カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Kodi】 (Tamil)

<<   作成日時 : 2016/11/08 20:49   >>

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 先日、タミル映画の【Visaranai】(16)がアカデミー外国映画賞へのインドからの公式エントリー作品になることが決まり、ファンの間で地味に盛り上がったが、同作品の監督がヴェトリマーランで、プロデューサーがダヌシュだった。このコンビからは秀作、ヒット作がよく出るが、今度はヴェトリマーランがプロデューサーで、ダヌシュが主演という映画が公開された。それがこの【Kodi】。

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 ポスターを見るとダヌシュの顔が2つ並んでいたので、何事かと思ったら、つまりは一人二役をやるということだった。意外なことに、ダヌシュにとって初の二役らしい。初と言えば、これまた意外なことだが、ダヌシュがトリシャーと共演するのも初らしい。

【Kodi】 (2016 : Tamil)
脚本・監督 : R.S. Durai Senthilkumar
出演 : Dhanush, Trisha Krishnan, Anupama Parameswaran, Saranya Ponvannan, Kaali Venkat, S.A. Chandrasekhar, Anil Murali, Karunas, Vijayakumar, Namo Narayana, Singamuthu, Swaminathan, 他
音楽 : Santhosh Narayanan
撮影 : Venkatesh S
編集 : Prakash Mabbu
制作 : Vetrimaaran, P. Madan

題名の意味 : 旗(主人公の名前でも)
映倫認証 : U
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : ポリティカル・スリラー
公 開 日 : 10月28日(金)
上映時間 : 2時間20分

《 あらすじ 》
 コインバトールに暮らすコディ(Dhanush)は政治家志望で、地元の野党政党で秘書をやっていた。彼の父ムルガン(Karunas)はかつて同じ政党で活動していたが、水銀化学工場の土壌水質汚染問題に抗して党がデモを起こした際に、焼身自殺をしていた。それで、母(Saranya Ponvannan)は息子が政治活動をするのを嫌がっていたが、コディは聞く耳を持たなかった。コディには双子の弟アンブ(Dhanush)がおり、こちらは大学講師で、思慮深い人物だった。
 コディには恋人のルドラ(Trisha)がいたが、彼女も政治家志望で、皮肉にもコディとはライバルの与党政党に属していた。
 玉子売りのマーラティ(Anupama Parameswaran)は、コディらに売り物の玉子を割られた件で家に押し掛け、弁償を要求する。その際の一連の出来事から、マーラティはアンブと親しくなる。マーラティには水銀汚染による病気で入院している従妹がいたが、ある日アンブを病院に連れて行き、病気に苦しむ子供たちの姿を見せる。
 アンブはこの問題をコディに知らせる。コディは水銀化学工場に関する書類を入手するが、生憎とそこには自分の党の大物がその企業から賄賂を受け取っていた事実も含まれていた。党のリーダー(S.A. Chandrasekhar)は口封じのために、コディを迫る州議会補欠選挙の公認候補者に仕立てる。一方、ルドラもライバル政党の公認候補者に指名されていた。
 恋人同士が選挙上の対立候補になるというきな臭い中、コディが森の中で暗殺されてしまう。ルドラはこれを機にアンブを抱き込もうと、大金を積んで彼を自分の党に引き入れようとする。アンブはそれを承諾するが、それには彼なりの意図があった、、。

・その他の登場人物 : バガト・シン(Kaali Venkat),州首相(Vijayakumar)

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★★☆
◎ 物 語 : ★★★☆☆
◎ 脚 本 : ★★★☆☆
・大雑把に言って、タミル映画は伝統的に政治ドラマに強いという印象があるが、これもなかなか見応えのあるポリティカル・スリラーだった。最近では【Madras】(14)に次ぐ政治ドラマの秀作だろう。

・主要登場人物の設定と配置がうまく機能している。兄のコディとその志を継ぐ弟のアンブが普通の兄弟でなく、双子だというのが良い。そのコディとアンブにそれぞれヒロイン(ルドラとマーラティ)が配されていて、退屈しない。また、コディの政敵を男とせず、女(しかもトリシャー演じる)にしたことはグッドアイデアだった。

・アクションもダンスもある娯楽仕立ての作品だが、コメディーは控えめ。娯楽的な脱線より、ストーリーをせっせと運ぶのに熱心で、むしろ地味な印象を受けた。

・それでも本作が面白く感じられたのは、一にも二にも、演技陣の芝居の良さだろう。二役のダヌシュは言うまでもなく、かなり怖い女政治家を演じたトリシャーが素晴らしい。先日紹介した【Kaashmora】(16)ではナヤンターラーが凄かったが、本作のトリシャーも負けてはいない。

・物語の舞台は大都市チェンナイではなく、コインバトールとポッラーチ辺りの田舎町だった。なぜこの地域を選んだのか、意図は知らないが、もしかして何か現実の出来事を反映しているのだろうか。

・それと関連して、あの地域で本当にあのような水銀化学工場の汚染問題があったのかどうかも気にかかる。

・タミルの地方都市の政治家って、こんなんなんだろうなぁ、と思わせるオヤジ顔が次々、怖いのからコミカルなのまで登場して、タミルテイストが満喫できた。

◎ 配 役 : ★★★★☆
◎ 演 技
・ダヌシュ(コディ/アンブ役) ★★★★☆
 得意のダンス、アクションの見せ場も娯楽映画らしく配されていたが、ドラマ性が勝っている映画のため、そこで弾けた印象はない。しかし、野心的な田舎青年政治家らしさは出ていたし、顔面の毛髪密度も「ツルツル」⇔「並」⇔「ぼうぼう」と、面白いように変化させていた。
 (写真下: この髭は天然かなぁ、、、いや、メイクだろう。)

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・トリシャー(ルドラ役) ★★★★☆
 ヒロインと思いきや、悪役だった。私的には【Padayappa】(99)のニーランバリに次ぐ「美しき因業女」。トリシャー・クリシュナンはラミャ・クリシュナンの後を追うか?

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・アヌパマ・パラメーシュワラン(マーラティ役) ★★★☆☆
 マラヤーラム映画【Premam】(15)が衝撃だったので(いや、髪だけですが)、注目していたが、通常のヒロイン的な役回りを担わされていたとはいえ、尻すぼみな展開だった。持って行きようによっては、タミル人の心をつかめた可能性もあっただけに、残念。

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・脇役陣では、カーリ・ウェンカトがコディの友人役で良い役回りだった。本作での彼を見る限り、やはり【Irudhi Suttru】(16)の「父親役」は間違いだったと思う。

◎ 音 楽 : ★★★★☆
◎ BGM : ★★★☆☆
◎ ダンス : ★★★☆☆
・サントーシュ・ナーラーヤンの歌はフレッシュな感じで良かった。昔のユワン・シャンカルラージャーを思わせる曲だった。

◎ アクション : ★★☆☆☆
◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★☆☆
◎ 編 集 : ★★★★☆

◎ その他(覚書)
・トリシャー演じるルドラは幼少の頃より頭が良く、弁の立つ少女で、政治集会でよくスピーチを任され、その体験が後に彼女をして政治的野心を抱かせるようになる、という設定だった。インドの選挙戦では、有権者の関心や同情を得るため、子供にスピーチをさせるということが普通に行われているらしいが、そういう形で子供を利用するのはいかがなものかと。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★★☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 11月5日(土),公開第2週目
・映画館 : Cinepolis (ETA Mall),13:05のショー
・満席率 : 6割
・場内沸き度 : ★★★☆☆

 

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
州境をまたいだケーララ側だとコカコーラ工場による水質汚染が有名ですね。多国籍企業が州政府に圧力かけて報道規制してたけど結局明るみに出て大問題になった事件。
メタ坊
2016/11/11 21:50
そういえば、そういう事件がありました。水銀に置き換えていますが、コカコーラ事件を念頭に置いているのかもしれませんね。
 
カーヴェリ
2016/11/13 00:44

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