カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Aarathu Sinam】 (Tamil)

<<   作成日時 : 2016/03/22 22:16   >>

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 タミル俳優のアルルニディは目立たない存在だが、私的には【Vamsam】(10)と【Mouna Guru】(11)で好印象を持っている。演技が上手いとはさらさら思わないし、スター・パワーもなきに等しいが、寡黙な侍的風貌が気に入っている。しかも彼は、タミルのパワー・ファミリー、カルナーニディ家の一員でありながら、派手なところがちっともないのがいい。私はウダヤニディ・スターリンが嫌いなので、この一族から誰か一人を支持するとすれば、勢いこのアルルくんになってしまう。

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 そんなわけでこの【Aarathu Sinam】を観ることにしたが、本作の監督が【Eeram】(09)を撮ったアリワラガンだというのも押しだった。あのひたひたと冷たげな【Eeram】の監督と、むっつりアルルくんが組んだクライム・スリラーなら、暑い夏にぴったりじゃないか!

【Aarathu Sinam】 (2016 : Tamil)
物語 : Jeethu Joseph
脚本・監督 : Arivazhagan
出演 : Arulnithi, Aishwarya Rajesh, Aishwarya Dutta, Radha Ravi, Robo Shankar, Charlie, Tulasi, Gaurav Narayanan, R.N.R. Manohar, Ramesh Thilak, Anupama Kumar, 他
音楽 : S.S. Thaman
撮影 : Aravinnd Singh
編集 : Rajesh Kannan S.
制作 : N. Ramasamy

題名の意味 : 鎮まらない怒り
映倫認証 : U/A
タ イ プ : リメイク
ジャンル : クライム・スリラー
公 開 日 : 2月26日(金)
上映時間 : 2時間14分

《 あらすじ 》
 アラヴィンド(Arulnithi)はマドゥライで敏腕警官として知られていたが、恨みを買ったヤクザに妻のミア(Aishwarya Rajesh)と娘のミヌを殺されて以来、酒浸りの日々を送っていた。彼は母(Tulasi)と二人で暮らしていたが、近々結婚を控えたアルジュンという弟もいた。
 この街で2件の誘拐殺人事件が起きる。警察が捜査を始めるが、担当の2人の警官(Robo Shankar & Charlie)が無能で、手掛かりさえつかめなかった。そこで、署長のセーンゴーダン(Radha Ravi)は、酒浸りの生活から更生させる意図もあって、アラヴィンドに捜査を依頼する。アラヴィンドは最初これを断るが、母に説得され、引き受けることにする。
 アラヴィンドは現場での物証や検死報告書より、2件の事件に共通点を見出す。それは、被害者は結婚して間もない男性で、居住地から遠く離れた場所でその遺体が吊るされていたこと、両事件は同一人物の犯行と推理されたが、犯人は脚に障害を抱えているらしいことなどだった。
 アラヴィンドは、被害者の遺体の吊るされ方がイエス・キリストの磔刑のイメージであることに気付く。また、被害者の胸に刃物で刻まれた文字が謎だったが、それがアラム文字であることを突き止め、判読した結果、聖書の章節番号であることが分かる。そうこうしているうちに、同じ手口の3件目の遺体が発見される。
 アラヴィンドはさらに、聞き取りから被害者の妻たちがすべて同じ大学に通っていたことを知る。これらの手掛かりと推理から、サントーシュという名の男が容疑者として浮かび上がるが、この人物についても確たる情報は得られなかった。
 不幸なことに、4件目の殺害が予想された形で起きてしまう。アラヴィンドは犯人の5人目のターゲットを推理するが、それは思いがけない人物だった、、。 

・その他の登場人物 : ジャーナリストのワルシャ(Aishwarya Dutta)

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★☆☆
◎ 物 語 : ★★★☆☆
◎ 脚 本 : ★★★☆☆
・実は鑑賞した後で知ったのだが、本作はジートゥ・ジョーセフ監督、プリトヴィラージ主演のヒット・マラヤーラム映画【Memories】(13)のリメイクだった。最近はリメイク映画を観ないようにしているので、そうと事前に知っていたなら、観なかったかもしれない。

・オリジナルの【Memories】は観ていないので比較はできない。ただ、本作はスピーディーな展開、夜や雨のシーンに重きを置いた陰影のある映像、犯罪にまつわるキモいイメージなど、最近のタミル・スリラーの特徴が揃っていたので、とてもマラヤーラム映画がオリジナルだとは思えなかった。この辺、アリワラガン監督がうまくタミル化しているのか、そもそも原作がそうだったのか、気になる。

・なかなか面白いスリラーで、期待したぐらいの満足感はあった。しかし、本作を見る限り、本作が【Memories】ほどの大ヒット作になるとは想像しにくい。オリジナルとの比較はできないが、いくつかの点で不備があるようだ。

・1つは、後半はスリリングな展開で良かったが、前半がもたつく感じだった。アラヴィンド(Arulnithi)の妻と娘を巡る回想シーンの入れ方が上手くなかった(妻役のアイシュワリヤー・ラージェーシュは良かったけど)。無能な2人の警官(Robo Shankar & Charlie)が出てくるシーンはコメディー・トラックなのだが、昔風のコメディーにすまいとした結果、全然面白くないものになってしまった(ロボ・シャンカルが上手くない)。

・犯人が意図的に現場に証拠(被害者の関係者や警察などに対するメッセージ)を残し、殺人を繰り返していくというタイプのクライム・スリラーで、本作は磔刑に処されたイエスのイメージやアラム語がネタに使われていた。このアイデアは面白い。

・ただ、なんだかすごく謎めいた気味の悪い事件なのに、これほどの事件を起こしたい犯人の動機がいまいち説得力がなく、また犯人の見せ方も隠しすぎたように思う。終盤があっけなかった。

・主人公の警官アラヴィンドをアル中と設定しなければならない理由もよく分からなかった。

◎ 配 役 : ★★★☆☆
◎ 演 技
・アルルニディ(役) ★★★☆☆
 アル中だがデキる警官をなんとか合格点で演じている。良かったとは思うが、この役をやるにはまだ若すぎるように感じた。プリトヴィラージならもっと、、、とつい想像してしまう。
 (写真下: やはりむつっとした感じが良かったアルルくん。)

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・アイシュワリヤー・ラージェーシュ(ミア役) ★★☆☆☆
 キリスト教徒だが、ヒンドゥー教徒と結婚したミアを演じている。ヒロインというのでは全然なく、主人公の回想シーン限定のカメオ的な出演だった。しかし、【Kaaka Muttai】(15)とはうって変わって、化粧をばんばんしてきれいに撮ってもらっていた。個人的には好き。
 (写真下: 真ん中の娘が両親とは全然似ていないのだが。)

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・アイシュワリヤー・ダッター(ワルシャ役) ★★☆☆☆
 本作には偶然アイシュワリヤーがもう一人いて、こちらのアイシュさんも割と可愛かった。ただ、もっと重要な役回りを演じるかと思いきや、しれっとフェードアウトしていた。残念。

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・ラーダー・ラヴィがいつになく出番が多かった。

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◎ 音 楽 : ★★★☆☆
◎ BGM : ★★★☆☆
・タマンくんの音楽は良かったのだが、2人の警官が出るコメディー・シーンのBGMはそぐわなかった。

◎ アクション : ★★★☆☆
◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★★☆
◎ 編 集 : ★★★☆☆
・メイン・ストーリーでの色調を抑えた映像が渋くて良かった。

・フラッシュバックを多用した編集も良かった(ちょっとやりすぎだったけど)。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★☆☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 3月20日(日),公開第4週目
・映画館 : Cinepolis (ETA Mall),13:20のショー
・満席率 : 1割
・場内沸き度 : ★☆☆☆☆

 

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