醸し出す上でいかほど効いていることか。ハリ役のラームも、通常のコミック・キャラを離れて(多少コミック的ではあったが)、良い感じに「好青年」を演じている(ファンには物足りないかも)。この点、監督のキショール・ティルマラはうまくやっている。

・ただ、残念ながら、全体としてはテンポが遅く、退屈な感じの作品だった。ランタイムが2時間15分と短めでありながら、なおムダな登場人物、シーンがあり、脚本が練り切れていないように感じた(特に、ヴァムシ・クリシュナ演じるランド・マフィアの件)。

・それでも、この種の家族/ロマンス映画に必須の涙腺が緩むような場面はいくつかあり、観終わった後の気持ちは好い。台詞も良さげなので、それなりに客は集めると思う。

・主人公が惚れた女との恋を成就するために、相手の家族にまで乗り込み、その家の問題を解決して、娘をゲットするという、テルグ映画によくあるパターンの物語。新鮮味はないが、この家族の問題の設定と解決の仕方が堅実にまとめられていて、ここは良かった。

・鍵となる重要登場人物が実はシャイラジャの父のシュリーヌ(Sathyaraj)。この人物はビジネスがうまく行かず、父(シャイラジャの祖父)の不興を買い、家出をして家族とは疎遠になっていた。で、家族を再び結合するために、妹(シャイラジャのおば)が自分の息子(シャイラジャのいとこ)とシャイラジャを結婚させたいと提案し、渋々これに同意することになる。シャイラジャは家族結合の人身御供となってしまうわけだが、ノーとは言えず、ハリとの関係をあきらめる。そこでハリがこの父と祖父の関係を改善し、、、という展開になる。(あちこちハッピーエンドで良かったが、一人アンハッピーなシャイラジャのいとこが気に掛かる。)

・ただ、映画の冒頭で少女時代のシャイラジャは父が嫌いで、大人になってもそのように描かれていたので、これは父嫌いの彼女が結婚して家庭を持つということに抵抗を感じており、それがハリへの愛との葛藤となり、結局ハリを遠ざける、、で、それをハリないしは本人がどうやって解決していくか、というのがドラマの核になるだろうと予想し、それを期待したのだが、そっちへは行かず、結局「個人的な愛か、家族か」というインド映画定番のテーマに収まってしまった。これは私的には残念だった。

・面白かったのは、DJのハリがクラブに来ていた女性客と投合し、ホテルの一室まで至り付くのだが、女が単に「ワンナイト」だけの関係を求めているのを知り、そりゃダメだよ、と去って行くシーン。南インド的だと思った。

・「指輪と弓矢」のモチーフも良かった。

◎ 配 役 : ★★★☆☆
◎ 演 技
・ラーム(ハリ役) ★★★☆☆
 「エナジェティック・スター」の冠タイトルを戴くラームだが、本作ではエネルギー控えめ。でも良かった。ただ、エネルギーのほうは欲求不満の捌け口を求めていたようで、髭はいつもより濃かった。

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・キールティ・スレーシュ(シャイラジャ役) ★★★☆☆
 注目していたのは彼女のパフォーマンス。上で書いたとおり、本作の役柄、ムードとはマッチしており、好印象。彼女を映画館で見たのはマラヤーラム映画【Geethaanjali】(13)だけで、その鑑賞記で「好みのタイプ」と記しておいたが、ディスクで観たタミル映画【Idhu Enna Maayam】(15)で私の「お気に入り」のゾーンに。次の【Rajini Murugan】も観ちゃおかな。
 (写真下: 映画では地味キャラだったので、派手めの写真を。本作のCD発表セレモニーで。)

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・サティヤラージ(シャイラジャの父役) ★★★☆☆
 父に認められず、娘にも嫌われ、不本意な思いの中でも黙々と仕事にハゲむ寂しい親父をやはり上手く演じていた。ちなみに本作ではヅラ着用の役だった。

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・プラディープ・ラーワトがコミカルなラウディという面白い役柄だった。あまり効いていなかったけど。

・シャイラジャの兄アショーク役の俳優はPrince Cecilというカッコいい名前だった。

◎ 音 楽 : ★★★☆☆
◎ BGM : ★★★☆☆
◎ ダンス : ★★★☆☆
・DSPの音楽はいつになく低調に聴こえたが、それでも感動のツボは押さえていた。

・ダンスも、予算が乏しいのか、テルグ映画らしいリッチさが乏しく、カンナダ映画?と思えるような作りのものもあったが、悪くはなかった。

◎ アクション : ★★★☆☆
◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★☆☆
◎ 編 集 : ★★☆☆☆
・アクション・シーンを入れなければならない映画でもなかったが、それでも入れてしまうのがテルグ映画かな。

◎ その他(覚書)
・物語の田舎の場面はアラク渓谷。実際に同地でロケが行われたかどうかは知らないが、きれいな所だった。ヴィシャーカパトナムの場面では灯台が印象的だったが、どの灯台か特定できず。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★☆☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 1月9日(土),公開第2週目
・映画館 : Bhumika,10:30のショー
・満席率 : 1割
・場内沸き度 : ★★★☆☆

 

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