カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Miruthan】 (Tamil)

<<   作成日時 : 2016/03/10 20:15   >>

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 タミルのジェイヤム・ラヴィは男前で体格も良いのに、ヴィクラム、ヴィジャイ、アジット、スーリヤ、ダヌシュの線に並ぶことができず、忘れられがちなスターであったが、昨年の【Thani Oruvan】の大ヒットで一気に存在感を増した。前作の【Bhooloham】(15)も成功したようで、今最も勢いに乗っているタミル・スターかもしれない。

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 そんなラヴィの新作は「タミル初のゾンビ映画」と謳った【Miruthan】。脂の乗ったラヴィのゾンビとの戦いとは、これは見ものである。
 題名の「Miruthan」は、タミル人に聞いたところ、「戦士」という意味の古いタミル語らしいが、「mirugam(獣)」と「manithan(人)」の2語を合わせた造語でもあるらしい。それだと「獣人」ということになるか。

【Miruthan】 (2016 : Tamil)
脚本・監督 : Shakti Soundar Rajan
出演 : Jayam Ravi, Lakshmi Menon, Kaali Venkat, R.N.R. Manohar, Amit Bhargav, Jeeva Ravi, Sriman, Darshan Pandya, Crane Manohar, Anikha Surendran, 他
音楽 : D. Imman
撮影 : S. Venkatesh
編集 : K.J. Venkat Ramanan
制作 : S. Michael Rayappan

題名の意味 : 戦士(獣人)
映倫認証 : U/A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : スリラー
公 開 日 : 2月19日(金)
上映時間 : 1時間46分

《 あらすじ 》
 ウーティで交通警察官をしているカールティク(Jayam Ravi)は、両親とは死別しており、妹のヴィディヤ(Anikha Surendran)と二人暮らしだった。彼は女医のレーヌカー(Lakshmi Menon)に惚れていたが、レーヌカーはラヴィのことを堕落した警官ぐらいにしか見ていなかった上、すでに医師のナヴィーン(Amit Bhargav)と婚約していた。それでラヴィは気持ちを封印したままだった。
 ラヴィの町で異変が起きる。産業廃棄物の汚水を飲んだ野良犬が未知のウィルスに感染してゾンビ化し、その犬に噛まれた人間もゾンビ化し、そのゾンビに噛まれた人もゾンビ化するというふうに、町は瞬く間にゾンビで溢れかえってしまう。ラヴィのアパートもゾンビに襲われ、妹ヴィディヤが行方不明となる。
 町はパニックとなり、警察は町からの人の出入りを禁止する。しかしラヴィは連絡を受け取り、女医レーヌカーも一員である医師グループを近隣都市のコインバトールまで運ぶことになる。同地の病院でゾンビ・ウィルスに効くワクチンを開発するためである。これにはラヴィの同僚のマライ(Kaali Venkat)、レーヌカーの父の大臣グルムールティ(R.N.R. Manohar)、そしてグルムールティが保護(実は誘拐)していたヴィディヤも加わり、一同は救急車でコインバトールへ向かう。
 しかし、コインバトールもすでにゾンビに侵されていた。一同は何とかビルの中に逃げ込む。目的地の病院はそのビルと道を隔てた向かいにあったが、その道もゾンビでびっしり塞がれていた、、。

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★☆☆
◎ 物 語 : ★★☆☆☆
◎ 脚 本 : ★★☆☆☆
・映画開始5分、犬や人がゾンビ化して「ギャー」となる段階では観に来たことを激しく後悔したが、結果的には面白かったし、満足できた。「タミル初のゾンビ映画」が成功だったかどうかは別として、観ておいてもいいと思う。

・「ゾンビ映画」として見るならば、出来は凡庸だと思う。というより、特筆すべきことは何もない。ゾンビの定義もよく分からないし(物語中では簡単な説明しかなかった)、ゾンビの造形も外国映画からそのままパクってきたようなものだし、ストーリー、脚本も単純すぎて、SFとしてしっかり知恵を絞った跡もない。それでも面白いと思ったのは、外国起源のゾンビ映画を興味深い形でインド化(タミル映画化)しているからだ。思ったことを2点だけ挙げておく。

・1点は、インド的な雑多感が感じられたこと。物量作戦と言うか何と言うか、ゾンビがゾンビを生み、わらわらと押し寄せるゾンビの数が半端じゃなかった。これはもしや、、(インド人一般をゾンビ扱いするわけではないが、)私が初めてインドを旅行した際に、空港や駅で客引きやタクシー運転手がわらわらと押し寄せて来たときに感じた恐怖感と同じじゃないか!
 (写真下: 映画中では気にならなかったが、静止画像で見ると、何だか間抜けだな。)

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・それに、ゾンビといってもそこはタミル、ルンギをはいている奴がいたりして、楽しかった。しかし気に掛かったのは、圧倒的に男のゾンビが多かったことだが、これは不公平だぞ。
 (写真下: 左、野良犬のゾンビ。すべてはここから始まった。右、わざわざゾンビになるためにインドに呼ばれた白人女性。)

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・で、その集団ゾンビを退治するために、殴るわ蹴るわ銃を撃ちまくるわの暴力シーンがほとんど快感のレベルだった。

・2点目は、ヒロイズム、兄妹センチメントなど、タミル映画的要素がしっかり盛り込まれていたこと。(といって、本作は歌やコメディーなどは控えめで、いわゆるマサラ映画というのではないので、欲張りなタミルの大衆なら物足りないかもしれない。)

・要は、これだけまずいストーリー、脚本でも面白かったのは、ジェイヤム・ラヴィのヒロイズムが効いていたということだろう。国であれ、家族であれ、好きな女であれ、それを守るために体を張って戦う男のカッコよさ。私は、インド映画のヒーローがヒーローたるべき基準の一つが、ヒロインの手をしっかり掴んでいかにカッコよく走れるかだと思っているが、本作のラヴィはそれができていた。

・兄妹センチメントという定番も本作はうまく行っている。ラヴィの妹のヴィディヤがレーヌカーに「お兄ちゃんの財布の中にお兄ちゃんの好きな女の人の写真があるから、その人とお兄ちゃんを一緒にしてあげて」と、切々と訴える場面は泣けた。

◎ 配 役 : ★★★☆☆
◎ 演 技
・ジェイヤム・ラヴィ(カールティク役) ★★★★☆
 男前だった。たかだか田舎の交通警察官にしては強すぎる気もしたが。
 (写真下: 左、カッコよく見えるが、実は事なかれ主義の警官だった。右、銃器を持つ姿が様になっていた。)

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 なぜか歌も歌ってた。

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・ラクシュミ・メーノーン(レーヌカー役) ★★★☆☆
 製作費のほとんどがゾンビ関連で息切れしたのか、ヒロイン以下のキャスティングはかなり手抜きだった。それでも、きちんと役を作れるラクシュミ・メーノーンを起用したのは正解だった。
 (写真下: やっぱりコスプレは欠かせない。)

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・カーリ・ウェンカト(マライ役) ★★★☆☆
 例によって、主人公の友人で間抜けな警官を好演している。「惜しかった!(Just miss!)」の台詞が効いていた。やっぱりこの人はこんな役がお似合いで、【Irudhi Suttru】(16)の父親役はミスキャストだったと思う。

・ベビー・アニカー(ヴィディヤ役) ★★★☆☆
 妹ヴィディヤを演じたのは【Yennai Arindhaal...】(15)、【Naanum Rowdy Dhaan】(15)などでお馴染みのアニカーちゃん。
 (写真下: マライ役のカーリ・ウェンカトと。)

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◎ 音 楽 : ★★★☆☆
◎ BGM : ★★★☆☆
・D・イマーンの音楽はカッコよかったが、聞かせどころはクライマックスの歌ぐらいだった。

◎ アクション : ★★★☆☆
◎ 美 術 : ★★★☆☆
◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★☆☆☆
◎ 特殊効果 : ★★☆☆☆
◎ 編 集 : ★★★☆☆
・視覚が重要な映画でありながら、撮影、グラフィックスが弱かったように感じた(安っぽいところが味わいとも言えるが)。

◎ その他(覚書)
・(追記)本作もパート2を示唆する終わり方だった。

◆ 完成度 : ★★☆☆☆
◆ 満足度 : ★★★★☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 3月6日(日),公開第3週目
・映画館 : PVR (Forum, Koramangala),10:40のショー
・満席率 : 5割
・場内沸き度 : ★★★☆☆
・備 考 : 英語字幕付き

 

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