カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Janatha Garage】 (Telugu)

<<   作成日時 : 2016/09/19 02:03   >>

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 なにせモーハンラールとNTRジュニアが共演、監督がコラターラ・シヴァ、ヒロインもサマンタとニティヤというのだから、南インド映画ファンにとっては何かと必見作となる。
 ラルさんはテルグ映画は先日公開されたチャンドラ・シェーカル・イェーレーティ監督の【Manamantha】に出演しており、好評だったようだ。見たかったなぁ。

【Janatha Garage】 (2016 : Telugu)
脚本・監督 : Koratala Siva
出演 : NTR Jr, Mohanlal, Samantha Ruth Prabhu, Nithya Menen, Saikumar, Sachin Khedekar, Unni Mukundan, Ajay, Suresh, Sithara, Rajiv Kanakala, Rahman, Devayani, Brahmaji, Vennela Kishore, Benarjee, Vijayakumar, Shravan, Ashish Vidyarthi, Vidisha Srivastava, Kajal Aggarwal(特別出演), 他
音楽 : Devi Sri Prasad
撮影 : Tirru
編集 : Kotagiri Venkateswara Rao
制作 : Naveen Yerneni, Y. Ravi Shankar, C.V. Mohan

題名の意味 : 民衆自動車修理工場
映倫認証 : U/A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : ドラマ
公 開 日 : 9月1日(木)
上映時間 : 2時間42分

《 あらすじ 》
 1980年代、サティヤム(Mohanlal)は義兄のシヴァ(Rahman)に誘われハイダラーバードにやって来、小さな自動車修理工場「ジャナター・ガレージ」を始める。これにはシャンカル(Brahmaji)やボース(Ajay)らも加わる。サティヤムの友人には実直な警官チャンドラ・シェーカル(Saikumar)がいた。正義心の強いサティヤムは、自動車の修理だけでなく、いつしか近隣の貧しい人々の悩みを聞き、力ずくででもその問題を解決する活動を始める。そのため、サティヤムとジャナター・ガレージは民衆から強い支持を得るようになる。しかし、その反動で恨みも買い、シヴァとその妻が敵に殺される。サティヤムは、まだ赤子のシヴァの息子アーナンドをムンバイに住む親類のスレーシュ(Suresh)に託す。
 時が経ち、スレーシュの許で成人したアーナンド(NTR Jr)は自然環境学を学ぶ大学生になっていた。自然を愛する彼は、環境破壊につながる行為を行う者に対しては、たとえ大物政治家であっても容赦しなかった。アーナンドはまたスレーシュの娘ブッジ(Samantha)と恋仲で、結婚も考えていた。そんな折に、アーナンドは交換研究プログラムでハイダラーバードの環境問題を調査することになる。
 一方ハイダラーバードでは、サティヤムとジャナター・ガレージは大臣も一目を置くほどの集団になっていた。不動産実業家のムケーシュ(Sachin Khedekar)はスラム開発の一大プロジェクトをサティヤムに阻まれた経緯があり、サティヤムを憎んでいた。サティヤムには野心家の息子ラーガワ(Unni Mukundan)がおり、何かと父に反抗していた。そして、こともあろうかムケーシュの娘(Vidisha Srivastava)に惚れてしまう。ムケーシュはラーガワを婿にするつもりで、彼に砕石現場の仕事を任せる。
 そんな時にアーナンドはハイダラーバードへやって来るが、彼はラーガワの監督する採石場が環境破壊につながると判断し、力ずくで閉鎖に追い込む。この出来事はサティヤムを刺激するが、サティヤムはアーナンドに会うなり彼に惚れ込み、ジャナター・ガレージに加わるよう促す、、。

・その他の登場人物 : チャンドラ・シェーカルの娘(Nithya),大ハイダラーバード都市公社の役人(Rajiv Kanakala)

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★★☆
◎ 物 語 : ★★☆☆☆
◎ 脚 本 : ★★☆☆☆
・コラターラ・シヴァ監督といえば、ヒット作【Srimanthudu】(15)を撮った監督だが、本ブログの鑑賞記を読み返してみたら、あまり気に入らなかったようで、「退屈な作品だった」、「庶民層をもアッパークラス教養層をも満足させようとした狙いは評価できるが、私的にはどっちつかずの映画に見えた」、「せっかく良い内容なのに、これをテルグ・アクション映画のフォーマットに埋め込んでしまったのが間違いだったのかな」と書いているが、この【Janatha Garage】についてもほぼ同じ感想を持った。全然面白くなかった。

・まず、作品の意図が分からない。コラターラ・シヴァ監督のことだから、社会的な問題をケアしたいのだと思うが、それがジャナター・ガレージのサティヤムがケアする「民衆」なのか、アーナンドがケアする「自然環境」なのか、はたまたこの2つの関係は?というのが分からなかった。サティヤムもアーナンドも物々しく台詞を述べていたが、何のために、何を根拠に、あのように力強く台詞が言えるのか分からなかった。

・アーナンドがムンバイの育ての親と恋人(ブッジ)を捨ててまでサティヤムに従うという動機も分からなかった。

・モーハンラールとNTRジュニアの相性は良く、本作の見どころ。しかし、ラルさんとジュニアが対立するということが一度もないので、この二人の葛藤、力強い渡り合いというのがなく、緊張感がない。それがタミル映画【Jilla】(14)と大きく違うところ。同作品のシヴァ(ラルさん演じる)とシャクティ(ヴィジャイ演じる)の対立は見応えがあった。

・すると、サティヤムとアーナンドの連合軍に対峙する強力な悪役陣を期待したいところだが、本作の悪役は輪をかけて情けなかった。悪役の二人(サチン・ケーデーカル演じるムケーシュとウンニ・ムクンダン演じるラーガワ)があれなら、何事かが起きるわけがない。

・ただ、「民衆」と「自然環境」の関係が分からないと書いたが、コラターラ・シヴァ監督は正しかなと思えないこともない。要は「民衆というのは自然なんだ」という発想だろう。無辜な民衆は無辜な自然と同じで、何らかの理由で自然から逸脱した人間(悪徳政治家/実業家など)が民衆と環境の破壊に動く、という発想なのかもしれない。ちょっと分かりにくい考え方だが、インドに暮らしていると、インドの庶民というのはわらわらと大地から生じてくる草木か小動物のように見えてくることがあり、上の発想も直感的に分からないこともない。

・面白くなかったと書いたが、ラストの15分はテルグ映画らしくて良かった。やっぱりこんな痛そうな武器も出てきたし。
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・タミル映画【Indian】(96)を想起させる「息子を殺してまで」という手厳しい正義心も好き。

・個人的にうれしかったのは、ディーパーワリの花火/爆竹の使用を批判していることだった。この健全なメッセージがあるおかげで、本作はブロックバスターになる資格がある。そう、ディーパーワリには花火/爆竹は使わず、静かにディーパを灯せ!

・もう一つ興味深いのは、インドでは今環境に対する配慮としてプラスチックの使用を制限する動きがあり、スーパーなどでもビニル袋をくれなくなった。それで本作でもビールを買うのはOKだが、買ったビール瓶を入れるビニル袋はダメという話になっていた。(個人的に、このプラスチック禁止は鬱陶しい。)

◎ 配 役 : ★★★★☆
◎ 演 技
・NTRジュニア(アーナンド役) ★★★☆☆
 申し分のないパフォーマンスだったが、上で書いたとおり、脚本のせいでキャラクターの意図が伝わらず、アイドリングしているようだった。私はそう思わなかったが、ファンに言わせると、これまでとは違ったNTRジュニアだったようだ。
 (写真下: イスラーム教徒の役だったわけではありません。)

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・モーハンラール(サティヤム役) ★★★☆☆
 ラルさんも演技的には素晴らしかったはずだが、なにせ台詞が吹き替えだったので、超違和感。それで3つ星止まり。
 (写真下: 機械油の匂い漂うラルさんもカッコいい。)

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・サマンタ(ブッジ役) ★★★☆☆
 特にコメントなし。

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・ニティヤ(チャンドラ・シェーカルの娘役) ★★★☆☆
 出番が少なすぎるぞ。こっちはニティヤ目当てで観に行ってんだから、カネ返せ!

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・サーイクマール(チャンドラ・シェーカル役) ★★★☆☆
 エレガントだった。

・上で悪役の2人、サチン・ケーデーカル(ムケーシュ役)とウンニ・ムクンダン(ラーガワ役)が情けなかったと書いたが、演技的に問題があったわけではない。
 (写真下: ラルさんとツーショットのウンニくん。)

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◎ 音 楽 : ★★★☆☆
◎ BGM : ★★★☆☆
◎ ダンス : ★★★☆☆
・音楽シーンの1つに、アーナンドたちがトレッキングに行くものがあるが、それに出てきた部族民の村が気にかかる。すごくきれいな所だった。
 (写真下: 女子二人はどう見てもトレッキングに行く恰好じゃないのだが。)

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◎ アクション : ★★★☆☆
◎ 美 術 : ★★★☆☆
◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★★☆
◎ 編 集 : ★★☆☆☆
・修理工場のセットが良かった。特に工場内に木が生えているのが良い。(インドでは木を切ることを嫌い、ビルや家を建てるときに木を切らないで残すことも多い。)

◆ 完成度 : ★★☆☆☆
◆ 満足度 : ★★☆☆☆
◆ 必見度 : ★★☆☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 9月10日(土),公開第2週目
・映画館 : Cinepolis (ETA Mall),10:20のショー
・満席率 : 7割
・場内沸き度 : ★★☆☆☆

 

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2016/10/05 21:02

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