カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Nataraja Service】 (Kannada)

<<   作成日時 : 2016/11/23 20:50   >>

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 コメディアンと言えば、昔はインド映画において花形だったが、近年目に見えて重要度が低くなっている。南インドでも、タミルやテルグでさえ、10年前に比べるとずいぶんコメディー・シーンの在り方が変わってしまった。ところが、カンナダ映画ではまだ健在で、下手な主演級俳優よりコメディアンのほうが人気が高く、登場シーンの指笛も高らかだったりする。
 そんな幸せなカンナダ・コメディー陣にあって、安定した人気を誇っているのがシャランで、彼は出演100本記念作品の【Rambo】(12)で主演を務めて以来、ジャッゲーシュのような主演級喜劇俳優の地位を確立したようである。数本ある彼の主演作品(私は【Victory】しか観ていないが)は、概ね興行成績も良いようである。

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 そのシャランの新作がこの【Nataraja Service】。監督が【Govindaya Namaha】(12)、【Googly】(13)、【Rana Vikrama】(15)でヒットを連発しているパワン・ウォデヤルということで、注目作の一つだった。

【Nataraja Service】 (2016 : Kannada)
物語・脚本・台詞・監督 : Pawan Wadeyar
出演 : Sharan, Mayuri, Rockline Venkatesh, C.M. Bala, Nagaraj Murthy, Mohan Juneja, Yathiraj, Sillilalli Anand, P. Ravi Shankar(特別出演), 他
音楽 : Anoop Seelin
撮影 : Arul K. Somasundaram
編集 : Suresh Armugam
制作 : N.S. Rajkumar

題名の意味 : ナタラージャのサービス
映倫認証 : U
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : コメディー
公 開 日 : 11月17日(木)
上映時間 : 1時間55分

《 あらすじ 》
 ナタラージャ(Sharan)はセコい泥棒で、牢獄と娑婆を行ったり来たりしていたが、彼が泥棒稼業から足を洗えないには理由があった。というのも、ナタラージャにとって牢獄こそが理想の住処で、牢獄に永住するのが夢だったからである。
 サハーナ(Mayuri)は不吉な星の下に生まれ、彼女にプロポーズする男性は必ず死に至る運命だった。それで、彼女は恋愛もできず、結果、恋愛を切望していた。
 ここに一人、サンジャイという男がサハーナにアタックをかける。サンジャイの父(C.M. Bala)はヤクザのボスだったが、サハーナを気に入り、結婚を認める。だが、サンジャイが彼女にプロポーズしようとした途端に事故に遭い、昏睡状態となる。サンジャイの父が占い師(Nagaraj Murthy)に伺いを立てたところ、サハーナの持つ不吉な力が息子の昏睡状態の原因だと分かる。父は部下に命じてサハーナの命を狙わせる。逃げるサハーナはたまたま停まっていた車に乗り込むが、それはある男が銀行強盗のために用意していた車だった。そうとは知らず、サハーナはその車で森まで運ばれるが、彼女の不吉な力により、銀行強盗の男は焼死してしまう。
 ナタラージャはチャイ屋に雇われていたが、店のお金を盗もうとしたため、店主に追い出される。彼はトラックの荷台に乗って移動するが、運転手に見つかり、森のそばで降ろされる。そして、森の中で車とサハーナと大金の入ったバッグを見つける。ナタラージャはサハーナから話を聞く。と、その時、警察がやって来、二人は拘束される。しかし、警察署に運ばれる途中でジープが転倒し、ナタラージャとサハーナは徒歩で逃げる。
 二人は町に出、民家に泊めてもらうことにする。しかしその民家はサンジャイの身内の家で、昏睡状態のサンジャイがいた。サハーナはこの家の連中に見つかり、ナタラージャと走って逃げる。だがそこに警察が現れ、二人は銀行強盗容疑で逮捕される。
 しかし、銀行強盗の捜査に当たっていた警官ウェンカテーシュ(Rockline Venkatesh)は、真犯人が森で焼死していることをつかんでいたため、ナタラージャとサハーナを釈放させる。サハーナはナタラージャの身を案じ、ここで別れようとするが、ナタラージャは彼女をイスラーム教の祈祷師(P. Ravi Shankar)の所へ連れて行き、お祓いを受けさせる。それはうまく行き、祈祷師はサハーナにどんな恋愛もできると告げる。それで、道中のあれやこれやでナタラージャを愛するようになっていたサハーナは彼に想いを打ち明ける。しかしその時、サンジャイの兄と父がやって来る、、。

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★☆☆
◎ 物 語 : ★★☆☆☆
◎ 脚 本 : ★★☆☆☆
・パワン・ウォデヤル監督は、デビュー当初は低予算で、登場人物も少なめ、台詞主体の小品コメディーを作っていたが、突然変異的に派手なアクション映画の【Rana Vikrama】を撮ったかと思うと、前作の【Jessie】(16)はホラーだった。で、今回はどう来るか楽しみだったが、やはりシャランのイメージに合わせた軽量コメディーだった。

・コメディーと言っても、デビュー作の【Govindaya Namaha】ほどの活きの良さはなく、失敗作だと言える。刑務所に永住したいと願う泥棒と不吉な星の下に生まれた女の珍道中という設定なら、もっと面白い物語ができてもよさそうだが。ストーリーと脚本に工夫がなく、台詞とシャランのコメディー・センスに寄り掛かった作品になってしまった。

・しかし、面白くないというけではなく、庶民層を集めて、結局それなりの興行成績は残しそう。

・それに、こういう軽い、薄っぺらい、安っぽいコメディーを観ると、心安らぐことだってある。

・題名の「Nataraja Service」というのがよく分からない。ナタラージャは主人公の名前だが、知られているのはシヴァ神の描かれ方の一つである「踊るシヴァ神」。ところが俗語的には、バスや車に乗ることができず、移動手段が徒歩しかない人のことをナタラージャと言うらしい。それからすると、「(車のサービスはないから)徒歩のサービスで行け」、つまり「歩いて行け」という意味か。分からないが、実際に本作のナタラージャはひたすら歩いていた。

・ちょっとビックリだったのは、銀行強盗に入った男が、現金獲得に成功し、喜びから酒を飲み、それがなくなると、車のタンクからガソリンを出して飲んでいたこと。よもやガソリンを酒代わりに飲むことはないと思うが、もしやインド人なら、、、と思えてしまうところが怖い。

・ナタラージャは監獄の環境の良さ(特に食事)に、監獄に暮らしたいがために泥棒を重ねるという設定だったが、こういう輩は現実にいる。実際、ベンガルールの中央刑務所はメシが美味いらしい。

・ヒロインのサハーナが自分のことを「ラッテ」と呼んでいたが、これは「不吉」という意味らしい。彼女に「I love you」と言う男がコブラに噛まれたりと、実にインド的だった。

◎ 配 役 : ★★★☆☆
◎ 演 技
・シャラン(ナタラージャ役) ★★★☆☆
 この人の軽さ、薄っぺらさ、安っぽさは良いなぁ。すでに42歳なのに、これほど若く見えるインド人というのも異例だ。

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・マユーリ(サハーナ役) ★★★☆☆
 映画デビュー作の【Krishna Leela】(15)で早速「神田まゆり」という日本名まで付けて注目してきたが、特にブレイクの兆しはなく、中途半端なアイドルに留まってくれているのがうれしい。ダビング・アーチストが付いたと思うが、口と声はかなり合っていなかった。

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・本作で最も目を引き、そして安心して見られるのがムスリムの祈祷師役のラヴィシャンカルだった。素晴らしい顔。

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◎ 音 楽 : ★★★☆☆
◎ ダンス : ★★☆☆☆
・1曲目のラヴィシャンカルが登場する"Allah Allah"はプニート・ラージクマールが歌っているらしいが、気が付かなかった。

◎ アクション : ★★☆☆☆
◎ 衣 装 : ★★☆☆☆
◎ 撮 影 : ★★☆☆☆
◎ 編 集 : ★★★☆☆

◎ その他(覚書)
・ナタラージャとサハーナが森の中を進む途中で部族民の村を通過するが、最近のカンナダ映画には少数部族民がよく登場するような気がする。

・映画の開始時に独自に「早く席につけ」というアナウンスがあった。やっぱり映画開始に遅れて来る観客は製作サイドにとっても歓迎できないということだな。

◆ 完成度 : ★★☆☆☆
◆ 満足度 : ★★☆☆☆
◆ 必見度 : ★★☆☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 11月20日(日),公開第1週目
・映画館 : Gopalan Cinemas (Arch Mall),14:40のショー
・満席率 : ほぼ満席
・場内沸き度 : ★★★☆☆

 

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