カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Karvva】 (Kannada)

<<   作成日時 : 2016/06/28 22:05   >>

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 今年に入ってサンダルウッドは好調で、【Killing Veerappan】【Last Bus】【Ricky】【Kiragoorina Gayyaligalu】【Thithi】【U Turn】【Godhi Banna Sadharana Mykattu】などの良作が連続し、批評家からもファンからも「カンナダ映画は変わった」との声がしばしば上がっている。これらがすべて凄い映画かと聞かれると、私は口を閉ざすが、しかしこれらが批評家受けしただけでなく、興業的にもヒットしている事実は注目に値する。

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 上の7作品と並んでよく名前を挙げられるのがこの【Karvva】。それで、前々から観たいとは思っていたが、なかなか手が回らず、やっと公開1ヶ月後にして、観ることができた。
 監督はナワニートという新人だが、制作が【6-5=2】(13)のスワルナラタ・プロダクションというのが話題だった。

【Karvva】 (2016 : Kannada)
物語・脚本・台詞・監督 : Navaneeth
出演 : Tilak Shekar, Anisha Ambrose, RJ Rohith, Vijay Chendur, Anu Poovamma, Poonam Singar, Devaraj, Narayana Swamy, Srinivas Prabhu, Mandeep Roy, Padmaja Rao, Nagendra Shah, K.S. Sridhar, 他
音楽 : Ravi Basrur
撮影 : Mohan
編集 : Venkatesh U.D.V.
制作 : Krishna Chaithanya (Swarnalatha Productions)

題名の意味 : 怨霊
映倫認証 : U/A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : スリラー/ホラー
公 開 日 : 5月27日(金)
上映時間 : 1時間48分

《 あらすじ 》(ネタバレ注意)
 ティラク(Tilak Shekar)は富裕な実業家ラグワルダン(Devaraj)の息子。ティラクはカジノに入れあげ、借金問題を抱えていた。彼には妹のアムルタ(Anisha Ambrose)がおり、結婚を間近に控えていた。しかしティラクはアムルタがその結婚を嫌がり、別の男と駆け落ちしようとしていることを察知する。アムルタの誕生日に父ラグワルダンは誕生プレゼントとして車を贈る。だがその車を運転中にアムルタは何者かに誘拐されてしまう。犯人はローヒト(RJ Rohith)、チャンドル(Vijay Chendur)、サンジャナ(Anu Poovamma)の三人組だった。彼らはラグワルダンに1億ルピーの身代金を要求する。
 ナーラーヤナ・スワーミ(Narayana Swamy)は某テレビ局のディレクター。ある日、彼の所にアマレーシュ(Srinivas Prabhu)という男がやって来、自分の所有する田舎の古屋敷を売却したいが、そこには幽霊が出るという噂があるので、調査してくれと依頼する。ナーラーヤナ・スワーミは幽霊屋敷と関連した廃屋を訪れ、1冊の本を見つける。
 アムルタ誘拐犯はラグワルダンが警察に通報したことを察知し、改めてティラクに身代金を持って来るよう指示する。ティラクは現金を車に載せ、指示された森へと向かう。ところが、誘拐犯のローヒトと対面するや、ティラクは彼と握手をする。実は、多額の借金問題を抱えていたティラクは、ローヒトら三人に依頼し、父から金を巻き上げるために妹誘拐事件を仕組んだのであった。だが、ひょんなことからこれがアムルタ自身にも知られてしまう。アムルタは激しく兄を責めるが、ティラクはアムルタの駆け落ち計画を父にばらすとゆすり、結局身代金をティラク、アムルタ、ローヒト、チャンドル、サンジャナで山分けすることで片が付く。
 ナーラーヤナ・スワーミらの取材チームは、心霊研究家(K.S. Sridhar)や僧侶ラーガワを連れて幽霊屋敷に入る。そして、心霊研究家の霊探知機が壊れるほどの怪奇現象を体験する。ラーガワはヴィジャヤーダシュミーの日に除霊を行うから、それまでは誰も屋敷に入らぬよう警告して、一同を去らせる。
 ティラク、アムルタ、それにローヒトらは現金を持って隠れ処を去ろうとするが、車のエンジンがかからなかったため、仕方なく隠れ処に戻る。しかし、その隠れ処というのが例の「入ってはいけない」と警告された幽霊屋敷だったのである。一同はこの屋敷の広間で本を見つける。そこにはかつてこの屋敷に住んでいたヴァイデーヒという女のことが書かれていた。
 ・・・
 ヴァイデーヒ(Poonam Singar)は「ムーラ」という不吉な星宿に生まれた女性だが、晴れてモーハンという男と結婚する。だが、彼女の凶運のせいか、単なる偶然か、モーハンの家に次々と不運な出来事が起き、ついにはモーハンの妹ジャヤの縁談までヴァイデーヒゆえに破談となってしまう。憤ったモーハンの母(Padmaja Rao)とおじ(Nagendra Shah)、それにジャヤは、モーハンのいない間にヴァイデーヒを殺害してしまう。だがヴァイデーヒの霊は家族を祟り殺し、それが今も屋敷に取り憑いているというわけだった。
 ・・・
 屋敷の真実を知ったティラクら五人は果たして怪奇現象を経験する。そしてローヒトがバスルームでアムルタの死体を見たと騒ぎ出す。現にアムルタはいなくなっていた。そこにヴァイデーヒの幽霊が現れ、四人を攻撃する。アムルタは再び姿を現すが、幽霊に襲撃されたローヒトは「アムルタにヴァイデーヒの霊が憑いている」と言って死んでしまう。ティラク、アムルタ、チャンドル、サンジャナは車(なぜかエンジンがかかる)に乗って、ほうほうの体で屋敷を後にする。
 3日後、ティラクはマンガルールへ旅立つアムルタを車で空港まで送る。しかしこの際に彼は、ひょんなことから幽霊屋敷の一件は実は罠だったのではないかとの疑念を抱く、、。

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★☆☆☆
◎ 物 語 : ★★★★☆
◎ 脚 本 : ★★★☆☆
・と、パート2に続く、、、とは聞いていたが、ここでバッサリ終わるというのもなぁ。いや、ここまででも十分楽しんだのでOKだが、【Vishwaroopam】(13)も【Baahubali】(15)も【Kendasampige】(15)も、続編が未だ来ないぞ。

・物語は2つの軸、サスペンス的な「アムルタ誘拐事件」とホラー的な「ヴァイデーヒの幽霊屋敷」が並行して進み、それが屋敷で1つになるという、面白いスクリプトだった。サスペンス・パートはヒネリの面白さがあるのだが、上のあらすじでは調子こいてほとんどネタをバラしてしまった。

・ホラー・パートはなかなかよくできていて、怖かった。インドのホラー映画を観て、インド的な発想に感心することはあっても、怖いと感じることはあまりない。しかし本作は怖かった、、、と言うより、勢いがあった。

・本作のナワニート監督は新人だが、上の導入で挙げた7作は、【Killing Veerappan】のRGV監督を除いて、新人か、まだベテランとは呼べない若い人ばかり。【Ugramm】(14)のプラシャーント・ニール監督もそうだが、経験が浅いながら、脚本的にも技術的にもかっこいい映画が作れる人材がちょこちょこ現れているところを見ると、やっぱりサンダルウッドは変わりつつあるようだ。

・題名の「Karvva」というのは、死んでも成仏できずに地上に留まっている魂のことらしく、「地縛霊」といったものかもしれない(上では「怨霊」とした)。アルファベット綴りでは「v」が2つ並んで奇妙だが、これは「w」のことで、発音は「カルワ」となる。

・怨霊になったヴァイデーヒは「ムーラ・ナクシャトラ」という星宿の下に生まれたという設定で、よく知らないが、占星術的には不吉な星らしい。物語中では家族に次々不幸が起き、挙句に殺されるという、身もふたもない描かれ様だった。生まれる確率からするとムーラの星の人も少なからずいるはずだが、本当にあんなふうなんだろうか。

・パート2ではティラクの反撃と、ヴァイデーヒの怨念、及びその調伏がテーマになると思われる。映画中にも「ヴィジャヤーダシュミーの日にお祓いをする」という台詞があるところを見ると、【Manichitrathazhu】(93)のような展開になるのか。しかし、そうあっさりと予想のつく映画になるとも思われず、ぜひともあっと驚くヒネリを期待したい。

◎ 配 役 : ★★★☆☆
◎ 演 技
・ティラク(ティラク役) ★★★☆☆
 【Ugramm】以降、もっと映画出演が増えるかと思いきや、そうでもないのが彼らしい。本作でも大活躍を期待したが、役回り的にやや受身な感じだった。パート2に期待したい。それにしても、この男のむっつりした表情は好きだな。

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・アニシャー・アンブローズ(アムルタ役) ★★★☆☆
 テレビCMにでも出てやがれ、といった感じの美人で、私的には苦手だが、こういうホラー系の作品にははまっていた。

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・RJローヒト(ローヒト役) ★★★☆☆
 全く知らない人だが、「RJ」とあるからには、本業はラジオジョッキーなのだろう。映画中ではベンガルールで一番のハッカーに「天才」と言わしめ、イケボで二枚目な線を演じていたが、こうやってスチルを見ると、普通の兄さんだなぁ。

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・ヴィジャイ・チェンドゥール(チャンドル役) ★★★☆☆
 私的にはこいつが本作の掘り出し物。どうも物まね芸人(声帯模写)のようで、アンバリーシュやシヴァラージクマール、ラヴィチャンドラン、デーヴァラージなどの物まねをやって笑いを取っていた。カンナダ映画通ならこれは笑える!

・プーナム・シンガー(ヴァイデーヒ役) ★★★☆☆
 出番は短かったが、非業の死を遂げたヴァイデーヒ役で、パート2を楽しみにしたい。
 (写真下: 本作のスチルではありません。)

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◎ BGM : ★★★☆☆
・ソングシーンはなかったわけではないが、なきに等しかった。【Ugramm】のラヴィ・バスルールがBGMを担当しているが、かなりうるさかったぞ!

◎ アクション : ★★★☆☆
◎ 美 術 : ★★★★☆
◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★★☆
◎ 特殊効果 : ★★★☆☆
◎ 編 集 : ★★★★☆

◎ その他(覚書)
・ロケに使われた古屋敷(映画中ではラージャ・バンガローと呼ばれていた)はこんなの。

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◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★★☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 6月26日(日),公開第5週目
・映画館 : Gopalan Cinemas (Arch Mall),12:15のショー
・満席率 : 8割
・場内沸き度 : ★★★★☆ (やはり笑いが!)
・備 考 : 英語字幕付き

 

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【Neerdose】 (Kannada)
 カンナダ女優のハリプリヤーはなぜか早くから、2009年の【Male Barali Manju Irali】辺りから「ハリピー」と呼んで注目してきたが、長い鳴かず飛ばず期を経て、【Ugramm】(14)、【Ricky】(16)と、やっと主演級女優の座を獲得してくれて、うれしい。 ...続きを見る
カーヴェリ川長治の南インド映画日記
2016/09/22 20:44

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
カーヴェリ川さま、こんにちは。ご無沙汰しております。
最近のインド映画はボリウッド系も含めてホラーがブームなのでしょうか。血も凍る映画で猛暑対策ということか…。
取り上げていらっしゃった【6-5=2】って、タイトル何処かで見たなぁと思っていたら、Niharica (Niharika) Raizadaってシュルティ・ハーサン似の美形の女優さんの出演でちょっと注目していたタイトルでした。ニハリカさんは今度【Warrior Savitri】というボリウッド映画に出るので、「おおこれは、武田梨奈とサシで勝負できるアクション女優がインドにも?!」と期待したら、スタントさん付きでした。単なるセクシー女優で残念です。
【Bahubali】ですが、タマンナさんの6月17日のfacebookで、馬に乗る練習をする写真が公開されていて、続編の製作もスタートするのかなぁ、と思ってます。Tシャツ姿で練習で馬に乗ってる動画が見たいなぁ…。ハッシュタグ #bahubhali で新作撮影の関連記事がツイートされてるらしいですが、読めません(泣)。それでは。
よっぴい
2016/06/29 18:08
お久しぶりです。
ホラーというのははっきりブームと言えるぐらい多いですね、近ごろは。

Niharicaのことは全く知りませんでした。【6-5=2】はヒンディー語リメイクのほうですね。チェックしてみましたが、【Warrior Savitri】は何らかの形で見てみたいですね。

タマちゃんのTシャツ乗馬姿の動画はFBにアップされていて、見ることができましたよ。萌えますけど。
 
カーヴェリ
2016/07/01 09:43
返信多謝です。いまちらっと某サイトを眺めてたら、「AKIRA」なるボリウッドのアクション映画も9月にロードショーなのですね。「AKIRA」って日本語?そして、ボリウッドは女優が主演のアクション映画に流行がシフトしちゃってるのかも、ですね。
タマンナさんの動画…普通、馬に乗ったら揺れるものが…期待通りでなかったですハイ。
よっぴい
2016/07/06 21:25
「AKIRA」はたぶんインドの言葉だと思います。ヒンディー語の意味は何だか忘れました。カンナダ映画でも先日「Akira」というのが公開され、それは主人公の名前(アキル・ラージャを縮めたもの)でした。ちなみに、テルグ・スター、パワン・カリヤーンの息子の名前もアキラらしいですが、あれは黒澤明から取ったとか聞いています(記憶曖昧)。

このヒンディー映画の「AKIRA」はタミル映画「Mouna Guru」のリメイクだそうですが、あれは主役が男でした。それをソーナクシーがやるんだと思います。面白そうですね。
カーヴェリ
2016/07/09 02:40
カーヴェリ川さま、こんにちは。先日はコメントありがとうございました。「AKIRA」は公式トレーラーの閲覧数が一千万回に達したとかで、今年の台風の眼になりそうですね。今一つストーリーが判りづらいですが。
ところで偶然「Two Contries」という映画のダンスシーンを見てて、Mamta Mohandas って女優さん美人でエエなぁ、と思って検索してみたら、思わぬ“relapse of the cancer”の文字が…。まだ31歳なのに!確かに俳優さんも多い分、そうした病気をカミングアウトしなければならない人も確率的には現れるのでしょうけれど、「美人薄命」にはならないで欲しいものです。
よっぴい
2016/07/26 17:05
マムター・モーハンダースは美人だし、スタイルもいいし、歌も上手いしで(しかし、ダンスはいまいちですが)、期待していたのですが、昇り調子になったころにガンになっちゃいました。残念なことです。喉頭ガンか何かだそうです。しかし、まだ亡くなったわけではないので、回復を望みたいところですね。
カーヴェリ
2016/07/27 12:36

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