カーヴェリ川長治の南インド映画日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 【A Aa】 (Telugu)

<<   作成日時 : 2016/06/07 23:09   >>

ナイス ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 2

画像

 この週末は観たい映画が数本あり、どれにするか迷ったが、明るそうな映画が観たい気分だったので、トリヴィクラム監督のテルグ映画【A Aa】にした。主演はお猿のニティン。ヒロインはサマンタだが、マラヤーラム映画【Premam】(15)で強い印象を残したアヌパマ・パラメーシュワランにも注目したい。
 なお、本作の公開は金曜日ではなく、1日前の6月2日(木曜日)だったが、これはテランガーナ州の創立記念日に合わせた模様。

【A Aa】 (2016 : Telugu)
脚本・台詞・監督 : Trivikram Srinivas
出演 : Nithin, Samantha Ruth Prabhu, Nadhiya, Naresh, Anupama Parameshwaran, Ananya, Hari Teja, Easwari Rao, Rao Ramesh, Ajay, Srinivas Avasarala, Srinivasa Reddy, Posani Krishna Murali, Giri Babu, Raghu Babu, Praveen, Jayaprakash, Shakalaka Shankar, Sana, その他
音楽 : Mickey J. Meyer
撮影 : Natarajan Subramaniam
編集 : Kotagiri Venkateswara Rao
制作 : S. Radha Krishna

題名の意味 : ア、アー
映倫認証 : U
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : ロマンス/コメディー
公 開 日 : 6月2日(木)
上映時間 : 2時間34分

《 あらすじ 》
 ハイダラーバードに暮らすアナスーヤ(Samantha)は裕福な家庭の一人娘。父のラーマリンガム(Naresh)はアナスーヤのことをよく理解し、サポートしていたが、実業家の母マハーラクシュミ(Nadhiya)は強圧的で、アナスーヤに何一つ自由にさせようとはしなかった。結婚のことも、母はアナスーヤと富豪バナルジー(Giri Babu)の息子シェーカル(Srinivas Avasarala)との縁談を進める。それが嫌でアナスーヤは自殺未遂を図るが、そんなことでひるむ母ではなかった。
 ある日、母マハーラクシュミがチェンナイへ出張に行った際に、父ラーマリンガムは密かにアナスーヤをマハーラクシュミの故郷へ行かせる。それはヴィジャヤワーダ近くのカーラワプーディ村にあり、マハーラクシュミの義姉(Easwari Rao)とその子供たちが暮らしていた。アナスーヤは付き人のマンガンマ(Hari Teja)を伴い、列車に乗り込むが、そこでアーナンド・ヴィハーリ(Nithin)という男と知り合い、惹かれるものを感じる。実はアーナンドはマハーラクシュミの義姉の息子で、アナスーヤとはいとこに当たる人物だった。
 村に到着したアナスーヤとマンガンマは、アーナンドの手引きでおばの家に滞在する。この家にはアーナンドの妹たちも暮らしており、その一人がバーヌマティ(Ananya)だった。アーナンドはバーヌマティの結婚を気に掛けていた。
 この村には地主のパッラム・ウェンカンナ(Rao Ramesh)がおり、アーナンドの家族は彼から多額の借金をしていた。その娘ナーガワッリ(Anupama Parameshwaran)はアーナンドに惚れていたため、パッラムはアーナンドに娘と結婚するよう迫っていた。そんなところへアナスーヤが出現し、アーナンドといちゃつくものだから、ナーガワッリは激しく嫉妬する。
 秘書ゴーパール(Srinivasa Reddy)のタレこみで、マハーラクシュミはアナスーヤが勝手に家を出たことを知り、急遽チェンナイからハイダラーバードに戻ろうとする。その情報をキャッチしたアーナンドは、母が到着する前に、アナスーヤを車で自宅まで送り届ける。
 村ではパッラムが借金帳消しの代わりにアーナンドにナーガワッリとの結婚を迫っていた。それでアーナンドの母がショックで倒れ、ハイダラーバードの病院に入院する。偶然その病院を訪れたアナスーヤはアーナンドやバーヌマティと再会する。だが、この一連の出来事がきっかけで、マハーラクシュミはアナスーヤが故郷に行き、義姉の家族と交流していたことを知って、激怒する。実はマハーラクシュミと義姉の間には過去から強い確執があり、ずっと疎遠になっていたのである、、。

・その他の登場人物 : アーナンドの父/マハーラクシュミの兄(Jayaprakash)

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★☆☆
◎ 物 語 : ★★★☆☆
◎ 脚 本 : ★★★☆☆
・明るい映画を観て、気持ちをリフレッシュしたいという意図があったので、その点では満足した。前半のアナスーヤ(Samantha)が母の故郷に滞在するシーンはすごくきれいに、気持ちよく撮られている。しかし後半はストーリーの起伏が少なく、妙にセンチメンタルになり、ドラマ的要素も作為的になって、あまり良くない。クライマックスは感動できたが、今思えば、無理があるようだった。

・トリヴィクラム監督にしては出来事の少ない、大人しい作品で、ストーリーも基本的に台詞中心で進むので、テルグ語が分からないと、きつい。

・しかし、個人的に感慨深かったのは、あのマヘーシュ・バーブ、パワン・カリヤーン、アッル・アルジュンらを擁してけれんみの強いアクション映画を撮ってきたトリヴィクラム監督も、落ち着いた映画を作るようになったなぁということだ。派手なアクションも、仰々しいコメディーもなく、地に足着いた家族ドラマだった。【Attarintiki Daaredi】(13)辺りから方向転換したようだが、インド映画にとって普遍的な家族問題を、まさに「Old wine in a new bottle」といった形で映画にしている。家族ドラマとしては堅実に作られている。

・ただ、台詞主体の、ストーリーもメッセージもシンプルな家族ドラマに2時間34分も費やす必要があるのかなぁ、という疑問はある。

・内容的には、過去の経緯から長年に亘って疎遠になっていた二家族を、主要登場人物(この場合はアーナンド)が結び合わせるという、インド映画に定番のテーマ。しかし本作が新しいと思えたのは、対立するのが「男」同士ではなく、「女」の意地の張り合いということだった。まずマハーラクシュミ(Nadhiya)と義姉(Easwari Rao)の対立が物語の根底にある。それに加えて、マハーラクシュミと娘アナスーヤ(Samantha)の対立が物語の効き目になっている(このマハーラクシュミの強圧的な態度と、それに対するアナスーヤのリアクションは面白い)。そんなわけで、本作は女性中心の映画だと言える(主人公に存在感の乏しいニティンを持ってきたのも肯ける)。

・しかし、それが新しいと思ったが、本作はヤッダナプーディ・スローチャナー・ラーニという人の書いた‘Meena’という古い小説を下敷きとしたものだった。同小説は同じく【Meena】という題名で1973年にクリシュナ主演で映画化もされている。なので、それほど新しい内容でもないのかなと思われるが、たぶんトリヴィクラム監督はかなり現代的に翻案しているのだろう(私は当然原作は読んでいないし、【Meena】も観ていない)。

・もう一つ、「都会 vs 田舎」という対立構図も面白く描かれていた。

・題名の「A Aa」はよく分からないが、物語中でアナスーヤの付き人マンガンマ(Hari Teja)がアーナンドの名前を聞き、「アナスーヤとアーナンド、、、ア、アーね」という台詞があった。この「ア、アー」というのに何か特別な意味があるのかどうか、知らない。参考に、題名に「アナスーヤ・ラーマリンガム対アーナンド・ヴィハーリ」というタグが付いている。

◎ 配 役 : ★★★★☆
◎ 演 技
・ニティン(アーナンド役) ★★★☆☆
 ニティンも最近は(ニティヤのおかげで)ヒット作に恵まれるスターの仲間入りをしたわけだが、上で書いたとおり、この人の不器用さ、存在感の乏しさは本作にはナイス・キャスティングだった。(彼の名前のアルファベット綴りは最近「Nithiin」としているようだ。)

・サマンタ(アナスーヤ役) ★★★★☆
 最近関心を失っていたが、タミル映画【24】(16)のおかげでサマンタに対する愛が沸々と甦ってきた私だが、本作も満足できるものだった。3作連続でトリヴィクラムの作品に出演するとは、えらく監督に愛されたもんだ(嫉妬)。吹き替えは例によってチンマイさんだった。
 (写真下: このとろ〜んとした三白眼がたまりません。)

画像

・ナディヤ(アナスーヤの母役) ★★★☆☆
 美貌の、しかしコワすぎる母親を好演。

画像

・ナレーシュ(アナスーヤの父役) ★★★☆☆
 最近ちょくちょく見かけるオジサンだが、本作ではかなり好印象。脇役俳優として重宝されそうだ(写真上の左)。

・アヌパマ・パラメーシュワラン(ナーガワッリ役) ★★★☆☆
 注目していたが、出番が短い割に、それなりのインパクトはあった。彼女はケーララ人のはずだが、驚いたことに、アフレコも自分でやったらしい。(サマンタもちょっとは見習え!)
 (写真下: ほとんどシュールパナカー状態だった。)

画像

 ところで、アヌパマ・パラメーシュワランといえば、ざわざわっとした髪が特徴的なはずだが、本作のオーディオCD発表セレモニーではこんな髪になっていた。

画像

・アナンニャ(バーヌマティ役)
 我が「Naadodigal」娘も泣かず飛ばずで、テルグ映画でヒーローの妹役をやるまでになっちゃったのね(泣
 (写真下: 本作のスチルではありません。)

画像

・その他脇役陣では、アナスーヤの付き人マンガンマ役のハリ・テージャが目立っていた。パッラム・ウェンカンナ役のラーウ・ラメーシュも持ち味が出ていた。シュリーニワース・アワサラーラは無駄遣い。

◎ 音 楽 : ★★★★☆
◎ BGM : ★★★★☆
◎ ダンス : ★★☆☆☆
・ダンスの振り付けには特に感銘は受けなかったが、ミッキー・J・メイヤーの音楽は良かった。特に前半の4曲はアイデアも面白く、挿入のタイミングも良い。

◎ アクション : ★★★☆☆
◎ 衣 装 : ★★★★☆
◎ 撮 影 : ★★★★☆
◎ 編 集 : ★★☆☆☆
・アクションは小規模なのがいちおう3回ぐらいあった。

◎ その他(覚書)
・物語の舞台は、ハイダラーバードはおそらくベーガンペートの近く(その鉄道駅を利用していた)。田舎はヴィジャヤワーダ近くのカーラワプーディ村となっていたが、これはどうやら実在する村らしい。ただし、撮影はケーララ州のポッラーチでも行われた模様。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★☆☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 6月5日(日),公開第1週目
・映画館 : INOX (Jayanagar),12:45のショー
・満席率 : ほぼ満席
・場内沸き度 : ★★★☆☆

 

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
えーと些細なことではありますがポッラーチは行政管区上ではTNにあります。ケーララとの州境までは数十キロしかありませんが。
メタ坊
2016/06/10 10:07
あ、すみません、そうでしたね。ご訂正、ありがとうございます。
 
カーヴェリ
2016/06/10 16:08

コメントする help

ニックネーム
本 文
【A Aa】 (Telugu) カーヴェリ川長治の南インド映画日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる