カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Mummy】 (Kannada)

<<   作成日時 : 2016/12/14 20:11   >>

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 インド映画界における「Priyanka」と言えばChopraさんが圧倒的に有名だが、私にとってPriyankaとは「Priyanka Upendra」、すなわちウペンドラの奥方のことになる。テルグ映画の【Raa】(01)を観てめちゃめちゃ好きになり、以来、【Kotigobba】(01)、【H2O】(02)、【Malla】(04)と順々に観て、愛を確かめた。ウペンドラと結婚して、二児の出産と、銀幕活動のほうは疎遠になってしまったのは残念だったが、【Pancharangi】(10)でカンナダ映画に復帰したときはすごくうれしかった。ちなみにご本人さんとはお会いしたことがあり、その時撮ったツーショット写真は恥ずかしくて、4年に1度ぐらいの頻度でしか見ないようにしている。

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 さて、それほど好きなプリヤンカなのに、あろうことか【Shrimathi】(11)を観たのが最後、最近の【Crazy Star】(14)と【Priyanka】(16)は観逃してしまった。この新作の【Mummy】はある程度プロモーションにも力を入れ、公開後の評判も好意的で、公開2週目になってしまったが、観ることができた。
 ホラー映画だが、監督はローヒト・Hという、まだ22歳の新人らしい。

【Mummy】 (2016 : Kannada)
脚本・監督 : Lohith H
出演 : Priyanka Upendra, Yuvina Parthavi, Golisoda Madhusudan, Aishwarya Shindogi, Vatsala Mohan, Sandeep, K.P. Sridhar, 他
音楽 : Ajaneesh Loknath
撮影 : H.C. Venu
編集 : C. Ravichandran
制作 : K. Ravikumar

題名の意味 : ママ
映倫認証 : A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : ホラー
公 開 日 : 12月2日(金)
上映時間 : 2時11分

《 あらすじ 》
 妊娠7ヶ月目のプリヤ(Priyanka)は、交通事故死した夫の夢を汲んで、ゴアの海辺の屋敷に母(Vatsala Mohan)、娘のクリヤ(Yuvina Parthavi)、妹のスネーハ(Aishwarya Shindogi)と引っ越して来る。クリヤは父を失い、友達もおらず、寂しい気持ちのうちにいた。そんなクリヤの誕生日に女の子の人形が贈られ、クリヤはそれを友達のように扱う。

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 だが、その頃からこの屋敷内で異常が現象が起き始める。その現象はどうやらクリヤと人形を巡って起きているようだった。プリヤや母、スネーハの身にも危険が及び、クリヤも塞ぎ込むようになる。クリヤを診察した精神科医は、しかし防犯カメラに映った映像から、この家族に何者かの霊が憑いていると推測する。医者は心霊研究家のジェームズ(K.P. Sridhar)を屋敷に派遣するが、ジェームズはあえなく死亡してしまい、プリヤも怪我をして入院する。
 次にこの屋敷に神父のモージス(Golisoda Madhusudan)が派遣される。屋敷内を調べたモージスはプリヤらに、クマーリという女の霊がクリヤを欲しており、それが異常現象の原因だと告げる、、。

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★☆☆
◎ 物 語 : ★★★☆☆
◎ 脚 本 : ★★☆☆☆
・南インド映画でも最近は出来の良い、あるいはユニークなコンセプトを持つホラーが時々登場し、面白い状況になってきているが、本作もなかなか良い線を行っている。インド・ホラーと言うよりは、外国の古典的なホラーの作りなのだが、ローヒト監督、22歳にしてはよく研究しているのが窺える。あっぱれだ。

・良い点は、たぶん外国ホラーの真似事をしている部分も多いだろうと思うが、視覚(カメラワーク、照明、編集)と聴覚(BGM)を上手く攻めていて、本当に怖い。これはマルチプレックスのスクリーンで観ないと、勿体ない。

・「怖い」という感覚は、人間の感性の弱点/死角が攻められたときに生じるものだと思う。本作の怖いという感覚の作り方は、見えない部分に対する恐怖といったもので、つまり人間は後ろが見えないので本能的に後ろに対する恐怖というのがあるはずだが、日常的にはそんなことは意識に上らない。しかし、一度「後ろに何かが、、」という恐怖心にとらわれてしまうと、とことん怖くなるといった、恐怖の煽り方が上手かった。

・クライマックスで用いられたテクニックも上手い。登場人物の家族の4人が、それぞれ他の家族のことを幽霊の化身ではないかと疑う場面で、ご当人たちは真剣に怖いはずだが、見ている観客は笑えてしまうという、恐怖と滑稽は紙一重といった感覚が面白かった。

・悪い点は、この種のホラー映画にしては2時間11分のラニングタイムは長すぎる。繰り返し的な場面が多かったように思う。

・インド的なオリジナリティーを出したかった気持ちは分かるが、外国ホラー風で攻めればいいものを、最後のほうでは黒魔術が出てきたりして、結局よくあるインド・ホラーになってしまったのが残念。

・最大の難点はクマーリのお化けをはっきり出しすぎたことだろう。せっかく上手く感性的に恐怖を作り出していたのに、最後は漫画になってしまった。

・小道具に使われた人形も、怖い感じの顔なのだが、それがいかにもで面白くない。もっと可愛らしい人形のほうが余計に恐怖感が増したと思う。


◎ 配 役 : ★★★☆☆
◎ 演 技
・プリヤンカ(プリヤ役) ★★★☆☆
 初めて【Raa】で観たときのプリヤンカはまだ20代前半だったが、そんな彼女もアラフォーで、二児の母かぁ。というわけで、6歳の娘を持つ妊娠7ヶ月の母親役というのは、ことさら感慨深い。良かった。
 (写真下: 映画中は実際にお腹が大きいように見えたが、妊娠しているはずがないので、やっぱり作り物なんだろうね。)

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・ユヴィナー・パールタヴィ(クリヤ役) ★★★☆☆
 子役としては上手いほうだろう。カンナダ映画界の、ほとんどデビューの子役だと思っていたら、ムンバイ出身で、すでに映画も10本ほど出ている子だった。
 (写真下: 本作のスチルではありません。)

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◎ BGM : ★★★★☆
・音楽はアジャニーシュ・ロークナートの担当。あまり聞かない名前だが、【Ulidavaru Kandante】(14)や【Rangi Taranga】(15)も担当しているということは、注目の音楽監督と見なしていいだろう。。

◎ 美 術 : ★★★☆☆
◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★★☆
◎ 特殊効果 : ★★★☆☆
◎ 編 集 : ★★★★☆
・H・C・ヴェーヌはそもそも腕の良い撮影監督だと思っていたが、本作の映像は今一段進歩していると感じた。

◎ その他(覚書)
・インド人はホラー映画を笑って観る、とよく言われるが、本作もそうで、怖かった分だけ笑い声も大きかった。よっぽど怖かったのか、隣に座っていた見知らぬお姉さんから抱き着かれそうになった。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★☆☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 12月11日(日),公開第2週目
・映画館 : Cinepolis (ETA Mall),13:10のショー
・満席率 : 8割
・場内沸き度 : ★★★★☆

 

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